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2000年9月11日(月)〜12日(火)
フランス旅行記 その1

9月の11日から8日間の予定でフランスへ。
といっても、マニアがよく行く「産地めぐり」ではなく、 いわゆるパックツアー。
個人的にはボルドーかブルゴーニュあたりをじっくりと回りたい気持ちはもちろんあるのだけど、 「前世はベルサイユの住人だった」と言ってはばからないカミサンの嗜好をも満足させられなければならない、ということで探してみたら、あった、ありました、ぴったりのツアーが。
日本旅行の8日間のツアーで、その名も「銘醸地ボルドーとロワールの古城を巡る8日間」。(^^;
旅程的には最初の二日間がボルドー滞在、その後ロワールのシャトーホテルに泊まって古城めぐりをしたあと、モンサンミッシェルに立ち寄って最後はパリというコース。
ボルドーではもっぱらワイン購入、ロワールでは地元のワイン三昧、パリでは美食とまたまたワイン購入 とワイン三昧の日々をもくろんでいるが、果たして思惑通り行きますやら‥。

←空港にもボトルのフィギュアが。

 

さて、行きの飛行機はエアフランス。
機体はムチャクチャボロで、これでフランスまで飛んでいけるのかという代物。
飛行機のあたりはずれは大きいなあと思い知らされる。席は狭いし、オーディオは接触悪いし、おまけにモニタが自分の席の真上だったので、映画の間中首をあげてなくてはならず、まるで、システィナ礼拝堂の天井を描いているミケランジェロのようだった。
ただ、機内食はわりと美味しく、ワインは「Vin de Pay d'Oc」の赤白とあともう一〜二種類あった。私は飲まなかったが、飲んだカミサン曰く、「薄くてマズイ。」

パリでトランジットのあと、ボルドーまで1時間ちょっとの予定が、フライトが1時間半遅れて、ホテルについたのは夜10時過ぎ。ああ疲れた…。

翌日は朝からサンテミリオン村へ。中世の景観がそのまま残ったような美しい街並みは世界遺産にも認定されている。
ワインの本やテキストに出てくるガロンヌ河。こんなに河幅が広いとは思わなかった。水深は5〜8m。潮のミチ引きの影響でいつもにごっているそうだ。
収穫を1〜2週間後に控え、ブドウの実はたわわに実っていた。2000年の天候は今のところ良好、このまま雨が降らなければビッグビンテージになりそうとのこと。ただし、上の写真を見ても判るとおり、この日はあいにくの雨模様。生産者たちはさぞ心配なことだろう。
村の中心部には観光用に「ミニトレイン」なる乗り物があって、村内を一周してくれる。これが意外と器用に、畑の畝道のようなところを縫うように走る。
一周するといろいろなシャトーを見れるのでおすすめだ。ただし、揺れるので、写真撮影はシンドイ。ちなみに左の畑はCh.オーゾンヌ。

<ミニトレインのルート図>
この後、Ch.ボーセジュールベコを見学したのだけど、紙面の都合で、先に昼飯時のワインを。地元のレストランということで、豊富なワインリストを期待したが、カジュアルなレストランだったせいか、あんまりワインリストは充実していない。リストの中ではこの85スタールがもっとも面白そうだったので注文してみた。ちなみにCh.スタールは過去にシノワで86を飲んだことがあって結構好印象だった銘柄。
銘柄 Ch.スタール85
産地 仏>ボルドー>サンテミリオン・グランクリュクラッセ
場所
サンテミリオンのレストランにて 価格 400FF(約6000円)
感想

豪快な子羊の胸腺肉料理と一緒に。
色は縁オレンジがかった濃いガーネットで、中心部は黒味がかかっている。香りはトップノーズに濃縮されたカシスリキュールのような果実味を感じ、東洋系のスパイスや黒い土のような香りなど、熟成したスパイシーな雰囲気。しばらくするとドライフラワやドライフルーツなどの乾いた香りに変化し、腐葉土やヨードの香りが目立つようになる。味わいはアタックから豊かなどんよりしたタンニンを感じ、果実味は旨み系の味わいで、後半に酸がしっかりと広がる。濃くてパワフルなワインだが、やや輪郭がクリアでないというか、ドヨンとした味わい。地元のワインにしてはあんまり保存がよくないのか、実際のビンテージよりも熟成感があり、時間とともに酸が強くなりジュクジュクになってしまった。85年がレストラン価格で6000円というのは嬉しくなるが、味わいのほうは、やや期待はずれ。【76点】