3月29日は水曜だが、私はこの日は春休みなので採集に出かける予定だった。月曜の時点で 「水曜日は採集に行くんでしょ?一緒に行ってあげてもいいよ。」 という助手席の声はまさにこれを後押しするものだった。(^^ 朝6時に迎えに来てくれる約束で水曜の朝を迎えた。 んが、6時半助手席から「寝坊した」との電話。(^^; これから出てもちょうど渋滞にハマルし、いっそのこともっと遅く出かけようということになった。 こんな日は採集に出かけても成果が上がった試しがないのだが、この日に限ってそんな予感がしなかった。 そんなわけで、9時過ぎに出発し目的地の増富には昼過ぎの到着という重役出勤となった。久々の2人だけの採集行だ。 ちなみにこの日はデジカメも普通のカメラも持って行かなかったので画像はないことをはじめにお断りしておく。 さて、昨年暮れにつーさんと来て以来の増富だが、その時つーさんがホソツヤを割り出した周辺の材を 見て回ることにした。 ひとつ材を見つけ、さあ割ろうかと第1刀を入れようとしたところ 「いたっ!」 なぬっ?(^^; 助手席がもうコルリらしき幼虫を割り出している。(^^; 「はい、これ幼虫でしょ? え? あいあんはまだ出してないのぉ? そう、まだなんだぁ。(^^」 早くも勝ち誇り態勢だ。(^^; くやしいので頑張って材を割る。すると数分後幼虫がでた。(^^ 「ほら、俺だって出、、、」と言うが早いか、 「あ、成虫が出た。これコルリでしょ?」 にゃぬぅ?(^^; 自分がようやく幼虫を出したと思ったら、すでに成虫まで出していやがる。 緑色に輝く立派なトウカイコルリの♂だ。 知らない人が見たら「なんてプロな採集者だろう」と思うことだろう。(^^; すぐ私も近くに転がる材を掘り出し割ってみる。すると私もゲットだ。立て続けに1♂1♀で2頭をゲット。(^^ 「へへん、どうだい。」 と言おうとしたが、助手席は1度出してしまうとあまり執着心を見せずに別の材探しに行ってしまった。(^^; でもまあ、数では逆転だな、とひとり悦に入るあいあんだった。(^^; さて、その後粘るもなかなか採れない。午後2時過ぎ、シートを敷いてお昼にした。 今日は助手席の手作りの弁当だ。日射しも暖かくまるでピクニック気分だ。 知らない人が見たら「なんてほほえましい光景だろう」と思うことだろう。(^^; さて、昼食を終え少し沢を登ってみることにした。 少し上がったところで天候が急変。真っ黒な雲がアッという間に空を覆い雪がちらつき始めた。 助手席は「雪だ、雪だ」ときゃーきゃー喜んでいる。(^^; 雪がちらつく中、それでもブナの太い立ち枯れの、目線より少し上の部分でルリの産卵マークを見つけたので少し削ってみた。 案の定ルリ幼虫が3頭。 しかし、雪はすごくなるばかり。そのうちに吹雪状態になってしまった。私は晴れオトコのはずなんだが。(^^; さすがの私もこの吹雪の中ではこれ以上の採集は無理と判断し車に戻ろうとしたが、 かなり背伸びしながら、私のあとをさらに削った助手席は吹雪のなかルリ幼虫を2頭追加した。(^^; こんな吹雪の中で立ち枯れにしがみつきオノを叩く女。。。(^^; 知らない人が見たら「あれは雪オンナに違いない。」と思うことだろう。(^^; ルリ幼虫も確保したのでそろそろ帰ろうかと車まで戻ると、今度は今の吹雪がウソのように きれいな青空が再び戻って来た。なんだったんだ、今の吹雪は。(^^; これなら採集をまだ続けられる、と2人でまた材探しに沢に入った。 ツヤハダ狙いに切り替えた私のそばでまた助手席の声。 「でたー」 どれどれ、ん? お、おーーーっ。(@@ 「こ、こっ、これはホソツヤだぁ〜〜〜。」 増富の山奥にあいあんの叫び声が轟いた。(^^; 大興奮しているあいあんの横で助手席がさらにその美人木を削る。 「あっ、またいたよ。♀かな。」 ん? げっ、「今度はルリだ〜〜〜。」(@@ あいあんのホソツヤ興奮も醒めぬうちに立て続けに今度はルリ♀をゲットしている。なんて恐ろしいオンナだ。(^^; こうなりゃ恥も外聞もない。 「お、俺にも削らせろぉ〜〜。」 「また、すぐ人が見つけた木を横取りしようとするんだから。ぷんぷん。」 いつもなら次の材を探しに行く助手席だが、もう夕暮れも迫っているし まだまだ出るのは分かりきっていたので2人で材の削り合いとなってしまった。(^^; がしっ、がしっ、、、、カキーン、、、、がしっ、がしっ、、、カキーン。 同じ材の、しかも至近距離で削り合っているのでオノとオノがぶつかり、火花が飛び散っている。(^^; 知らない人が見たら「あんなところでチャンバラをやっているぞ」と思うことだろう。(^^; その後私もいくつか割り出したが3♂1♀はいずれもルリ。助手席はさらにホソツヤを1頭追加するも、 私はそのホソツヤが出ない。(;_; そうこうするうちに日没。またまたコールドゲームとなってしまった。(;_; 結果、コルリ、ルリ、ホソツヤともすべて助手席が先に割り出した。しかも私は最後までホソツヤを出せなかったのだ。 「なんでお前ばかりホソツヤが採れるんだぁ?」 「そりゃ、私は要らないからよ。」 即答だ。(^^; ところで、こんな採集記ばかり書いていると、ある程度フィクションと思われる方もいるかもしれないが、 絶対にそんなことはないのだ。いつも一緒に出かけているポンカンやあ〜道コンビに聞けば分かることだが。(^^; そんなわけで、今週末の茨城行は取り止めて、もう一度ここでリベンジする、という結論に達するまで 全然時間はかからなかった。 帰りの車中、たとえ助手席採集でもホソツヤが採れた喜びで顔の左半分が笑っている一方で、自分では採れなかったので 顔の右半分がこわばっているあいあんだった。(^^; 知らない人が見たら「なんて変なやつだ。」と思ったことだろう。(^^; |