10月14日(火) トルコ・エフェソス遺跡とパトモス島
トルコに上陸
■5時のモーニングコールで目覚める。船内ではツアー毎のパソコン登録でコール設定されているようだ。6時に朝食を済ませ7時前にツアーの集合地で下船を待つ。船は寝ている間に既にトルコのクシャダシ港に着岸しているのだ。クルーズの強味である。
■順次、下船を始める。岸壁に降りると向いの岸壁には巨大客船が接岸している。大型マンションがそのまま船になったかのような威容に圧倒される。岸壁を進むと突然マーチングバンドの響きが耳を打つ。トルコの観光サービスなのだろうか、民族衣装に身を包んだ数名の男女が歓迎の演奏で出迎えてくれる。思わず一緒に記念写真を撮った。 入国ゲートを乗船IDカードで通過し、すぐ前の広場に出るとここはもうトルコ国内だ。初めてのトルコの街・クシャダシの街並みを目にした。
■駐車するマイクロバスに乗車する。トルコの現地ガイドのセムラさんの自己紹介がある。今日が27歳の誕生日だという思い切り明るい、可愛い話し方の素敵な女性だった。
画像は左から、クルーズの朝食、巨大客船、トルコの歓迎、クシャダシ港の街並みと現地ガイドのセムラさんである。
エフェソス遺跡
■約30分でエフェソス遺跡に到着。紀元前11世紀にイオニア(古代ギリシャ)人が建設した都市遺跡である。観光客で溢れる広大で見所いっぱいの遺跡をセムラさんのガイドでゆっくり巡る。
■メミウスの碑は古代ローマ共和国初の独裁執政官スッラにちなんだものであり、ハドリアヌス神殿はローマ帝国の五賢帝の一人にちなんだものである。「ロ−マ人の物語」の登場人物名が次々と解説される。何といっても圧巻はセルスス図書館だ。アレクサンドリア、ベルガマと並ぶギリシャの三大図書館と称せられる巨大建造物である。
 画像は左から、音楽堂、メミウスの碑、勝利の女神像、ハドリアヌス神殿、公衆トイレ跡、セルスス図書館である。
古代ローマショー&革製品販売店のファッションショー
■遺跡巡りのゴール近くで古代の楽隊風のメロディーが聞こえた。古代ローマのシーンを再現するショーが始まったのだ。観光客の人垣に交じって鑑賞した。皇帝を中心に武将や侍女が見守る中で大道芸や剣闘士の闘いが演じられる。二人の剣闘士の迫真の演技が終わると観客の割れんばかりの拍手が響いた。
■バスに乗車し数分ばかり先のアルミテス神殿を訪れる。現存するギリシャ文明最大の遺跡で、古代世界七不思議に数えられている。
■遺跡見学の後、現地ツアーに組込まれた革製品店を訪れる。最初に若い男女のモデル数人による私たちのツアー仲間だけが見守る革のジャケット、スカート、パンツのファッションショーがあった。その終盤で突然3名の観客が即席モデルに引張り出される。なんと家内が真っ先に引張り出された。舞台奥に連れ去られた後、パープルの革ジャケットを着て男性モデルに手を引かれ舞台に登場した。舞台袖で他の二人を待って最後に全員でポーズをとって無事ご帰還である。ヤレヤレ・・・。ショーの後にはきっちり隣の売場でのお買物タイムが待っている。家内はモデル割引があると囁かれたようだが、結局何も買わずに危機を脱してくれたた。
■昼前には船に戻り、部屋でしばし休憩。12時15分、昼食をメインダイニングと同じ6階の船尾のデッキレストランでとる。好天の絶好の季候のもとでの心地よい潮風を受けながらの最高のロケーションでのランチだった。
 2時前、添乗員さんと一緒に船内診療所に行く。家内の湿疹は昨日より進んでいるようだが痛みの悪化はなさそうだ。ドクターは「特に心配な症状ではないが、専門ではないので必要なら次の寄港地でセカンドオピニュンを紹介できる。ヘルペスだとしても帰国後の日本での受診でも問題ない」という。治療費は二日分で35ユーロとのこと。帰国後の受診を告げ診療所を後にした。ドクターの良心的な治療と専門的な医療用語も交えて通訳してもらった添乗員さん、色んな情報や気遣いを頂いたツアー仲間の皆さんに頭が下がるばかりである。午後の寄港地観光までの1時間30分ほどの時間を部屋でギリシャ流シェスタ(昼寝)で過ごした。
 画像は左から、ローマの剣闘士ショー、アルミテス神殿、革製品ファッションショー、デッキレストランでの昼食である。
パトモス島の聖ヨハネの黙示録教会と世界遺産・聖ヨハネ修道院
■4時前、船からテンダーボートに乗換えパトモス島観光に出かける。スカラ港の岸壁に待つバスにツアー仲間で乗込み、真南の丘の上にあるホラの街を目指す。現地ガイドは英語ガイドで50代の巨体の女性だった。添乗員さんの日本語通訳を介しての案内で時間を要すること甚だしい。
■途中にある聖ヨハネの黙示録教会が最初の訪問地だ。高台に建つ教会前の広場からは、大型客船が停泊するスカラ港の白い町並みが展望できる。白い教会の入口を抜け、急な石段をジグザグに何段も下ってようやく洞窟の教会に辿り着く。ローマを追放された聖人ヨハネが神の啓示を受けて黙示録を書いたとされている場所だ。堂内は撮影禁止であり、外観とガイドさんが手にした洞窟内写真がデジカメのメディアに残された。洞窟を出て急な階段を登り教会入口に到達した時、思わず与太を飛ばしてしまった。「黙示録(もくじろく)というよりは、僕地獄(ぼくじごく)」。
■続いてここからつづら折れの山道を縫ってホラの頂きに建つ世界遺産・聖ヨハネ修道院を尋ねる。坂道の参道の随所にイコンを始めとした聖具を売る店が並んでいる。坂道から見上げる修道院は、五つの鐘楼を抱いた城壁のようなたたずまいである。修道院入口にはギリシャ正教の黒衣と帽子姿の修道僧が座して聖典を読んでいた。両脇には美しい壁画が残されている。内部の撮影はここも禁止である。バスに戻り約15分ほどでスカラ港に着いた。テンダーボートで帰船したのは7時15分だった。
 画像は左から、現地ガイドと添乗員、、聖ヨハネの黙示録教会、聖ヨハネ修道院外観、教会入口の壁画と修道僧、屋上の鐘楼である。
フォーマルディナーでの阪神敗北の情報
■今日のディナーはカジュアル禁止のインフォーマルのドレスコードの指定がある。食事もコースメニューである。このために家内は何日も頭を抱えいやがる娘を捕まえては相談していた。7時45分、メインダイニングにツアー仲間がそれぞれにそれなりのいでたちで集合した。選択制のコースメニューを各自でオーダーし、なごやかなディナーが過ぎる。
■誰かがアテネルートで乗船した日本人観光客から聞いたという「巨人優勝」情報をもたらした。阪神の奇跡の逆転敗北である。一同の落胆の溜め息が大きい。とは言え、考えようによっては国内での敗北感漂うやり切れないムードのほとぼりが冷めた頃に帰国する我々は幸せなのかもしれない。デザートも終わりかけてふと気が付くと9時20分である。確か1階上のショーラウンジで「ギリシャの夕べ」と題するショーが始まっている筈。
■昨日のショーを見逃した仲間とともにあたふたとラウンジに駆けつけた。ギリシャをキーワードに絞り込んだ演出のためか昨日ほどのエンタテインメントさはないものの十分に観客を楽しませてショーが終わった。観客有志を取り込んだ最後の民族ダンスでは、日本人スタッフのトモコさんに促されてもう一人の仲間とともにステージではしゃいだ。直後に部屋に戻り11時半にはクルーズ二日目のベッドに横たわった。昨日の気になった横揺れは今日はほとんど感じない。気候や波の違いなのだろうか。

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