ヒメオオクワガタの飼育下における累代(幼虫とり)成功例


まちかねBBS 群馬支部 うらら




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結果   10幼虫 1卵 でした。

 産卵木2本のうち1本には1頭もいませんでしたが、残りの1本からは2頭の幼虫と1卵を発見しました。
面白いことに、木片(8枚)すべてに幼虫がいた事です。1枚に1匹づつ溝を掘って食痕の中に潜って
いました。また、土中に幼虫はいませんでした。採卵した卵の状況から私は次の事を推測してみました。
(全くの想像です・・・)

 唯一の卵は、土と♀が産卵木を砕いた木片とを混ぜた粘土状の中に産み付けられており、その粘土
は産卵木の断面(平面部)に付着しておりました。♀はこの粘土を付着させやすい平面部を好むのでは
ないでしょうか?それで木片(平面部が多い)に産卵したのではなかろうかと・・・
(たった一例ではなんとも言えませんが・・・皆さんも是非木片仕様のセットにて結果報告して下さい)

 当初(H11.11.10)幼虫は菌糸カップ・マット・菌糸瓶カスの3セットに投入しましたが、ダントツで菌
糸カスに軍配が上がっています。特に劣化した菌糸(ブロック)の部分が好物らしく、囓り付いています。
H12.1.20現在、菌糸瓶とマットの幼虫は☆になってしまいましたが、菌糸カス幼虫は7gと10gまで
成長しています。このまますくすくと大きくなってくれると良いのですが・・・・・・・

 先日あいあんさんからのメールに「飼育困難と言われているヒメオオをなんとか一般種に持っていきたい」
との一文がありました。チャレンジって良いですよね!皆さんも色々工夫されている事と思います。是非とも
成功例、失敗例を報告されてはいかがでしょうか?そこから新たな何かがきっと見つけられると考えるので
すが・・・・・ ねっ、あいあんさん!

 はじめにも書きましたが「ヒメオオの生息地で何かヒントを見つけよう!」と意気込んで行ったところ、あまり
の大自然に「だめだこりゃ〜」っと見事に撃沈し(あたりまえ!)「私は材料だけ提供して、後はヒメオオ自身
に好きな環境を選んで造ってもらおう!」と言う心境になりセットした事も今回の結果に繋がったのでは?と
思っています。また、そのような心境になるチャンスを下さった「まちかね群馬支部」の仲間、あいあんさん、
ペアを譲って下さったタカさん、、、多くの方々に対して感謝の気持ちでいっぱいです。そして、良く観察し
てくれた息子達よありがとう!!


 また、本文中に、「匂いを嗅いでみたり」「触ってみたり」と書いてありますが、私にとって、それが全てでし
て・・・・・と言いますのも、ヒメオオと初めて出会った10年前と変わったのは、私が「クワ馬鹿に」なっていた
という事だけではなく、眼にハンデを持ち、現在は盲導犬(うらら)を使用する生活となった事です。

 私にとって(皆さんにとっても)物を見るということは

   「触って」見る
   「嗅いで」見る
   「聞いて」見る
   「味わって」見る
   「思い出して」見て・・・

そして「想像して」見る

なのではないでしょうか?「眼」で見ると言う事はその占める割合こそ大きいのですが、それが一手段にしか
過ぎないという事を再度確認して頂けたら、と思います。(クワ話とは関係無かったですね)

 こんな私に対して「群馬支部」のメンバーは「灯火採集出かけるぞ〜」「檜枝岐行くぞ〜」と、いつも快く誘
ってくれます。嬉しい限りです。
 博物館の標本(ガラスの向こう)の虫にいつも「あ〜触って見たい!」と指をくわえていたのは、つい1年前
の事です。これから色々なクワ・カブに触れて行こうと思っています。皆さんどうぞよろしくお願いします。
ご意見、ご質問、また「こんなクワ・カブも居るよ!」のメールお待ちしています。触ってみたいです。

 クワガタやカブトを通して、今まで目の前でガスっていた何かが消えて無くなった様な気がします。
クワガタ君、カブト君、ありがとう!!


koritoru@po.wind.ne.jp


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