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院長の自己紹介

<交野市医師会会報第1号(95年5月)から>

1998.01.06. 掲載
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     1.氏名      野村 望      
     2.生年月日    昭和11年4月16日
     3.出身校     大阪大学医学部昭和36年卒
     4.医療機関名   医療法人野村医院
     5.診療科目    内科、循環器科、消化器科
     6.所在地     大阪府交野市倉治3丁目50番1号
     7.電話番号    072−891−6100
     8.趣味      音楽、何かを作ること


今年は私にとって50代最後の年になります。人生50年と言った時代が半世紀前まで存在していたというのに、それから約10年も長く生きることができた幸せを思いますが、それと同時に、自分に残された時間がそれほど多くはないことも痛切に感じます。私の家系は長命でなく、また友人達の多くがこの世を去りました。医学部学生の頃の同じ解剖グルッペの6人中3人が故人です。

そのためもあって、これからの人生は「しなければならないこと」を減らし、「したいこと」を増やしていきたいと考えています。幸い開業医として大過無く22年近くを過ごすことができました。好運でした。しかしこれからも同じ状態を続けることができるとは考えられません。知力、体力、気力のいずれもが、口惜しいことですが、下降線をたどっています。

今から4年前に自分の「したいこと」を数え上げ、机の前のパソコンに26のテーマを書き込みました。現在そのテーマは30に増えていますが、何とか果たせたのはわずか3テーマで、残りは手をつけただけか、中断したままになっています。その中で最もしたいテーマの第一は「歌と思い出」を書く、第二は「心に生きることば」を書く、第三は「歌のインデックス」を作ることです。

第一の「歌と思い出」を書きたい理由ですが、ある歌を聞けば、反射的にある情景が瞼に浮かんでくるという経験を、多くの人がお持ちでしょう。その反対に、過去のある時を思い起こすと、決って頭の中に流れ出てくるメロディーがあるという人も多いと思います。歌好きな人間の場合、その数はかぞえきれない程かも知れません。私も歌が好きです。昔の歌を頭に浮かべると次々にその頃の思い出がよみがえってきます。60年近くの間に聞き親しんできた歌はどれほどあるのか、それは自分の生きてきた道のりを教えてくれるものになるでしょう。その歌をしるべに思い出を書き綴っておきたいのです。

第二の「心に生きることば」を説明しますと、心に残る短い言葉が、日常生活の中で知らずしらずの内に行動の原理になっている場合がありますが、私にはそれが多いような気がします。かなり以前から自分の心に生きている言葉についてまとめておきたいと思ってきました。その中には格言やことわざも含まれていますが、普通の人の言葉や自分が作ったことばも少なくありません。これは私の理屈ぽい部分のまとめだと言えます。

第三の「歌のインデックス」というのは歌の出だしの部分のメロディーを数字譜で略記する作業です。知っている歌は、出だしのメロディーが分かれば、たいてい残りも分かるものなので、歌の名前にこのメロディー略譜を付けておけば、譜が読める人には便利だと考えました。

しかしこの略譜が威力を発揮するのは、メロディーが分かっていて曲名が思い出せない場合だと思います。というのは、この数字譜をもとにコードを作るとコンピュータ処理が容易で、例えば表計算ソフトでソートすれば常にコード順に並べることができるからです。コード順に並んでいれば該当するメロディーを探すのに苦労はいりません。

この数字譜はハーモニカの数字譜をパソコン向きに改変したもので、パソコンで標準的に使われている記号だけを使って3オクターブのメロディーを略記できるように工夫しました。

ここまで書いてきて、現在30テーマに増えた「したいこと」のほとんどが、何かを書く、まとめる、作る、といった形の残るものであり、形の残らないものはわずか3テーマであることに気がつきました。あるいはこの傾向が私の「したいこと」の特徴かもしれません。

ただ、昨年の枚方市医師会会報にも書きましたように、形の残らない「酒、歌、会話、読書」などは現在享楽「している」ので「したいこと」には入りません。そのため私の「したいこと」には、形の残らないものが少ないのではないかとも考えられます。

また、私の「したいこと」には形の残るものが多いのは確かですが、過去を振返ってみると、それを果たすまでの過程が「したいこと」で、一旦完成するとそのテーマに対する情熱も関心も速やかに失せていきます。だから完成した時の充足感を味わうことが本当に「したいこと」なのかもしれません。

以上、私の「したいこと」を書くことで自己紹介に代えさせていただきました。(1995年5月、記)


<1998.1.6.>

追記 2005年9月1日より、医業を息子に引継ぎ、交野市から大阪市内に転居しました。



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