国税庁分離はどう報道されているか



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国税庁を大蔵省から分離させようとの橋本首相の提案は多くの人の関心を集めました。
そこで、最近におけるこの話題に関連する「ニュース」を並べました。

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●1997/8/14  国税庁、社会保険庁など既にある各省の外局を衣替えする案が浮上している

●1997/8/20  首相が 大蔵省から国税庁を分離するとの構想
●1997/ 8/20  徴税機能の切り離し論は波紋を広げそう
●1997/ 8/21  大蔵省事務次官 「注意深く見守りたい」
●1997/8/21  行革会議 分離「真剣検討」
●1997/8/23  大蔵省 分離は簡単じゃない
●1997/8/24  見出し「首相主導、巧妙に演出  省庁再編の舞台裏を検証」
●1997/8/26  見出し「国税庁分離案は二重丸だ」
●1997/8/28  行革会議中間報告に「真剣に検討」
●1997/8/28  次官分離に反対?
●1997/9/2  見出し「国税庁は大蔵省から分離を―省庁再編を問う」
●1997/9/2  見出し「国税分離は困難との認識  橋本竜太郎首相」
●1997/9/2  見出し「国税分離は人員削減が狙い  首相、徴収は地方と一元化」
●1997/9/2  見出し「首相、大蔵省からの分離に前向き」
●1997/9/3  行革会議中間報告骨子より
●1997/9/3  見出し「勝ち、負け明暗くっきり  官僚同士、けん制の応酬」
●1997/9/3  見出し「国税庁を「歳入庁」に  民主、菅氏が提唱」
●1997/9/3  見出し「急速にクローズアップされる国税庁分離案」
●1997/9/4  見出し「徴税事務の一元化に反発  国税庁見直しで自治体」
●1997/9/4  見出し「国税庁の分離反対を示唆  大蔵次官」
●1997/9/4  見出し「民主党の菅直人代表、歳入庁構想を検討」
●1997/9/4  見出し「国税庁分離を容認も  総理が決断ならと武藤長官」
●1997/9/5  見出し「遠まわしに 国税庁分離反対」
●1997/9/5  見出し「内閣府外局に「徴税庁」を  国税分離構想で武藤長官」
●1997/9/7  見出し「「歳入庁」新設も検討―自民政調会長」
●1997/9/11  見出し「新内閣の行革の焦点、経済政策課題を点検」
●1997/9/17  見出し「焦点閣僚に聞く=三塚蔵相 佐藤氏入閣に迫力感」
●1997/9/17  日経新聞で国税庁分離などで世論調査 分離賛成多数 97/09/23 
●1997/9/18  見出し「国税庁分離に反対決議  自民党の財政部会
●1997/9/19  見出し「大蔵と国税分離を検討項目に−−政府税調」
●1997/9/19  見出し「法人税率、35%程度に引き下げを、政府税調会長」
●1997/9/19  見出し「国税庁分離問題も議論へ  政府税調」
●1997/10/2  衆院代表質問 詳報 民主党  
●1997/10/3   金融・財政分離に反対  自民党の財政部会  
●1997/ 10/5 「大蔵分割」54%が望む−−毎日新聞・世論調査   
●1997/10/8  国税庁分離に「反対」決める−−自民党税調   
●1997/10/8   法人税、土地税制見直しへ  自民党税調が論議再開   
●1997/10/8   造幣、印刷は独立法人で  国税分離問題は先送り   1997/10/31  国税庁分離見送りへ  大蔵相直属の委員会案  
●1997/11/5  国税庁の分離見送りに、政府の行革会議で大勢  
●1997/11/5  大蔵省、国税庁分離問題 見送りで一致 政府行革会  






●1997/8/14 国税庁、社会保険庁など既にある各省の外局を衣替えする案が浮上している

毎日新聞ニュース速報

 政府の行政改革会議(会長・橋本龍太郎首相)が目指す中央省庁再編に関する議論のなかで「国税庁、
社会保険庁など既にある各省の外局を衣替えする案が浮上している。」と









●1997/8/20 首相が 大蔵省から国税庁を分離するとの構想


 朝日新聞ニュース速報
   首相が 「国税と地方税の徴収を一本化することを視野に、将来的には大蔵省から国税庁を分離する」
との構想も示した。
 この提案の理由は次のように説明されています。国税庁分離論は、財政・金融の分離は見送るものの、
歳出や歳入に加えて、税徴収の実務まで握る大蔵省の権限に歯止めをかける姿勢を示す狙いがあるとみら
れる。ただ、委員間からは反発も出たため、中間報告には「今後、真剣に検討すべき問題」と盛り込むこ
とが確認されていおり、今回の再編で実現するかどうかははっきりしない。










●1997/ 8/20 徴税機能の切り離し論は波紋を広げそう


 毎日新聞ニュース速報
  −以下の通り−
 20日の行革会議で、腰砕けになった「財政と金融の分離」に代わり、国税庁を大蔵
省の外局から分離する案が浮上した。
 要約 
 大蔵省の力の源泉の一端とされている徴税機能の切り離し論は波紋を広げそうだ。
 国税庁職員には、明治33(1990)年施行の国税犯則取締法に基づく「臨検・捜
索・差押え」などの権限が与えられ、緊急時は裁判所の許可も不要。「マルサ」(査察
官)による脱税事件の摘発などで生かされているが、一方で東京、大阪国税局の査察部
長などに本省キャリア組が就任している側面をとらえ、「国税庁の強力な徴税権限が大
蔵省の影響力のバックボーン」とする見方もある。故金丸信元自民党副総裁のヤミ献金
を所得税法違反で摘発されるなど、特に政治家には「国税庁と大蔵省は一心同体」とい
う警戒心と不信が根強い。
 この日の議論では、一部委員が国税庁分離案を主張したのを受け、橋本首相が「こだ
わらないが」と断りながらも、「将来的に国税、地方税の徴収事務を一体化するのが望
ましい」などと明言。異論も出たが、最終的には司会役が「今後、真剣に検討していこ
う」と引き取った。
 分離案のそもそもの狙いは、大蔵省の力をそぐ思惑だが、橋本首相は国全体での行政
効率を高める幅広い行革を視野に入れているとみられる。ただ、「地方分権」との整合
性や地方公務員の処遇にもかかわるため、大蔵省だけでなく、地方自治体の猛反発を浴
びることは必至で、実現には大きな壁がありそうだ。 【中村 秀明】










●1997/ 8/21 大蔵省事務次官 「注意深く見守りたい」


共同通信ニュース速報
 大蔵省の小村武事務次官は二十一日に会見し
 同省の外局である国税庁の分離論が浮上したことについては「まだ議論の過程なので
注意深く見守りたい」などとして、コメントを避けた。            










●1997/8/21 行革会議 分離「真剣検討」


毎日新聞ニュース速報
−以下のとおり−
 行政改革会議が21日、省庁再編に伴う新省庁の役割、機能をまとめた「省庁再編に
関する結果の整理」は次の通り。
−一部省略−
 13、国税
  国税庁の所属について、税制の簡素化、国税と地方税の徴税の一元化に向け、総務省
(仮称)の外局にすることも今後真剣に検討。
 









●1997/8/23  大蔵省 分離は簡単じゃない


毎日新聞ニュース速報
−以下のとおり−
 行革会議の4日間に渡る集中討議で、「官庁の中の官庁」と言われ、「行革の試金石
」と位置付けられた大蔵省改革はどれだけ進んだのだろうか。検証してみた。
−一部省略−
Q 一方で、国税庁分離が浮上した。大蔵省はあわてているのじゃないか。
A そうでもない。水野清委員の試案に入っていたから、議題になるのは予想していた
らしい。分離に賛同した橋本首相も「国税と地方税の徴収事務は一元化すべきだ」とい
う古くからあった行政効率化の論法だ。地方分権の流れに反するので、大蔵省は「簡単
には実現しないだろう」とタカをくくっている。
Q 首相の真意は?
A 首相は、財政と金融の分離見送りが批判を浴びそうとみて、実現困難な国税庁分離
に乗ってみせ、「決して大蔵省の味方ではない」という立場を演じたのではないか。行
革会議の合意は「真剣な検討の継続」と問題先送りに落ち着いた。
−一部省略−







●1997/8/24 見出し「首相主導、巧妙に演出  省庁再編の舞台裏を検証」


共同通信ニュース速報
−以下のとおり−
−一部省略−
 首相は大蔵省からの国税庁の分離を提案したが、行革会議の関係者は「
大蔵改革に後ろ向き、との批判をかわすのが目的だ」と指摘した。
 しかし、武藤嘉文総務庁長官(行革会議会長代理)が国税分離に
抵抗したことは、首相にとって誤算だった。二十日朝、東京・渋谷
の武藤邸に自ら二回も電話して「(国税分離を)何とか了承してほ
しい」と要請したが「それは難しいです」と拒否された。    






●1997/8/26 見出し「国税庁分離案は二重丸だ」


毎日新聞ニュース速報
    −一部省略−
 首相のこうした発言の「暗」の部分と対照的な「明」の部分もある。
 橋本首相が「将来、国税と地方税の徴収事務を一体化したい」と述べるとともに「国
税庁を分離すべきだ」との発言だ。首相は分離論の理由として「大蔵省が国税調査権を
使って、実質的な権力を行使しているのではという疑念を晴らすため」と説明した。こ
れには私たちも二重マルをつけたい。
 行革会議の席上、最初に問題提起したのは水野清首相補佐官で「国税庁は一種の経済
警察だから、大蔵省から離した方がいい」と述べ、これに応ずる形で首相の同調する意
見が出された。
 国税庁は大蔵省から長官以下多くの職員が送り込まれている。こうした関係もあって
、政治家や企業などには特定の目的で税務調査という圧力をかけることがある、という
声が絶えない。不透明な批判をかわす意味からも、大蔵省の外局ではなく、中立・公正
な機関として、総務省の外局という位置づけも可能になるのではないか。
 首相がいうような国税庁切り離し案を、今後の問題としてではなく早急に検討を進め
てもらいたい。







●1997/8/28 行革会議中間報告に「真剣に検討」


共同通信ニュース速報 
 行政改革会議がまとめた中央省庁再編案と内閣機能強化案の「中間報告」案の内容について
 国税庁を大蔵省から分離することを「今後真剣に検討する」と明記。







●1997/8/28 次官分離に反対?


毎日新聞ニュース速報
 小村武・大蔵事務次官がは28日の定例会見で、「(国税庁の)徴税に公正を欠くところ
があるのではないかという指摘があるとすれば、国税当局職員の課税の適正化、公平な執行
についての努力そのものを見ていただきたい」と強調し、分離案の論拠の一端に反論し、間
接的に分離案に反対の立場を表明した。







●1997/9/2 見出し「国税庁は大蔵省から分離を―省庁再編を問う」


朝日新聞ニュース速報 社説
−一部省略− 
要約 
 ○国税庁の大蔵省からの分離も、行政の効率化や大蔵省の強大な権限の分散だけでなく、
地方分権の推進という意味でも大切なことなのだ。
 ○国税庁を大蔵省から分離して自治体の税務部門と合体すれば、徴税事務は大幅に効率
化できる。自治体が独自の地方税を創設する課税の権限は、これまで通り、国(大蔵省)
や各自治体に持たせればいい。
○公的年金の保険料の徴収も併せて担当させてはどうか。
○大蔵省の強大な権限の分散にもなる。国税庁は、「経済警察」の性格をもつ。徴税部
門は行政官庁から離すべきだ。
○「総務省」の下に置くのは、いわば「経済警察」の権限を大蔵官
僚から自治官僚に移すだけだ。徴税庁は独立性の高い組織にすべきだ。
○徴税庁を独立させる第三の意義は、地方分権の推進につなげられることだ。
 






●1997/9/2 見出し「国税分離は困難との認識  橋本竜太郎首相」


共同通信ニュース速報
 −以下のとおり−
要約 
 首相は「行革会議の委員の間でも賛成意見はあまりなかったし、そもそも私が言ってい
ることが分かってもらえなかったらしい」と述べ、早期の実現は難しいとの認識を示した。






●1997/9/2 見出し「国税分離は人員削減が狙い  首相、徴収は地方と一元化」


 共同通信ニュース速報
 要約 
 首相は「課税の企画立案は完全に分離して(税の)徴収については一元化できないかと提
案した。一元化できれば大変な行政のスリム化につながる」と述べた。
 首相は国と地方で徴税に従事する職員が十数万人に上ることを指摘し「(一元化が)実現
すれば数万人単位の削減になる」と表明。







●1997/9/2 見出し「首相、大蔵省からの分離に前向き」

毎日新聞ニュース速報
  要約 
 首相は国税庁分離問題について、「課税の権限を企画立案でとらえるか、徴収まで含むの
か。自分は分けられると思っている。国と地方のバランスを考えると国税庁を大蔵省にぶら
下げるのはおかしい。役所の切り張り細工をしているのではない」と述べ、分離に前向きの
姿勢を重ねて明らかにした。
 *大辺注 同じ記者会見の結果でも報道する機関により見方が違う







●1997/9/3  行革会議中間報告骨子より


共同通信ニュース速報
−以下のとおり−
 行革会議の中間報告の骨子は次の通り。           
−一部省略−
 一、国税庁の大蔵省からの分離は今後、真剣に検討      







●1997/9/3 見出し「勝ち、負け明暗くっきり  官僚同士、けん制の応酬」


共同通信ニュース速報
−以下のとおり−
 財政、金融の分離阻止に成功、勝ち組に数えられる大蔵省。新た
に持ち上がってきた国税庁の分離案には反対の姿勢だが「下手に動
くと反発を増幅しかねない」(幹部)と表向き静観の構え。   






●1997/9/3 見出し「国税庁を「歳入庁」に  民主、菅氏が提唱」


共同通信ニュース速報 
 菅直人代表は三日の記者会見で、国税庁の大蔵省からの分離問題に関連して「国
税庁を分離した上で歳入庁とし、国税と地方税を『共通税』として一定のルールで集め、
一定のルールで国と地方に分けていけば地方交付税や補助金などがなくなり、地方自治
体の自主財源が確立できる」と述べ、地方分権の観点から「歳入庁」の創設を提唱した。 






●1997/9/3  見出し「急速にクローズアップされる国税庁分離案」


毎日新聞ニュース速報 
  伊藤 智永 記者署名記事
要約 
○国税庁分離案は、地方自治体の権限の根幹にふれる「国全体の行革」ととらえるべきだ。
○委員から「税体系の簡素化が前提」「地方分権化に逆行しかねない」との意見が出ている。
○機構いじりにとどまらない大改革だけに、議論を進めていけばいくほど障害にぶつかる可
能性がある。
○問題点すら十分に整理されていないと言えそうだ。







●1997/9/4 見出し「徴税事務の一元化に反発  国税庁見直しで自治体」 


共同通信ニュース速報
要約 
 橋本竜太郎首相が国と地方の徴税事務を一元化する考えを示していることに対し、地方
自治体は「地方の課税・徴税権が奪われかねない」「事務現場が混乱するのではないか」と
反発や戸惑いを見せている。      
 自治体側から「首相は地方税の企画立案事務を地方に残す一方、徴税事務は国が国税と一
緒に集める方式にする考えだと聞いているが、地方公務員自らが汗水流して税金を集め、
住民サービスに使うからこそ地方自治に意義がある」(大阪府)と批判する声が続出。 
さらに「地方税は都道府県と市町村合わせて約三十もある。しかも条例改正、納付通知、
課税標準額と税額の決定、督促などが一体的になって運用されている。徴税事務だけを切り
離すのは実際問題として難しいのではないか」(札幌市)との意見もある。    
 自治省幹部は「自治体の自主財源である地方税の徴収事務を国に移すことは地方分権の流
れに逆行するのではないか。国が徴収を代行するのは合理的に見えるが、地方税に対する住
民の関心が薄れ、地方自治の意義を失いかねない」と疑問を投げ掛ける。
一方、財政力の弱い自治体の間には「できれば国でやってほしいというのが本音」(長崎県
上五島町)という声があるのも事実。







●1997/9/4 見出し「国税庁の分離反対を示唆  大蔵次官」

」 
共同通信ニュース速報

 大蔵省の小村武事務次官は記者会見で、「現状は国と三千三百の地方自治体が課税権を
持っており、固定資産税など地方は同一の税制で執行されているわけではない」と述べ、
国税庁の分離に反対する考えを示唆した。             







●1997/9/4 見出し「民主党の菅直人代表、歳入庁構想を検討」


朝日新聞ニュース速報
−一部省略−
 民主党の菅直人代表は三日の定例記者会見で、「歳入庁」を検討する考えを明らかにし
た。税を国税と地方税に分けずに一元的に徴収し、中央省庁と地方自治体に配分する構想で、
年金など社会保険料の徴収も一緒に行う。自治体の自主財源を確保し、国の補助金や地方交
付税を廃止して、「地方分権の大きな突破口」にする狙いだ。







●1997/9/4 見出し「国税庁分離を容認も  総理が決断ならと武藤長官」 


共同通信ニュース速報 
  −一部省略−
「首相が決断すれば(分離に)反対しない」と述べ、橋本竜太郎首相の決断にゆ
だね、事実上容認する考えを示した。



索引へ



●1997/9/5 見出し「遠まわしに 国税庁分離反対」

 
毎日新聞ニュース速報
要約 
○小村武事務次官は3日の記者会見で、慎重な言い回しながら、分離による国税・地方税徴
収に一元化の難しさを示唆し反対の立場をにじませた。
○小村事務次官は、「国と3300の地方公共団体にそれぞれ課税権があり、3300自治
体の税制は同一ではなく、固定資産税の税率などいろいろなものが違った形で行われている」
と指摘。さらに、「国税と地方税は1対1の関係ではなく、行革会議で地方分権との関
係を問題にする見解があったのも、こういうことにあるのかなと感じる。そういう現状
を踏まえて、行革会議で論議されるものと理解している。意見を求められれば言う」と
述べた。
○大蔵省は分離見送りへの世論の反発が強いことを気にし、評価や感想を拒む「貝になる」作
戦を省内に徹底させている。小村氏は「難しいとかどうかと言ったのではなく、一般論として
現状を説明しただけだ」と強調した。 
【伊藤 智永】



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●1997/9/5 見出し「内閣府外局に「徴税庁」を  国税分離構想で武藤長官」

共同通信ニュース速報 要約  武藤嘉文総務庁長官は一元化する新しい徴税組織について「(新設
される)内閣府の外局の『徴税庁』とするのが常識的ではないか」と述べ、徴税権は内閣の下に置くの
が望ましいとの考えを強調した。  


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●1997/9/7  見出し「「歳入庁」新設も検討―自民政調会長」

  
朝日新聞ニュース速報
要約 
 自民党の山崎拓政調会長は七日午前のNHK討論番組で、「国税庁と(地方の)徴税事務の業
務を一緒にすると確かに合理化する。地方を含めて『歳入庁』にするという案は、自民党には支
持者が多い」と述べ、党内で前向きに検討する考えを示した。

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●1997/9/11 見出し「新内閣の行革の焦点、経済政策課題を点検」

毎日新聞ニュース速報 
−一部省略−
 三塚博蔵相は中間報告の後、財政・金融の分離見送り、新たに浮上した●国税庁分離問
題について、質問をはぐらかしたり論評を避けている。世論を刺激せず、大蔵省解体論
をやり過ごそうという官僚の作戦に乗っている。
 ベテラン政治家だけに、節目では「変わり身」の早さも見せる。昨年末、金融監督庁
の大蔵省からの分離をめぐり、与党と大蔵省の大詰めの綱引きの中、記者会見で「すで
に流れになっている」と分離を容認し、「寝耳に水」と同省幹部を慌てさせた。●国税庁
分離や財政・金融分離で政治的な「流れ」ができた場合、蔵相が大蔵省を擁護し続ける
かどうか、省内に懸念もある。 【伊藤 智永】


索引へ





●1997/9/17 見出し「焦点閣僚に聞く=三塚蔵相 佐藤氏入閣に迫力感」


毎日新聞ニュース速報
−一部省略−
 ――大蔵省と国税庁の分離論が出てきた背景には、大蔵省が査察調査権を武器に、各
方面に隠然たる圧力をかけているという疑念がある。政治家として、そういう問題を感
じたことはありませんか。
 「耳にいたします。怖い役所だということですね。しかし、税の徴収が公正、公平で
なければならないというのは根本ですから、源泉徴収されるサラリーマンの皆さんと同
じように、事業者に対してもきっちりやるというのは当然でしょう」
−一部省略−

索引へ






●1997/9/17 日経新聞で国税庁分離などで世論調査 分離賛成多数

 日経新聞 9月17日朝刊
 一部を引用

 行革会議の中間報告で「今後、真剣に検討する」ど明記した国税庁の大蔵省 
 からの分離案については53.7%が賛成している。  支持政党別でも、自民党支持者の57.1%が分離「賛成」で、「反対」の  19.6%を大幅に上回った。
 また民主党の73.0%、共産党の64.2%、新進党の60.8%がいず  れも分離「賛成」だ。
 男女別では分離「賛成」が男性64.0%、女性43.7とかなり差はあるが、  分離「反対」はいずれも20%未満にとどまる。
 7割以上が−不十分」と見ている大蔵省改革を巡っては、内閣支持者でも「不  十分」が70.8%、自民党支持者も67.9%と極めて厳しい評価になった。
 野党支持者では「不十分」が民主党支持者の88.6%を最高に、共産党支持  者の84.5%、新進党支持者の83.2%と軒並み8割を超え、ほとんど評  価されていない。
 大蔵省の財政部門と金融部門の不分離を打ち出したことには与党の社民、さき  がけ両党からも、「大蔵省改革に手がついていない」との批判が噴出している。  今回調査でも、有権者は金融監督庁の分離だけでは不十分と考え、徹底した大  蔵省改革を橋本政権に求めていることが鮮明になった。
国税庁の大蔵省からの切り離しについて
@賛成           53.7
A反対          19.2
B言えない・わからない 27.1
索引へ    



●1997/9/18 見出し「国税庁分離に反対決議  自民党の財政部会」


共同通信ニュース速報
−一部省略−
 自民党の財政部会は十八日、国と地方の徴税事務を一元化し、国
税庁を大蔵省から分離する中央省庁再編案に反対する決議をした。
 決議は「税制の企画立案と執行は表裏一体で、大蔵大臣が税収の
国庫収納まで一貫して責任を負うのは当然」とし、徴税一元化は地
方分権の流れに逆行する恐れがあるとくぎを刺した。      

索引へ





●1997/9/19 見出し「大蔵と国税分離を検討項目に−−政府税調」


毎日新聞ニュース速報
要約 
 政府税制調査会は19日開いた総会で、大蔵省と国税庁の分離問題について、税調の検討
項目として協議していくことを決めた。
 加藤会長は総会後の会見で、「世界で国税庁を分離している国は少なく、非常に難しいと
思うし、地方分権から考えても国税と地方税の徴収一体化には疑問を持っている。ただ、徴
税の簡素化、一元化に反対する理由はなく、どういう形が一番いいのかを話し
合っていきたい」と述べた。

索引へ



●1997/9/19 見出し「法人税率、35%程度に引き下げを、政府税調会長」


朝日新聞ニュース速報
−一部省略−
 国税庁の大蔵省からの分離問題については「世界で分離している国はないの
ではないか。(地方との徴税一体化も)地方分権の視点からそれで
いいのか」と話し、慎重な議論が必要との考えを示した。

索引へ






●1997/9/19 見出し「国税庁分離問題も議論へ  政府税調」

 
共同通信ニュース速報
 −一部省略−
 政府税制調査会(首相の諮問機関)の加藤寛会長は十九日の総会後の記者会見で、
国税庁の分離問題について税調でも議論していくことを明らかにした。                    
 加藤会長は、税調で議論することとしながらも「徴税の簡素化、一元化に反対す
る理由はないが、世界的に国税庁が大蔵省から分離している例はなく、地方分権も
考えていかなければいけない」と消極的な姿勢を示した。                    

索引へ







●1997/10/2  衆院代表質問 詳報 民主党


毎日新聞ニュース速報より
民主党の主張  ■行政改革
 行政改革会議の中央省庁再編案は改革とはいえない。地方、市場、市民活動の三つの 受け皿に中央省庁の仕事を移し、外交・防衛や福祉・教育などナショナル・ミニマムの 基準づくりを国が受け持てば、半分以上の仕事は他に移される。残る半分を再編すべき だ。閣僚が官僚にコントロールされている。国民主権ではなく官僚主権国家だ。国税庁 を大蔵省から分離し、国税と地方税を「共同税」に一本化して徴収すべきだ。
索引へ

●1997/10/3   金融・財政分離に反対  自民党の財政部会


共同通信ニュース速報より
 自民党行政改革推進本部(武藤嘉文本部長)の「省庁再編プロジ ェクトチーム」は三日、党財政部会など三部会から行政改革会議の 中央省庁再編案について意見を聴いた。            
 国税庁や造幣局についても、大蔵省との一体が不可欠として分離 や独立行政法人化に反対する考えを表明した。                   
索引へ

●1997/ 10/5 「大蔵分割」54%が望む−−毎日新聞・世論調査


毎日新聞ニュース速報より
国税庁を同省から分離し、地方税との徴収事務を一元化することにつ いては、「賛成」47%に対し、「反対」は11%。「賛成」は男性では57%に達し
、女性は37%だった。政府の行政改革会議の中間報告では、「財政と金融の分離」は
事実上、見送られ、国税庁の分離は検討課題となっている。
◇行革世論調査 質問と回答◇ (数字は%、無回答は省略)
◆大蔵省の行政改革について、金融と財政はあくまで切り離すべきだと、あなたは思い
 ますか。
分離すべきだ     54 65 44
分離すべきではない  11 13 9
分からない      31 20 43
◆国税庁を大蔵省から切り離すという考え方があります。あなたは、どう思いますか。
賛成         47 57 37
反対         11 11 10
分からない      39 29 49
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●1997/10/8  国税庁分離に「反対」決める−−自民党税調


毎日新聞ニュース速報より
 自民党税調(林義郎会長)は8日、行政改革会議(会長・橋本龍太郎首相)が検討課 題に取り上げている国税庁の大蔵省からの分離問題について、「適当ではない」(宮下 創平・党税調小委員長)と反対を決めた。同日中に武藤嘉文・党行革本部長に申し入れ る。党税調は、反対を決めた理由について(1)徴税と税の企画立案はどの国でも一体 不可分(2)国税と地方税の徴税一元化は地方分権の視点からも問題がある――として いる。 【会川 晴之】
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●1997/10/8   法人税、土地税制見直しへ  自民党税調が論議再開

共同通信ニュース速報より
 自民党の税制調査会は・・              また、国税庁分離問題について「税制や地方分権などから適当で 」として、行政改革推進本部に対して同日中に分離反対を申し 入れることを決めた。                    
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●1997/10/8   造幣、印刷は独立法人で  国税分離問題は先送り

共同通信ニュース速報より

 八日の行革会議の全体会議で、・・
 国税と地方税の徴収を一元化し、大蔵省から国税庁を分
離する問題では、租税制度を簡素化すべきだとの認識で一致したが
、結論は先送りした。      

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●1997/10/31 国税庁分離見送りへ  大蔵省直属の委員会案 行革会議

 日経新聞より 抜粋


 行政改革会議(会長・橋本竜太郎首相)は大蔵省か
らの国税庁分離を見送る報告で検討に入った。
 これに伴い、徴税事務の中立性と透明性を高める姿勢を明確
に示すため、国税庁は大蔵省直属の委員会組織に改組する見通し。

 行革会議は財政と金融分離問題を巡り、大蔵省は通貨・為替管理と
金融機関の破たん処理の企画立案の機能をとどめる方針を固めており、
「大蔵省改革は不十分」との声が出る可能性がある。国税庁の組織に
メスを入れるのはこうした批判にこたえるのが狙いだが、大蔵省が
「合議制の委員会組織では事務の機動性が損なわれる」と反発することが
予想される。

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●1997/11/5  国税庁の分離見送りに、政府の行革会議で大勢


朝日新聞ニュース速報

 政府の行政改革会議は五日、大蔵省からの国税庁分離と国、地方の
徴税一元化を見送る方向で検討に入った。
 自民党の税制調査会が反対を表明、委員の中にも地方分権の流れにも
反するなどの慎重論が根強いためだ。今後、国税庁を独立性の高い
委員会組織とすることについてさらに検討する。
-一部省略− 
(1)自ら集めて、自ら使うという意識が地方自治体から失われて
分権に逆行する(2)国と地方では課税システムが違い、すぐにス
リム化につながらない(3)検討には時間がかかり十一月末の最終
報告に間に合わない、などの指摘が出ていた。
 五日の会議でも「地方の課税自主権は無視できない」「徴税の中
立性、公平性は規律の問題ではないか」「今の段階で解決するのは
無理。時間をかけて考えるべきだ」など慎重な意見が大勢を占めた
。見直しを求める意見は出ず、首相も特に発言しなかった。

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●1997/11/5  大蔵省、国税庁分離問題 見送りで一致 政府行革会

毎日新聞ニュース速報

 政府の行政改革会議は、大蔵省改革の焦点の一つだった大蔵省と国税庁の分離問題
について協議した結果、分離を見送ることで一致した。
 水野氏は、国税庁を公正取引委員会のような独立の行政委員会に改組すべきだと主張
してきたが、提案撤回の理由について、記者団に対し、「国税庁は企画立案の部分がか
なり多くを占めるため、行政委員会形式はふさわしくない」と語った。
 
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