■18日~19日に一泊二日で地域の知人グループの懇親ツアーに出かけた。行き先は、道後温泉と来島海峡観潮をメインとした四国の観光スポットだった。
■後方三分の一がサロンになった観光バスで朝8時に総勢21名で山口を出発した。瀬戸大橋の与島パーキングエリアで途中休憩し、瀬戸内海の広大なパノラマや巨大な大橋の迫力を間近に見た。
■昼食は愛媛県西条市のアサヒビール工場内のレストランでとった。工場直送のフレッシュなスーパードライの飲み放題にラム肉のジンギスカンという趣向だった。
 
■最初の目的地の「白壁と木蠟の町・内子町」には2時半頃に到着した。町並駐車場で下車し、すぐ南の町並保存地区の旧街道を散策した。白壁、格子戸、海鼠壁(なまこかべ)、うだつ、鬼瓦などの風情のある町並が続いている。中心部にある木蠟資料館に入館した。内子最大の製蠟業者・本芳我家の分家・上芳我家の屋敷跡を資料館に転用したものだ。広大な敷地に建つ住宅、土蔵、釜場、蝋搾り小屋や木蠟資料展示棟を見学した。ここで時間を取られ過ぎ、芝居小屋・内子座は見学できなかった。
■4時半頃に宿泊先の道後温泉・大和屋本店に着いた。道後温泉のシンボル・坊ちゃん湯(道後温泉本館)に隣接する老舗旅館だった。チェックイン後、同宿者たちと散策し、坊ちゃん湯や土産物屋の並ぶ商店街、からくり時計などを巡った。部屋に戻った後、有馬、白浜と並ぶ日本三古湯のひとつ道後の湯の大浴場に浸かった。湯に浸かりながら14年前にこの道後温泉の坊ちゃん湯に浸かった時の怖~い体験を思い出していた。
■6時半から和風懐石の宴会が始まった。途中から席を変えてメンバーたちと懇親を深める。ほとんど料理を味わうことのない酔いに任せた時間が過ぎる。9時前に宴席を終え幹事から二次会のカラオケが告げられるた時だ。女性陣の一部から毎正時のからくり時計の舞台を見たいという声が上がった。それもそうだと何人かが同調し一緒に出かけた。
■からくり時計前には既に幾組もの浴衣姿の観光客が陣取っていた。ほどなく始まったからくり舞台はさすがになかなかのものだ。二段だった舞台が三段にせり上がり、入浴風景やら小説「坊っちゃん」の登場人物の人形たちが演技する。演奏風景前で記念撮影に興じた。旅館に戻り、1時間半ほどのカラオケタイムを過ごして眠りに着いた。
 
■朝6時に目覚めてすぐに大浴場に浸かった。7時からの和朝食には鉄板で焼いて食べるじゃこ天がついていた。
■朝食会場からそのまま朝の散策にひとりで出かけた。坊ちゃん湯、商店街、からくり時計と昨晩辿ったコースを抜けてまず道後公園を訪ねた。中世の伊予国守護・河野氏居城の湯築城跡である。外堀と内堀の間の小道を半周して北側から展望台に登り、西側の小高い丘の上に聳える松山城を展望した。
■公園下の正岡子規記念博物館の正面を通ってすぐ北側の伊佐爾波神社(いさにわじんじゃ)に向かった。134段の石段を登り朱塗りの楼門をくぐる。楼門を中心に左右に回廊が巡らされ中心に本殿が鎮座する。神功皇后・仲哀天皇御来湯の際の行宮跡に建てられたと伝えられる古い社である。参拝の後、石段下の湯神社を巡り旅館に戻った。
 
■8時45分に旅館を出発し、愛媛銘菓タルトの専門店ハタダに立ち寄った。タルトといえば一六タルトが有名だが、こちらは「店の廻し者?」を自称するバスガイド嬢のお勧めの栗タルトである。お土産用のタルトを手に次に向かった。
■トイレ休憩を兼ねて「しまなみ海道」の来島海峡SAに立ち寄った。世界初の三連吊橋の来島海峡大橋の眺望を愉しんだ。ちなみにしまなみ海道は尾道市と今治市を結ぶ総延長約60㎞に自転車・歩行者専用道路がある。いつかこの海道を歩いて渡れたら・・・とフト思わせる情報だった。
■「来島海峡急流観潮船」の乗船場に着いた。渡された防水用コートを着用し、乗船後は席に置かれたライフジャケットを着用する。42人定員の低層小型の観潮船が出港した。来島海峡大橋を真下から眺め、中渡島の潮流信号所や大小のクレーンがそびえる波止浜湾の造船所風景や来島村上水軍の本拠地・来島などを巡った。帰路についた船はいよいよ八幡渦と呼ばれる急潮流にさしかかった。低層船から間近に見るうず潮は迫力満点だ。鳴門の渦を見たばかりという隣席の知人はこちらの方がはるかに迫力があると感想を漏らした。見所満載の45分の航行を終えて次の目的地の大三島に向った。
 
■昼食は大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)の門前にある「せとうち茶屋」で用意された鯛飯網焼御膳だった。前菜五種に鯛飯が並び、開き鯵、海老、コーンなどの焼き物をガスコンロで焼いて食べる。味のしみ込んだ鯛飯が気に入った。
■昼食後は、隣接のお土産店のスタッフがガイドに早変わりして大山祇神社に参拝する。伊予国の一宮で全国の山祇神社や三島神社の総本社である。境内入口に建つ檜造りの見事な総門がこの社の格式を物語る。境内のあちこちに国の天然記念物に指定されているクスノキの古木が聳え原生林の名残を留めている。室町期に再建されたという拝殿で参拝し、戦国時代に大山祇神社大宮司の娘だった鶴姫の武者姿の銅像の前で鶴姫伝説に耳を傾けた。
■2時過ぎに神社を出発し生口島の耕三寺や平山郁夫美術館を車窓に眺めながら帰路に着いた。途中のSAで小休憩をとり、6時過ぎには出発地に戻った。