2002年9月22日(土)

2002/9/21 Burgandy Night 17
久しぶりにF木師匠のバーガンディナイトに参加。記録を紐解いてみると、第11回のコント・ラフォン以来だから、ほんとに久しぶりだ。今回のルーミエはリュシュット・シャンベルタンの垂直がメインという豪華ラインアップ。三軒茶屋「イル・ピアット」にて。

銘柄 コルトン・シャルルマーニュ88(G・ルーミエ)
感想 ヘーゼルナッツ、黄桃の甘いシロップ漬け、バニラなどに加えて時間とともにモカやマロングラッセなどの豊かな芳香が花開く。味わいは厚みのある果実味の第一印象。縦に伸びる綺麗な酸が印象的で、後半はマロンフレーバーが全開になって丸い広がりが口中を満たす。コンディションもよく、いきなり非の打ち所のない銘柄が登場した、という感じ。【94】
銘柄 ブルゴーニュ98(G・ルーミエ)
感想 さすがにこの日のラインアップの中では影が薄いが、98のACブルとしては大変よくできてると思う。赤系果実、ミネラル、それにやや還元的な動物香。口に含むと、クリーンな酸とともに、ショッパイぐらいのミネラル感。大きくはないが清廉にまとまったバランスのよいピノで、日常用途には充分だと思わせる。…けど、真っ当な価格では入手困難なところが悩ましいですね。【87】
銘柄 シャンボール・ミュジニー95(G・ルーミエ)
感想 濃厚な色調。閉じ気味な中に感じられるカシスやブルーベリーのコンフィ、ミネラル、黒糖。味わいの第一印象は伸びのある豊かな酸。タンニンも豊富で後半は苦味に満たされ、フィニッシュの表情はやや厳しい。熟成のポテンシャルを感じる、いい感じのワインだが、まだ堅く、今飲むのはオススメしかねる。それでも、村名だし、ほんの数年の辛抱でガラリと表情を変えそうな予感もあるけれども。
【88】
銘柄 シャンボール・ミュジニー90(ハーフ:G・ルーミエ)
感想 F木さんよりサービスとして出されたボトル。ご本人曰く「あまりよい熟成の仕方をしていない。」とのことだが…。香りは、それまでの銘柄に比べてぐっと甘い、カシスやダークチェリーのリキュール的な果実、黒糖、それにうっすらとスーボワ香。味わいは90年らしい豊満な、甘く濃縮された果実味はあるのだが、酸がやや緩く、余韻にかすかにヒネたフレーバーを感じる。たしかに他銘柄と比べると熟成の過程でややイジケたようなところがあって、今飲んで正解、という気もする。でも逆にいえば、今飲むには十分愉しめるボトルでもあった。F木師匠、ごちそうさまでした。【90】
銘柄 モレ・サン・ドニ・クロ・ド・ラ・ビシェール95(G・ルーミエ)
感想 同じ95ということで、村名シャンボール・ミュジニーとの比較が興味深かったが、こちらの方が2枚ぐらい上手の印象。カシスやダークチェチェリーのリキュール的な果実香、ミネラル、ヨード。口に含むと、甘く、村名よりグッと厚みのある体躯。タンニンはやや乾いているが、充実した果実味がそれを覆いかくしている。シャンボールのようなデリカシーに欠けると言う向きもあるかもしれないが、この果実味と外向的なバランス、それに入手のしやすさと(ルーミエの中では)手ごろな価格を思えば、それは無い物ねだりというべきだろう。【90】
銘柄 リュシュット・シャンベルタン93(G・ルーミエ)
感想 いよいよ、リュシュット・シャンベルタンである。
最初は個人的にあまりよい思いをしていない93ビンテージ。 ダークチェリーやカシスのリキュール、なめした革、スーボワ。甘く濃縮された果実味。伸びやかな酸とやや乾いているが豊かで質感の高いタンニンによる明確な構造。特にタンニンはまだ手ごわいのだが、豊かな果実味がそれを抑え込んでいるような印象だ。さすがルーミエと思わせる、すばらしい出来だけど、現時点ではまだ3〜5分咲き程度で、これ以降の銘柄に見られる官能的な魅力はまだあまり出ていない。【94】
銘柄 リュシュット・シャンベルタン88(G・ルーミエ)
感想

ダークチェリーやカシスのリキュール、黒糖、それにややなめし革やジビエっぽいニュアンスが複雑さを醸し出している。口に含むと、厚みのある、それでいて透明な果実味。この位の年代になると、さすがにタンニンはなめらかに溶け込んでおり、酸もクリーンでダレてないところがいい。88というと酸やタンニンのバランスが悪い銘柄多い中、このリュシュットはさすがと思わせる構造の確かさ。欲を言えば後半から余韻にかけてもうひと踏ん張り欲しい…って、贅沢言ってるぞ>私。(^^;
【93】

銘柄 リュシュット・シャンベルタン87(G・ルーミエ)
感想

ダークチェリーやカシスのリキュール、黒糖。なめし革、スーボワ、ミネラル。88ほど厚みはないが、心地よく濃縮した果実味があって、タンニンはきれいに溶け込んで酸もなめらかにこれらを支える。大きさはそれほどでもないが、バランスよく熟成していいて、今まさにピークともいえる状態になっている。予想していたよりずっとよかった。というか、この会に限っては88よりこちらのほうがよかったと言ってよい位。87年のブルはとかく過小評価されがちだが、コンディションのよいグランクリュであれば、悪くない買い物だと思う。
【94】

銘柄 リュシュット・シャンベルタン83(G・ルーミエ)
感想

83年のブルは、雹と病虫害に悩まされた年で、生産者や銘柄によって当たり外れが大きく、20年を経た現在では、決して割のよい賭けとはいえない年だが、ルーミエに限っては、それは杞憂だった。80年代のルーミエに共通するダークチェリーやカシスのリキュール状の果実、黒蜜、なめし革、スーボワなどの官能的な香り。そして口に含むと甘くリキュール的な果実味のアタックに陶然とさせられる。酸がやや立ってきそうな予感を感じるが、マディラや醤油っぽいフレーバーは皆無で、状態のよさを物語っている。これも今がピークでしょう。すばらしい時期に出会えたことに感謝。【95】

このあと、F木師匠より1種(ドニ・ベルトーのG・シャンベルタン)、まーやんより2種(ドルーアンの88(!)シャブリ・レクロとテッラビアンカの チェッパーテ)のブラインドが出たが、私はもうベロベロで、コメントもメモもとらなかったので、報告だけで失礼します。(^^;

F木さん、参加者のみなさん、どうもありがとうございました。