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■セダンB4-RSK用 青革シートを移植する■

BE型レガシィのセダンB4−RSKにオプション設定されている、
スペシャルレザーシート(青革)を BG型レガシィ にも移植して
みました〜! の巻。これで運転席は電動シートになります。

 
●1999-06-19:新製、 ●2001-11-09:更新、 ●2002-02-17:レイアウト変更、あとがき追記


【装着例】 移植後の様子です。なかなか似合っていると思いませんか?
フロントシートの全景セダンB4用のシートだい!
ロイヤルブルーマイカの外装色にもマッチ

1.BG用シートとBE用シートを比較する
 

BGレガシィGT−B(2代目ワゴン)とBEレガシィRSK(新世紀セダンB4)のシートを比較してみましょう。すると、ホントに 「うり二つ」 です。図1の画像をみていただくと良く分かるのですが、座面両端のサポートの張り出し具合と言い背もたれの形状と言い、ヘッドレスト収納部の 「マジンガーZ型」 形状と言い、はたまたシートバックポケットと言い、いやはやホントにそっくり、クリソツです。 同じ型から起こしたんじゃないか? と思うほど良く似ています(実は進化していることは、後述します)。

【図1】 シート&レールは互換性あり。ベルトのバックルは互換性なし。
BG用シートとBE用シートを比較する
背面から比較するベルトのバックルは互換性無し

これは多分、このシート形状はすでに完成域に達したものであり、グランドツアラー (スポーティさも加味されているのでしょう) としてのレガシィには、この形状がベストマッチしているのだという主張とも読み取ることができると思います。

さて、シート自体はまったくと言って良いほど似ていることが分かりました。では肝心のシートレールはどうか? と言うと、互換性があります。基本的には、そのままポン付けで装着可能です。ボクのクルマにも無加工で取り付けできましたが、車輌によっては、取り付け穴を多少拡大 (円形→楕円形) した方が よりスムーズに装着可能となるでしょう。ただし、シートベルトのバックル&タング(金具)形状は全然異なり、互換性はありません (金具が刺さりません)。よって、バックルのみ古いシートから新しいシートに移植する必要があります。
 

2.床のボルトをゆるめ、バックルも取り外す
 

さて、それでは作業工程を順に説明しましょう。まず、BGレガシィのフロントシートは前後左右の4ヶ所に、5本のボルトでフロアに固定されています。ボルトは14mmのBOX、または めがねレンチで取り外します。 その際、シートベルト警告灯用のハーネスが床からシートに向かって生えているので、このカプラーを事前に取り外します。

【図2】 BGレガシィのシートボルトの1本は再利用しない(できない)。
    シートを取り外す前に、フロアの配線コネクターを外しておく。

フロアのボルトをゆるめる
ボルトの1ヶ所は使わないことに。床のカプラーを抜いておくBGレガシィのベルトバックルを取り外す

ここで、取り外した5本のボルトのうち1本は再使用しません(できません)。なぜか? →それは、新しいBEレガシィのシートレール金具には4ヶ所しか穴がないからです。具体的には 運転席を例に挙げると、フロア中央後部( シートから見ると左後部 )にある2つのボルトのうち、前寄り ( 図2の画像でCR2位置のボルト ) を使わないことになります。新世紀レガシィでは、この部分にボルト穴が元々無いようで、したがってシートレールにも穴がないためです。

■ 注意点 ■
固定使用しないボルト穴( 図2のCR2位置 )は、フロアを貫通しています。
ボルトを取り外したままで放置すると、路面から雨水が浸入する恐れもあり
ますし、また騒音面(防音)からも好ましくありません。             
よって、新しいBEレガシィ用のシートを取り付けする前に、このフロアの穴に
   ボルトを単独でねじ込んでおくか、シール材などで密封しておくことが必要です。
 

3.シートベルトバックルの「首振り」機能
 

シートベルトバックルについても説明しておきましょう。私の2代目レガシィ(BG型)GT−Bには、シートベルトバックルに 「首振り」 機能 がついています。これは、背もたれを前傾させたときにバックルにぶつかりそうになっても、バックル自体がさらに前方に首を振って逃げてくれるので、両者が干渉しない・・・という機能です。したがってBGレガシィでは、運転席と助手席の(左右の)シートベルトバックルは部番も異なる別部品( L、Rの区別あり )になっているのです。 ただ、私の車両は後期型Bタイプですので、BG型レガシィのすべてがこのような機能を有しているのかどうかは、残念ながら確認できていません。

【図3】 新世紀レガシィには無い「首振り」機能が、BGレガシィにはある。
BGレガシィに標準のベルトバックル
バックル正立状態BG用は「首振り機能」付き背もたれを前傾した時に「首振り」する

新世紀レガシィ(BE型)のセダンRSKに備わっているバックルには、こういった機能はついていませんでした。単にまっすぐになっているだけです。図1の右側の画像を参照して下さい(上がBE用、下がBG用です)。新世紀レガシィ(BE型)用のバックルを見たところ、運転席用と助手席用(=左右)で区別が無さそうですから、こんなところでも部品共通化によるコストダウンが図られているように感じられます。

■ 注意点 ■
なお、BGレガシィのバックルを固定しているナットは16mmという、あまり
見たことがないサイズです(BEレガシィでは一般的な14mmサイズ)。  
このナットをまじめに外そうとすると、16mm対応の工具が必要になって 
しまいますが、私の場合、ちょうど16mmサイズのプラグレンチ(BOX)が
あったのでこれを利用して1発で取り外しが可能でした。へたにスパナで回
 そうとすると、トルクが大きいためナットの頭をなめてしまいます。ご注意を。
 

4.B4ーRSK用 スペシャルレザーシート
 

【図4】 シートの骨格が全然違う。実は見えない部分で進化している。
BGレガシィGT−B用→
こちらはBGレガシィ用エクセーヌシート(R)こちらはセダンRSK用スペシャルレザーシート←新世紀レガシィRSK用

さて、一見すると同じような型から起こしているんじゃないか?と思われるBG型の私のエクセーヌシートとBE型RSKのスペシャルレザーシートですが、実はシートを裏側から見るとその違いが一目で理解できます。図4に示すように、骨格がまるで異なるのです。もちろん左側が2代目のBG用、右側が新世紀レガシィBE用です。画像右側のシートは、シェル(専用基板)構造になっています。高剛性化を図りつつ軽量化も視野に入れているのでしょう。私はシートの表側よりも裏側の造りを見て、こりゃ高級シートなんだな! と感じました。

では、その重量はどれくらいに抑えられているのか興味がわいてきましたので、私のGT−B(オプションのエクセーヌシート)と、今回購入したセダンRSK用のスペシャルレザーシートを計量してみました。結果は次の通りです。

  運転席 助手席
新世紀レガシィ・セダンB4−RSK
スペシャルレザーシート(青色)
23.8kg 19.4kg
2代目BGレガシィワゴンGT−B
エクセーヌシート(Bタイプ)
21.0kg 18.2kg
 
重量差(「青革シート」 − 「BG純正シート」)
 
+2.8kg +1.2kg
※数値はシートレール込みの値です(調布市のKAZ調べ)。

骨格がシェル構造に変わり、表面がエクセーヌから青色レザーに変わっても、助手席の重量増は1.2kgです。運転席に至っては、さらにモーターを3個ほど追加しているにも関わらず、重量増は2.8kgです。 実際には駆動系のシャフトやギヤなども追加されていますから、増加量としては抑えられているのではないか、と思います。でも、とは言っても単体で20kg前後ですから、絶対値としては 「まだまだ重い」 のは事実ですね。個人的には、あと3割くらい軽量化すればモード燃費にも効いてくるような気がします。軽いことは良いことだ。でも強度・剛性は保って下さいね>メーカー殿。
 

5.電動シート用の配線を追加(自作)する
 

さて、私のレガシィGT−Bの純正シートは電動式ではありません(GTは電動式)。一方、今回移植しようとしている セダンRSK用のシートは電動式です。すなわち、アドオンハーネス( 電気配線の自作 )が必要なのです。図5では、赤丸印で囲った部分にモーターがあります。このモーターを駆動させるための配線は、 図5の黄色の四角印で囲った部分に集合されてコネクターとなっていました。

【図5】 モーターは見える部分に3ヶ所。アドオンハーネスは自作する。
RSK用スペシャルレザーシートのモーターなど

本来は、ここから先はB4−RSKの車両側へとつながるのですが、BG型レガシィには(電気配線図集で確認した結果)、このような配線はやっぱり備えられていません。マイナス電源(アース)側については、シートレール固定用のボルトに共締めして取るとして、ちょっとだけ考えたのはプラス電源(+12V)をどこから引っ張ってこようか? ということでした。エンジンをかけていない停止状態であっても、シートは可動でなければならないので、要するに常時電源から分岐させる必要があるのです。

結局、私はイグニッション系から分岐させました。使用したコードは1.25mm径で、やや太めのものを用意したつもりです。回路の途中に、念のため15Aのヒューズを入れることにしました。ノーマル配線には無いアドオンハーネスを追加するわけですし、エンジンOFFでも通電してしまうので、万が一に備えるための保険の意味です。
 

6.実際に使用してみての感想は・・・
 

さて、こうして比較的(というよりも非常に)簡単にスペシャルレザーシートへの交換を行ったわけですが、やはり追加配線をつなげて運転席に座り、おもむろにスライドスイッチをONにしたときの 「ウィイイイ〜ン」 と身体が動いていく瞬間は何とも感動の一瞬でした。フハハハハ。やったぞ、無段階に動くぞ! ・・・ってな感じでした(注:リクライニングは手動式です)。以下は、実際に使用してみての感想です。
 
<良かった点> ・高級感あふれる個性的演出
・運転席は電動シートで、スライドの微調整が効く
・元々のセダンB4−RSKでもオプション仕様扱い
 (→BGレガシィとの組合せはほぼ皆無で、希少性あり)
・ボディカラー(ロイヤルブルーマイカ)にもマッチ
・シートバックポケットもあり、実用性も備えている
<要・改善点> ・表面が、ややすべり気味(タイトコーナーで)
・取り付けてからしばらくは、ほのかな革の臭いがあった
 (→初めのうちだけでした・・・。)
・モーター内蔵で、「運転席下〜床」の空間がやや狭くなった
 (→携帯ポーチの置き場が無くなった(笑))
・仕方がないが、やや重くなった(+4.0kg)

【図6】 シートバックポケットも重宝しています。
シートバックポケットも便利に活用

作業内容(難易度)に多少の差はあっても、やはり自分で無事に作業を完了させて、自分の手で その改修効果を試すことができる瞬間は、幸せな感動で輝き出す瞬間です。ましてやそれが特別限定仕様であったり、世界でただ1台、自分だけの仕様であったとすれば・・・。私はこれからもDIY(自作加工)を続けることでしょう。さあ、あとはこのレザーシートに見合うような、MTのシフトブーツの製作とドア内張りの変更( カラー化 )がオレを待っている・・・。 いつか内装ももっと変えてやるぞ〜!
 

7.追記:青革シートの「その後」
 

2002-02-17:追記

2001年の末、レカロSR−4モデルを購入。本章で述べたスペシャルレザーシートと入れ替えることになった。スペシャルレザーシートはプレミアム性の高い限定カラーの革製シートであり、装着当時はオークションなど中古市場でもなかなか出品されることのない稀少品であった。BG型レガシィ (GT−B) へ移植すると、運転席はチルト&スライドが電動調整式となり、また私の場合はシートの青色がボディカラーの青色 (ロイヤルブルーマイカ) と良くマッチするなど、質感あふれるものであったと今でも思っている。

家族からの評判も良かったこの青革シートをレカロに換えた理由は、ズバリ、ホールド性の改善である。その購入動機や特徴、装着経緯など詳しい点については、専用ページ: 「レカロSR−4の装着」 があるので、そちらをご覧下さい。

・・・ちなみにこれは余談であるが、この青革シートはオークションに出品した後、無事に落札者の元に手渡しで引き取られていった。その際、初対面の落札者に購入理由を聞いてみたところ、「昔、どこかのホームページで、BGレガシィにこの青革シートを移植する・・・という詳しいレポートを見たことがあるんです。私もBGレガシィに乗っているので、いつかは同じようにしたいと考えていました。」と答えてくれた。さらに話しを詳しく聞いてみると、どうやらそのホームページとは私のサイトで、移植レポートとはズバリ、このページそのものだったようである(驚)。偶然とは言え、運命とは不思議なものだ。お互いに相手(落札者、出品者)とは初対面同士であったが、過去にサイトを通じて情報の発信・受信をしていたことになるのだから。

これからも私は、このサイトを通じて自分なりの視点による意見・考え・アイディア・その他 諸々(もろもろ)の情報を発信し続けていくつもりである。その過程で、今後もこのような 「初対面だけど初対面ではない」 ような未知の出会いがあるかも知れない。もし、このサイトの読者の方々にそのような機会が巡ってきた場合には、月並みな言葉ですが、よろしくお願いいたしますね。
 

 
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