こばくち日記


2001/11/25.(日)
JC総括
JCウィークが終了した。今年のJCを振り返る。
[府中のゴール前は米軍に制圧されていた]
今年は例年よりも外国馬の質が低かった。ダートの方は「世界最強」と呼ばれるリドパレスが参戦したが、これは万全ではなかった。最強にしては情けないレースだった。こんなものではないはずだ。クロフネは是非敵地へ乗り込んで本物の状態のリドパレスを撃破してほしい。
ダートの他の出走馬は重賞勝ってなかったり、ダートが初めてとかいうのばっかりで相手にならない。これでは去年と同じことだ。
芝の方を見てみると、ファンタスティックライトだとかモンジューのような最強クラスの馬がいなかった。外国馬の大将と言われたのが英クラシックを勝ったゴーラン。これにしてもファンタには歯が立たないわけで、ステイゴールドの相手にもならない。
こんなメンバーなので、当然日本馬はチャンスなわけだが、日本馬のほうは去年よりも質が高かった。
ダートは去年の優勝馬ウイングアローの他にプリエミネンス、レギュラーメンバーなどが引き続き出走、加えてミラクルオペラ等の新鋭も加わった。もちろん、主役はクロフネだった。既存のダート馬を前走で斬捨てた能力は遥かに抜けている。これなら当然日本馬優勢だ。
芝もやはりオペ、ドト、トップロード、ステイゴールドといったお馴染みのメンバー。ここにドバイWC2着でエリ女勝ちのトゥザヴィクトリー、今年のダービー馬ジャングルポケットなどが加わり一層強化された布陣だった。
外国馬は去年より落ち、日本馬は去年より上。結果、どちらのレースも外国馬は掲示板すらのらなかった。
ダートの方はリドパレス以外に語るべき馬もいない。カスばっかりだ。トーホウダイオーあたりでも勝てる。
芝の方はやはり、ファンタスティックライトが基準になるか。ドバイの結果から考えると、ファンタ=ステイゴールドぐらいだろう。
ゴーランはファンタスティックライトに1秒近く離される馬だが、今回ステイゴールドとは0.1秒差。輸送等の要素を考慮しても、ファンタやステイを上回るのは現時点では無理。
逆にファンタが出てきていたら、ゴーランの1秒前にいたら、オペから1馬身ほど後方になる。
今、オペあるいはジャングルポケットに勝てる馬がいるとすれば、凱旋門賞を勝ったサキーのみか。サキーもJCを走っていたらどうだったか?過去の凱旋門賞優勝馬と同じ道を歩んでいたかもしれない。
今のレベルの日本馬ならJCを東京でやる限り外国馬よりも上位にとって間違いなさそうである。
次に今年の傾向として、3歳のレベルの高さがある。ダートはクロフネ、芝はジャングルポケット。共に3歳最強クラスの馬だが、JCで過去に3歳馬が勝ったのはエルコンドルパサー唯1頭だった。
もちろん、そこには本来主役としているべきはずの4歳馬が超低レベルだということもあり、5歳馬はいずれもピークを過ぎてきていることもある。だが、ウイングアローにせよオペラオーにせよ、去年とほぼ同じレベルを維持はしているはずだ。
エリ女でも3歳牝馬の3強が揃って掲示板にのってきた。G1戦線で漸く世代交代が始まったといえる。
指数的には、現7歳(ブライト、ステイ世代)、6歳(スペシャルウィーク、グラスワンダー、エルコンドルパサー世代)、5歳(オペ、ドト、トップロード世代)はほぼ同程度だ。厳密に言えば、6歳世代のトップはやや抜けていた。
が、4歳(エアシャカール世代)がどうしようもない。G1を争うのに必要な75という指数をクリアしている馬が皆無に近い。マイルのゼンノエルシドがどうかというところだ。これでは世代交代は進まない。
3歳はジャングルポケットの他にもダンツフレームがダービーで80近い指数をマークしている。多少眉唾モノだが。今後、エアエミネムなども75を越えてくる可能性を秘めている。これで5歳世代が引退した後も高レベルが維持できそうである。
ということで、今年のJCのまとめ。
「レベルの上がった日本馬」
「世代交代の始まり」
ジャングルポケットはまだ不安定なところがあるので今後は東京以外でも勝てるようになることが課題だ。
クロフネはもう日本に相手はいない。来年はドバイ、BCを目標に精進してほしい。実際、2つとも取れるだけの馬だ。この際ついでにエミレーツチャンピオンも目指してみるのも面白いだろう。エミレーツ来年もやるのかな?騎手、馬主ともまずはトゥザヴィクトリーの仇討ちからだ。

2001/11/18.(日)
旅打ち紀行(福島篇)
初めて競馬場に行ったのはサクラローレルが勝った有馬記念だった。吉祥寺から黄色い総武線に乗った。
シーキングザパールのNHKマイルCを見に東京に行った。今や障害馬となったブレーブテンダーが2着だった。
新潟にはアイビスサマーダッシュで勝負した。あの直線の長さは地球が丸いことを感じさせた。
そして、福島。これで関東エリアの中央競馬を完全制覇ということになる。最後まで残った福島は秋福最終日だった。
[福島競馬もたいがい田舎にある]
今回の同行者はイヌイ同志に加え、宿主のホンダ青年である。ホンダ青年は宇都宮在住なので、土曜日の夕方に東京を発ち、東北道を覆面も仏恥義理の速度で駆け抜けて行く。
イヌ「今回はやっぱり栃木の地酒でしょう。」
ワシ「全くである。米所とはいかないまでも米産地であるからには地酒は必ず存在する。福島競馬もそうだが、その前に栃木地酒も制覇せねばらなぬ。」
ところが、である。ホンダ青年の家の近くの、最近開店したばかりという居酒屋は、である。
入口をくぐると正面にバーのようなカウンターがあり、そこには熟女年齢のオンナが禿オヤヂと座っているのだが、グラスの横に立っているボトルのラベルは「さしみ」なのである。
禿オヤヂがそのボトルから熟女年齢のグラスに黒い液体を注いでやる。すると、熟女年齢は美味そうにそれを飲み干すのである。
ワシらは恐ろしくなったが、他に店もないので奥の席へ隠れることにした。そしてメニューを見たのだが、入店した時の悪い予感が的中。地酒のジの字もないのである。こんな予感は当たらなくていい。馬券が当たってほしい。
開店記念セール期間中ということで、ビール(中)がなんと200円である。ワシらは迷わずこれを注文し、待つこと数分。届いたのは麒麟淡麗生であった。そういうことなのね、と最早あきらめかけたワシらはそのコキコキに冷えた発泡酒をゴキュゴキュと飲み干すのであった。
ツマミにシラス干しを頼むと「すいません、今日は切らしてます」。オムレツを頼むと「すいません、今日はありません」。刺身を頼むと「すいません、今日はお休みで」。
店員よ、すいません、すいませんって、お前は下連雀のサンエイのおばちゃんかあっ。もう破れかぶれだ。メニューの中から限りなく危険そうなものを注文する。
まず出てきたのは、「大スズメバチ酒」。名前から想像できる通り、スズメバチが入っている。浮いているのである、ハチが。腹を押すと針が出てきて、さらに強く押すと汁が飛び出てくる。
うはははははと調子に乗ってきたワシらは「大スズメバチビール」なるものに挑んでみる。そしたらば、やっぱりハチが浮いてるではないか。だがしかし、ハチはすぐに沈んでいく。泡に顔を突っこんで、まるで、ビールを飲んでいるようではないか。
 
[(左)大スズメバチ酒]                    [(右)大スズメバチビール]
「『吾輩は猫である』で猫の吾輩は最後に麦酒を飲んで死んでしまうのだが、このスズメバチも酒を飲んで死んでしまったのか。」
だが、イヌイ同志は否定する。話によるとイヌイ同志は昔、猫を飼っていたのであるが、ある時、天気も良かったのでビールを飲んでいると、そのシメジという猫が入ってきた。半ば酔っ払っていたイヌイ同志は、お前も一緒に飲めと、無理矢理に口を開けさせてコキコキに冷えた麦酒を注ぎ込んだのだ。猫のシメジはゲホゲホ言いながらも飲んだそうなのである。
(´_ゝ`)<ふーん、そんなもんかねえ。で、その後、シメジはどうした?腹でも下したのか?イヌイ同志、「家出しました。」
続いてツマミに頼んだ物件がやって来た。馬刺である。食ってみると、硬い。噛み切れんではないかあ。これはダイワカーリアンに違いない。よく鍛えられた筋である。
[ダイワカーリアン?]
イカンイカン。もっとマトモな物はないのか。ないのである。悪酔いしたままワシらは日曜を迎えることになった。
宇都宮から東北道に上がり、またもビャイーンと渇徒武のであった。福島競馬場は福島駅から歩くと30分ほどの所にあるが、場所柄、車で来る人も多いので駐車場が充実している。便乗した一般人も、ガソリンスタンドを閉店して駐車場にしたり、中古車販売店も売り物を脇に寄せて駐車場、民家も庭先を貸して一日2000円ほど稼いでいるのである。素晴らしい商魂である。
ワシらも競馬場からそう遠くないところに停め、いよいよ福島競馬に突撃をかけたわけだが、入って困惑したことがあった。
「パドックどこ?」
行けども行けどもパドックが見当たらないのである。本馬場に出てみたり、あちこち行ってみたが「パドックはこちら」という表示すら見当たらないのである。それもそのはずであった。レープロを見て愕然とした。なんと、2Fにパドックがあるのである。ワシらはパドックは1Fにあるものであるという認識の元探していたのだから見つかるわけがない。屋内プールだとか屋内体育館だとかいうのがあるが、まさに屋内パドックというものである。逆光もへったくれもない。
[福島のパドックは屋内2Fにある]
ところが、である。この屋内パドックがいいのか、久々にパドック勘が冴え渡ったのである。指数を見てもこんな混戦低レベルな連中では予想もできんわいと半ば投げかけていたのであったが、パドックを見て、このレースはこの軸で間違いないと閃くのである。
4R発走前に到着したので5Rからパドックを見たわけであるが、これがまたひどい馬ばかりなのである。出走16頭中半数近くが冬毛が出ている。その中で、1頭体調の良さそうな馬がいたのである。3番アマーレ。だが、出走表を見ると近5走は全てダートなのである。芝2000mのレースであるから微妙である。だが、トニービンでもあり芝はこなせるであろうという判断の元、買い目を立ててみる。なんと軒並み万馬券ではないかぁ。ワイドで買うかとか単勝買うかとか考えたが、万馬券に目がくらんで馬連にしたわけである。レースが始まってみると、アマーレは調子よく先行馬群の中から直線入口でインを突いて一気に先頭にたった。後はヒモが来ればいいのである。人気ではあったが、押さえていた馬が1頭突っこんできている。差せ差せ差せと連呼していたが、しかし、届かず3着に終わってしまった。1−3着である。やはりワイドであったか。あるいは単勝であったか。結構な穴で単勝は20倍もついたのだ。
続く6Rは指数からもパドックからも3番マイネルユーゲント軸で間違いない。ここは手堅く馬連を仕留める。
7Rは勝負レースであった。というのも、昼メシの吉牛の列に並びながら検討していたところ、13番ラッキーヒーローが1頭指数で抜けており、展開も割りあい前残りになりそうな先行馬なのである。福島研究の結果、断然先行有利と結論していたワシはとにかく先行馬を軸にしまくったわけなのだが、おまけに指数も仏恥義理と来れば堅軸である。さてパドックはと見たところ特に減点材料はない。ヒモであれこれ迷うよりも単勝勝負である。見ると4倍もつくではないか。最近はめっきり張れるだけの種銭がなくなった身としてはここで3000円を外すと結構イタイ。そいやぁっと単に1000円押さえとして複を2000円。馬連も一応100円流しだが3点買っておいた。ラッキーヒーローは意外と後ろから行ったが、ゴール前では何とか差しきり見事、単勝オヤヂ復活である。
[本日の勝負馬券。まさにラッキーセブン]
3連勝を狙った8Rも勝負気配である。福島の500万としては珍しく指数40を越える中央開催並の馬が2頭出走してきた。3番スリーイダテン、13番タガジョーヴォール。後から知ったことだが、この日、東京7Rにも元祖「イダテン」が出走しており、勝ったようである。スリーイダテンが3番枠に入ったわけであるから、もうこれはサインである。パドックでは少し太め感はあるが、割りに良く見える。軸である。当然、タガジョーヴォールが本線で指数で接近している馬を5頭ほど押さえるも、結局は本線的中である。久々の3連勝達成でノリノリなワシであった。
さて、9Rは福島2歳Sでここは遊びなのでパドックも見ないで内馬場観察へ。中央に高台があり、ここからはコースを全体的に見渡せるのだが、吹きっ晒しで寒いのである。遠くの山並みを見れば、雪である。そりゃ寒いわけである。その寒さに耐え、9Rの発走を見守ったわけであるが、ゴール板前がターフヴィジョンに隠れて見えない。ターフヴィジョンも当然、裏からなので見られない。結果が全く分からないのである。コレは一大事である。しかし、時すでに遅く、何が勝ったのかも分からんまま、仕方ないのでパドックへと急ぐのでった。
10Rも何気なく予想していたのだが、ここで気付いたことがある。5Rは3が勝った。6Rも3が勝った。7Rは13が勝った。8Rは13が勝って3が2着。9Rは3が勝った。なんと3か13が必ず連に絡んでいるのである。なぜ気付いたかと言うと、実は10Rも13番ユメフブキを軸にしようとしていたのである。そして、やはり来た。もう魔力である。残念ながら11Rで3が3着になりジンクスは破れたが、不思議なこともあるもんだ。
終わってみれば10月に取られた分はキッチリ取り返すことが出来た。福島パラダイスである。
[直線一気応援団]
帰りはホンダ青年を送り届けねばならぬわけだが、宇都宮と言えば餃子である。宇都宮くんだりまで行って餃子を食わずには帰れまい。駅前に餃子の像が建っているほどである。なぜ宇都宮が餃子の街なのかというと、かつて餃子の本場、中国東北部に進駐した第14師団駐屯地が帰国後に広めたのがキッカケなのだそうだ。宇都宮市の世帯当たりの餃子購入額は日本一で、2位は静岡市、3位は京都市。ちなみに京都市は餃子の王将の拠点である。こんなことを言っているとまるで「玄人のひとりごと」に出てくる南倍南みたいだ。
「ふっ親父、玄人用焼餃子2人前に水餃子1人前頼む。」
ホンダ青年行きつけの嗣ニという店である。カウンター席ばかりで、メニューは焼餃子、水餃子のみ(170円)。ライス、ビールすらないのである。それだけのこだわりの店である。
さて、出てきた餃子を試す。皮は軟らかく、具は野菜がほどよくまぶされており、焼餃子など焼き加減も絶妙である。
福島グルメは時間の都合でできなかったが、それを上回る収穫であったと言える。上機嫌で国道4号を東京へと向かうワシとイヌイ同志であった。
[そして黄昏行く福島。また来夏までさらば]

2001/11/11.(日)
東京優駿、発見
エリザベス女王杯はいいレースだった。見てるだけなら。
だが、小一時間問い詰めたい。
なぜトゥザヴィクトリーは逃げなかったのか?
誰もが逃げると予想してきている。だから切ったのである。ところが、である。別段出遅れたわけでもないトゥザヴィクトリーが中団から進んだ。
ヤマカツスズランが逃げるのはまあ予想通りとしてもそれを潰しにいくはずのトゥザヴィクトリーがいない。代わりにテイエムオーシャンが行くしかない。
結局、中団以降から進んだ3頭で決まったのである。
それにしても3歳3強の強さは本物である。3頭とも掲示板に載ったのだから。残りは勝ったトゥザヴィクトリーと秋華賞馬ティコティコタック。
今日は競馬が終わってからが楽しかった。
かねてより探索し続けていた府中ダービーであったが、今日は府中駅の北側に行ってみることにした。
何やら駅前に割と大きな神社があるのだが、そこで祭りを催しているのである。折しも、府中では「岡部祭り開催か?」と言われていただけにこれは違いない。岡部祭りワショイ。
その後、さらに探し続けたところ、「サンチャンネル」なる店を発見。これは夜襲をかけて、スプレーで「キタ」を書き加えにいかねばなるまい。
だが、そんなくだらないモノばかり見つかるだけで、肝心のダービーはないのである。
これはもうあきらめるかと、帰途につく時、東府中というウワサもあったので歩いてみることにした。
電車で行けばわずかな距離に感じるのではあるが、歩いてみると意外にも遠かった。だが、東府中まで歩いたことで新たなる発見につながった。
なんと東府中にあったのである。競馬場から真っ直ぐ東府中へ抜けそのまま踏み切りを渡り、突き当たるまで直進したところに、それはあったのである。
残念ながらバッテリー切れで証拠写真は押さえることは出来なかったが、サービスタイム3000円ということは挙げておく。

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