3月15日(日) エフェソス遺跡とベリーダンスショー
■朝、ホテルを出発したバスは、ベルガモでツアー御用達のトルコ石のお買い物。家内は誕生石であることをしきりにアピールし、意欲満々。バスがAGADという専門店に横づけされてご一行が入店。女性店員の偽物トルコ石の見分け方等を流暢な日本語で解説。その後、放し飼いになった女性客たちが一斉にショーウィンドウに群がる。友達とタッグを組む家内も品選びと値引き交渉に余念がない。時折私も参戦させられる。結局、日本では見られない大胆さでネックレスを購入。45分ばかりの買物タイムが過ぎ、エフェソスに向かう。
■途中、トルコ第3の都市・イズミールを通過する。郊外にはクルド人など東トルコの難民が住みついたスラム街が広がっている。あちこちの大都市に見られる光景で今やトルコの大きな社会問題となっているとのこと。
■エフェソス近くのセルチュクという街で昼食をとる。ライス付シシカバブがメインのスープ、ポテトのランチである。できたての美味しい料理に納得。発車直後にセルジューク朝の要塞を目にした。
■レストランのすぐ近くにギリシャツアーでも訪問したエフェソス遺跡があった。古代イオニア地方最大の都市国家跡で有数の保存状態を誇る遺跡である。前回はすしずめの観光客に揉まれながらの見学だったが今回はまばらな観光客の中でゆっくり回れた。グレコローマン様式の建造物が順路に沿って広がっている。前回見学できなかった大劇場の最上段の客席から眺める全貌は圧巻だった。これ程の価値ある遺跡がなぜ世界遺産に登録されていないのか。テオさん曰く「トルコ政府が財政上の事情で申請していないのではないか」とのこと。続いてすぐそばのアルテミス神殿の見学だ。こちらは遺跡がほとんど消失し柱一本しか残されていない。ただセルジューク朝時代の要塞を背景にした景色は美しい。
■この後も前回同様「革製品の店」の御買物である。ファッションショーの後、お買い物タイムとなる。買う気のない身では売場での売込みに耐えながら時間を潰すほかない。3時半に出発し約3時間の道のりをパムッカレを目指す。途中の高速道沿いのサービスエリアのトイレ休憩では菓子類のお土産が豊富とのことで、家内たちはビスタチオ入りロクムのまとめ買いをしている。高速道の向かいには、トルコの牧歌的な田園風景が広がっていた。6時半頃にトルコ有数の温泉保養地であるパムッカレのサーマルホテル・パムに到着。
■ホテルの前には立派なモスクを中心とした美しい街並みが広がっている。ホテルは本館と温泉プールを囲んでコテージ風の別館客室が並ぶリゾートホテルである。チェックインした部屋も新しくて整った設備で快適だった。浴槽には温泉水の出る蛇口も付いている。7時からの夕食は、今日もトルコ料理のバイキング形式である。質量ともに昨晩を越えている。部屋に戻る途中に温泉プールを一周した。上下2段に別れたプールの最上段の噴水から温泉湯がしぶきを上げて噴き出し湯煙が一面を覆っている。温泉プールに浸かる余裕はない。部屋で慌ただしく入浴を済ませる。9時からのホテルバーでのベリーダンスショーを観るためだ。
■ショーが始まると、若くて鍛え抜かれた腹筋を持つ魅力的なダンサーが登場した。くびれたウエストと引き締まった全身がリズムに合わせて小刻みに妖しく震え、観客を魅了する。何曲かの踊りの後、観客をステージに呼び込んでの即席ダンス教室が開催される。正面前列の席にいた私が不運にも真っ先に捕まった。観光ガイドに記載されたこうした場合の心得が頭をよぎる。「恥ずかしがらずに積極的に楽しむのがマナーです」。やむなし。他の3人の拉致被害者とともに数十人の観客の前で醜態を晒した。ドリンク代だけのリーズナブルな料金の本場のショーは30分ばかりで終わった。もっともダンサーが最後に客席を回った時、他の客席にならってお腹に挟んだおひねり札の追加があったことも白状しておこう。部屋に戻り10時半にはベッドに就いた。本日の万歩計は、広大なエフェソス遺跡の散策が貢献して13204歩をカウントしていた。

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