母は、先月末から加古川の弟宅に3週間程滞在している。この間、岡山の妻の両親が1週間程、我が家に滞在。義母は、母とどうよう足腰が弱ってきている。妻は休むまもなくその面倒をみることに。岡山の両親たちも帰宅した後の束の間の空白。夫は感謝の気持ちを素直に口にできないオジサン世代。感謝の気持ちは行動でくるんでしまう。そこで夫婦だけの1泊2日の小旅行。今回は開通間もない明石海峡大橋経由の四国の旅。旅先のトピックスあれこれ。
【トピックスその1】
初日、徳島県の秘境「祖谷(いや)渓」の『かずら橋』のスリルを味わった後、大歩危小歩危の遊覧船に向かった。霧雨の中を行く渓谷の幽玄な風情は山水画の世界(左写真)。30分程の遊覧を終えて船着場に降り立った時だった。
頭上のドライブインから乗船のために降りてくるオジサンの一団と遭遇。何気なく目をやって息を呑んだ。軍団の中に・・・合わせるはずのない顔がそこにあった。担当業務のユーザーであるFC店の社長である。先に気付いたらしい様子の
先方はユトリの表情。突然の事態に小生は瞬間的に周章狼狽の体だった筈。よく考えれば後ろめたいところはまったくない。振り返って、自らの危機(?)管理のお粗末さに恥じ入るばかり。それにしても偶然の恐ろしさ。人間、悪いことは(まだ言っている)できないものである。
【トピックスその2】
初日の泊りは松山「道後温泉」。お目当ての『道後温泉本館』近くのホテルにチェックイン後、早速散策。道後温泉駅前の「坊ちゃんカラクリ時計」の精巧さと演出の巧みさに感嘆。土産物屋の並ぶ道後商店街をそぞろ歩き。
そしていよいよ「坊ちゃん温泉」に。「本館」正面入口で木戸銭の支払。「霊(たま)の湯2階席・980円也」を求める。芝居小屋の舞台裏のような通路を伝って「霊の湯2階席」に(右写真)。ここで浴衣に着替え、係りのおばさんに貴重品を預ける。引換えに平の金属のワッカ(ブレスレット?)を貰う。中二階の「霊の湯」にようやく到着。浴室自体は「20畳位のスペースに縦横3m×6m位の湯船」といった意外と小ぶりな造り。旅の垢を落とし湯船で手足を伸ばし、ゆったり気分満喫。・・・とここまでは物珍しさ以外は何事もない穏やかな旅情のひとこま。
突然風景が一変した!背後から二人の入浴客の気配。ふと見ると腕に何やら墨模様。不吉な予感。二人連は、小生を挟むように左右の湯船の縁に腰掛けて一服。そこで発見。デタ〜ッ背中一面見事な彫り物。右側の50前後の幹部風は「不動明王」が目を剥いている。左側の20代後半の優男は「昇り龍」がとぐろを巻いている。これは悪夢か?はたまたドッキリカメラか?ならばカメラはどこだッ!
それにしてもこれほど間近にかくも見事なクリカラモンモンを目の当たりにするとは。もちろんジロジロ眺めるほどの度胸もない。「見事なものですな〜」などと話かけてみたい衝動にかられたものの実行に移すなど及びもつかない。横目でチラチラ盗み見するのが精一杯。彼らの入場直後の退場も何やら危険な予感。ここは一番、「やれやれよく浸かったな〜」という雰囲気での退場が肝心・・・などとあらぬことを計算しながら、ことさらゆっくり退場。
「霊の湯2階席」で入浴後のくつろぎ。見事な塗り物の茶托にもられた煎茶に名物の煎餅を賞味。(ガイドブックによればこの茶托は輪島塗りで今作ればナント7万円もするとか。湯飲みも砥部焼きとのこと。左写真。)
思わぬハプニングに日常生活から隔絶した旅のもたらす面白さをあらためて実感。これはヤッパリ日記に書いておこう!

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