■ SEVマーシャル889ドライビングランプの紹介 ■ |
絶版の「マーシャル889」、および模倣品(ニセモノ)を含む他バリエーションの紹介。
マーシャルブランドの補助灯を、3ページに分けて紹介しています。 ◎第一部 : SEV マーシャル880フォグランプ の紹介 & HID化の計画 → こちら ◎第二部 : SEV マーシャル889ドライビングランプ & 他バリエーションの紹介 → (このページ) ◎第三部 : SEV マーシャル850GT をバックアップランプとして装着するの巻 → こちら |
●2003-11-07 :
新製、●2003-11-08〜 : 校正、●2003-12-05 : 仮公開、
●2003-12-09 : 公開、●2004-03-22 : 第三部へのハイパーリンク追記
<画像1/ 左:
「889」 のイエローバージョン、 右: 「889」
のホワイトバージョン>
1.まえがき(その2) |
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・・・以下、第一部
: 「SEV マーシャル880フォグランプの紹介」
のまえがき(その1) からの続き。 (※各ページの 「まえがき」 部分は、連作 (3つでひとつ) になっています。) ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ Yahoo!オークション で、マーシャル補助灯の出品&落札動向をしばらく観察する。マーシャル補助灯の出品規模は、ランプカバーやステッカーなど関連商品を含めるとおおよそ20〜30件くらいで構成されている。もちろん出品数はその時々で変動するが、20余年を経た絶版である割には、現在でも比較的市場規模が保たれて売買が成立していることに驚ろかされる。 マーシャル補助灯の良品はすぐに買い手がついて落札されていく。良品であっても開始価格がべらぼうに暴利だと思われるもの、また低価格でも程度の良くないものは、いつまでたっても回転寿司状態で自動再出品の繰り返しとなっている。また、開始価格は低いが希望落札価格の高い物件が多いのも、マーシャル補助灯の特徴である。しばしば、多数の入札者間で低価格帯での攻防・せめぎ合いが行われている中で、いきなり高額の希望落札価格を入札して終了させ、いわゆる 「大人買い」 をして横からさらっていく者がいるため油断できないことも、こうした絶版物件をターゲットにする際の注意点であると見て取れる。中には、どんな新規入札者が現れても最後には必ず財力に物を言わせて(?)グイグイと押し切って落札していく、業者 (または転がし屋?) とおぼしき常連もいるほどである。 こうした状況下においては、常に新しい出品が無いかどうかの情報チェックと、状況に応じた素早い決断が要求される。私の場合、各種のレガシィ系のインターネット掲示板とともに、マーシャル補助灯のオークションページもWEBの定期巡回チェックに入れていた。そのため 「これはぜひ手に入れておきたい!」 という良品を、タイミング良くちょうど出品直後に発見できたので、すぐさま質問欄から問い合わせのメールを送ってみた。「大変すみませんが、△△円〜○○円くらいで即決していただくことは可能でしょうか?」 と。・・・そこには私のメールアドレスも併記してある。いわゆる 「裏取り引き」 である。 こちらから提示する金額のサジ加減が難しいが、あらかじめおおよその相場を把握していたので、出品者にとっては損が無く、自分にとっても納得できそうな金額を狙い、△△円〜○○円 と幅を持たせた尋ね方にしたのがポイントである。すぐに出品者から 「それでは○○円で (即決を) お願いします。」 との返答がやってきた。こちらからも丁寧にお礼のメールを送り、直接の取り引きが成立。開始からわずか1〜2時間しか経っていないうちに、そのオークションは終了となった。ちなみに、すでに他の入札者がいる場合は私が入札して最高位になった時点で早期終了してもらうことになるが、今回のようにまだ入札者が誰もいない場合は、オークション自体を取り消して (あとはDMでのやりとりとさせて) もらうことになる。 いずれにせよ、絶版モノの入札に際しては、どのような程度のものがどれくらいの価格で出品・落札されているのか、市場相場の事前把握も重要であるが、それと同様に素早い決断と行動も、成否のポイントになると思う。 |
2.SEV マーシャル889ドライビングランプ
について |
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このページで紹介する889シリーズは、比較的照射角の広いドライビングレンズカット仕様となっている。 889シリーズも880シリーズとボディサイズは同様 (共通) である。レンズ部の外径はφ180mm、厚みは最大突起部を含むと約 70mm (突起部を含まなければ約 60mm)。外径の割にはボディ (ハウジング) は非常に薄型で車輌への設置自由度が高いという美点を始め、バルブがH3型式であること、レンズ中央部が凸上に盛り上がっていること、そこに例の猫目のエンブレムが配置されていること、レンズを正立式から倒立式に組み替え可能なこと、また背面上部には共振防止用のターンバックル取り付け穴 (<画像2>参照) が設置されていること・・・など、一連の特徴も880シリーズとまったく同様である。 <画像2/ ブレ防止のためのターンバックル取り付け穴も標準装備。> 実はこの889ドライビングランプに関しては、<画像1>にもある通り、私は縁あってイエローレンズ版とホワイト (透明) レンズ版の両方を入手している。これは、私がマーシャルのコレクター・・・だからではなく、季節や路面状況に応じてイエローとホワイトを使い分けるつもりで用意したものだ。つまり、雪道や濃霧など天候や路面状況が悪い場合には遠近感や凹凸の把握性により優れると思われるイエローレンズを使用し、外灯の無い郊外の移動時など純粋に光量を稼ぎたい場合には、効率的により優れると思われるホワイトレンズを使用するつもりなのだ。 マーシャル800系においては、そのように用途や目的に応じて使い分けをしたい場合、わざわざランプ本体を丸ごと脱着・交換して車輌に装着し直す必要は無い。ベースとなるボディ (ハウジング) を車輌に設置したままで、単にレンズ部のみを組み替えるだけで良いのだ (<画像5>参照)。これは、ボディ (ハウジング) とレンズ部とが簡単に分解できるという旧式のシンプルな構造を逆手に取った利用方法である。いわば、設計年度の古さそのものが、現代においては逆に交換簡易性という美点に変身した例と言えるだろう。 <画像3/ 889シリーズのレンズはドライビングカット。左右方向への 次に、889ドライビングランプのレンズカットの特徴を<画像3>から読み取ってみる。 まずレンズの下側 約1/3の部分では、上下方向の縦カットが多く (比較的 密に) 入っていることから、稼働時には車輌に近い路面領域 (パンパー手前から数m先まで) における左右方向の広がりを持たせる意図があろう(☆注)。残りの上側 約2/3の部分・・・レンズ中央〜上部では、カットがなだらかな弧を描いていることから、左右方向の広がりを確保しつつ、上下方向 (路面では前後方向) の配光範囲拡大も狙っているのだろう。特に、レンズ頂部はカットが弱い (稜線の端部が低くカットレスに近い) ので、路面遠方へのピンポイント的な照射特性も合わせ持たせる意図があるようにも読み取れる。 (☆注:フォグランプを分解したり手元で点灯実験させるなどの経験を持った人なら
お分かりだと思うが、 889のレンズカットをさらに詳しく観察すると、レンズの左右両端にも明確にカットの弱い (カットレスに近い) 部分があることが判る。推測であるが、これは路面の照射範囲と非照射範囲の境目がボケてしまうようなことを避け、濃淡のくっきりとした配光特性 (レンズ中央では左右方向の広がり、レンズ両端では集中的な配光) を狙っているのではないだろうか。 <画像4/ 左:型式表示部。右:レンズカットはイエローもホワイトも同じ。> ところでマーシャルブランドが市場を席巻していた当時 (20〜30年前?) は、フロントバンパーの助手席側と運転席側とで配光特性の異なる補助灯を組み合わせて装着することが一般的だった。具体的には、助手席側にはフォグランプを、運転席側にはドライビングランプやスポットランプを配置するパターンが多かったように思う。これは、闇に紛れる路肩側へは広がりを、センターライン側へはより集中的な配光特性を得るための手段であった。 マーシャルの補助灯は、同一型番の左右2連装だけではなく、こうした 「フォグ+ドライビング」 や 「ドライビング+スポット」 などというような異型番の組み合わせにおいても、(当時としては) 総合的に優れた配光特性を得ることができたようである。 <画像5/ 左:ボディを分解した状態。右:付属ナットをステンナットに交換。> <画像6/ ユニットの背面にある、製造時期を表すと思われるステッカー。> <画像5>の右側に、首振り式角度調整ボルトに付属するナット類の構成を示す。まずボルトの右側にある、「台座+ワッシャ+ナット」 が当時物に付属するマーシャル純正固定具で、ボルトの左側にある 「平ワッシャ+ワッシャ+ナット」 が設置にあたって今回用意したステンナット類 (<画像5>の左側、上に写っている小袋を開封したもの) である。オリジナルのナットは表面にめっき処理されているが、耐候性を考えるとここはステンナットに換えておきたいところである。 レンズユニットを分解すると、ユニットの背面に製造ロット番号を示すと思われるステッカーが貼られていた(<画像6>)。これも、前ページで述べた
マーシャル880フォグカット
の場合と同様である。その選別ステッカーによると、「01/80」
とあることから、このマーシャル889は・・・おそらく・・・ではあるが、1980年1月に製造された?ものかも知れない。とすると、「63617582」
や 「63160003」
という数字は一体何であろうか。また、「1889/200」 や
「889/51/300」
という数字の意味も残念ながら不明であるが、これらの文字列の中には
「1889/200」 や 「889/51/300」
というように、”889”
が含まれていることから、最初の文字列は型番に関係する数字なのかも知れない。 |
3.SEV マーシャル889ドライビングランプの装着 |
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次に、マーシャル889ドライビングランプをBGレガシィに仮装着してみる。 仮装着の方法は、市販のアングル材を使ったものであり、前ページ (第一部) と同様である。が、今回はなぜか 「マーシャル+レガシィ」 という組み合わせに時代的なミスマッチ感が感じられなかった。私自身、マーシャルの姿に慣れてきたためであろうか? ・・・もしも、読者の中で検索サイトなどからこのページに直接来てしまった方々がいる場合には、「ミスマッチ感」 とは一体何を意味するのかを把握するため、 前ページ (第一部) の 第3章 もご覧いただきたいと思う。 <画像7/ BG型レガシィに仮装着された
「889」 ドライビングランプ。> <画像8/ マーシャル純正の樹脂製ランプカバーを装着したときの様子。> <画像8>に、マーシャルの純正オプションである専用ランプカバーを示す。 このランプカバーは樹脂製で、裏面 (背面) に装着用の開口部を持つ。その開口部はランプボディの最大径よりもほんの少しだけ狭くなって窪(くぼ)んでおり、また最下部には抜け落ち防止用の 「ツメ(突起)」 が設けられているので、挿入時にはややタイト感があるものの、一度装着してしまえば走行中にも容易には外れない構造となっている。要するに、装着にはカバー本体以外の補助道具を必要としないタイプのものである。 マーシャル純正ランプカバーは、製造中止となってからすでに20余年
(?)
が経過しているが、現代でも、こうしたカバーのレプリカ品
(模倣品) が流通しているほどである、と言えば、その希少性と人気のほどが理解できると思う
(→後述 : 第5章の後半を参照)。 |
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4.マーシャル補助灯のバリエーション |
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マーシャルの補助灯は、商品名であるシリーズ番号でその性格が分けられていることは、前ページ (第一部) で簡単に触れた。 ここでは、私がこれまでに確認できた型番とレンズカットの関係を、下表に具体的にまとめてみたので、参考にされたい。ただし、この表はあくまで私が個人的に把握しているだけのものであり、これが全てであるとか絶対的なものであるわけではないので、念のため。
上表によると、まずボディ形状には丸形と角形があり、それぞれにイエローレンズとホワイトレンズの仕様があったようだ。もちろん、レンズの材質は時代的にガラスレンズ (樹脂レンズでは無い) である。 まず丸形から述べると、700・709系は詳細不明 (一説によると、直径はφ200mm、厚さ約100mmらしい) であるが、良く知られたシリーズとしては 「81*系」 と 「88*系」、そして 「90*系」 が存在する。それぞれの違いはボディサイズの違いと言っても良いだろう ( 「81*系」 < 「88*系」 < 「90*系」 の順に大きくなる。それぞれ、外径で約130mm、180mm、200mmである)。また、3ケタの型番の末尾が0の場合は、レンズがフォグカット、末尾が9の場合はドライビングカット (またはロードカット)、そして末尾が2の場合はスポットカット (またはロードカット) になっていることが分かる。 次に角形を見ていこう。角形の場合はシリーズとして 「75*系」、「85*系」、「95*系」 が存在する。やはりボディサイズの違いによって型番が振り分けられているようだ ( 「75*系」 < 「85*系」 < 「95*系」 の順に大きくなる)。3ケタの型番の末尾が0の場合はレンズがフォグカット、末尾が9の場合はドライビングカット (またはロードカット) になるのは、丸形の場合と同様である。 以上より、マーシャル補助灯の場合、型番の規則性は以下のようになっているようである。
なお、レンズユニットが納められていた元箱(梱包)については、元々は だったようであるが、上表で角型フォグ750系の枠内の下・2つの画像で、いかにも現代的な
(時代を経たヨレヨレ感、くたびれ感の無い) シャキッとした青/白カラーの箱も存在していることから、これは個人的な考えであるが、上記(1)〜(3)は販売代理店がバレオの時代だった古いもので、上表の角750に見られる青/白カラーの箱は、販売代理店がFETに移った後に販売されたもの
(あるいは比較的新しい並行輸入もの?)
ではないか、と推定される
(注:あくまで筆者の推定であり、確証は無い)。 |
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5.マーシャルブランドの純正ランプカバーと模倣品(ニセモノ) |
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さて次に紹介するものは、マーシャル純正のランプカバーからである。模倣品を紹介する前に、まずは純正品から・・・というワケである。マーシャル純正の補助灯カバーには、大きく分けて次の3種類がある。
(A)樹脂製ハードカバー
・・・ 色は白、カバー単独での装着が可能 →
<画像8> 上記の(A)=樹脂製のハードカバーについては、前述の<画像8>、および第3章のバリエーション一覧表中の画像 (例:丸819、丸889、角850、角950など) を参考にしていただきたい。白地に黒のマーシャル猫とチェッカーフラッグがプリント印刷された、最も一般的な純正カバーである。以下、この章では上記(B)=樹脂製フロントエンドカバー、および(C)=ソフトカバーについて、具体的に画像を挙げて述べてみる。 <画像9/ マーシャル純正のフロントエンドカバー。ゴムひもで固定するタイプ。猫の目が最初から くり抜かれて、光が透過するようになっている。> ![]() ![]() <画像9>のフロントエンドカバーについては、レンズユニットの前面のみをカバーするタイプだ。つまり、ボディというよりもガラスレンズだけを覆うもので、装着にあたっては付属のゴムひもを必要とするタイプである。このカバーの特徴的なことは、マーシャル猫の ”目” の部分が、最初から標準状態で(!)くり抜かれていることである。これは、夜間、カバーを装着したままランプを点灯させると、くり抜かれた部分だけ光が透過し、その結果、「闇夜に猫の目が黄色く浮かび上がることになる」・・・という演出を狙ってのものである。 この 「(ライトのスイッチONで) 闇夜に猫の目を鋭く光らせる」 という行為は、当時のマーシャル純正カバーのユーザーの多くが実験し体験したことであろうと思われる。それは古き良き時代の光景であるが、そんな洒落(シャレ)っ気は、殺伐とした現代にこそ必要であると思うのは、私だけであろうか。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 次に紹介するのは、マーシャル純正のソフトカバーである。最大の特徴は、こちらも上記フロントエンドカバーと同様、猫の目の部分が最初から標準状態でくり抜かれていることである (画像からは、単にくり抜かれているだけでなく、その切り込み部分が裏側に織り込まれて補強された造りになっていることも分かる)。 <画像10/ マーシャル純正のソフトタイプカバー。やはり、猫目の部分が (B)=樹脂製フロントエンドカバー と (C)=ソフトカバー の両者に共通することとしては、材質こそ異なるが、どちらもカバー本体が黒色となっていることだろう。これは、猫の目の部分だけを光らせる (他の部分からの配光漏れが無いようにする) ためには、当然の仕様であろう。また、当時はバルブ光が黄色のものが多かったので、現実的にも 「黒色カバーに黄色の光」 は良くマッチしていたものと思われる。 ・・・とは言っても、果たして走行中にカバーを付けたままライトを点灯させるような人が、本当にいたかどうかは不明である。せいぜい、停車中に点灯させて、ひとりニヤニヤと自己満足に浸る人は数多くいたであろうとは想像されるのだが。・・・もしも、私自身が実際にこのようなカバーを持っていたなら、1〜2回くらいはそのように試してみたであろう (恥ずかしいのでそれ以上はしないであろう)。が、マーシャルの、こうした所有感を高揚させるような配慮 (実際に商品として 猫目の 穴あきランプカバー を市場にリリースさせた実績) に、ぜひとも拍手を送りたいものだ。お客様が満足するような商品造り (の精神) は、現代の工業製品の開発にも通用するのではないかと思っている。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ さぁ、お待たせしました。次に紹介するのは、マーシャルブランドの模倣品です。 (D)ニセ
ソフトカバー ・・・
ビニール製、色は白 → <画像11> まずは説明よりも、先にニセ ソフトカバーの画像(↓)からじっくりとご覧下さい。 <画像11/ 愉快なマーシャルランプカバーの模造品。こ、これは一体・・・?!> こ、こ、これ(↑)は一体何でしょうか(笑)? <画像12/ さぁ、模倣品(左)
と オリジナルデザイン(右) を較べてみよう! ははは、左の模造品(↑)は一体何でしょうか? オリジナルが直線基調の角張ったデザインであるのに対し、模倣品は丸みを帯びた猫というか、どう見てもこりゃ手抜きだろ・・・って感じになっています。しかし、手抜きにしては、オリジナルのエッセンス; ◎目玉がカメレオンアイになっていること など、押さえるべきポイントはしっかりと押さえられています (というか、そこが模倣品の模倣品たるべき特徴なんですが・・・)。もちろん、ブランド名を表す文字やロゴ類は入っていません。カバー自体の造りも、何だかコストダウンが見え見えで、細部を観察するにつけ、非常に面白い。一体、マーシャル補助灯が現役だった当時、この模倣品をあえて購入する者が、果たしていただろうか? いや、仮にも間違って買いそうになる者もいなかったのでは・・・? それとも、正規品は高価で買えないと考える人々のための ”プアマンズ・マーシャル” だったのか?! とは言え、コイツを単に一言で ”模倣品だ!” と言って切り捨ててしまうには、あまりにも惜しい ”何か” が感じられる。このマスクには何だか愛嬌・・・いや哀愁さえ感じられ、ニセモノとして葬り去るには、チト可哀想に思えてしまう・・・。 現代においては、こういった模倣品が当時の姿のままで残っていることは極めてまれであるので、もしかすると、逆にこうした模倣品こそ、本物よりも希少価値があると言えるかも知れない。いやマジで。このページをご覧になっている方々の中で、もしもこうした模倣品を得る機会に遭遇したマーシャルコレクターがいたならば、ぜひとも入手して、そのコレクションの中に加えてほしいものである。こうした模倣品は貴重な 「時代の生き証人」 だ。何と言っても、見ているだけで爆笑物の一品、かつ当時の時代を反映した悲哀物である。ぜひとも当時のそのままの状態で保存してもらいたいと思う。 え?オレ (筆者)
自身はどうかって? ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 最後に紹介するのは、樹脂製ハードカバー用・レプリカステッカーである。いや、正確に言うと単なるレプリカステッカーなのだが、コイツはちょうど樹脂製ハードカバーの正面に貼り付けるのに都合の良い大きさなのだ。聞くところによると、耐候性もあるという。なぜ耐候性があると判るのか? については、実はインターネットオークションにて、「マーシャル ”タイプ” カバー (注:決してマーシャルカバーとは表記されていない。その点では事実通りのタイトルである。)」 として出品されていた商品のQ&Aに、そう記載されていたのだ。 <画像13/ レプリカステッカーの例。樹脂製ランプカバー貼付用にピッタリ。> このレプリカステッカーについては、実は私はその存在を否定する気は無い。・・・というのも、たとえレプリカ品であれ、このような商品を現代において必要とする者は少なからずいると考えるからだ。 現代にその姿を残しているマーシャル純正のランプカバーは、非常に数が少なく入手困難な希少品であるから、本物が欲しくてもなかなか手に入らない。そのため、マーシャル補助灯を実際に使っているユーザーであっても、正規カバーの代わりに汎用ランプカバーなどをDIYで流用・改修し、その仕上げとして正面にこうしたレプリカステッカーを貼って代用させたいと考える者も、もしかするといるかも知れないのだ。あるいは、運良く正規純正カバーを持ってはいるが、例によってそのオリジナルのプリント塗装が運悪く剥がれてしまい、デザインを再現させるために仕方なくこうしたレプリカステッカーを貼って延命させようとする者も、いるかも知れない。 事実、私自身、マーシャル880フォグを入手した際、純正ランプカバーがなかなか手に入らないため、適当な大きさのプラスチック製の園芸皿 (本来はプランターの下に敷くためのもの) を1枚100円ほどでホームセンターで購入し、この皿を素材として改修・再塗装し、最後にこうしたレプリカステッカーを正面に貼ってフォグランプカバーに仕上げるという自作を、真剣に検討したほどである。ちなみに、フォグランプカバーのDIY制作は一般的にも行われており、たとえばレガシィGT−Bリミテッドに後付装着したフォグランプに合うよう、園芸用のプランター皿を改修・装着し、最後に 「STi (スバル・テクニカ・インターナショナル)」 のステッカーを正面に貼り付けてドレスアップする、という流用手法が流行った時期もあるほどである。 だから、正規品が入手困難である以上、こうしたレプリカステッカーを必要とする者はいると思うので、個人的にはそこに存在意義を認めてやりたいのだ。いや、認めざるを得ないのだ。・・・ただし、マーシャルの販権を持たない個人 (企業もか?) が、勝手に意匠登録済みと思われるデザインを複製コピーして、公に販売しても良いものなのかどうか、法的な解釈については疑問が残るのも事実ではある。・・・とは言え、製造中止から数十年が経ち、現在では販売代理店も消失(?)したような状況を省みると、案外、法的な問題はほとんど無いのかも?知れない。 以上、模倣品にもそれなりに価値がある?!のコーナーでした。 |
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6.まとめ
(あとがき) |
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このページでは、マーシャル889ドライビングランプの詳細について述べるとともに、その他のマーシャルブランドの補助灯バリエーション、純正ランプカバー、そして模倣品についても具体例を挙げて紹介してきた。その世界をじっくりと堪能していただけたであろうか? 製造中止から20〜30年(?)を経た現代においても、こうしてサイトの記事 (いわゆる ”コンテンツ” の対象) としてページを作成することができる工業製品は、分野を他に広げても非常に少ないのではないだろうか。これは、マーシャルという製品が、(当時から) それだけ多くの人々から愛され、深く印象付けられてきた結果と言えるだろう。 当サイトでも、すでに先行して公開している 第一部 : 「SEVマーシャル880フォグランプの紹介」 のページは、単に 「装着に至るまでの経緯・概要と今後のHID化の予定」 を紹介するにとどまるシンプルな内容のページであるにも関わらず、そのアクセスカウンタは現在も40件/1日ほどのペース(※)で上昇し続けている。これは驚異的なことだと思う。 (※)今後は上昇ペースが鈍るものと思われるが、これまでのところ、公開から (※)もしかすると、ページタイトルが
「SEVマーシャル880フォグランプの紹介」 と いずれにせよ、マーシャルの補助灯は、当時中学生であったクルマ好きの少年の心を深くとらえて離さなかった。その少年は、いつしかマーシャルのことなどすっかり忘れたまま、単なるクルマ好きの青年になった。その青年もいつしか大人に成長し、趣味のクルマ関係のサイトを開くまでになった。その大人は、ふとしたキッカケからマーシャル補助灯を入手する機会を得て、忘れていた少年時代の憧れを自分のレガシィに装着し、現代に復活させた。その際の関連記事を3ページ (今後の公開予定を含む) にまとめて自サイトに載せたところ、思いのほか反響が大きかった。・・・というワケだ。 実際、私は 「マーシャル」 のおかげで色々な ”人とのつながり” を実感した。とあるオークション出品者さんは、落札者である私に対し、親切にも貴重なマーシャル純正ステッカーをおまけとして同梱のうえ、発送してくれた。 別の出品者さんは、直接の手渡しによる取引のため私が指定場所まで出向いて行ったところ、かつてマーシャルを取り扱っていたことのある元・販売店さん (今は自動車販売&修理工場に変わっている) で、初対面であるにも関わらず夜遅くまでお互いの自動車談義に花を咲かせ、楽しいひとときを過ごさせてくれた。 また、私が書いた マーシャル880の紹介ページ をご覧になった方々の中には、マーシャルが流行っていた当時、リアルタイムで愛用されていたユーザーさんもおり、その後 「懐かしさのあまり、(ついつい) 書き込んでしまいました。」 と、掲示板に感想を伝えてくれました。 良い物・時代を駆け抜けた物は、時間を経ても なお 人を引きつける魅力を内包しているんですね。私自身も、大変非力ではありますが、自分の管理するサイトがDIY系自動車情報サイトとして (ほんの一部・一瞬でも) 読み手の印象に刻まれるような、そんなサイトやページを残していきたいと思っています・・・もちろん肩ひじ張らず、リラックスして、ムリせずマイペースでね。 ということで、今後ともよろしくお願いします>各位殿。 <2004-03-22
追記↓> <マーシャルブランドの補助灯の紹介シリーズ> |
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