6月13日(木)フロムからハダンゲルフィヨルドへ
 
■フロムのリゾートホテルでの5時前の目覚めだった。7時の朝食までをホテル周辺の散策に出かけた。フィヨルドど真ん中の絶好のビューポイントに立地したホテルである。ホテル前の湾岸を半周した。ホテルすぐ南側に赤い汽車が牽引する三両の観光バスが停車していた。湾の縁に敷かれた木の遊歩道を南に進む。対岸のフェリー乗り場に二隻の船が停泊している。白いレストラン前で折り返しホテル方向にUターンする。ホテルの東のフロム駅には、ホームの両側に二両の黒い車両が停車している。湾に沿って東に進むと焦げ茶色の木造ホテルが佇んでいる。折しもフィヨルドに入ってきた白い大型客船をカメラに納めて折り返した。フロム駅まで戻ってふと目にしたのは列車二両と一隻の船が重なり合う何とも珍しい光景だった。もちろんカメラにキャッチした。
■朝食の後、ホテル前の桟橋からフェリーに乗船した。二度目の約2時間のフィヨルドクルーズがグドヴァンゲルに向けて出港した。すぐ横を昨日見た大型客船クィーンエリザベスが今日も入港してきた。フロムの美しい光景に見送られながら眼前に次々に展開する入り組んだフィヨルドの織りなす絶景を愉しんだ。グドヴァンゲルに着く頃には少し雨脚が強くなった。
■下船後、ツアーバスはほどなくつづら折れの山道を上り、レンガ色の壁に覆われたスタルハイム・ホテルの駐車場に停車した。ホテルのレストランスペースでコーヒーブレイクした後、テラスの先の展望台から眼下に広がるスタルハイム渓谷を眺望した。氷河が大地を削り取って生まれたノルウェー屈指の壮大な渓谷である。
■ここからバスで再びフロムの町に戻った。今朝の散策で折り返した白いレストランでマトン&ポテト料理の昼食をとった。
■フロム駅に戻り、楽しみだったフロム鉄道の山岳列車の旅が始まった。ツアー仲間の「進行方向右側の席が景色が良い」という情報を信じてそちらの席を確保した。流れ落ちるさまざまな滝や氷河渓谷の光景を愉しむうちにをシュースの滝に着いた。列車はすぐ前の小さな駅に5分ほど停車する。ほとんどの乗客が下車し、水量の多い迫力ある爆流に息を呑み夢中でカメラのシャッターを切る。突然、誰かが叫んだ。「妖精やッ!」。じっと目を凝らすと滝の中腹にせり出した岩盤の上に登場した人影が踊っている。すぐに焦点を合わせズームアップしてシャッターを何度も押した。さすがに30倍ズームの威力である。モニターには命綱をつけた赤いドレスの長い金髪の女性がくっきり写っていた。この画像は戻った車内でツアー仲間に驚きと感嘆の声で迎えられた。フロムから約40分で終点のミュールダール駅に到着した。ここで反対ホームに待ち受けるベルゲン鉄道の列車に乗り換え約50分でヴォス駅に到着した。
■駅前に待つツアーバスでハダンゲルフィヨルド地区に向かった。途中、40分ごとに発着する渡しのフェリーに乗船したりしながら、7時頃にフィヨルドの湾岸に建つホテル・クオリティーヴォーリングフォスに到着した。瀟洒な装いの真っ白な板壁に覆われたリゾートホテルだった。初めてのムール貝のあるバイキングの夕食を終え、部屋で寛いだr後眠りに就いた。 

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