DTPと印刷業界について

2006年版からなんと16年ぶりにアップデート

ようやくアップデートすることができました。画像も古いし何とかせにゃ、と思いつつも手付かずが続きお恥ずかしい限り。これだけの年月経ってますし、当然のことながらDTP/印刷業界では色々な変化がありました。本来ならかなりの長文になるところですが(苦笑)、この業界をご存じない方に向けているため、専門的になりがちな点は省かせていただきます。

ようするにDTPとは何か

人と会うとたまに「そういえば何やってるんでしたっけ?」と聞かれることがありまして、専門職なのでおおまかに説明しても今ひとつピンと来ない感じですか。ようするに「何で何をしてる」という点がわかりにくいのでしょう。

   

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OSやVersionの事情でキーボード4台も(苦笑)。


僕は都内印刷会社のDTP制作部に勤務しています。
DTPとは「Desk Top Publishing」の略で、「パソコン上で印刷物のデザイン/レイアウト/組版などを行う」ことです。制作行程で使用する定番ソフトは以下3種になります。

1) アドビ インデザイン →頁物レイアウト
2) アドビ フォトショップ →画像加工
3) アドビ イラストレーター →図版作成・単頁物レイアウト

 

大きい方

 

この3つの製品を出しているAdobe(アドビ)という会社は、印刷分野に限らずウェブや動画のソフト開発で最も有名な業界最大手です。
ちなみにウインドウズでもワード、パワーポイント、エクセルなどでページレイアウトも可能ですが、これらは一般ユーザー向けのツールで厳密に印刷精度の点からオススメできません。


混沌としている印刷業界

印刷現場は1990年代まで職人気質の世界。いくつもの専門分野があり各工程に分れていましたが、現在ではソフトの知識さえあれば、大抵のモノが一人で出来てしまいます。とはいっても、作業効率的かつ品質的により良いモノをつくるには、知らなければならない事がたくさんあり、やはり肝心なのは経験値がどれだけあるかにかかっています。

   

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「その気があれば、一人でなんでもできる」というコンセプト自体は悪くないのですが、各工程間の境界線が曖昧になってしまい、作業的な混乱を招くことが多々あるのです。よくある例として次の3つがあげられます。

 

1) 印刷営業マンが、仕事を受注するためにソフトやハードの専門知識が必要になった。
2) 印刷デザイナーが、製版知識や使用ソフトの複雑な操作機能に振り回されるようになった。
3) DTP組版オペレーターが、デザインや製版知識を必要とされるようになった。

 

さらにソフトやハードが絶えずバージョンアップされ、知識的なギャップが生じることで人為的なトラブルが起きてしまいます。これらの事態はデジタルにかかわる限り避けられない問題として、印刷業界全体を悩ませています。[2022.04更新]

   

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