明日香亮のつぶやき日記 2003年2月

2月8日(土) 口内リングで蛸バトル・・・ナント残酷!
■昼過ぎ、職場に妻からの連絡。「今から娘と梅田の百貨店のバーゲンに行くので、一緒に夕食をして帰らないか」。
娘も含めた久々の家族揃っての夕食も悪くない。「了解、心当たりの店を予約しておく」と返事をして早速予約を入れる。お目当ては梅田・曽根崎の「たこ茶屋」である。1月の異業種交流会の幹事会で案内された店だった。生憎の満席で、すごすごと「活たこ料理」の看板を後にした記憶が新しい。今回は予約で確実に席をキープ。
■曽根崎警察署前で合流。「たこ茶屋」は、お初天神通りを少し歩いて中州通りを左に折れたすぐのところの右手にある。狭い間口なので見落しに注意。
1階玄関の引戸を開け入店。予約の旨を告げ、女性客が目に付く店内の奥の座敷に案内される。テーブル席は、掘り炬燵形式で寛げる。
■色んな味を楽しもうと、別々のコース料理を3人分オーダー。たこ茶屋コース(4,500円)、おまかせコース(7,000円)、そして季節のいいだこコース(6,000円)である。オーダーから料理が出てくるまでしばし歓談。母と娘は、早速、昼間のバーゲン戦争の戦果の確認作業を始める。父は生ビールに片手に、オバタリアン遺伝子を開花させつつある娘の成長?を複雑な思いで眺めていた。(母親のタタリじゃ!)
■ほどなくコース料理に変身させられた蛸の七変化が次々と到着。前菜の「内臓うに和え」に始まり、「たこせんべい」「活けつくり」「かぶらとたこの射込み」「いいだこの炭焼き」と続き、仕上げは「たこ茶漬け」。食後のフルーツ(メロンと苺)も付いている。
圧巻はなんといっても「活けづくり」、言わば「蛸のおどり」である。刺身皿に盛られた蛸の足のぶつ切りが、まさしく踊りながら登場する。その踊りの激しさに、「これはッ!」と、思わずたじろろいでしまう。引導を渡すべく、箸で摘まむと、凄まじいばかりの抵抗を見せ、吸盤がお皿にくっついて離れない。片手でお皿を抑えながら、最後のあがきを続ける蛸の足を掬い上げる。これはモー格闘技の世界なのです。摘まみ上げられた足はようやく我が口内に納まったものの、尚抵抗は続いている。噛み締めるごとに吸盤の動きが舌を通して伝わってくる。口内リングの蛸バトルが繰り広げられている。げに凄まじき生への執念である。
「炭焼き」もなかなかおつなものだった。真っ赤な炭の入った小さな「七輪」と太いぶつ切りの新鮮な蛸の足が配膳される。適当な長さに切って七輪に載せる。途中、日本酒と醤油を混ぜた出汁で味付けをする。素材を活かしたあっさり味の香ばしい料理である。
■コース料理では料理と料理の「間(マ)」が適度なコミュニケーションタイムとなる。イラチの父親に染まって、どちらかといえば早食い気味の我が家の食事風景だが、今回ばかりはそうはいかない。1時間あまりの外食だったが、久々に家族の団欒を一緒に味わった気がする。
「勘定は持ってもいいかな」と思っていた夫の思いとは裏腹に、妻は家計の財布からの支払いを口にした。ヨッシャ!

前回に戻る

ホームページへ