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2012.09.14. 掲載
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目次
1.動画ファイルの特徴
2.代表的な動画のコンテナとコーデック
3.よく使われる動画コーデック
4.よく使われる音声コーデック
5.動画の原理
6.フレーム
7.画面サイズ
動画ファイル形式は、コンテナフォーマットと呼ばれる特殊なファイル形式からなり、コーデックという種類のプログラムで圧縮された動画データと音声データを、コンテナという名前の容器に収納している。
動画ファイルに含まれている、動画データ、音声データ、静止画データは圧縮されている。
この圧縮・伸張を行うプログラムを「コーデック」という。
コーデック(CODEC)は、圧縮(COmpression)伸張(DECompression)の略である。
圧縮する処理をエンコード(encode)、伸張する処理をデコード(decode)という。
コーデックには動画、音声ともに幾つかの種類がある。これによって、
圧縮の仕方が異なり、その結果として画質、音質にも違いが生じる。
動画のコーデックにはたくさんの種類があり、例えば、MPEG-4、MPEG-2、H264、H265、Divxなどがある。
このデータを再生するには、再生ソフトのほかに、圧縮に使われたものと同じコーデックが
インストールされている必要がある。
動画ファイルには、動画コーデックで圧縮された動画データと、音声コーデックで圧縮された音声データの2種類が必ず含まれている。その他に文字、静止画などのデータが加わる場合もある。(図1)
これら2種類以上のデータは「コンテナ」に収納されて、動画ファイルが作られる。
これは「コンテナ・フォーマット(container format)」と呼ばれる特殊なファイル形式である。
動画ファイルの場合には、この「コンテナの種類」を表すものが「拡張子」である。
例えば、.avi .asf .mov .mp4 .flv .mpeg .mpg などがある。
コンテナは幾つかの種類の動画コーデックと音声コーデックを選択できるので、コンテナ名(拡張子名)と動画コーデック名は違う場合がある。
拡張子が同じ動画ファイルでも、その動画データを作ったコーデックが異なれば別の動画ファイルで
あり、同じコーデックがインストールされていなければ、再生することはできない。
Audio Video Interleaveの略
拡張子:.avi
1992年以前に策定された比較的古い形式。ストリーミング配信用途には不向き
ほとんどのコーデックを格納できるのが特徴。
映像コーデック
・WMV7/WMV8/WMV9
・DV
・Motion JPEG (MJPG)
・H.264
音声コーデック
・LPCM
・WMA
・MP3
・AC-3
・AAC
Advanced Streaming Formatの略
拡張子:.asf.asx、.wmv、.wvx、.wma、.wax
MicrosoftのWMAやWMV用の標準コンテナ。WMAやWMVがよく格納される。
ストリーミング配信用(Windows向け)の主要フォーマットとして使われてきた
映像コーデック
・MS-MPEG4
・ISO MPEG-4
・WMV
音声コーデック
・WMA
・G.726
・LPCM
・MP3
拡張子:.mov
QuickTimeの標準コンテナ。アップル社のMac OSを中心に使われているが、Windows版もある。
映像コーデック
・H.261
・H.263
・MPEG-4 Video
・H.264
・DV
音声コーデック
・MP3
・AAC
拡張子:.flv
Adobe Flashで使われるコンテナ。YouTubeをはじめ、多くの動画共有サイトで採用されている。
Web上の埋め込み動画の定番ソフト
映像コーデック
・H.263
・VP62
・H.264
音声コーデック
・PCM
・ADPCM
・MP3
MPEG-2 Transport Streamの略
拡張子:.m2t .m2ts
主としてMPEG-2の音声や動画の格納に使われる形式で、主にデジタル放送で使われている。
映像コーデック
・MPEG-2 Video
・H.264
・VC-1 Advanced Profile
音声コーデック
・PCM
・Mpeg Audio
・AC-3
・非圧縮LPCM
MPEG-2 Program Streamの略
拡張子:.m2p .mpg
主としてMPEG-2の音声や動画の格納に使われる形式で、DVD(DVD-Video、DVD-VR)などで使われる。
映像コーデック
・MPEG-2 Video
音声コーデック
・PCM
・AC-3
・Digital Theater Systems(DTS)
拡張子:.mp4
主にMPEG-4関連の動画・音声の記録に用いられている標準コンテナ
QuickTime PlayerやWindows Media Playerなどで再生可能。
映像コーデック
・MPEG-4 Video
・H.264
音声コーデック
・AAC
・HE-AAC
・TwinVQ
DVD、地上デジタル放送で採用されているコーデック。
無圧縮データが、4%のサイズに圧縮される
エンコード(圧縮)の時間が少なく、PCへの負荷が小さい
MPEG-2 Videoコーデックを利用する動画
Blu-ray Disc(BDMV)、デジタル放送(BDAV)、HDVビデオカメラ
高ビットレートではきれいに圧縮できるが、低ビットレートではノイズが出やすい。
利用される拡張子
.mpg .m2v .ts .m2t .m2ts
H.263をより高い圧縮率に改良したコーデック
「MPEG-4 AVC」「H.264/MPEG-4 AVC」「MPEG-4 AVC/H.264」とも呼ばれる
無圧縮データが、2%のサイズに圧縮される
エンコード(圧縮)の時間が長く、PCへの負荷が大きい
H.264コーデックを利用する動画
Blu-ray Disc(BDMV)、AVCHDカメラ、AVCHD-Liteカメラ
高ビットレート、低ビットレートでも、画質が良い。
利用される拡張子
.mp4 .m2t .m2ts .mts .mov
<豆知識>
●AVCHDカメラで撮影した動画ファイルの拡張子
AVCHDカメラで撮影した動画ファイルの拡張子は「mts」で、PCにコピーしても変わらないが、
これを編集すると自動的に「m2ts」に変更される。しかし、画質や音質に変わりはない。
Audio Code number 3の略
Dolby Digitalとも呼ばれる
Blu-ray Disc、AVCHDカメラで使われる。5.1ch サラウンドにも対応
Advanced Audio Codingの略
デジタル放送やmp4のH.264動画に使われる
MPEG Audio Layer-3の略 音楽ファイル向け。HD動画では使われない
Linear Pulse Code Modulationの略
音楽CD、DVD-Video/Audio、Blu-ray Discなどで採用されている。圧縮はなく、デジタルでサンプリングしたそのままのデータ
少しずつ違いのある複数の静止画を、ある速度以上で、切り替えて表示するのが動画の原理。人間の目の残像による錯覚を利用している。こどものころ、パラパラ漫画でこれを体験をした人はかなりいると思われる。動画は複数の静止画(フレーム)を高速に切り替えて表示することで動きを表現している。
フレーム(frame)は動画を構成する静止画1枚分の画面のこと。映画の「コマ」にあたる。
インターレース(interlace)とは、1フレームを1本おきに飛び越し走査する方式で、1枚の画像(フレーム)を、横のラインが奇数ラインだけの画像(フィールド)と偶数ラインだけの画像(フィールド)に分けて、それを交互に表示させることによって1枚の画像に見せる方法である。これも人間の目の残像による錯覚を利用して、半分の情報量で、全体に近い情報に代えようとする工夫である。
インターレース走査により、1フレームで走査する線の数は2分の1で済むが、1フレームの表示が1ラインおきとなるため、ちらつき(フリッカー)が出やすく、画像の鮮明さが劣るという欠点がある。
それに対し、プログレッシブ(progressive)走査とは、インターレースのように奇数段・偶数段と交互に走査するのではなく、順次に1本ずつ走査する方式で、1枚の画像を分けることなく表示させる。
こちらの画像はちらつきが少なく、美しいが、情報量はインターレースの2倍になる。
フレームレートは、1秒間に表示されるコマ数のことで、コマ数が多いほど動きが滑らかになる。映画は24コマ、ワンセグは15コマ、TVは30コマである。単位は fps(frame per second)。
インターレース方式の場合、走査線の奇数本目と偶数本目とを交互に表示するが、その奇数本目、あるいは偶数本目だけからなる半分の絵のことをフィールド(field)と呼ぶ。1秒間に何枚のフィールドを表示するかということを「フィールドレート」というが、インターレース走査の場合「フィールドレート」は「フレームレート」の2倍になる。
インターレース走査方式で、フィールドレートが60の場合を「60i」と表現する。フレームレートはフィールドレートの2分の1の30。プログレッシブ走査方式で、 フィールドレートが60の場合を「60p」 と表現する。フレームレートはフィールドレートと同じ60。
人間の目に自然な動画として映るフレームレートは30fps以上と言われており、これより小さいと、ぎこちなく動くと感じるそうだ。スポーツなどの高速シーンを撮るのでなければ、30fpsで十分ではないかと考える。
画面や画像の縦と横の長さ(ピクセル数)の比。これまでのTVやPCの多くが4:3だったが、現在のTVやPCは16:9の横長画面に変わっている。
画面サイズが大きい動画ほど、再生に多くのビット数の割り当てが必要になる。
ipod の画面サイズは 240X320、DVDは 640X480、FHDは 1920X1080
ビット・レート(bit rate)は、1秒間に流れるデーター量(ビット数)を言う。単位は bps(bit per second)。通常、Kbps、または Mbps で測定され、28.8 kbps、8Mbps のように表わされる。ビットレートが高いほど画質や音質は良くなるが、その分だけ、ファイルサイズは大きくなる。転送レートとも呼ばれる。
DVD-Video 規格の最高品質が 9.7 Mbps、地上デジタル放送が 15 Mbps、BSデジタル放送が 23 Mbps 、AVCHD規格の最高品質は24 Mbps である。
ビットレートには、データ量を一定にした「固定ビットレート」、CBR(Constant Bit Rate)と、変化の大きい部分により多いデータを割り当てる「可変ビットレート」、VBR(Variable Bit Rate)がある。
「可変ビットレート」VBRを利用すると、静止画に近いシーンや動きの激しいシーンに応じてビットレートを変化させることによりデータ量が節約できる。レートの平均値を上げれば、動画の品質向上が期待できる。
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