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読点の使い方

2010.01.21. 掲載
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分かっているようで分かっていない、習ったことがあるようで、習っていない符号に読点がある。読点は句読点の片割れで、句点の方は分かるが、読点の使い方はもう一つよく分からないというのが、大方の感想だろう。読点の打ち方で文章が変わってしまうことをよく経験する。だから、読点にこだわるのも悪いことではないと思って少し調べてみた。

1.読点は、いつごろから使われだしたのか?

明治初期までは、日本の文章には句読点は全く無かった。その名残りとして、賞状、表彰状、感謝状などは慣例として句読点を用いない。明治39年(1906)に、文部省大臣官房調査課草案の句読法(案)が作られ、「、」「。」が登場した。

2.読点の使い方にきまりはあるのか?

先の句読法(案)を骨子として、昭和21年に文部省教科書局国語調査室が、くぎり符号の使い方〔句読法〕(案)を作った。この中で、読点を使う13の原則が書かれている。しかし、これはあくまでも(案)であり、決まりではない。

いろいろ調べてみたが、確かな決まりはないことが分かった。手持ちの書籍で最も細かく書いてあるのは、小学館辞典編集部編の「句読点、記号・符号活用辞典」で、24項目を挙げている。

また、「朝日新聞の用語の手びき」では
第1に、誤読、難読の恐れがあるときに使うとして、以下の場合を挙げている。
 1)主題となる語につく助詞の次に。句・文が短いときは省いてもよい。
 2)修飾語句が誤解される恐れのあるとき。
 3)副詞の帰属を明らかにする必要があるとき。
 4)修飾節の対象を明らかにさせるとき。
 5)仮名や漢字がくっつきやすいとき。

第2は、語句を並べるときや、対立節に使う。
第3は、形容詞節と直接次に続く被修飾語の名詞との間には読点を打たない、としている。

3.横書き文の読点は「、」か「,」か?

最近は横書き文が多く見られる。私の書く文章の大半も横書きである。その場合の読点だが、1995年ころまでは、英文と同じように読点に「,」、句点に「.」を使ってきた。

ところが、1996年ころからは「、」「。」に変えてしまった。そうはっきり言えるのは、1996年に始めたインターネットの世界では横書きが中心で、そこで使われている句読点の表記が「。」「、」であることに驚いたことを覚えているからだ。それまでは、深く考えることなく、英文並みに「.」「,」を使ってきたが、考えてみると、それを使わなければならない理由はなかった。

4.私の読点の使い方

文章にとって読点が非常に大切であることに気づいていたが、その使い方には決まりがあるのだろうと思い込んでいた。それがないことを知ったので、これからは自分のセンスで、自由に読点を使い込んでいきたいと思っている。

読点を入れることにためらわない
以下のようなことに役立つと思えば、積極的に読点を使っていこうと考えている。
1)文章の内容を誤解されないように
2)文章が分かりやすいように
3)文章を読んで気持ちが良いように

読点を省けないかを検討する
しかし、不要な読点や多すぎる読点は見苦しいので、以下のようなことを検討する必要がある。

1)語順を変えることで読点を省けないか
2)文章を分けることで読点を省けないか

通常無条件に読点を入れる場合
以下のような場合は無条件に読点を入れることにしている。

1)文頭の接続詞や接続句の後
2)語句を並べる場合
3)グループ分けをする場合


<2010.1.21.>

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