首の体操しまくる田舎者


 「10時30分発キャセイパシフィック521便御利用のお客様は6番ゲートにお進み下さい」とアナウンスあり。それ行けー!6番ゲートは一番先っぽ。ベンチに座ってテレビを見ても落ち着かず、大きなガラスの窓越しに、初めて飛行機を見るが如くあっちへちょろちょろこっちへちょろちょろ。
 10時過ぎ搭乗開始。綺麗なお姉さんに切符を半分切ってもらってトンネルをくぐる。飛行機の入り口でSW〔スチュワーデス〕に切符を見せて進路を教えてもらう。(まだ日本語)客席通路が二つあって左を後部へと進む。手癖の悪い僕は、途中マガジンラックに雑誌があったので、すかさず取ろうとすると「〜over there」その雑誌はファーストクラスのお客様用らしい。
 さて、僕の席はいったい何処だ?36のH。シートナンバーが何処に表示してあるのかさえ分からない。SWに切符を見せると、まだまだ後ろの方だと指差す。良く見るとみんな天井を見ている。あーあったあったシートナンバーが。36のHは4ブロック目の入口。念の為、またまたSWに切符を見せると、そこのウインドー側だと教えてくれた。さてとデイパを天井のバゲッジスペースに入れて座りかけると、澄まし顔のミドルレディーがやって来てすたすたと窓側に。「済みません」SWのボケ、Hは通路側じゃないか。とりあえず座ってシートベルトをガチャン。ふぅ〜これでひとまず安心。
 遅ればせながら僕が初めて乗る飛行機は、あのロッキード事件で世間を騒がせたキャセイパシフィックのオリジナルカラー、グリーンのトライスターである。 飛行機のエンジンはまだかかってなく振動は無いが、僕と同じおのぼりさんタイプの人が多いのか機内はガサガサと賑やか。シートの肘あて辺りのスイッチを珍しげに触りまくる。SWは忙しそうに新聞・ヘッドホーン・おしぼりとサービスに余念がない。
 飛行機は10時44分滑走路目指して動き出す。エンジンがゴーゴーうなって騒さい。さぁー加速。僕のサニーよりちょっと速いみたい。10時55分take offした感じ。急上昇、そして左旋回。時々スーッと落ちるような感じがして気持ち悪い。あれっSWのシートベルトは肩かけ式。向こうの方がお客さんより安全みたい。SWは客室中ごろのサービスブースの補助椅子に後ろ向きで座っている。あ〜ぁ良く考えると、後ろ向きではつんのめるからか。11時No smokingのサインが消えて水平飛行に入った。
 ピーナツ・コーラ・ランチメニュー配りとサービスが続く。さて、ベルトでも外してゆっくり寛ごうと思うが、ベルトの外し方が分からない。余りごそごそするのもみっともないので諦める。11時30分現在、縛られたまんま。雲の上には青空が広がって最高。山では味わえない爽快さを、鉄の塊という飛行機の窓から恨めしげに眺める。


<<トップページへ>>   <<もくじへ>>   <<次の章へ>>