病院側から本人の読みたいときに本を読めるようにしたいという要望がありました。紙の本ではページをめくることが出来ず、本人のペースで読むことはできません。Mac上のテキストデータであれば自分で操作しページを進めていくことが出来ます。本のテキストデータを探すことにしました。まず思いついたのがパソコン通信からダウンロードすることでした。ニフティサーブには小説に関するフォーラムがあり、そのなかに作家をめざす方の書かれたシェアノベルやフリーの小説がありました。フリーの小説をダウンロードしMacで読めるようにしました。
パソコン通信の小説は、内容が限定されるという欠点がありました。何とか読みたい本のテキストデータが手に入らないか考えました。ちょうど友人がOCR付きのワープロを持っていたので、単行本を変換してもらうことにしました。ある程度手直しが必要でありましたが、うまくできたので、病院側の要望のあった夏目漱石の坊ちゃんを変換しました。尚、本は本人が購入し、友人がOCRでテキストデータを変換した後に、本とテキストデータ両方を本人に渡しました。
OCRを使ったテキスト変換で苦労している間に、新潮文庫より、小説が100入ったCD-ROMが発売されました。私たちの目的に合った非常に歓迎されるべき商品です。今後もどんどん増えることを期待しています。