1985.10.02
労組機関紙・コラム

オジサンとギャル


プロローグ
宇宙のロマンを格調高く語りかけた「コスモス」欄の担当が代ることになった。オジサン泣いている
今回担当する筆者には、宇宙の知識など毛頭ない。
思い悩んだ末、結局、世俗のウラミ、ツラミを格調低く吐露する他はないと観念した。

「職場にオジサンが増えてきた」とギャルたちがいう。
(世間では「中高齢化」とも呼んでいる)
何を隠そう筆者もオジサンである。オジサン世代のド真ん中にいる。
そんなわけで、今回は「オジサンとギャル」をテーマに詩情豊に謳いあげてみよう。

休日のある日、同寮たちが我が家にやってきた。
その夜の小学3年の娘との会話・・・。
「お父さん!今日、会社の人がきたやろ。そんなかで、お父さんが一番背え低かったやんか。
私、はっきりいうて恥ずかしかったワ!」。父「・・・・(グサッ)」。
数年後にはギャルと呼ばれるだろう予備軍たちは、すでにかくも残酷なのでアル。

「チビ」「デブ」「ハゲ」「メガネ」。
これがギャルたちに嫌われるオジサンの4大アイテムだという。
どれか一つは身に覚えのあるオジサンたちは、 思わず・・・
「それがどうした!冗談じゃない!それじゃ、好かれるオジサンなど一 人もいないじゃないかッ!」
(このようにギャルたちに向かって、変に居直ったり、時に妙にイジケてしまうのがオジサンの生態らしい。)
通勤バスのひとこま。
いつも乗り遅れそうになってバスを待たせる太目のギャルがいた。
今日もギリギリセーフの彼女をふと見ると、胸に『面白バッチ』なるものをつけている。
バッチいわく「ブタですみません」。「・・・・」。オジサンは、不覚にも、思わず微笑んでしまった。
ギャルたちの「優しさ」「たくましさ」をかいまみた。


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