1988.05.01
労組機関紙・コラム

オジサンゴルフの醍醐味


市民権を得たゴルフ
当社でも、ようやくゴルフが市民権を得たようである。
ユニオン杯野球に代表されるように、これまでは野球が久しく男子スポーツの花形であった。ところが、昨年秋の組合員アンケートでは、男子組合員の現在やっているスポーツは、ドライブ(これはスポーツ?)をノゾケバ(ナント!)ゴルフがNo1.ということであった。管理職を含めた男子社員全体でのゴルフ人口の高さは、「推して知るべし」だろう。ユニオン杯コンペを望む声が出始めているゆえんでもある。

バカズがモノをいうオジサンの世界
ところでこのゴルフ人気の秘密は何だろう。
第1に、年齢によるハンディーの少なさを挙げたい。概してスポーツは、体力に優る若者の世界である。
ところがゴルフでは、千変万化の状況に応じた、一打ごとの判断と技術がキメテとなる。となれば、これはもうコストの高いプレー代を負担可能な、それだけ経験豊かなオジサンたちの世界である。スポーツの場でともすれば若者たちにバカにされがちなオジサンたちが、グリーン上では、しばしば若者たちの指南役となる。オジサンたちにとってこれはたまらない魅力に違いない。(・・・とオジサンである筆者は思っている。)

平日休みのウサバラシ
当社でのゴルフ人気の背景のひとつに、堂々と平日プレーができるという点があることも見逃せない。平日の安くて空いたコースでの芝刈りは、世間に合わせて休めない小売業に勤めたことのウサバラシのひとときでもある。

金と時間と気持ちのユトリ
労働時間短縮の波が襲ってきた。『休めといわれても、いったい何をすりゃいいんだ?』 オジサンたちの戸惑いの呟きが聞こえてくる。男子社員の中高齢化とゴルフブームは無縁ではない。
「金と時間と気持ちのユトリ」があらためて問われている。

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