明日香亮のつぶやき日記 2001年1月

1月3日(水) 息子との初めてのラウンド
■外資系製薬会社の広島支店に勤務している息子が帰省した。10日近くの年末年始の休暇のほとんどを、学生時代の友人たちとの旧交を温めることに費やしている。明日4日も友人たちとゴルフの予定だという。オヤジは挫折した筈のゴルフへの意欲を最近になって再燃させている。息子にショートコースでのラウンドを誘った。練習ラウンドのつもりもあってかアッサリ同意した息子は、プレイ費は自分が持つという。(いつのまにかこんな台詞を吐くようになったのだ。泣かせるではないか?)
■朝9時、息子の車で自宅を出発。父親のクラブの積み下ろしもさっさとやってくれる。MRという仕事柄、接待ゴルフの機会も多いようだ。ビジネス経験がなせる業なのか優しさなのか。ゴルフの腕前は、生来の運動音痴のオヤジをとっくに超えている筈だ。学生時代、何度か一緒に打ちっぱなしに行った。初心者の息子に講釈を垂れていた当時が懐かしい。15分ほどで目的地到着。トーナメントコースでもある読売ゴルフに併設されたショートコースである。1人4千円(祝日料金)のプレイ費は、息子の好意を素直に受けることにした。二人プレイの9時半スタートのラウンドでエントリー。
■18ホール全てショートホールのパー54。全長1756ヤードの「さくらコース」の高台のスタートホール。寒風が容赦なく身体を突き刺す。かじかんだ腕が放つ打球は親子揃ってバフリでスタート。1番、2番を同スコアのボギーで終えた3番、ロングパットを決めバーディーとした父親は、パーパットを外した息子に2打差のリード。続く4番、ティーショットを大きく右に曲げた息子は、トリプルを叩く。パーキープの父親はここで一気に5打差のリード。「何や、大したことないやないか」。内心の呟きを押さえて5番ホールへ向う。ところが勝負になったのはここまで。以降は一度もオナーを取ることなく、OUTを上がってみれば2打差で息子の勝ち。INに入ってもペースは変らず2打差負け。息子はトータル15オーバーの69。父親の方は4打差負けの73という結果。思ったほどには開かなかったスコアにオヤジは辛うじて面目を保ったというべきか。
■かくして父と子の初めてのラウンド(?)が終わった。ティーグランドでの待ち時間中の職場の話題、グリーン上のパット勝負の無邪気な言い合い。ゴルフを介した久々の対話は、かっての親子関係から一皮向けた関係を意識させるに十分なものであった。既に8年間のサラリーマン人生を歩んでいる息子の言葉の端々に安定感を感じさせ、そのさりげない言動に、サラリーマン人生の終盤を迎えた父親へのいたわりを垣間見る。世代交代のうねりが、静かに、着実に近づいてくる。

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