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還暦まで

1996.08.30. 掲載
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  書名   :還暦まで      
  著者   :野村 望
  出版元  :医療法人野村医院
  出版年月 :1996年3月      
  書籍体裁 :A5版横書き160ページ  
  印刷部数 :500部          
  頒価   :無料
  内容紹介 :この本のまえがきと出典で紹介に代えます。

還暦まで


今からちょうど10年前、50歳の誕生日の記念として、それまでに投稿した雑文をまとめて文集を作り、題名は「五十まで」とした。その1年前からパソコンを使っていたので、当時アメリカで盛んになり始めていたDTP方式でこれを作った。

DTP( Desk Top Publishing )とは直訳すれば机上出版、具体的にはパソコンとプリンターで版下を制作して、自分で本を作ることを言う。

この場合のパソコンはPC9801M2、プリンターはPR201H、主なソフトは初代一太郎、印刷はキヤノンのコピー機で、初回に30部作り、その後無くなれば10部づつ作って全部で100部近く作ったと覚えている。全て手作りで、コピー機で袋綴じに印刷したものを手折りし、ホッチギスで綴じ、その綴じ代を隠すために白い布製のガムテープを利用した。これで見違えるように体裁がよくなった。

この文集を職員、親戚のほか親しい人に差し上げた。待合室にも半年ばかりの間置き、患者さんにも読んで頂いた。自分ではこれをDTPだと思い、パソコン雑誌などでDTPの作品募集があると、この冊子で応募もしたが残念ながら入賞はできなかった。今手許に残っているのは待合室に置いていた1部だけだが、それを見るとDTPというには少しお粗末過ぎる感じがする。しかし、当時は大真面目でその出来栄えを喜んでいた。

今年は60歳、還暦である。ついこの間、父の還暦を祝った記憶があるのに、もう自分の番が来るとは、時の過ぎ去るスピードに唖然としてしまう。この還暦の記念に、50歳の時を真似て、今までに公表した雑文をまとめた文集を作ることにした。20歳から50歳までの30年間は7個であったが、50歳から60歳までの10年間では12個を選んだ。今回もDTPで文集を作るが、10年前と比べて当然出来栄えは良くなっているはずである。

今回は各文毎に説明を加えることにした。これは読んで下さる方への配慮もあるが、むしろその文を手掛かりに、その頃の自分を思い出して記録しておきたいと思ったからである。ところが、説明文を書いているうちに面白くなり、説明文の方が本文の数倍の長さになるという奇妙な箇所も出てきてしまった。これでは、いつもの通りの自己満足で他人迷惑、と非難されても致し方あるまい。

思えばこの10年間も絶えず何かに熱中していた期間であった。そして、その多くがパソコンと結び付いていたように思う。また、60年間をふりかえってみると、激動変革の時代を生きてきたとの思いが強い。50歳最後の年に、生まれ育った神戸の大震災、オウム、住専、官僚の堕落と続き、何たることかと思う一方で、これだけ多くの変動を体験し、あるいは傍観できる時代に生きてきた運命を享受し、どこかにそれを喜ぶ気持があることも否定できない。

それでは、これからの還暦後の人生をどう過ごすかといえば、終着点へ向かうまとめの期間として「しなければならないこと」を減らし、「したいこと」を増やして行きたいと願っている。現在の私のしたいことを18「自己紹介」のところに記したが、これは時とともに増えると思われるし、また変わることもあるであろう。いずれにしても死に際に悔いが少ないよう生きて行きたいと思っている。(1996年2月16日 野村 望)

還暦まで 出典
 1.ある高校3年生 (56年6月) きたのたけのこ第2号
 2.合宿の思い出 (56年11月) きたのたけのこ第3号
 3.外科を選ぶか内科にするか (61年12月) ALPHA60第5号
 4.一外気質 (71年 5月) 50年の回想
 5.クラッシックパンツ礼賛 (77年9月) 枚方市医師会会報第14号
 6.愛のうた (84年2月) 枚方市医師会会報第25号
 7.肥満について思うこと (85年9月) 枚方市医師会会報第28号
 8.五十まで まえがき (86年4月) 五十まで
 9.嗅診の効用 (86年9月) 枚方市医師会会報第30号
10.私のレセコン使用法 (88年11月) ニフティーサーブFCASE
11.医用画像独習記 (89年7月) ニフティーサーブFSKY2
12.色好み (93年3月) 枚方市医師会会報第40号
13.私のパソコン活用法 (93年3月) 枚方市医師会会報第40号
14.開業までのあらまし (93年11月) 野村医院二十年史
15.開業以来の診療方針 (93年11月) 野村医院二十年史
16.開業20年目の感想 (93年11月) 野村医院二十年史
17.近況 (94年1月) 枚方市医師会会報第41号
18.自己紹介 (95年5月) 交野市医師会会報第1号
19.私の書いた本 (95年10月) 大阪保険医雑誌第341号
20.こんな筈ではなかった (95年12月) 交野市医師会会報第2号
付録.内科開業20年間における紹介患者の分析 (95年10月) 大阪医学第38号

(1996年3月出版)


<1996.8.30.>

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