明日香亮の       ビジネス・エッセンス

1998年 7〜9月号
07.05 ▼距離は死んだ(トム・ピーターズ「起死回生」)
いいことを教えよう。距離は死んだ。世界中の人が隣人になる。
▼供給管理の限界(トム・ピーターズ「起死回生」)
・この15年あまり業種を問わずあらゆる企業が事業の供給面の管理に熱中してきた。生産性は驚くほど向上した。
・90年代の終わりに近づいた今、この戦略の有効性が問われている。企業は今後、売上高を伸ばすことに全力をあげざるをえなくなるだろう。
07.12 ▼パーソナルブランド(トム・ピーターズ「起死回生」)
・自分のことをブランドだと考えてみよう。誰だってブランドなのだ!
・パーソナルブランドが資産だと考えてみよう。その資産形成に全力をあげよう。
・これからの時代、生活を保証してくれるのはパーソナルブランドの資産価値だ けなのだ。
07.19 ▼リーダーシップとアカウンタービリティー(日経)
・橋本総裁が「私を信じて任せてくれ」と訴えたのも逆効果だった。会社でもそうだが「黙ってついてこい」式のリーダーシップで人が動く時代ではない。
・国民は政治が何をやろうとしているのかを見せろと、アカウンタービリティー(説明義務)を求めたのだ。
08.02 ▼ケーススタディー「いせやグループ」(日経ビジネス)
・エリア社員の比率アップと職住一体による人件費削減効果
・出店基準「店舗建設費に在庫額を加算した投資が年3回転」
・購買頻度の違う商品を一つの店で売ろうとすると余計な手間やコストがかかる
・日本型総合スーパーの最大の問題点は3日に1度は買う食品と数年に1度しか買わない家電品などをひとつの店で扱っていること
08.09 ▼「最高の経営者/ジャック・ウェルチ GE会長を徹底解剖」(日経ビジネス)
・「人間の精神から生まれるアイデアは、汲めども尽きぬ井戸のようなものだ。だから、汲み出すだけで良い。『効率』という表現はよくない。『創造性』という言葉を使うべきだ」。
・「GEは、一人ひとりの立派な人格のおかげで成立っている。私に功績があるとすれば、それは偉大な才能を、それも大量に発掘したことだ。彼らはそこらのCEOよりもはるかに優秀だ」。
08.16 ▼「ヘルムート・マウハー」ネスレ会長 (日経「私の履歴書」)
最初の役員会ではっきりさせたのは、「ボスは一人であり、最後の決断をするのが誰かを承知してもらわねばならない」ということだ。私が欲するのは常に「トップのいるチーム」であり、「チームがトップにいる組織」ではない。後は権限を移譲し、責任と信頼を与えることで業務は前に進むものだ。
08.23 ▼「肩書きなんかいらない」(日経 8/17)
・企業ではプレーヤーとしての個人の論功行賞として、管理職の肩書きが与えられることが少なくない。「監督」としての能力と無関係に管理職が決められ、有能なプレーヤーが肩書きのために現場を離れるとすれば組織にとっても個人にとっても不幸なことだ。
・一つのアイディアが莫大な利益を生み出す「知」の競争時代にはピラミッド型組織が障害になりはじめた。
08.30 ▼「他人は用意してくれない定年後」野末陳平(日経ビジネス)
「定年病」
@定年後しばらくすると熟睡できなくなる。
A次第に金が思うようにならなくなる。
B電話や手紙がこなくなって寂しくてしようがなくなる。
「対策」
@40代のうちから趣味を持ったりボランティアを始める。
Aへそくりをしておく。
B定年前の早い時期に何でも自分でやる癖を付けておく。
「結論」
定年後に社会や家庭の中に自分の居場所を早く作るようにする。
09.20 ▼横浜ベイスターズ=金をかけず若手で躍進(日経ビジネス)
・「選手のいいところだけを見て伸ばすことを考えた」大矢前監督
・他球団のデータなどは細かく揃えてあるがそれをどう活用するかは選手任せ。結果が数字に表れる世界だけに、自己責任を徹底したスタイルを取る。
・「活躍したら、次の年の年俸に反映させるからいけない。その年の経費として出来高で払わないと、経営は安定しない。」(球団社長)
09.27 ▼変貌 M&A(日経 9/24)
・関連会社を含めて事業のポートフォリオを見直し何が必要で何が不必要かを見極める。業績が急下降する中で事業の「集中と選択」しか生き残りの道はない。(東芝)
・大企業が一斉に事業ポートフォリオのを見直しに着手した背景に、企業会計の連結主義移行がある。連結決算時代をにらんだ総合型企業の解体が買収の動きを加速する。
・M&Aは悪というイメージが株式の持ち合い構造と結びついて買収を阻害してきたのがこれまでの日本。オーナーシップさえ変れば生まれ変わる力を持っている会社は多い。

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