3月19日 帰国(イスタンブール〜タシケント)
■トルコの最後の朝を迎えた。窓の外ではツアー中、初めての雨がそぼっていた。後は空港に帰るだけの被害のない雨だった。天候に恵まれたありがたいツアーだったことにあらためて感謝した。朝食の食堂の窓から驚くほど狭い金角湾が間近に望める。
 ビザンチン帝国最後の日に対岸を占拠したオスマン軍が、この湾から無数の船団で攻め込んだ筈の景色を想像した。ビザンチン帝国の最後の皇帝・コンスタンチヌス11世の降伏開城を拒否した絶望的な闘いを想った。
■8時30分にホテルを出発。途中の車窓からローマ時代の水道橋や城壁跡を見ることができた。20分程でアタチュルク空港に着く。荷物検査でグループで1割程度の抜き打ち検査がある。不運にも私の小型のスーツケースが1割・3個のひとつに選ばれた。女性検査官が開けられたケースの中を形ばかり点検する。
 チェックイン手続きを済ませ、出国審査ゲート前でここまで同行したテオさんと別れを告げる。博識でゆき届いたガイドぶりに、同行者たちは口々に感謝の言葉を掛け、別れを惜しんでいる。搭乗ゲート前の免税店でリラ処分のための最後の買物をする。
■往路と同じウズベキスタン航空のHY272便が、12時20分の20分遅れで雨空に向けて離陸した。タシケント行きの機内には、いかにも中央アジア方面のモンゴル系とスラブ系を合せた容貌の男女が多い。1時半頃に飲み物と昼食が出る。フライト4時間でタシケントに到着。トルコとの時差3時間で既に真っ暗な空港だった。
■2時間45分のトランジットである。家内たちはツアーで知り合った女性たちとの雑談で時間を潰せる強みがある。シャイなオヤジにその器用さはない。ひたすら読書しながら耐えるほかない。出発2時間前に出国手続きとなる。出発ゲート前の待合室で再び待機が続く。その上22時15分発の成田行HY527便の1時間15分遅れの情報が伝わった。最悪!万歩計カウントはわずか3890歩である。

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