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エアポンプ式・ランバーサポートをレカロに内蔵

〜 「こりゃ便利で ええわい。効果もバッチリ!」 の巻 〜
 
●2002-02-25:新製、 ●2002-03-05〜26:追記&仮校正(未完)、
●2002-04-13〜:PC修理見積もり復帰後制作再開、●2002-04-16:画像追加&追記

<参考画像/レカロSR−4の背面に内蔵させたエアポンプ式ランバーサポート>
膨らませたところ こんな感じ

1.まえがき
 

ホールド性の向上を目的として、シートをレガシィ純正からレカロに交換した経緯については、レカロSR−4を装着する のページにて述べた通りである。ここでは、さらに腰の部分のサポート性について述べてみたいと思う。

他のレカロSR系にも同様な機能が備わっていると思うが、SR−4モデルでは、シート背面の左右(ウェストサポートの部分)に切れ目が入っている。つまり、背面クッションとフレームの間に、ランバーサポート用のウレタンパッド(オプション扱い)が内蔵できるようになっているのだ。SR系の美点である。

・・・さて、このウレタンパッドは、使用者の体格に応じて挿入すべき厚みを換えることができることはもちろんであるが、使用者の体調や運転目的など、その時々の状況に応じて取り換えることも、もちろん可能である。だが、運転シーンそれぞれに合わせていちいちウレタンパッドを取り換えることは現実的ではないし、第一、追加パッドの価格自体が(私にとっては)非常に高価なものである。単にシートの腰部分を張り出させるためだけならば、何か適当な素材を代わりに見繕って挿入しても大して変わらないだろう。

今回ここで紹介するエアポンプ式ランバーサポートの存在を知ったのは、ちょうど程度の良いレカロSR−4を中古で探していたころである。一度シートに内蔵させると、そのときの体調や運転状況に応じて自由にサポート量(張り出し具合)を手元で調整できるであろうことが気に入って、購入に踏み切った。果たして見た目通りの効果が得られるのかどうか、あるいは何か不都合な点は無いのかどうか、順を追ってレポートする。このページが、皆さんにとって何らかの参考になれば幸いである。
 

2.実物を手にして(懸念点について)
 

エアポンプ式ランバーサポートは、画像から受ける印象ほどは大きくない。概略サイズは、縦 16.0cm × 横 29.5cm、エアを入れて膨らませた状態での最大厚みは、約 10.0cmである(エアを入れない状態での最小厚みは、約 0.8cmである)。シートの背面に内蔵されることを前提としているから、これくらいがちょうど良いサイズであると思われる。ちなみに、重量は全体で約 300g(概値)であった。

<画像1/左:梱包(箱)に書いてあったイラスト。右:箱から出したところ>
梱包 箱から出したところ

さて、私が実物を手にするまで一番心配していたのは、ランバーサポート本体の ”素材”、および本体とポンプチューブとの接合部分の ”造り” である。

■ランバーサポート本体の ”素材” について
実際に観察してみると、本体の正確な素材名は不明であるが、まぁ、水まくらのような一般的なゴム状素材の表面に布を貼り付けた構造となっている。また、シートバック・フレームと接する側には補強用の当て板 (プラスチック?下敷きのようなもの) も内蔵されていることが分かった。このゴム状素材の耐候温度が不明であるが、クルマの車内で使う限りにおいては、例えば北海道のような寒冷地でも極端に硬化して膨らまない (エアが入らない)、などの不具合は出ないと思われる・・・あくまで推定の域を出ないけれども。このランバーサポートを意図的に冷凍庫に入れて冷やすことによって、低温時の機能を試すことも出来るが、得られるであろう結果の割には労力とリスクが大きそうなので、さすがにここではやめておくことにする(爆)。ということで、耐候性については、翌冬、実家の北海道に帰省したときに低温環境での使用フィーリングをチェックしてみようと思う。

なお、上記<画像1>の右側にも示すように、本体表面に布が貼り付けられている理由は、恐らくは (シート背面に挿入されてフレームと接することになる使用状況から判断すると)、本体素材の損傷防止と強度アップを図ってのことだろう。布材の色が緑色の理由までは分からないが、緑色系の方が医療器具のようなイメージがあり、健康に関心の高い者や腰痛者にも違和感のない色だと思っている (使用中は目に見えない位置に来るのだが)。

■本体とポンプチューブとの接合部分の ”造り” について
次に、本体とチューブの接合部分の ”造り込み” についてである。ポンプでエアの給排出を長期間繰り返していくと、ズバリ、接合部の劣化によるエア漏れが懸念されるのではないか? という疑問が湧いてくる。果たしてこの部分は、これから先の使用状況に耐えられるような ”造り込み” がされているかどうか、実は私には少なからず不安が残っていた。・・・が、結論から言うとそれは杞憂であったように思う。<画像2>に該当部の拡大図を示す。

<画像2/「ランバーサポート本体 〜 チューブ」 の接合部分の ”造り”>
「本体〜チューブ」の接合部
内部を覗いて見たところ
(画像右側は、歯科用ピンセットで広げてみたところ。)

内側の本体から一体で成形されたニップル状の ”突き出し” があり、そこで外部チューブへと接続する構造を採っている。つまり、内部はシームレス構造であるように思われる。詳細に分解したわけではないのだが、少なくとも外側から観察する限りにおいては、しっかりとした造りになっているように見えるので、この時点で私の不安感は解消された。
  

3.シートに装着してみる
 

シートへの装着は簡単だ。背面のクッションとフレームとの間に、ゆっくりと挿入すれば良い。私の場合は運転席に装着するので、本体から出ているチューブが車両右側 (ドア側) に来るような向きで挿入した。挿入の際は、フレームの表面は多少凸凹な形状となっているので、ランバーサポートの端を引っかけないように注意すれば良い。その後、シートの左右中心軸に対して対象に配置されているかどうか、想定される腰位置に対する高さは適切かどうかなど、シートに対するランバーサポートの相対位置関係などをチェックすればOKである。

<画像3/装着は、シート背面とフレーム間にゆっくり挿入すればOK>
シートとの大きさ比較はこんな感じ 背面とフレームの間にゆっくり挿入

ここで、本体から出たチューブは、座面とサイドサポート (太ももの左右サポート壁) の間のスキマに挿入して見えないようにしている。トラブル (ズレたり、乗り降りの際に引っかけてしまうことなど) の防止目的であることは言うまでもない。なお、手動ポンプ部分については、現在は暫定的にシートの下(床)のジャマにならない場所に置いている。いずれ、スライドレールの固定ボルトに共締めできるような専用のブラケットを自作し、見栄えと実用性とを兼ね備えた手動ポンプ置き場を追加設置するつもりである。

<画像4/チューブの長さはこんな感じ。右は手動ポンプ部の拡大図>
引き回したときのチューブ長さの余裕具合
手動ポンプの拡大図。リリーフバルブを内蔵。

一度装着してしまえば、手動ポンプ部を見ない限り、ランバーサポートが内蔵されていると区別することは難しいだろう。逆に言うと、それほど違和感無くシート本体にフィットしていることになる。この、さり気なく機能が向上しているという感じは、なかなか良いと思っている。
 

4.試しに体感してみる
 

アシスト エアの調整方法は簡単。前節<画像4>の右側にもある通り、手動ポンプ(ワンウェイバルブのような逆止弁・・・チト大げさな表現だが・・・が内蔵されている)をシュッポンシュッポンと押していけば、+方向に膨らむ。元の状態に戻す場合は、手元のダイアルをクリクリッと回して緩めると、エアが少しずつ抜けていき −方向に縮む。ランバーサポートが所望するアシスト量に達したら、そこでバルブを締め込めば良いし、もちろん微調整も可能だ。

装着を終え、一通りの点検を済ませると、さあ早速体験だ。エアが入っていない初期状態から、10回、15回、20回・・・という具合に手動ポンプで加圧していく。「あれ? 大して変化が無いのかな?」 と思った瞬間、ググググ〜っと腰のあたりが盛り上がってきた。「おおおおぉ!」 誰にでもハッキリと分かるような変化が認められた。さらに加圧していく。「ぐおおおぉ!」 ・・・思った以上に、シートバックの腰の部分が前方にせり出てくるのが体感できたし、また実際にもそうなっている。 実はここでさらに加圧できる余裕があるのだが、腰がのけぞったような運転姿勢になるので、そのへんでやめておく。ここまでの印象は、次の通りである。

・ポンプの加圧量(手動ストローク回数)とランバーサポートの
 張り出し具合は、正比例的ではなく2次曲線的な関係に感じる。

 (手動ストローク回数が少ないうちは、ランバーサポートの張り出し量の
  変化率は小さく、反応が鈍感な印象。ところが手動ストローク総回数が
  多い領域では、一回あたりのストロークに対してランバーサポートの
  張り出し量の変化率が大きく、敏感な印象を持った。)

・ランバーサポートの張り出し具合の調整幅が予想以上に大きい。
 (薄めから厚めまで、調節可能な範囲が広く感じる。少なくとも、エアを
  さんざん入れたのにさっぱり張り出て来ない・・・なんてことは無い。
  また、空気を抜くことで、装着前とほぼ同等の状態に戻すことも可能。)

・サポートの張り出し具合の微調整も容易である。
 (ドライバーが他の人に入れ替わった場合はもちろん、同じドライバーで
  あってもその時の体調次第でアシスト量の微調整が簡単にできる。)
  

5.実際に使ってみて
 

自動車用パーツの中には、初期の印象とその後の印象が、まるで変わってしまうといった例もあると聞く(例:アーシング、イリジウムプラグ、燃費向上グッズなど)。前述したように、エアポンプ式ランバーサポートの お試し時のインプレッションは良好であった。では、実際に使用していったときの感想は、どうであろうか。

装着後にすべての運転シーン(※)を体験したわけではないが、現在までのところ、使用感は変わらず良好である。例えて言うなら、面圧が一ヶ所に集中したり偏ったりせず、水まくらのように必要に応じて(圧力が周辺部に)分散して流れて、腰部を全体としてまとめて包んでいるような印象を受ける。実際にはシートバックのクッションを介しているので少々大げさなように聞こえるかも知れないが、まぁ印象はそういった感じである。なお、消耗品ではないから、インプレッションが初期とその後で変わるといった恐れも (多分) 無いであろうと思う。

(※)市街地、高速、渋滞路、一般路、サーキット、などといった運転条件に加えて、
   春・夏・秋・冬、といった環境的な条件、あるいはドライバーの体調などの条件。

また、ある時点でベストなエアアシスト量に調整したつもりであっても、その後にしばらくクルマを使わずに過ごし、例えば2週間ぶりとか半月ぶりで乗ってみた場合などは、やはりベストと感じるエアアシスト量に微妙な違いが出ることも (頻度はごく少ないが) あることが分かった。そういう場合でも微調整が効くので、使用感は良好であると言える。
  

6.まとめ
 

今回の 「エアポンプ式・ランバーサポート」 について、私見をまとめると次のようになる。
 
■ 良い点:従来よりも機能アップした点 ■
運転時の状況や体調(またはドライバー交代)に合わせ、好みのアシスト量に調整できる。
アシスト量の調整範囲が広く、また手軽に調整できる。
エア式なので、体型に沿った形に変形(面圧分布が均一になろうと)する傾向がある。
■ 悪い点:改善が必要だと思われる点 ■
現時点(使用開始から約半年間経過)では特になし。
■ 要 確認点:今後 確認する予定のもの ■
冬季、室内雰囲気温度が極端に低下する状態での操作性確認。
長距離(500km以上とか)を連続的に走ったとき、疲労度が軽減されるか否かの確認。

状況に応じて適切に使えること、損傷しにくい (耐久性に優れる) と思われること、および (クルマを買い換えても) 長く使えるであろうこと、などを考え合わせると、エアポンプ式ランバーサポートはなかなか良い製品であると思う。買って良かったと思う一品である。運転時の腰痛低減ばかりでなく、適切な運転姿勢の保持に興味のある方は、採用を検討してみてはいかがだろうか。

なお、これは私個人の感想であるので、車両や体格など諸条件が異なる場合には、当然評価も異なってくるであろうことを (念のため) 最後に添えておく。
  

 
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