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京阪中之島線開通

2008.10.21. 掲載
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目次
1.中之島線の平面図と立面図
2.高層階から見た中之島線駅の地上出入口
3.中之島線の個々の路線駅
    天満橋駅
    なにわ橋駅
    大江橋駅
    渡辺橋駅
    中之島駅
4.中之島新線開通の感想


京阪電車中之島線は一昨日(2008年10月19日)開通した。「天満橋駅」から中之島の地下を通って「中之島駅」まで4つの新駅が設けられ、東から順に、「なにわ橋駅」「大江橋駅」「渡辺橋駅」「中之島駅」と名付けられている。


中之島線の平面図と立面図

上から見たその路線の位置(平面図)の他に、その路線がどのような深さ(立面図)にあるかということを知りたく思って検索をすると、京阪電車の工事情報を見つけることができた。そこからダウンロードした平面図と立面図を表示して、説明や感想を加えていくことにする。


図1.中之島線の平面図 (京阪電車の工事情報)より

平面図を見ると、中之島線は「天満橋駅」から土佐堀川の下を横切って、中之島公園剣先地区の南側から中之島の下に入り、中之島の北側を西へ進んで中之島の西端に近い大阪国際会議場の北側まで路線がつながっている。

終着駅を除いて橋の名が付く駅はすべて橋の南詰西側近くに設けられている。難波を「なんば」とも「なにわ」とも読むことができて、「難波橋」は「なにわ橋」が正しいのだが、南の難波(なんば)が有名なため、誤って「なんば橋」と読まれやすく、その混乱を避けるために「なにわ橋」とひらがな書きに決められたようだ。

中之島線の駅名となった橋は、すべて中之島の北側を流れる堂島川に架かる橋であり、南側を流れる土佐堀川に架かる橋はない。それに対して、これまでの京阪電車や地下鉄の駅名となった中之島の橋は土佐堀川に架かる橋で、京阪本線や地下鉄御堂筋線の「淀屋橋駅」、地下鉄四ツ橋線の「肥後橋駅」がそれに当る。




図2.中之島線の立面図 (京阪電車の工事情報)より

中之島線の路線図の平面図は、地表に駅があるのでおおよその見当はつく。しかし立面図(縦断面図)はまったく分らないので、それだけ興味が湧いてくる。

「天満橋駅」は改札口階がB1Fで、プラットフォームはB2Fにある。そこから土佐堀川下を通るが、立面図で見ると意外と浅く、それは「天満橋駅」のB3Fの深さのようだ。ところが、中之島最初の駅である「なにわ橋駅」はB6Fの深さになっていて、中之島線では最も深い。その理由は書かれていないので不明だが、北側に東洋陶磁美術館、すぐ西側に中央公会堂があることが関係しているのだろうか?「大江橋駅」と「渡辺橋駅」はいずれも1階分浅くてB5Fの深さで、終着「中之島駅」はB4Fの深さになっている。



高層階から見た中之島線駅の地上出入口

マンションは図1右側の緑色で書かれた「地下鉄堺筋線」の「」の文字近くにあり、ここから中之島線が本線から分岐する「天満橋駅」「なにわ橋駅」「大江橋駅」が望見できる。


図3.天満橋駅付近

図3の左端に見える橋が「天満橋」で、その横にある建物(京阪シティーモール)の地下に「天満橋駅」がある。中之島線が本線からこの駅で分岐するため、駅の拡張工事が行なわれた。図3の右端に見える橋が「天神橋」で、「天満橋」から「天神橋」までの「大川」の左岸に護岸工事が行なわれ、コンクリート壁が「天神橋」まで作られた。現在も地表の護岸工事部分は整備作業が進行中である。

「天満橋駅」を出て中之島線の路線は、この護岸工事部分の地下を通り、「天神橋」を過ぎたところで「土佐堀川」の地下を斜めに横切り、中之島公園の剣先地区の南側から中之島の地下を通り、「大江橋駅」に続く。




図4.土佐堀川を斜めに横切り中之島の地下に入る地点(中之島公園剣先地区の南側)

右側に見えるのが「天神橋」、向かいが「土佐堀川」、手前が「堂島川」、土佐堀川の向こうの黒い高層建築は大林ビル。中之島公園は現在大改装工事中である。




図5.なにわ橋駅周辺

図5.の左下に見えるのが「難波橋(なにわ橋)」で、橋詰の4隅にライオンの像が置かれているため、通称「ライオン橋」とも呼ばれる。「天満橋」、「天神橋」、「難波橋」の三橋は浪華の三大橋と呼ばれ、江戸時代以来、最も重要で、最も親しまれてきた橋である。「天満橋」は「大川」をまたぎ、「天神橋」と「難波橋」は「土佐堀川」と「堂島川」の二つの川をまたいで架かかっている。

難波橋の西側すぐの位置に、断面が4分の1円というユニークな「なにわ橋駅」の地上出入口が2つ、対をなして南北にあり、中央公会堂への玄関口のようにも見える。また、中央公会堂の近くの南側に同じ形の地上出入口があり、ここを出ると目の前に中央公会堂が現れる。中央公会堂は図5の右上に見えるレンガ作りの建造物で、国の重要文化財に指定されている。




図6.大江橋周辺

図6の中央に見える橋は左側が「淀屋橋」、右側が「大江橋」である。「淀屋橋」は「土佐堀川」をまたぎ、「大江橋」は「堂島川」をまたいでいる。この二つの橋を通り、大阪の南北を貫く「御堂筋」が1937年に建設され、その下を地下鉄御堂筋線が通っている。御堂筋の東側に大阪市役所や大阪市中央公会堂がある。御堂筋の西側には日本銀行大阪支店の建物があるが、市役所に遮られてこの写真では見ることができない。大江橋の南詰西側の堂島川沿いに茶色の建物が3つ見える。これが「大江橋駅」の地上出入口である。




中之島線の個々の路線駅


天満橋駅


図7.天満橋新設中之島線プラットホームから見た本線プラットホーム

「天満橋駅」は京阪本線の駅でもあり、中之島線はこの駅から本線と分岐する。駅の改札口は地下1階、プラットホームは地下2階にある。天満橋は江戸時代から浪華の三大橋の一つと呼ばれ、1970年に高架橋が建設された。




図8.中之島線プラットホームの壁画

新設されたプラットホームは壁もモダンで、洗練されていて美しい。




図9.天満橋本線プラットホームから見た中之島線プラットホーム

「天満橋駅」は複線を拡張して複々線にしたため下の模式図のように、中之島線と本線の乗り換えをするには、ホームを変える必要がある。それに対して「京橋駅」は最初から複々線として建てられているので、同じプラットホームで乗換えができる。そのため、中之島線と本線の乗り換えは、天満橋駅の一つ京都寄りの「京橋駅」で行なうように案内されている。


天満橋駅と京橋駅の模式図



なにわ橋駅


図10.難波橋の南北橋詰の右(西)側に置かれたライオン像

「難波橋」も浪華の三大橋の一つで、「なにわ橋」と読む。しかし、南の「難波」が有名なため、「なんば橋」と読む者がいたりで、正式な呼び名が分らなくなることもあり、「ライオン橋」という通称名もよく使われてきた。今回「なんば橋」と誤読されるのを避けるため「なにわ橋駅」と平仮名書きにしたとのことだが、これからは「難波橋=なにわ橋」が定着するだろう。ライオン像の上にある高架は阪神高速道路。




図11.なにわ橋駅西側の北地上出入口

「なにわ橋駅」の地上出入口の設計は安藤忠雄氏が行なった。中央の道路に向く4分の1円のユニークな形状で、中央公会堂のドームの半円を左右に分けた形となり、中央公会堂と非常にマッチして美しく、しかも機能的である。現在中之島公園は大規模な改修工事が行なわれているため、邪魔なものが多いが、整備が終われば、この出入口は一層美しいものとなるとはっきり予想できる。




図12.夜の西側の北地上出入口
午後9時ごろの点灯した北地上出入口で、昼間とはまったく異なる美しさがある。




図13.なにわ橋駅東側の南地上出入口

こちらは、地上北出入口と道路を挟んで対座する位置にある。北出入口と南出入口がちょうど狛犬のように、中央公会堂への玄関口をなしている。もっとも、この地上南出入口は、京阪本線「北浜駅」とが地下で連絡されていない現状では、京阪「北浜駅」や地下鉄堺筋線「北浜駅」との連絡口の役割も担っている。




図14.夜の南地上出入口
夜のなにわ橋駅南地上出入口は、このように美しい。シンプルでノーブル、オシャレだ。




図15.夜のなにわ橋駅西側(中央公会堂前)地上出入口

昼間撮影を忘れていて、夜に来てみると、LEDを使った光のマジックに幻惑されてしまった。素晴しい、溜め息が出るほどだ。中之島公園が大改修工事中のため、撮影できる場所が限られていて残念だったが、それでもこの映像が得られた。工事終了後が楽しみだ。




図16.なにわ橋駅改札口

これが京阪電車の改札口空間とは信じられないほどだった。1)天井高が通常の3倍はあり、2)壁も天井も木材が使われ暖かい感じがして、3)ダウンライトがやさしく、4)黒とグレーの円い柱がアクセントとして引き締めて美しく、5)広々とした空間があり、6)シンプルで機能的である。同じ京阪電車の「天満橋駅」「北浜駅」「淀屋橋駅」との違いの大きさに唖然となるばかり。




図17.なにわ橋駅プラットホーム

プラットホームは、対向壁の素材が日本の地下駅で初めての不燃木材を利用していることを除いて、特別に目を見張るほどのものはなかった。




図18.プラットホームのくず入れ

ただし、「くず入れ」には感心した。透明な容器で作られていて、その中にプラスチックの袋があり、投棄されたものは外部から丸見えになっている。これによって、変なものを投げ込まれる危険が減り、安全面でも効果があるだろう。容器にはそれぞれキーが付けられていて、勝手に開けることができない。デザインもスマートである。




図19.新型車両3000系「コンフォーと・サルーン」快速急行

京阪電車の新聞広告で、この中之島線の快速急行に新型車両3000系「コンフォート・サルーン」が投入されたことは知っていた。その新型車両は、ブルーとホワイトが爽やかで、これまでの京阪電車のイメージより洗練されていてスマートだ。しかし、乗り心地はとくに快適というほどではなかった。




大江橋駅

「大江橋」は堂島川に架かる橋で、元禄年間からあり、御堂筋建設にともなって架け換えられた。現在この橋の南詰東側から淀屋橋北詰東側にある中之島には、御堂筋に面して大阪市役所庁舎があり、その対面には、御堂筋に面して日本銀行大阪支店がある。


図20.大江橋駅の地上出入口4箇所

「大江橋」の南詰西側には、「大江橋駅」の北東地上出入口と南東地上出入口が道路を挟んで対面にあり、更に西側にも2箇所地上出入口がある。左中央に見える橋が大江橋で、右奥に大阪市役所庁舎、右横に日本銀行大阪支店の建物がある。




図21.大江橋駅東北地上出入口

「大江橋駅」の東北地上出入口で、左端に東南出入口が見える。左手に日本銀行大阪支店、背後には中之島セントラルタワーがそびえ立っている。中之島線の地上出入口は、「なにわ橋駅」を除いてすべて木製のうす茶色の壁でできている。出入口の正面は黒色で、文字が白という組合せは、温かみの中にキリット引き締まるアクセントとなり、白い文字は識別しやすく、自然である。私の好きな配色の一つだ。




図22.遊歩道の下にある大江橋駅地上出入口

堂島川に沿って護岸壁と同じ高さに遊歩道がある。「大江橋駅」の地上出入口は2つがこの遊歩道にあるが、残りの2つは遊歩道の下の一般道路横にある。図22の出入口もその一つで、すぐ右横に日本銀行大阪支店が、遠く彼方に大阪市役所が見える。




図23.夜の大江橋駅東側北地上出入口

夜に訪れると、昼間に見たのとはまったく違った地上出入口だった。壁の木目の色も昼間よりも華やかで、美しい。都会の駅の地上出入口であることがよく分かる。




渡辺橋駅

「渡辺橋」は堂島川をまたぐ橋で、江戸時代からほぼ現在の位置に架けられてきた。現在の橋は戦後、地盤沈下による高潮対策事業と地下鉄建設のために架け換えられたものである。ここを四ツ橋筋が通り、この橋の地下を地下鉄四ツ橋線が通っている。


図24.渡辺橋駅東側地上出入口

「渡辺橋駅」東側地上出入口は、朝日新聞社の道路を挟んだ北側、堂島川沿いにある。壁は茶色の木製、出入口部分は黒で文字は白という共通のデザインである。朝日新聞社と四ツ橋筋を挟んで対面にフェスティバルホールがある。朝日新聞社とフェスティバルホールは、200mの高層ツインタワーに建て替えられ、中之島、梅田地区で最も高いビルとなるとのことだ。




図25.渡辺橋駅西側地上出入口

「渡辺橋駅」西側地上出入口は現在建設工事中の中之島ダイビルの北側の遊歩道にある。形状デザインは中之島線に共通である。図25の左中央に阪神高速道路環状線の高架が、右上部には阪神高速空港線の高架が見えている。




図26.渡辺橋駅の階段と手すり

中之島線各駅の階段は壁面がアイボリーホワイトのタイルで、壁と階段の境を黒色で輪郭をつけ、引き締まったアクセントになっている。手すりはあまり見かけない波がたになっている。




図27.波がたデザインの手すり

階段の手すりは図27のような波がたに作られている。これは、降りる際に体重をかけやすようにと水平にし、階段を登る際には握りやすいように斜めにしてあるとのことだ。そのような小さな気くばりもされている。




図28.渡辺橋駅地下1階には多くの店舗が軒を並べている

中之島線の新駅では唯一の地下街となる「MINAMO」があり、多くの人で賑わっていた。ここでも壁は木材が使用されていて、中之島線共通の「木」のイメージで統一されている。

この駅は大阪市営地下鉄四つ橋線の「肥後橋駅」と地下通路を通して接続されており、中之島線の新駅では唯一ほかの鉄道駅と地下道を介しての乗り換えができる。ただし、かなりの距離があり、また土佐堀川の下を潜る際には階段の上り下りが必要になる。




図29.渡辺橋駅プラットホーム
改札口は地下2階、プラットホームは地下3階にある。図29は両ホームに電車が到着したところ。




中之島駅(大阪国際会議場駅)

「中之島駅」は副名称を「大阪国際会議場駅」と呼び、中之島線新駅の中で唯一橋の名前が付かない駅で、終着駅である。


図30.大阪国際会議場北東にある中之島駅地上出入口
「中之島駅」の地上出入口は4ヵ所あり、その一つがこの大阪国際会議場北東にある出入口である。




図31.堂島川沿いにある中之島駅地上出入口
大阪国際会議場北東にある出入口の道路を挟んだ対面の堂島川沿いに、2つ目の地上出入口がある。




図32.リーガロイヤルホテル前の中之島駅地上出入口(1)

「中之島駅」の地上出入口の3つ目の地上出入口がリーガロイヤルホテル前にある。この出入口は、ほかの中之島線新駅の地上出入口と違って、ホテルの景観に溶け込むシックなデザインで、ホテル側が建設したのではないかと思わせるほどの出来映えである。図32は地上出入口の正面で、右手にホテル正面玄関が見える。




図33.リーガロイヤルホテル前の中之島駅地上出入口(2)

ホテル正面玄関前から見た「中之島駅」地上出入口で、最初からホテルの建物として存在していたかのようだ。




図34.リーガロイヤルホテル前の中之島駅地上出入口(3)

ホテルのタクシー乗り場から見た「中之島駅」地上出入口で、ここから眺めても何の違和感を感じることがなく、見事に適合している。




図35.リーガロイヤルホテル地下連絡口

リーガロイヤルホテルとは地上出入口だけではなく、地下連絡口でも繋がっている。この重厚で気品のある自動ドアは、リーガロイヤルホテル地下連絡口である。必要なら、自動開閉を止めることで、いつでも外部からの訪問を中止することもできる。




図36.リーガロイヤルホテル地下連絡口の案内図
地下連絡口を通ってホテル内に入ったところに図36の案内図があった。




図37.リーガロイヤルホテル地下1階にある標識

ホテルの地下1階には、「中之島駅」への連絡口を示す標識が何ヶ所か見られた。ホテル側がこの中之島線を非常に重視していることがよく分かる。




図38.中之島駅東側(玉江橋側)地上出入口

「中之島駅」の4つ目の地上出入口は玉江橋近くにある。「中之島駅」に決定されるまでは、「仮称玉江橋駅」であった。最初の玉江橋は大江橋や渡辺橋と同じく元禄期に架けられた。「なにわ筋」がこの橋を通っている。




図39.玉江橋から田蓑橋までの堂島川右岸沿いのビル群

この玉江橋から田蓑橋(たみの橋)までの堂島川右岸沿いに朝日放送、ザ・タワー大阪、中之島合同庁舎などが並んで建っている。この場所に、かっては日本で2番目に横に長い建物といわれた阪大病院があった。




図40.堂島川左岸の遊歩道

中之島線開通を機に、大江橋から堂島大橋までの堂島川左岸に、美しく再整備された遊歩道が開放され、周囲の景色を楽しみながら歩くことができるようになった。道幅も広くなり、これまでと違って自転車の乗り入れは禁止されているので、安心して散歩を楽しむことができる。




中之島新線開通の感想

中之島線開通の日に4つの新駅と起点駅となった天満橋駅を訪れて、自分の興味がある個所を見て廻ったが、予想していたよりも大きな収穫があった。その収穫の多くを映像とその説明で記録に残した。個々の部分の感想はこの中にかなり書き込んだが、全体としての感想をここでまとめておくことにする。

1.やはり10月19日に開通した
中之島に転居して3年が過ぎたが、その頃から中之島公園と大阪国際会議場を結ぶ道路では工事が行なわれ、無様な光景と通行規制が続いてきた。しかし、それが中之島線新設の工事に関係するものだと思って誰もが辛抱してきたのだと思う。その中でも中央公会堂付近の工事は大規模で、開通予定日が近づいても進展の気配が一向にない。これで予定通り開通できるのだろうかと少しは気にしていたが、地上の工事とは関係なく予定は守られた。やはり10月19日に開通したのだ。

2.ダサイ京阪がクールな京阪に変わった?
結婚してから京阪沿線に住んできた。それまでは阪急沿線だったので、阪急電車と比べて京阪電車のすることはダサイと感じてきた。ところが、中之島線の新駅を目の当たりにして、イメージが180度転換してしまった。4つの新駅は統一されたハイセンスなデザインだけでなく、開放的で機能的、このような素晴しい駅舎は他の電鉄にはないであろうと思うほどである。

しかし、中之島線は中之島高速鉄道株式会社(大阪市)が建設し、京阪電気鉄道(大阪市)が運行主体として開業したことを知ると、クールな京阪と評価するのは間違いかもしれない。

3.中之島縦断路線は画期的
大阪市には地下鉄御堂筋を始め、地下鉄四ツ橋線、谷町線、堺筋線など南北を結ぶ鉄道は多いが、大阪の行政、経済、文化の一大中心地である中之島を東西に結ぶ鉄道がなかった。その意味で、この中之島線開通は画期的であり、将来その恩恵がいろいろの面で見られるだろうと予想できる。差し当って、大阪国際会議場とリーガロイヤルホテルにはメリットが大きいことだろう。個人的には、「なにわ橋駅」近くに住んでいるので、便利この上なしだ。

4.関連事業が楽しみ
中之島線開通に合わせて堂島左岸の遊歩道が全面改修されて歩けるようになった。道路の工事もそのうちに終り、整備されて元の広い道路に戻るだろう。それ以上に嬉しいのは、中之島公園の大改修工事が終ると、中之島公園が「水上公園」として生まれ変わるという再生計画を、中之島線開通の日の新聞報道で知ったことだ。来年8〜10月に予定されているイベント「水都大阪2009」の主舞台となるとのことだ。

具体的には、公園南側に沿い階段状の「木陰のテラス」、その下に「中之島水辺径(みち)」、「公会堂前広場」の整備、「水上劇場」設置、中之島バラ園を「中之島ローズガーデン」に名実変更、「風と光の広場」、「花のプロムナード」、「剣先地区先端の大噴水」などが計画されているようだ。

5.将来への課題
京阪電車をはじめ関係者は充分承知されていることとは思うが、最大の課題は中之島線新駅と他の交通機関との地下連絡である。「渡辺橋駅」で地下鉄四ツ橋線「肥後橋駅」と地下連絡ができるが、「なにわ橋駅」と「大江橋駅」では陸上連絡だけである。「なにわ橋駅」と「北浜駅」とは距離的に短いので、近く地下連絡が実現するのではないかと予想している。また「大江橋駅」と京阪・ 地下鉄「淀屋橋駅」との地下連絡は距離がかなりあるため、工事の費用は大きくなるだろうが、利用者にとって非常にメリットがあり、いつかは実現するかもしれないと思っている。

<2008.10.21.>

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