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4/30 低温浸漬 |
今マット・クレイマー著「ブルゴーニュワインがわかる」という分厚いハードカバーの本を読んでいる。ブルゴーニュの各畑や生産者の詳細な情報が書かれていて、私のようなブルゴーニュ音痴にはことのほかためになる。
低温浸漬 といえば有名なのが、神様アンリ・ジャイエ。彼の醸造方法は4〜6日の間、低温浸漬を行い、それ以降はごくごくオーソドックスな醸造方法によって、ブルゴーニュで最高値を競う名醸ワインの数々を生み出してきた。 彼のワインについては、R・パーカーやフランス人ワインライターのミシェル・ベターヌ が熱烈に支持しているそうだが、この本の著者のクレイマー氏は、「ワインの作りに派手な個性が出過ぎて、畑ごとの違いが隠れてしまう」「どのワインも細やかなえもいわれぬ 『あや』をもたない」と手厳しく批判する。 じゃあ、アンリ・ジャイエ氏の作るワインについてはどうかというと、 「かれのワインには、強烈でありながら澄んだ果 実味があって、色の濃さも尋常でなく、つねに深遠な味わいがある」と評している。低温浸漬を行いながらも畑本位 のワイン作りをしているのが違いということのようだ。 こういう議論はボルドーなんかでもミシェル・ロラン氏の指導するワインについて、よく賛否両論語られるところだけど、ピノノワール単一で作るブルゴーニュの場合、テロワールの要素と醸造技術とのせめぎあいというのはボルドー以上にセンシティブな問題なのだろうなあ、と思う。 さて、なんでこのことを長々と引用してきたかというと、このアッカ氏が指導したもっとも有名なドメーヌが「コンフュロン・コテーティッド」と「ジャン・グリヴォー」(〜92年まで)だからだ。
この2銘柄、私自身たまたま飲む機会があって、結構心に残っていたものなのだ。だから、この本を読んではたと気がついた。
ジャングリヴォーのヴォーヌロマネ88は年末に小田島でを飲んで、ドルーアン・ラローズのグランクリュ2種類を向こうに回して、「この日最高の一本」などと書いた。つい先日シノワで飲んだコンフュロン・コテーティッドのヴォーヌ・ロマネについても、その色の濃さと豊かな果
実味 に「よくできたコートドボーヌのワインのようだ」なんて評したばかり。どちらも村名なのにすばらしい凝縮感だなあ、と思っていたら、こういう手法を使っていたわけだったんだね。 ちなみにギイ・アッカ氏はその後ほとんどの契約を解かれ、今はブルゴーニュを去ったとも聞いているけれど、やはり彼のやり方はブルゴーニュでは受け入れられなかったということなのだろうか。この辺の事情は私はよくしらないので、知ってる方いらしたら、ぜひ掲示板にでも書き込んでいただければと思います。
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