単優先主義は単勝を中心に馬券を買うことだけど、決して単勝ばかり買うのではない。配当が見込めるのなら当然、馬単のような馬券も狙っていくのだ。だが、基本は単勝。今日はその組み合わせ方について考えてみよう。
○基本は期待値である。
これは馬券の基本、いや、博打の基本といってもいい。「期待値」についてちょっと説明をしてみよう。
分かりやすいように最近のレースから2002年秋華賞を例にとってみる。「このレースで最も当たる確率の高いのはどの馬券をどのように買ったときですか?」。100人中100人が「ファインモーションの複勝」と答えるだろうし、間違いなく正解だと思う。それ以外を選んだ人はよっぽど性格が捻くれているか競馬の勉強をやり直した方がいい。では、「このレースでどの馬券をどのように買いますか?」という質問はどうだろう?これは様々だろうが、少なくとも「ファインモーションの複勝」と答える人は100人中1人いるかどうかだろう。まず100%当たる馬券だけれど、元返しになる確率もかなり高く儲けにならないから。これが「期待値」の概念なのだ。
もう少し具体的に説明していこう。ファインモーションの複勝は100%当たるが100円のオッズ。ファインモーションの単勝は80%当たるが110円のオッズ。ファインモーションからサクラビクトリアの馬単は30%の確率で550円のオッズ。さて、この3通りしか馬券を買えないとしたらどれを選ぶ?これは意見が分かれるかもしれないが3番目の馬単を選ぶのが正解。なぜならば最も「期待値」が高いからだ。
期待値の公式(最も単純化したもの)
期待値 = 出現確率(100%=1とする) × 配当
この公式に当てはめると、
複勝は、「1×100円=100円」
単勝は、「0.8×110円=88円」
馬単は、「0.3×550円=165円」 となる。
つまり、期待値的には馬単は単勝の倍になるわけだ。圧倒的に馬単が買いだろう。
この例はあくまで分かりやすくしただけで実際には出現確率なんかは計算できないのでフィーリングで考えることにはなるけれど、基本的な考え方として理解しておいてほしい。
○本線と押さえ
本線とは、「当たる確率が最も高い馬券」であり、押さえとは、「確率は低いが考え得る馬券」だろう。が、いくら確率が高くても配当が安い馬券は買わないだろう。さっきの例で言えば、複勝を本線に買う人はまずいない。これはどういうことかというと、期待値なのだ。
もう一度さっきの秋華賞の例を使ってみると、複勝を本線に買う人はいないが、単勝ならいる。なぜか?期待値を高めることができるからだ。
「ファインモーションの単勝に200円賭けるのと、ファイン→サクラの馬単に100円賭けるのとではどちらが期待値が高い?」
答えは、単勝だ。期待値を計算してみよう。単勝は200円賭けるので配当が倍になり、220円になる。
単勝:0.8×220円=176円
馬単:0.3×550円=165円
つまり、コマの上げ下げによって本線と押さえの区別をつけることができるのだ。基本的に本線の方が押さえよりも期待値が高くなるようにするのがポイントである。とはいえ、出現確率がフィーリングなのでここもフィーリング頼りなのだが。少なくとも、よくあるように「押さえよりも本線の方がリターンの金額が多くなるように資金配分」というのは間違っている。
ここまでは馬券の組み合わせを考える上での基本事項について。本題はまた後日。
○単勝と複勝
○単勝と馬単
○単勝と馬連、あるいはワイド
○三連勝馬券について
あけましておめでとうない。今年は去年の負けを倍返しで取り返すためにも日々是決戦である。
さて、単優先主義としては、かつての
2001年夏の頃の馬券が理想に近い。このようなリズムを取り戻すためにも努力していかねばならない。
その初戦である金杯。京都は上位馬にそれぞれ不安要素が多いと思われ、回避。中山は指数、展開からイブキガバメントを単で買ってみたわけである。だが惨敗。翌日、京都は勝負できるレースはなく、中山メインのジャニュアリーSでサイモンセッズを買ってみた。これも惨敗。敗因は木刀JKによれば道中で他馬の鞭が当たってひるんだということだが、本当はそんなところではないと考えている。今日はこの2レースから考察してみる。
金杯からいこう。イブキガバメントを買った理由として、
1.中山二千は差しが有利で、追い込みは不利、逃げもやや不利である。
2.前走勝っていて調子も問題ない。ローテーションも丁度よい。
3.同条件の2002年秋天で高指数。
というところが挙げられる。1.に関しては問題ない。なぜならば勝ったトーホウシデンは現に差して勝っているからである。2.もまあいいだろう。だが、3.に問題があった。結論を先に言ってしまおう。
「指数が高いからといって着順が上に来るわけではない」
これは実際に算出すればわかるのだが、前半のペースを加味しているため逃げれば逃げるほど指数は低くなる傾向にある。極端な追い込みをすればメンバー中1位の指数が出る。だが、その時の着順は決して1位ではないのだ。逆に指数から着順を予測するときにも当てはまる。
それでは、なぜ指数と着順の逆転現象が起こるのか?おそらく、コース適性ではないかと思っている。前々から注目している理論に「直結理論」というのがある。過去に激走したコースと凡走したコースが今回のコースとどのような関連性を持っているかということに着目した理論である。データ馬券で前走のローテーションから消去していく項目がよく見られるが、このやり方がある程度成功するのも直結理論の一種と言える。直結理論で言えば、今回の中山二千とイブキガバメントが重賞を勝っている阪神二千との関連性はどちらかというとやや良いという程度である。ちなみに中山二千との関連性は当然だが非常に良い。さて、トーホウシデンとイブキガバメントの比較であるが、秋天の指数はほぼ同じであった。ややイブキガバメントの方が高いが、着順はトーホウシデンの方が上である。これは展開の差で、実は
中山二千の適性から考えればトーホウシデン>イブキガバメントであったといえる。おそらく、阪神二千でレースをすれば逆になるだろう。
中山と阪神とでは好走するために要求される脚質が異なるのだろう。このことについてもっとわかりやすく考える。ジャングルポケットとマンハッタンカフェ。2002年春天ではカフェが先着したが、仮に両馬万全の体調で東京二四のJCを走ったらジャンポケが先着するだろう。また、スペシャルウィークとグラスワンダー。1999年の宝塚記念ではグラスが圧勝、同年の有馬記念では僅差でグラスが勝った。だが、仮にグラスが体調万全でJCに出ていればスペシャルには勝てなかっただろう。4頭とも末脚で勝負するタイプなのだが、末脚の質が異なるのだ。ジャンポケやスペは一瞬の切れが持ち味であり、カフェやグラスは持続する末脚が持ち味なのである。東京コースは直線が長く坂もあるため、最後はバテ比べになる。一瞬の切れで前に出ておいて後は同じ脚色、もしくは最後に一瞬の切れでかわすというのが有効となる。タニノギムレットやアドマイヤベガなども同様だろう。京都コースは3コーナーに下り坂がありそこから大きな坂もなくスピードが持続したまま直線の攻防になるためいい脚が長く使える方が有利である。ナリタトップロードやメジロブライト、サクラローレルなどもこのタイプだろう。スペシャルウィークが春天を勝った時もダービー・JCとは違って先行してのものだった。だが、これらの馬は指数的には70台〜80台とそんなに差がないのだ。中山は京都と同じカテゴリーに属し、阪神はさらに持続性有利なのだろう。
← 一瞬の切れ 持続性 →
東京 中山 京都 阪神
例えば、目黒記念やエプソムCで好走してきた馬と、京都のOP特別で好走してきた馬が宝塚記念に出てきたとすると、同程度の指数ならおそらく格で劣るはずの前者が先着すると思われる。これと同様のことがイブキガバメントとトーホウシデンで起こったということなのだ。脱線しすぎた。一言でまとめると
「コース相性は馬鹿にできない」ということである。
さて、翌日のジャニュアリーS。これはほぼ同レベルの指数を持った馬が揃った。で、
ここで重要だったのは何かというと、枠である。実はこれは馬券を買う時に理解していたことなのだが今回は読み間違えた。というのも、中山ダ千二は通常は外枠が有利なのだが、前日に限っては内枠がよく出ていたのである。久々の開催でイレギュラーなトラックバイアスが働いていると考えられた。そこで、有力馬の中で内に入ったサイモンセッズを狙ってみたのである。だが、実はこの日は元に戻っていて外枠が良く出ていたのである。そのため、7枠に入ったグラスベンチャーが勝ってしまった。有力馬の中では最も外にいた馬である。これは馬券を買う前にもう一度リサーチすれば少なくとも複で狙えていた。いたく反省する点である。