ヒメオオクワガタの飼育下における累代(幼虫とり)成功例


まちかねBBS 群馬支部 うらら




 皆さんこんにちは!今回、ヒメオオクワガタの累代に成功することが出来ましたので、ご報告いたします。

 10年程前、場所は檜枝岐に近い奥只見でした。アカアシクワガタに混ざって、やたら脚の長いクワガタ
がおり、「なんだろう?」と思い調べたところ、これが「ヒメオオ」だったのです。それ以来、ご無沙汰していた
のですが、昨年の夏に思いがけず再会する事ができました。
 久しぶりの対面でしたが、あの脚長は少しも変わっていませんでした。10年前と変わっていたのは、私が
クワ馬鹿人生まっしぐら状態となっていた事です。「我が家でこいつを飼育して累代したい!」という衝動に
駆られてペアを分けていただきました。「幼虫採るの難しいよ!」とのアドバイスに更に累代挑戦への意欲
が燃え上がったのです。(脳味噌筋肉、体育会系なものでプレッシャー・困難、全然OK!)

 累代に先立ち、もう一度その生態、生活環境が知りたかった所にグッドタイミングで「まちかね群馬支部」
のメンバーと檜枝岐へ出かける事となりました。(1999秋号 特集・檜枝岐 まえだ@料理長報告 参照)
そして、あの有名な「広沢林道」へまっしぐら!車から降りたとたん、あたり一面「土の香り」が漂っており、
一度呼吸をすると下界の3倍は吸入効率の良さそうな空気に触れ、改めて大自然の凄さに感動しました。
と、浸っている間にメンバーが「いたいた!」とヒメオオペアを持ってきてくれました。♀を手に乗せ、まず
匂いを嗅いでみると、強烈な土の香りがします。触ってみると頭、前胸の部分は「つるつる」なのですが、
前羽の部分に土がこびり付いていました。「あっ!ミヤマと一緒だ」と思ったのと同時に「黒土」が連想され
たのです。と言いますのも昨年の夏、ミヤマの産卵床に「黒土」を使用し採卵したからです。採集したミヤ
マ♀の何頭かは前羽の部分に土がこびり付いて、まるでコブの様になっていたのです。それはカブト♀の
産卵後の姿と同様でした。私は「この類の♀は水分多めの腐葉土か土中に産卵するのだろうな」と想像
しておりましたので「羽の土」=「腐葉土or黒土」が連想されたのです。きっと土中でふんばってお尻をフ
リフリして産卵するのでしょうね。

帰宅してすぐにセット開始!  用意したものは・・・・・

ケース
Q−BOX 60
マット
黒土(ホームセンターにて購入の20Lビニール入りのもの)
産卵木
クヌギ(20cm×12cm×2本)
クヌギ木片(縦3〜4cm、横7〜9cm、厚さ1〜3cm×8枚)


セット方法は・・・・

1.ケースの底3〜5cmほど土を敷き産卵木を置き、その上に再度土を降りかけ産卵木を全部埋め、ケース
  の口いっぱいまで入れました。(成虫が這って餌を食べられる位の隙間をあける)
  また、産卵木の周りの土中に木片をばらまき埋めました。(たまたま産卵木が硬かったため砕いて入れた
  わけですが、それが思わぬ結果に・・・)

2.産卵木は1日水に浸けて2〜3時間ほど干したものです。また木片はこれを砕いて板状にしたものです。

    材の水分は多少多めにしました。山の土中は結構湿度に富んでいましたので。
    材質は柔らかめの材を使用しました。

3.黒土は袋から出したままで、加水しませんでした。

    指に付着させて乾燥させると「前羽の土コブ」状に固まったのが理由です。

4.ケースをバスタオルで包みました。

    適度な明るさ、保湿を意識したのですが、新聞紙等だと「ガサガサ」うるさいのと外見上の問題も・・・

5.温度は26〜29度(室温) 標高60m位

6.餌は樹液ゼリー&ドルクスゼリー(1回につき16g×4個投入)

7.投入したペアは2♂1♀

8.投入期間は2ヶ月(8月上旬〜10月17日)

    2ヶ月間に3回ほど餌交換をし、2回目の交換時に♀を確認出来ました。その際「羽どろ」状態でした。
    「よっしゃー」と子供達も大喜びです。2ヶ月後、ケースをひっくり返し土中に散乱した細かい木屑の中
    から産卵木を取り出して割り出し開始です。我が家では私が大きく材を割り、子供が細かく砕きながら
    幼虫を見つけております。子供は見つけるのが上手い!!


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