1999年11月例会

11月14日(日) 「明日香村セミナー」
大阪さくら会11月例会は「明日香村散策と飛鳥史学文学講座受講の会」。かってない文化の香り漂う例会であった。
朝8時15分、近鉄阿倍野駅に到着。日曜の近鉄大和路方面はトレッキング風のオジサン、オバサンで混み合っている。帰りの切符も買っておかねば・・・。駅売店で途中の缶ビールに備えてつまみの仕入れ。
混み合う電車を予想して早めに予定の8:50発急行のホームに並ぶ。なんとバッタリ井上さん、竹内さんと遭遇。そのまま飛鳥駅まで同伴出勤。
【耳寄り情報@】改札手前でお買得チケット販売コーナー。「奈良大和路ポケットパス・飛鳥フリーA」チケットがある。飛鳥駅迄の往復正規料金1380円で、橿原神宮、岡寺、飛鳥間のフリー切符と4ヶ所の観光施設の割引券がついている。明日香散策の方へのお薦め情報。
【耳寄り情報A】飛鳥駅出口前の階段を降りた所に観光案内所がある。ここで『飛鳥王国パスポート』を1部100円で販売している。観光スポットの解説、モデルコース紹介、各施設インフォメーションに5ヶ所の代表的観光施設の割引券が付いている。出発前に是非買っておこう。
9:40飛鳥駅着。電車を降りて改札前に集合した参加者一同。見知らぬ顔も多い。幹事の井上さんをジョイントに3グループ総勢17名である。さくら会8名、井上さんの長女の父兄会御一行3名、住友金属建材山歩き会御一行4名、生原さんのNTTフォシリティーズ御一行2名といったメンバー。
明日香探訪暦、数十回を誇る宮川団長を先頭に最初の見学先は、カノ「高松塚古墳」。
地元ボランティアの向学心旺盛な?
団体を前に熱のこもった説明。
この後、近くの文武天皇陵で「史跡散策組」と「弁当調達組」に分団。小生は、早く缶ビールにありつけそうという只それだけの理由で「弁当調達組」に参加。
仲間6人と調達先の「関西大学飛鳥文化研究所」をめざす。途中見つけたのが飛鳥川を跨いで架けられた「結界」(左の写真)。真ん中に太いしめ縄を吊るした何やらオドロオドロシイ物体である。魔性の進入を阻止するための護符とか。『魔界転生』の世界。
手前に大和三山、彼方に葛城山を望む晩秋の明日香路の景色(右の写真)。とはいえ優に1時間を超える長期ロードである。ようやく辿り着いた関大研究所。親切な係員の案内で館内見学。はからずも発見した缶ビール自販機。誰もが飛びついたのは言うまでもない。
宿泊施設も兼ねる研究所で予約の17人分の弁当受領。片手に弁当、片手に缶ビールを抱え、研究所から合流の1名を加えた7人が研究所を後にしたのは12:00。村の中の生活道路を、缶ビールを飲みながら闊歩する一行は、もう立派な「大阪のオバハン」にひけをとらない「大阪のオッサン」軍団である。
「橘寺」での「史跡散策組」との合流まであと15分。徒歩30分以上はかかる。どう考えても間に合わない。そこでオヤジたちの「史跡散策組」の行動分析。のめり込みタイプの宮川団長にタイムキープパー機能は求め難い。それに団長の解説と岡山夫人の突っ込み。回答に飽き足らない夫人との応酬。このバトルはデスマッチにも及ぶ。となると「史跡散策組」の遅刻は必至。慌てることはない。念のため約束時間に団長のケイタイに連絡。キッチリ橘寺をはるか離れた地点からの応答。
弁当組の橘寺到着は12:45。約束時間30分遅れ。更に遅れること15分で「散策組」到着。やっと弁当ダァ〜ッ。630円の弁当ながら中々のもの。幹事の手配のビールがウマイ。キリンビールの塚本さん参加の例会。銘柄はモチロン「一番搾り」と「ラガー」である。そしてさくら会では珍しい本堂正面での記念写真
橘寺から徒歩10分のところに「明日香村中央公民館」がある。「飛鳥史学文学講座」の開講に30分遅れの参加。
既に「第1部:伊勢物語における在原業平の変貌(片桐洋一関西大学文学部教授)」は当然ながら始まっている。約150人の聴衆の大半はリタイヤしたオジサンとその連れ合いに見える。耳を傾ける。・・・と、これはもう大学の講義そのものだ。失礼ながら顧客ニーズとのミスマッチ?当方の状況はといえば、万歩計が既に2万を超える歩き疲れ状態。お昼のビール付弁当の直後の満腹感。この状態に教授の単調な語りが追討ちをかければ、これはもう完璧なお休みタイムの宣告。思わずウツラウツラする耳に飛び込む効果音。「バサッ」そしてまた別方向からの「バサッ」。思わず見渡してその正体に納得。ここかしこで、お休みタイム中の聴衆の皆さんが手にした講義用パンフレットを不覚にも床に落としている音だった。
15:15、片桐教授の講義終了。直後に何の紹介もなく、限りなくおじいさんに近いオジサンがいきなり登壇。明日香村のイベント紹介を始めた。網干先生の前座にしては長い。話題がNHK番組への出演に及んでどうやらこのオジサンがカノ網干善教教授らしいと判明。関西大学の名誉教授にして考古学会では超有名人。(・・・とのことだが、失礼ながら小生は知らなかった) NHKの朝の連ドラ「あすか」に登場する「ハカセ」のモデルではないかと言われるとのエピソードの紹介。それは事実でないことはもうすぐわかるとのこと。(ちなみにその後のドラマの展開ではハカセは考古学者にはならなかったようだ。) そして「・・・ということで本日はこの辺で。」と言い残し教授はあっという間に降壇。15:40、わずか25分のよもやま話。なんとも意表を突く結末であった。
覚悟していた17:00から1時間以上早い閉講。自宅での仕事を抱えた身にはラッキーなハプニング。仲間達に一足先の帰宅を告げた。
帰路。16:09近鉄「飛鳥駅」発の特急に乗り込む。既に駅前のコンビニで缶ビールとつまみは調達済。車窓からの明日香路の風景を眺めながらのビールがうまい。万歩計は「2万5千歩」をカウントしている。ほろ酔いの後の阿倍野までの30分ほどのまどろみが心地よい。

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