1987.03.01
労組機関紙・コラム

死にいたる病


エイズが突然襲ってきた
欧米の特定の人たちの問題だと思ってた「エイズ」が、突然日本にも襲ってきた。松本、神戸に続いて高知でもエイズ患者が確認され、すでに全国区レベルの広がりを見せている。
神戸の女性の死は、多くの家庭であらためて夫婦の愛の形について語り合う(時に罵り合う)機会を提供したのではないか。
ところが、ちょっとした傷口や唾液からも感染し、完璧なディフェンスはないともいわれている。これでは、筆者をはじめ、ひたすらマジメな生活態度を堅持している者にとっても救いがない。エイズはまさしく「現代の死にいたる病」という他はない。

売上税が突然生き返った
一国の首相があれほど「やらない」と公約していた大型間接税(売上税)が、突然生き返ってきた。当初この問題は、流通業界など特定の産業の問題だと思われていた。ところが、その全貌が明らかになるにつれ、あらゆる業界に影響する問題であることがわかってきた。いまや「売上税反対」の声は、全国区レベルの広がりを見せている。
売上税は、一度導入されれば、ちょっとした税率変更で、いとも簡単に莫大な税収増が見込まれるという徴税側に極めて都合のよい税金である。反面で徴税コストの高い税金であり、低率ではペイしないともいわれている。それだけに5%の税率が、引き上げられない保障はどこにもない。「行革」や「不公平税制」は棚上げしたまま、取りり易いところから手っ取り早く取ろうという魂胆であろう。
これではひたすら真面目に働き、真面目に納税しているサラリーマンにとっては救いがない。売上税は、まさしく「日本の死に至る病」という他はない。

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