久留米〈 東判画廊 〉で個展。

(東判画廊はこの年12月で閉廊。わずか5年であった。)


「じゃあ、ひとつやってやるか」



弾き飛ぶべくハイテンションで作風を一気に変え、激しい色遣いで制作。

シリアルタイトルは「weeping pink」(むせび泣くピンク)。
パネル・キャンバス・和紙、アクリル、マーカー。

ピンクは「高揚する色」である。溌剌として、時にエロティック。

一方、WEEPとは「むせび泣く」、
詩的形容表現として「したたるような…」という意味もある。

ウィーピング・ピンク、つまり
「揚がっているのか、下がっているのか」「嬉しいのか、悲しいのか」。

ない交ぜになった同時多発な有り体(ありてい)、
矛盾、アンビバレンス(ambivalence)を表現するものである。


西日本新聞「ワイドふくおか」記事を訂正:

自然体で描き続けたい
「幼いころは、従兄が描いた "マジンガーZ" を夢中で真似て描いていました。
友だちや先生から褒められるうちに、調子に乗って続けてきたようなものです」
鮮やかなピンクが印象的な抽象画約二十点を出品している。
もともと静物画中心だったモチーフが、抽象画に変わったのが大学最後の年。
きっかけは、5カ月間のヨーロッパ旅行だった。
「このまま卒業して自分に何ができるんだろうと急に不安になり、大学を休学して
約十五カ国を回ったのです。訪れた美術館は百館以上。多くの作品を直接観たことが
大きな財産になりました」
帰国後は、スケッチしたものを単純化するようになり、現在の作風の基礎ができた。
「とりつくろうことなく、自然な姿で取り組めたらいいです。
新しい手法にも挑戦してみたいですね」

*夏、1ヶ月余、ハワイ・オアフ島に滞在。