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2013.08.03. 掲載
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目次
はじめに
1.氷河特急
2.マッターホルン
3.トゥーン湖とラウターブルンネン
4.ユングフラウ
ユングフラウ ヨッホ観光
シルトホルン観光
花の谷ハイキング
5.レマン湖の湖畔とラヴォー地区
6.ジュネーブ
7.エビアン
8.花の村 イヴォワール
9.モンブラン
10.服装など
まとめ
私の海外旅行先はヨーロッパが多いが、スイスにはあまり興味がなかった。妻がスイス行きを希望するのを渋り、延ばし延ばしでやり過ごしてきた。
ところが、急にスイス行きを決めたのは、この春、妻が転んで膝の骨折をしたからだ。私たちは思っている以上に老化が進んでいる。もう一度転んで骨折をするようなことがあれば、海外旅行は無理かもしれない。それでは妻が可哀そうだし、私の寝覚めも悪い。
私たちは、20年以上も山に登ったことがない人間だから、服装も装備も何も持っていない上、知識も乏しい。そこで私は息子から大半を借りて、なんとか恰好をつけた。
旅行に行くからには、それをできるだけエンジョイするのは、私の生き方。以前、私の海外旅行エンジョイ法に書いたようなやりかたで旅を楽しんだ。
旅の概略は、JTBの心ゆく旅「マッターホルン・ユングフラウ・モンブランと氷河特急」に参加した。エールフランスでチューリッヒに着き、クールから氷河特急でツェルマットに行き、ここでマッターホルンを見た。次はヴェンゲンに行き、ここでユングフラウを見た。次はシャモニーでモンブランを見て、ジュネーブなども観光し、ここからエールフランスで帰国した。
チューリッヒ(Zuerich)で1泊し、バスでクール(Chur)まで移動(2時間/120km)、ここから氷河特急(Glacier Express) 1等に乗り、約5時間半/約220kmで終着駅ツェルマット(Zermatt)に到着した。
氷河特急は、サンモリッツとツェルマットの間の、スイスアルプスの山岳地帯を走る山岳鉄道であり、観光列車である。クールはその中間駅で、ここで機関車が切り離され、最後尾の列車に別の機関車が接続され、こちらが先頭車となったのには驚いた。スイッチバックと呼ばれる、急勾配を克服するために設けられた折り返し式の鉄道線路のようだ。
車窓からは、アルプスの名峰、美しい森や牧草地、山間の急流や渓谷などが連続し、6時間の間、飽きることがなかった。この氷河特急に毎年約25万人もが乗車するそうだ。標高はクールが585m、最高はオーバーアルプ峠(Oberalppass)の2,033m、ツェルマットは1,604mである。
氷河特急の終着駅であるツェルマット(Zermatt)は、人口5,000人足らずの小さな村で、環境保全のためにガソリン車の乗り入れが禁止されている。そのため、音の静かな電気自動車が走っている。
この村は、マッターホルンをはじめ、4,000m級の山々に囲まれていて、ここからもマッターホルンを眺めることができる。標高1,604m。
ツェルマット駅 → 地下ケーブルカー駅 → スネガーパラダイス駅 → ロープウェイ → Bauherd駅 → ロートホルン駅 。ここから ロートホルン・パラダイス展望台(Rothorn Paradise)に上る。この展望台から、マッターホルンとフィンデル氷河を満喫できるとガイドブックに書かれている。
ホテルを出る時は、あるいは晴れるかも知れないと期待したが、雪まじりの雨風で、視界は不良。予定されていたスネガーパラダイス(Sunnegga Paradise)駅で降りて、ライ湖(Leisee)の逆さマッターホルンを見るハイキングへの参加は取り止めた。
ツェルマットに戻って、ずぶ濡れの状態でこの村の案内を受けた。アルプスの名峰三山観光旅行の最初からこれでは先が思いやられた。
ツェルマットを発って、次の宿泊地であるヴェンゲンまで移動する途中、トゥーン市の旧市街を観光し、トゥーン湖をクルーズし、インターラーケンで船を降りて、ラウターブルンネンでシュタウプバッハの滝とトゥルンメルバッハの滝を見学したのち、ヴェンゲンに到着した。
ツェルマット → テーシュ:登山電車
テーシュ → トゥーン:バス(105km) 、途中カートレインでトンネルを通過
トゥーン → インターラーケン:トゥーン湖クルーズ(1等/2時間)
インターラーケン → ラウターブルンネン:バス(13km)
ラウターブルンネン → ウェンゲン:登山電車
生まれて初めてカートレイン (Car Train) に乗り、スイスに来ていることを実感した。大型バスがギリギリ一杯のサイズで列車に乗り、乗客を乗せたまま列車で運ばれるのだから、面白かった。
カートレインは、自動車とそれを運転・乗車していた旅客をともに、1本の列車で運送するもので、カーフェリーの列車版である。スイスでは、排ガスの増加などの環境面に配慮し、政府やEUからの資金援助を受けて、カートレインが多く作られているとのことだ。
トゥーン(Thun)市はトゥーン湖の北西岸にあるスイス中部の町。市中にアーレ川が流れる。アルプスを臨む湖畔のリゾート地としても有名。旧市街には12世紀に建造されたトゥーン城をはじめ、歴史的建造物が数多く残っている。
トゥーン湖(Thunersee)は、中世の頃から、アルプスをのぞむ風光明媚な湖として知られてきた。トゥーン湖でのクルーズの歴史は古く、アイガー、メンヒ、ユングフラウの三名山に代表されるベルナーアルプスの山々や、かつての王族・貴族の居城として建てられた古城などの美しい眺望を楽しむことができる。
ラウターブルンネン(Lauterbrunnen)は、72もの滝がある谷に囲まれていて、「音の鳴り響く泉」の名が付いた村。メンリッヒェンという山を挟んで、グリンデルワルトの西側に位置し、こちらもユングフラウヨッホへ向かう登山鉄道の起点である。この村を取り囲む崖は急峻で、ほとんど90度に近い。
ここで、シュタウプバッハの滝(Staubbach Faeiie)と、トリュンメルバッハの滝(Truenmelbach Faelle)を見た。
ユングフラウ3山の観光は、2日に分けて行われた。いずれも出発点はヴェンゲンで、第1日目はヴェンゲンから南東の方向にあるユングフラウヨッホに向かった。帰路は、クライネシャイデックから、グリンデルヴァルトのグルントに降り、そこからメンリッヘンに上り、ヴェンゲンに戻った。
第2日目は、ヴェンゲンから一旦ラウターブルンネンの谷に降り、谷を挟んだヴェンゲンの向かいの山にあるミューレンを通り、シルトホルンの展望台に向かった。帰路は、シルトホルンからミューレンに戻り、ここからアルメントフーベルに行き、アルメントフーベルからミューレンまでの花の谷をハイキングし、ミューレンからラウターブルンネンの谷に降り、ここからヴェンゲンに戻った。
今回のスイス旅行で、最も地理の理解が難しかったのは、このユングフラウ3山の観光であった。Google map だけでは理解できず、図25のような立体模式図を参考にした。
ヴェンゲン → クライネシャイデック:登山電車
クライネシャイデック → ユングフラウヨッホ:登山電車
ユングフラウヨッホ → クライネシャイデック:登山電車
クライネシャイデック → グルント:登山電車
グルント → メンリッヘン:ロープウェイ
メンリッヘン → ヴェンゲン:ロープウェイ
ヴェンゲン(Wengen)は、ラウターブルンネンの東側の崖の上の台地にある村で、排気ガスを出す乗り物の乗り入れが禁止されている。そのためか、空気が澄み切っていて、ユングフラウが美しく見渡せる。
この村が賑わうのは夏よりも冬で、毎年1月にはアルペンスキーのワールドカップ・ウェンゲン大会が開催されるそうだ。
クライネシャイデック(Kleine Scheidegg)は、グリンデルワルト、ウェンゲンのどちらから来ても、ユングフラウヨッホへ行く時に必ず通る中継地点で、ヴェンゲルンアルプ鉄道とユングフラウ鉄道の乗換え駅がある。
アレッチ氷河(Aletschgletscher)はスイス最長で、約24kmあり、周辺の一帯とあわせて世界自然遺産に登録されている。
この氷河は、メンヒから続くエーヴィッヒシュネーフェルト(Ewigschneefeld)と、ユングフラウからのびるユングフラウフィルン(Jungfraufirn)、アレッチホルンの北側に広がるアレッチフィルン(Aletschfirn)という3つの氷河が合流したものである。
アラスカで見た氷河は汚れていたが、この氷河は真っ白で、ほれぼれするほど美しい。私はマッターホルンやユングフラウ、モンブランなどよりも、この氷河により深く感動した。
アイガー(Eiger)の標高は3,975m。ユングフラウ、メンヒと並び、いわゆるユングフラウ3山の一つとされる。アイガー北壁は、高さ1800mの岩壁で、グランドジョラスの北壁、マッターホルンの北壁とともに、困難な三大ルートの一つとして知られ、三大北壁と呼ばれている。
アイガーはユングフラウ3山の西側に位置し、この山とメンヒとをトンネルで貫通して、登山電車がユングフラウヨッホ駅に到達する。トンネル内では2か所の途中駅があり、約5分間停車する。最初の停車ではアイガーの北壁、後の停車では氷河を眺望することができる。
メンヒ(Moench)はドイツ語で「修道士」を意味する。アイガーとユングフラウの間に位置する。
ユングフラウヨッホ(Jungfraujoch)駅は、ヨーロッパ最高地点の駅(Top of Europe)で、標高3,454mにある。クライネシャイデック駅との標高差は1,400m、距離9.3km。所要時間は上り約50分、下り約35分。なお、ヨッホとは「肩」のことである。
ここに、スフィンクス展望台(Sphinx)のほか、プラトー(Platau)という展望ポイントがある。ここでは、夏場でも雪が積もっていて、ユングフラウは目前に迫っている。
ここの郵便局は、富士山五合目簡易郵便局と姉妹提携しているため、日本の赤いポストが設置されている。ここから孫娘に絵葉書を2枚投函した。
ユングフラウ(Jungfrau)はアイガー、メンヒと、尾根がきれいに連なる。この3山を合わせてユングフラウ3山と呼ばれる。標高4,158m。2001年にアルプス初の世界遺産として登録された。
ユングフラウヨッホからクライネシャイデック駅に戻り、ここから往路とは違って、グリンデルヴァルト駅に向かい、その一つ手前のグルント(Grund)駅で降車した。
グルントからメンリッヘンまで、ヨーロッパ最長のゴンドラに乗る。緑のアルプスを眼下に、ユングフラウ3山を左手に眺めながら、ゆっくりと1時間弱で移動する。高所恐怖症の私は、乗る前は心配だったが、あまりに高すぎて不安を感じることはなかった。
メンリッヒェン(Maennlichen)は、グリンデルヴァルト(Grindelwald)とラウターブルンネンの街を分け隔てるようにそびえる。ここからアルプスの山々や麓の街を眺めることができる。
ここでは、たくさんの草花が咲き誇っていた。ヴェンゲン側の谷は深く落ち込んでいて、ヴェンゲンに下るロープウェイの所要時間はわずか10分ほどだった。
ヴェンゲン → ラウターブルンネン:登山電車
ラウターブルンネン → グルチュアルプ:ロープウェイ
グルチュアルプ → ミューレン:登山電車
ミューレン → シルトホルン:ロープウェイ
シルトホルン → ミューレン:ロープウェイ
ミューレン → アルメントフーベル:ケーブルカー
アルメントフーベル → ミューレン:ハイキング(花の谷)
ミューレン → グルチュアルプ:登山電車
グルチュアルプ → ラウターブルンネン:ロープウェイ
ラウターブルンネン → ヴェンゲン:登山電車
シルトホルン(Schilthorn)は、標高は2,970m。山頂からユングフラウ3山(アイガー、メンヒ、ユングフラウ)をはじめ、200を越える峰々の大パノラマが広がる。
山頂には回転レストラン「ピッツ グロリア」がある。このレストランは、映画007シリーズの第6作、「女王陛下の007」のロケ地となった。建物自体が太陽光発電の力でゆっくり回転するので、席に座ったまま360°の景観を楽しむことができる。
ミューレン(Muerren)は、ヴェンゲンから谷を挟んで反対側の崖の上にある村。ヴェンゲンと同じく、この村も、排気ガスを出す乗り物の乗り入れが禁止されている。標高1,634m。
シルトホルンとはロープウェイで、ラウターブルンネンとはロープウェイと登山電車で結ばれている。また、アルメントフーベルとはケーブルカーで結ばれている。
アルメントフーベル(Allmendhubel)は、ミューレンからケーブルカーに乗り、わずか4分で到着する。標高1,907m。ここでユングフラウ3山を眺めながら、バーベキューランチを食べた。
そのあと、アルメントフーベルからミューレンまで、花の谷よばれるハイキングコースを、景色と草花を楽しみながら、約2時間かけて下った。
アルメントフーベルからミューレンまで、花の谷とよばれるハイキングコースを、景色と草花を楽しみながら、約2時間かけて下った。
これは希望参加なので、私たちは、最初はケーブルカーでミューレンに下りて、そこで皆と合流する予定でいた。しかし、この日までの経験から参加できそうに思えたので、ツアーコンダクターと相談して参加することにした。
現地日本人のハイキングガイドが、咲き誇る草花を一つ一つていねいに説明しながら、そのほかにも、スイスの色々な情報を交え、ゆっくり歩いてくださるので、予想していたより何倍もすばらしい経験となった。
また、ガイドさんは、今年は寒さが続いて、2週間前は雪解けのため、ハイキングできる道はこの半分以下だったとか、急に暑くなって春の花と秋の花が一斉に咲きだしたが、このようなことは珍しいと教えてくれた。
山にしても、展望台から眺めるのと比較にならない多様な角度から、良い天候のもとで眺めることができて、こちらの鑑賞の方が本当だと実感した。観光客が群がる中で、わずかな時間だけ山を見て終わることが空しく感じられる。
今回の旅行では、最初から静止画だけで記録してきたが、このハイキングは専ら動画で記録した。以下の写真はすべて動画から切り出したものである。
ヴェンゲンを発ち、バスでフランスのエビアンに移動したが、その途中で、レマン湖北岸にあるラヴォー地区でワイナリーを訪れた。
レマン湖は、スイスとフランスにまたがる三日月型の淡水湖。面積は琵琶湖より一回り小さく、その約3/5がスイス、約2/5がフランスに属す。英語ではジュネーヴ湖(英: Lake Geneva)と言う。
レマン湖北岸にあるラヴォー地区でワイナリーの見学をしたのち、レマン湖南岸にあるフランスのエビアンに向かった。ここにあるホテルを拠点として、ジュネーブ、モンブラン観光、花の村観光を行った。
ラヴォーはスイス・ヴォー州にあるブドウ栽培地方で、レマン湖畔の段々畑で知られる。2007年に「ラヴォーのブドウ段々畑」の名で、世界遺産に登録された。
夏の暑く上等な陽光、レマン湖面の照り返し、熱い部分とそれをしのげる部分とを持つ石の斜面、これらの3点がブドウを熟させ、輝かせるのだと説明を受けた。
ここはレマン湖畔にある村で、フランスの最も美しい村(Les Plus Beaux Villages de France)のひとつに選ばれ、「花のある村づくりコンテスト」に連続して優勝した村であるとのこと。
はじめて高地に上る旅行なので、服装などについて分からないことが多かった。実際に旅行して分かったことをまとめておく。
今回の7月中旬のスイス旅行では、日本と同じ程度に暑く、半袖シャツで十分なことが多かった。
高地として、マッターホルンの展望台では、雪とみぞれの混じった雨だったので寒く、手袋も必要だったが、ユングフラウヨッホの展望台、シルトホルンの展望台、モンブランの展望台では手袋も必要ではなかった。
振り返ってみて、半袖シャツ1枚に、セーターやフリースなど厚手のもの1枚、風を通さないヤッケ程度のもの1枚を持ち、重ね着で調節するのが賢明だと思った。手袋は高地では必要。
登山電車、ケーブルカー、ロープウェイが頂上にまで運んでくれて、エレベータもあり、自分の足で上ることは非常に少ない。展望台も特別な作りではなく、サンダルで高地の展望台に来ている人を多く見かけた。また、ハイキングコースはきちんと整備されている。
だから、靴は滑り難い、底のしっかりしたウォーキングシューズで充分だと思った。
リュック、帽子、防寒具、ハイキング用にはストックがあれば楽なようだ。サングラスは、私の場合必要と思ったことはなかったが、持参した。
1.あまり気が進まないスイス旅行だったが、行くことに決めてからは、事前にいろいろ調べて、旅行を楽しむようにした。
2.旅行は幸運の連続に近かったが、アルプスの名峰を良い状態で見ることができるのは、運に大きく左右されることを痛感した。
3.もう一度行ってみたいという気持ちはない。
4.この旅行記をまとめ、構築する作業は楽しかった。旅の備忘録としては、私にとってはこの程度で充分ではないかと思っている。
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