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1.自動車の用途(法的な区分)について

普段、街で何気なく見ているクルマの中にも、色々な8ナンバー車が存在します。
このページでは、まず自動車の用途(法的な登録区分)から述べましょう。

   ●1999-04-28 : 新設、 ●2001-10-25 : デザイン&レイアウト他 変更

■ 自動車の用途(法的な区分)について ■
自動車の用途(法的な区分)については、その名もズバリ、「自動車の用途等の区分について(依命通達)」 という条文によって規定されています。この条文は昭和35年9月6日に初めて制定・施行されましたが、その後も、時代の変化に合わせて何度か改正され、今日までその効力を発揮し続けています。

この条文は昭和35年に制定されてから、私(KAZ)が確認できただけでも8回の改正を受けています。しかしこれはまだ少ない方でしょうね。他の条文には、ほとんど毎年何らかの見直しが行われているものもあります。 改正の内容としては、例えば元々の条文には無かった項目が追加されることもありますし、「〜自動車」 を 「〜自動車等」というように表記上から変更されることもあります。

それではこの 「自動車の用途等の区分について(依命通達)」 という条文について、詳しく見てみましょう。特殊用途自動車(8ナンバー)に関係のある部分を抜粋します。


『自動車の用途等の区分について(依命通達)』

自車第452号(昭和35.9.6)→自技第256号(平成7.12.28)
(※改正履歴の詳細については省略します)

1.乗用自動車等    (※省略します)
2.乗合自動車等   
(※省略します)
3.貨物自動車等   
(※省略します)
4.特種用途自動車等 (下記参照)
5.建設機械      
(※省略します)

4−1 特種用途自動車とは、主たる使用目的が特種である自動車であって、
    その目的遂行に必要な構造、装置を備える次に掲げるようなものをいう。

緊急自動車、道路維持作業用自動車(注1)、医療防疫用自動車、寝台自動車、
放送宣伝用自動車(注2)、霊柩自動車、冷蔵冷凍自動車、護送自動車、タンク 
自動車、散水自動車、工作自動車、架線修理自動車、起重機自動車、移動郵便
自動車、移動無線車、ふん尿自動車、路上試験用自動車及び教習用自動車(注
3)、キャンピング自動車(注4)、クレーン用台車(注5)等。             

4−2 特種用途自動車を次のように分類するものとする。

イ 特殊用途自動車   ----- ロ 以外の特種用途自動車等をいう。
ロ 貸渡特種用途自動車 -- 運送法施行規則第52条の規定により
                  許可を受けた特殊用途自動車をいう。

(注1):道路維持作業用自動車
     ダンプ型、普通荷台型等のものは特種用途自動車として扱わない。
(注2):放送宣伝用自動車
     別途定める構造上の要件を備えているものをいう。
(注3):路上試験用自動車及び教習用自動車
     (別記の専用ページをご覧下さい。)
(注4):キャンピング自動車
     別途定める構造上の要件を備えているものをいう。
(注5):クレーン用台車
     (別記の専用ページをご覧下さい。)
 

■ 用途について(私的に)考える ■
以上が「自動車の用途等の区分について(依命通達)」という条文の中身です。これを読むと、自動車というのは 「1.乗用自動車等」、「2.乗合自動車等」、「3.貨物自動車等」、「4.特種用途自動車等」、「5.建設機械」に大別されることが分かります。

したがって、厳密な解釈をすれば、「乗用車ベースの特種用途自動車」 というのは存在しますが、「乗用自動車の特種用途自動車」 は存在しないことになるんですね。たとえが悪くて恐縮ですが、「男っぽい女のコ」 は存在しても 「男である女のコ」 は存在しないのと同様です。・・・あ、遺伝子的に、ですよ。切り取っちゃってオンナになっちゃった元・オトコという方々はいらっしゃいますからね。何だか余計なことを書いてしまったかな? ううう、やっぱりクルマを男女にたとえるんじゃなかった・・・。

(気を取り直して) ところで、上記の特種用途の中には、今となっては「?」というものもありますね。例えば 「ふん尿自動車」 なんかがその例です。簡単に言えば、「バキュームカー」 のことだと思うのですが、都市部はもちろん田舎に行っても下水道化率≒90%以上(?)を誇ると言われる今日では、その姿はほとんど見かける事ができなくなりました。このHPの読者でも年齢30代以上(推定)の方々でしたら、多分、子供の頃には見かけたことがあるように思うのですが、いかがでしょうか。


さて、ここで特種用途自動車の用途を分類してみると、次のようになります。これを見ると、そのほとんどが公共的なものか、個人でも商業的なもので占められていることが再認識できます。個人の趣味を用途とする自動車は、少数派に見えてしまいます。やはり日本のような狭い島国では、欧州のように丸1ヶ月以上、キャンピングトレーラーをトーイング(牽引)しながらリゾートでバカンスをエンジョイする・・・といった自動車文化は育たないのでしょうか。

・救急活動や介護活動、あるいは緊急を要する活動を用途とする自動車
・公共物の修理、点検などのメンテナンス活動を用途とする自動車
・公共活動、商業活動、冠婚葬祭を用途とする自動車
・運転免許取得を用途とする自動車
・個人の趣味を用途とする自動車
・その他

実際には、そんな島国日本でも、一部のキャンピングカーフリークによってキャンピングカー人気が支えられています。私は先日、RV&キャンピングカーショー(晴海で開催)に行ってきましたが、架装メーカーによる改造モデルはもちろんのこと、自動車メーカーが自らラインアップ追加したキャンピング仕様車や、系列ディーラーが独自にキャンピングキットを組んで新車販売したモデルがあったりと、実に様々で魅力的な 「特種用途」の自動車が展示されていました。

小型・軽量かつ操縦性のクイックなクルマに乗り、峠でブイブイいわせながら走ることも楽しいかも知れませんが、キャンピングカーで家族そろって渓流に出かけてバーベキュー、なんて楽しみ方も、贅沢な時間の過ごし方になってくるかも知れませんね。キャンピングカー以外にも、個人の趣味を反映した 「特種用途」 な自動車が、今後はますます増えていっても良いのではないか・・・ と感じている今日この頃の私です。まぁ、登録区分にはこだわらなくても、クルマを楽しみながら使うことは十分可能なのですが・・・。

それでは次のページでは、特種用途自動車の用途と車体形状について、もっと詳しく述べてみます。 前述の条文4−1項 には、特種用途自動車の主な用途が取り上げられていますが、この条文の基本骨格は昭和35年に制定されたものですから、今日ではここには例示されていない、実に様々な 「特種用途」 が存在しています。それらの具体的な用途やボディ形状については、次のページで紹介することにします。続けてご覧下さい。
 

 
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