2010年3月例会

3月9日 海外ボランティア活動記(パプアニューギニア)
■今回は会員である堀内義章さんの「海外ボランティア活動記(パプアニューギニア)」がテーマだった。7時に開会し、盛田幹事から盛田さん紹介の桑田さんから紹介された今回の講師の堀内さんの紹介がある。
■正面の壁に向けてセットされたプロジェクターの前に陣取った堀内さんのスピーチが始まった。最初に自己紹介がある。1941年生まれの68歳である。到底その年齢には見えない若々しさに参加者の誰もが驚きの声をあげる。福岡県飯塚市出身である。麻生前総理と同郷で、実家の本屋さんに「太郎ちゃんが漫画を買いに来ていた」とのこと。堀内さんは、元来はIT技術者で情報媒体の専門家である。三洋電機中央研究所に入社以降、定年までを磁気ヘッドの研究開発業務一筋に現役生活を送られたようだ。定年後もストレージ(デジタル情報の記憶装置)業界のアナリストとして講演・執筆活動に携わる一方、日本磁気学会、映像情報メディア学会等の学会にも所属されている。同時に大阪南太平洋協会(ASPA)、国立民族学博物館(MMP)という二つのボランティア組織にも参加し、多忙な日々を送られている。
■続いてプロジェクターによる報告となる。パプアニューギニアの支援活動を行っているASPAの紹介があった。「南太平洋の豊かな自然とそこに住む人々とふれあい、環境保全の大切さをお互いに学び合う」社団法人である。これまでパプアニューギニアに8次にわたって訪問支援活動を行っている。堀内さんは5次派遣から参加しているとのことだ。
 パプアニューギニアはオーストラリア北方の赤道付近に位置し、本島とよばれるニューギニア島の東半分とその周辺の島々からなる国である。常夏の国で雨季でも30℃位で乾季になると40℃近くになる。500もの部族が800もの言語を使用し言語学の宝庫といわれる。他方で治安は悪く強盗が頻発しているという。1975年にオーストラリアの統治から独立した若い国家である。
 昨年の第8次の支援活動の報告となる。看護師さん、高校を卒業したばかりの若者、大工さんなど10人のボランティア・スタッフが自費で参加した。首都モレスビーの空港到着後、四輪駆動車を駆って道なき道を進み、目的地ソアムの村をめざす。電気のない村ソアムの暮らしぶりや支援活動が紹介される。医療支援や電気のない村のソーラー発電普及などの活動が画像中心にビジュアルに説明される。海辺の灼熱の浜に遊ぶ素っ裸の子供たち、長老たちの思索に満ちた風貌、ボランティアスタッフたちとの交流風景など、個人的にも参加したいと思わせられる画像が次々と映し出される。
■45分ほどのスピーチが終わり、料理が運ばれ懇親会が始まった。例会参加者からの質問が相次ぐ。やりがいのある活動とはいえ、治安の悪さやマラリア罹患の恐れなど危険も多い活動でもある。「ご家族の反対はなかったんですか」と思わず尋ねてみた。「独りですから・・・」と簡潔な答えが返された。
 それにしても60代後半の年齢で過酷な環境のパプアニューギニアでのボランティアに毎年自費で出かけるエネルギーは驚くほかはない。いただいた経歴書には、テニス、ヨット、山歩き、読書・絵画・音楽鑑賞、茶道など文武両面の多彩な趣味が記されている。そうした生活を支えているのはストレージの世界でのプロフェッショナルなスキルなのだろう。その拠点を根拠地に、多方面にエネルギッシュにうって出る元気な老後生活が、今なお衰えを知らない若さを保たせている。「こんな人生もあるんだ」とあらためて考えさせられた例会だった。
■最後に川島代表幹事で締めてもらい10時前に例会を終了した。
 ちなみに今回の参加者は、講師の堀内さん他、川島、森、盛田、日高、福井、北村、竹内(賢)、筧田、岡山、家入、奥野の12名の皆さんだった。