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2000.11.28. 掲載
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目次
1.目的(直接的、間接的)
2.方法
A:形式的な事柄(環境、文字、文章、心構え)
B:基本的な事柄
1)勉強とは
2)勉強の成果を高める因子
3)基本←→応用
4)反省と対策
5)漸近主義
6)80点主義
7)120%目標
8)可能性を信じる
9)タイムリミット
10)集中主義
11)1冊中心主義
12)部分←→全体
13)急がば廻れ
C:勉強時間
D:勉強場所
E:友人
F:不得意科目
G:英語
H:数学
3.この覚え書きの注釈
勉強の直接的目的:希望する大学に合格すること
勉強の間接的目的:与えられた条件(時間、環境)の中で、問題を解決する能力を身につけること
1)勉強机、前、周囲は整理されていること
2)他人が間違わずに読める字を書くこと、意味の分る文章を書くこと
3)勉強の前に気持を引き締める目的で、冷水で顔を洗うなどの儀式も悪いことではない
勉強というものは、自分自身が努力して、工夫し、反省し、実力を身に付けようとする
ことにある
1.ある水準以上の能力を持ったものの場合、勉強の成果を上げる要因は、勉強をして
実力を向上させようという強い意志と根気、工夫、そして反省である。
2.人間の可能性というものは想像以上に大きいのだ。
3.人は、しなければいけない時に、何かと理由をつけて行わないなら、そういう人は
いつになっても大したことは何もできないだろう。
4.世の中には、自分よりももっと努力している人間がたくさんいること、もっと成果を
上げている人間がいることをはっきり認識しておくことだ。
5.知識は実行してはじめて意味がある。(もちろん、それは精神的苦痛を伴うことも
あるが)100の知識より、10の実行である。
1.基本をマスターしてから応用に向かうとか、基礎から一歩一歩着実に順序だって
進んでいくというやり方は、一見合理的に思える。しかし、人間の理解能力とか
認識のしかたは、単純な問題を除いては、そのようなやり方に適さない。
2.ある程度の基本が分れば、実際の応用面に当ってみる。その作業の間に、基本の
意味がよく分るようになったり、誤解していた事柄を修正することもできる。こう
して基本の理解を深めた上で再び実際応用面に向かうと解決が容易になるという風に
基本と応用は行ったり来たりして、それぞれの認識を深めていく。
基本←→応用 まとめ←→問題 結論←→各論 理論←→実際
などと置き換えても、意味するところは同じだ。
3.これを時間的経過が分かるように書くと、
[基本] → [応用] → [ 基本 ] → [ 応用 ] → [ 基本 ] → [ 応用 ]
絶えずお互いに発展していくことが分る。
4.問題集をやるばかりではなく、時々基本に戻る(教科書、参考書のまとめ)ことが
重要である。
1.問題を次々と解いていくだけで、その合否を確かめない場合とか、合否は一応調べるが
誤りを検討して、二度と誤らないための対策を考える努力をしない場合、そのいずれの
場合も、問題を解くことは自己満足に過ぎない。勉強における自己満足は、時間を浪費する
ばかりで、有害無益である。
2.問題を解くことの一番大きな意味は、自分の不得意の個所(理解が浅いとか、理解
できていない、又は間違って理解しているなど)を見つけることにある。
3.自分の不得意な個所を無くそうとするやり方は、受験勉強などには効果的なことが
多い。もちろん、自分の得意な個所を更に伸ばそうとするやり方は、一般には重要だが
受験勉強では、むしろ、この不得意個所を直すやり方の方が、能率的で実際的である。
4.問題を解いて間違った時、その原因を分析し、二度と同じ過ちをしないためには
どうすればよいか検討することは極めて重要なことである。その原因について、
例えば、基本や公式をよく理解していなかった、計算が粗雑、単純なケアレス・ミス
テイク、文字のあいまいさ、計算の工夫の不足、問題の意味の取り違えなどと分析し、
二度と誤らぬためにはどうすればよいか、対策を考えることが肝要なのである。
5.同じ誤りを犯したときには、深刻に反省し、三度誤らぬ対策を立てる。もし二度ならず
三度までも同じ誤りを繰り返すようなら、恥じ入り、臍を噛んで死んでしまうことだ。
問題を解く、物事を理解する、知識を身に付けるなどの途中では、精一杯100%の努力を
傾ける必要がある。しかし、その結果は100%の正解でも、100%の理解でも、
100%の知識の吸収でもない場合がほとんどである。
これは当然過ぎるほどの、自明の理であるにもかかわらず、忘れがちで、努力が報いられないと
投げ出してしまう人が多い。
真理とか完成とかというものは、漸近線が限りなく近づいていく座標軸のようなもので、
人は失敗を繰り返しながら、より真理に近づき、より完成に近づいて行くものであることを
はっきり認識していなければ、真理に近づくことは困難である。
学校の試験とか、入試の場合、単一の科目ではなく、数科目の実力が試される。このような
試験に対して、特定科目について100点を取るように努力するよりは、全ての科目について
80点を取るように努力する方が、総合点が上がり、効果的である。80点を90点と
置き換えても、あるいは98点としても良い。とにかく、100点を取るためには、莫大な
エネルギーを費やすことが多い。そのエネルギーを他の科目に向ける方が成果が上がると
いうことだ。
勉強の計画を立てるときの目標は、自分の実力と思われる所より20%ばかり高い値を設定
するのが望ましい。低すぎるとか、実力相応の目標では意味がないし、発展向上は望めない。
しかし、余りに高すぎる目標では挫折感、欲求不満→勉強の放棄または神経症への逃避に
つながるだけである。
人間の可能性は想像以上に大きいものだ。2)で述べたことのくり返しになるが、勉強の
成果を高める根本にあるものは、自分の能力の可能性を信じることかもしれない。あるいは
自己の可能性を信じて、向上を目指し努力を続けることが、即ち勉強だと言い換えることが
できるように思う。自己暗示でもよいから、自信を持つことだ。
人間が生きていくに当って、いろいろな面で時間的制約を受けている。ともすれば忘れ勝ちな
この事実を、しっかり身につけて行動しているか否かで、成果は大いに違ってくる。
常に勉強の予定内容と、いつまでに完了するかのタイムリミットを自分で決め、それに向かって
集中的に努力を傾けるということのくり返しが、実力をつける近道である。
こま切れ的に時間を分けて多くの科目を勉強するより、特定の科目にしぼって集中して勉強
する方が効果的なことが多い。もちろん、英語とか数学のように毎日すこしづつ勉強を続ける
ことの重要な科目もあるが、その英語、数学にしても、毎日の決まった時間の勉強のほかに、
集中的に勉強することにより成果は上がる。
それぞれの科目について、中心となる教科書か参考書を1冊決めて、その1冊を何回も
くり返し勉強し、マスターしてしまうのが効果的である。もちろん、その1冊は内容の
優れたものであることが望ましいが、更に良い参考書が見つかれば、変更すればよい。
また、もしもその1冊に欠けている部分があれば、他の参考書からメモを作るなり、
書き込むなりして、より完全なものにすると同時に、その1冊の中の部分で充分に理解し
消化した部分については、取り除いてしまってもよい。
細かい部分を勉強していくとともに、全体の中で位置づけを知る必要がある。骨組みを
知らないで末梢的な細かいことばかり勉強しても役に立たなかったり、誤ったりすることが
多い。逆に骨組みばかりを勉強しても、細部を知らなければ、理解しにくいことが多い。
タイムリミットを気にするあまり、すぐに役立つことばかりに目を向けていると、大きな
成果が得られないことがある。時には回り道に見えても、時間をかけて勉強したり、直接
役立つことではなくても、廻りまわって将来役立つことを勉強しておくことが、結局より
大きな成果につながることがある。
学校の授業時間を最大限に利用すること。それ以外に、毎日3時間真剣な勉強をすること。
ダラダラした勉強は、勉強に入らない。
机の前だけが勉強に効率的であるわけではない。車中、歩きながら、庭で、時には布団の
上でも、よく勉強できることがある。
勉強を妨げる者は望ましくない。逆に励みになる者は悪くない。しかし、個人との一対一の
競争は有害なこともある。
入試制度の中では、不得意科目をなくし、合計点(平均点)を高める方が有利である。
そのためには、不得意科目を重点的に勉強していくほかに、積極的に好きになるように
工夫をしてみる。自己暗示でも良い。一旦不得意科目の成績が上がれば、良循環により
一層成績は上がっていくものだ。
テキストを暗記してそれを書き、文章の構造の分析(文法)もできるようにする。英作文の
問題にも当る。目で読む、声を出して読む、書いてみる、解いてみる(実際に紙の上で)、
頭の中で考えたり解いてみる。
1.問題を解く
問題を解いて、正誤を調べ、誤った問題をチェックしていく。誤った問題を検討する。
後日またその問題を解き、正誤を調べる。誤った問題を検討する。このようにして、
できない問題を無くしていく。
2.公式とか基本をよく勉強して暗記する
実際の問題を解いていく過程で、公式の意味、基本の意味が分るように努める。
基本(公式)←→応用(実際の問題)
3.基本とか公式の全体に占める位置を知る
その公式や基本が全体の中でどのような位置を占めているのか、全体との関係を把握
しておく。 部分←→全体
4.タイムリミットを決めて解く
問題を解く際に、問題の量とタイムリミットを決め、実際のテストのように解くことも
必要で、この時はゲーム的に考えると良い。
5.タイムリミットなしで、徹底的に問題を解く
時間を気にしないで、納得のいくまで徹底的に集中的に問題を解くことも重要である。
この時は日曜大工のように、趣味的に解き方を考えるのが良い。
6.群化(グループ化)をする
他の科目でもそうであるが、特に数学では群化(グループ化)の概念(考え方)が
非常に重要である。
7.間接法もある
直接法で解けず、間接法でしか解けない問題もある。
8.数学では考え方が重要
数学では考え方が重要視され、結果を得る過程が大切である。いろいろな考え方ができて
その中で最も適切、簡潔、明瞭な方法で解くことが重要である。
(1982.9.15.記)
この「勉強覚え書き」は、今から18年前、息子圭が中学2年の時に、私が受験勉強で身につけた勉強のコツを、「勉強覚え書き」というB5版16ページの冊子にまとめて、息子に手渡したものである。これで受験勉強成功のコツをすべて教えた積りでいたが、馬の耳に念仏の効果しかなかったようだ。
私が生まれてから還暦までの60年間に聴いてきた歌と思い出を、「歌と思い出」という名前で書き綴ってきたが、その資料を集めている時に、この「勉強覚え書き」が見つかった。18年ぶりで読み返してみると、案外まじめに書いてあり、また、今も同じ考えのところが多くて、記録として残しておくことにした。
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