ミニエッセイ [あの世とこの世]

Written by 中原 憬

All Rights Reserved. Copyright(C) 2008, 2020, Kei Nakahara

あの世とこの世に関するとりとめのない日々の短い雑感です。
なお、この文章は特定の宗教や団体とは無関係です。

2020.03.01 更新


癒しの広場



Kalafinaの曲を聴きながらどうぞ





はじめに


人の存在の究極の疑問とは、人がどこから来て、どこへ行くのか、
ということです。これだけ科学の発達した世の中になっても、
心とか魂のこととなると、残念ながらほとんど解明されていないのが実状です。

人が死んだら無に帰すのか、それとも死後の世界があるのか、
いまだに、人類は科学的な側面からは、死後の世界の有無を断定できません。

ただ、宗教や精神世界の分野では、あの世はあると主張する人たちが多数派です。
たとえば、ダライ・ラマは輪廻転生を何度も繰り返していると
多くのアジアの人々に信じられています。

また、霊が見える、話せるという人や、催眠術の暗示で年齢を0歳より前に
逆行させると、人は前世の出来事を語り出すという話もあります。

あなたの身近な人の中にも、幽霊を見たことがある人とか、
臨死体験をしたという人も、結構いるのではないでしょうか。
小さな子どもが、お腹の中にいる以前の話をすることもあるそうです。

世界的に実施された統計データから類推すると、
およそ4割くらいの人が死後の世界を信じているようです。
電通総研の出版した「世界60カ国 価値観データブック」という本によれば、
日本人の死後の世界観は次のようになっています。


日本人の死後の世界観
  • 死後の世界が存在する・・・31.6%
  • 死後の世界が存在しない・・30.5%
  • わからない・・・・・・・・37.9%

国際的に見た日本人の回答の特徴は、
「わからない」という答えが際立って多いことです。
いかにも、日本人らしい回答です。

ベトナムでは、80%に近い人たちが死後の世界を信じていません。

逆に、エジプト、インドネシア、ヨルダン、イランなどの国々の人々は、
90%以上の人たちが、死後の世界を信じています。





No.16 世界で最も有名な死後の世界に関する本

果たして、死後の世界はあるのでしょうか−−−。
誰もその答えを知らないといいます。

しかし、世界でひとりだけ、生きながら霊界を見てきたという有名な
人物が18世紀にいます。その名はエマニュエル・スウェデンボルグ。
スウェーデン王国出身の科学者・発明家・神学者・神秘主義思想家。

スウェデンボルグは当時、ヨーロッパ有数の科学者として知られ、彼が
精通した学問は、数学・物理学・天文学・宇宙科学・鉱物学・化学・冶金学・
解剖学・生理学・地質学・自然史学・結晶学など多岐にわたります。
科学者として数々の先駆的発見をし、150冊以上の著作を残しました。
その業績から、レオナルド・ダヴィンチをしのぐ知の巨人と評されます。

しかし、彼が最も名を残したのは「人類史上最大」といわれる霊能力でした。
独自の瞑想法により、精霊界、霊界、地獄などの死後の世界の探訪を続け、
膨大な量の著作を残しました。その多くは大英博物館に保管されています。

ゲーテ、バルザック、ドストエフスキー、ヴィクトル・ユーゴー、エドガー・
アラン・ポーが彼の影響を受けたといわれています。ヘレン・ケラーも彼の熱心な
信奉者であり「私の宗教 ヘレン・ケラー、スウェーデンボルグを語る
という本を上梓しています。
日本では、仏教学者、禅学者の鈴木大拙も著作の翻訳を行っています。

私の個人的な印象としては、日本で目にする死後の世界に言及した著作は、
スウェデンボルグの本を下敷きにしたものが大半だと感じます。

彼の著作は、さまざまな翻訳本があるのですが、入門編として私がお勧めしたいのは、
全編コミックでわかりやすく内容をまとめてある次の本です。


エマニュエル・スウェデンボルグの霊界 マンガ版―私は霊界を見てきた!!
エマニュエル スウェデンボルグ
中央アート出版社
売り上げランキング: 87,349

本の一部を紹介します。

−−−人は死んだら、まだ「生きている」ことを自覚して驚くそうです。



−−−あの世では、死別した人にまた会えます。



−−−霊界も地獄も自分で選んでそこに行くそうです。



−−−そこは、想念によって作られる永遠の世界。




[補足]
このスウェデンボルグの「霊界探訪」はスピリチュアルや宗教の分野では
もはや古典ともいうべき著作なので、かえって死後の世界に関心を持つ人は、
知っておいた方がよいのではと思って今回紹介することにしました。
−−−あやしい宗教や、インチキな占いなどにはまらないように。



No.15 死後の世界をテーマにしたナショジオのドキュメンタリー番組

良質なドキュメンタリー番組を放送する専門チャンネルとして有名な
ナショナルジオグラフィック(略称:ナショジオ)が制作した番組のひとつに
「ストーリー・オブ・ゴッド WITH モーガン・フリーマン」という作品があります。



「神」は存在するのか? 人は死んだらどうなるのか? 私たちはどこから来たのか?
運命とは何か? 奇跡はあるのか? 悪とは一体何か? 世界の終焉は?

番組のホストである俳優のモーガン・フリーマンが、壮大なスケールで
世界中を調査してまわり、死後の世界、神の存在、この世の終わり、
悪、奇跡をテーマに、宗教の起源と文明社会の相互関係、また人間の
存在やその運命についても考察していくドキュメンタリー番組です。

スピリチュアルな観点からだけではなく、神経科学や宇宙論等、
最新テクノロジーや科学の力と宗教の関連性にも焦点を当てます。

シーズン1は全6話で、初回のテーマが「死後の世界」です。


第1話 「 死 (原題:Beyond Death) 」
死後の世界とは?死んでしまったら、「私」は完全に無くなってしまうのだろうか?
第1話では、後世に自分が生きた証を残したい、という人類の願望に迫る。
臨死体験をしたデイビッド・ベネット。人間の体は死んでも残るものがあると信じる医師、サム・パリーナ。
ヒンドゥー教の概念である輪廻思想について詳しく説明してくれる、スワミ・バリシュアナンダ。
人間を生贄として差し出していたアステカ文明の儀式と、メキシコの「死者の日」の関係性に注目するエンリケ・ロドリゲス。
何千年も前から死後の世界という観念に着目していたエジプト、ピラミッドの真相に迫るエジプト学者のサリマ・イクラム。
妻の思い出と思想をBINA48と呼ばれるロボットにダウンロードし、いわゆる永遠の命を追い求めるマーティン・ロスブラット。
そんな人々と対話をしながら、モーガン・フリーマンが“死後の世界“に迫っていく。
(公式サイトより)

第1話のプロローグで、モーガン・フリーマン自身が祖母と兄を亡くした経験に触れ、
"死後の世界"というテーマについて次のように語ります。



(死別は)誰もが避けては通れない悲しい経験です。

そんな悲しみを信仰によって乗り越えようとする人がいます。
最愛の人に天国で再開すると信じるのです。
しかし、そうは考えられない人もいるでしょう。
私たちの多くが疑問に思っていることがあります。

人は死んだらどうなるのか?



最初のエピソードとして、大波により海に投げ出された元潜水士の
臨死体験が語られます。



光を見たんです。無数の光の粒が集まっているような感じでした。
ありとあらゆる色の光が動き回っていたのですが 
ひとつの心を持つ無限の存在に思えました。

自分が肉体から離れていることはわかりました。
その光の塊に近づいていくにつれ、懐かしい気持ちがこみ上げました。
この世で味わったことのない強い絆を感じたんです。
その眩い光は私に語りかけました。
「まだ来てはいけない。戻って目的を果たしなさい」

次の波が私を押し上げて、肺の中から海水を出しました。
そこで自分の体に戻ったのです。

死後の世界はあると思います。私たちの本質、私たちの魂、どんな呼び方にせよ
それが生き続けて、現世に戻るチャンスがあるのだと思います。
あの体験をする前は、そんなふうに考えたことはありませんでした。

私が見た光は神だったと思います。神を感じました。
信仰に関わらず、そのような存在を感じることができると思います。
いまは決まった信仰がありません。
我が家の書斎にはどんな信仰の本も偏りなくあります。



あの世を信じる、信じないは、これまでの生の経験や知識に左右されることです。
同時に、永遠に続いてきた人類最大の謎でもあります。皆、さまざまな考えを持っています。
宗教家、科学者、哲学者、学者、研究者、そして不思議な体験をした一般の人……。
古今東西の知見や体験を集めた、このドキュメンタリーは貴重な考える材料になると思います。


「ストーリー・オブ・ゴッド WITH モーガン・フリーマン」はシーズン3まで制作
されています。各タイトルは次の通りです。

【シーズン1】
 第1話 「 死 (原題:Beyond Death) 」
 第2話 「 終焉 (原題: Apocalypse) 」
 第3話 「 創始 (原題: Creation) 」
 第4話 「 神 (原題:Who Is God?) 」
 第5話 「 悪 (原題:Why does evil exist?) 」
 第6話 「 奇跡(原題:Do Miracles Happen?) 」
【シーズン2】
 第1話 「 天国と地獄(原題:Heaven And Hell) 」
 第2話 「 神に選ばれし者(原題:The Chosen One) 」
 第3話 「 神の存在証明(原題:Proof of God) 」
【シーズン3】
 第1話 「 悪魔を探して (原題:Divine Secrets) 」
 第2話 「 神に触れる (原題:The Gods Among Us) 」
 第3話 「 神の啓示 (原題:Visions of God) 」
 第4話 「 赦されぬ罪 (原題:Deadly Sins) 」
 第5話 「 神聖な規律 (原題:Holy Laws) 」
 第6話 「 聖なる秘密 (原題:Divine Secrets) 」

次の場所で有料(1話150円〜、無料視聴期間のあるものも)で視聴できます。

NETFLIXシーズン1、シーズン2
Hulu(フールー)現在はシーズン3の第6話しかないようです(2019.08.16まで)。
Amazon Prime Videoシーズン1、シーズン2
Gyao!ストアシーズン1
楽天TVシーズン1、シーズン2
Google Playシーズン1、シーズン2
YouTubeシーズン1、シーズン2 ※1話150円
スカパーシーズン1、シーズン2、シーズン3とも見られるらしい。



No.14 「死後の世界とは?」という質問

「死後の世界とは?」と世界22ヵ国の街中でインタビューしてまわった動画です。
実にさまざまな見解があって興味深いものです。



[3:09]
※上で紹介した「ストーリー・オブ・ゴッド WITH モーガン・フリーマン」の予告編のひとつ


多くの人が意識から避けがちな、しかし、人生最大の謎を
ぽんと街ゆく人たちに投げかけてまわるというのは面白いものです。
よく考えれば誰も答えを知らないというのも不思議なことですね。

黙り込んでしまう人、無と言い切る人、友達や家族の記憶の中で生き続けるという人、
魂がさまよい続けるという人、宇宙と一つになるという人、死など信じないという人、
原子が再構築されるという人、天国に行くという人、輪廻転生するという人……。

ちなみに、私が回答するとしたらこうです。

魂は永遠。死んでも意識はそのまま残り、しばらく経つと(いわゆる四十九日)
自然に天に召される。そこは、この世にある物は何でもあり、願うだけで願いが
実現する世界。もちろん、愛する人達とも会いたいと願えば再会できる。

やがて魂は現世の記憶を失っていき、本来の純粋なひとつの存在に還る。




No.13 死後の世界を体験した脳神経外科医

ニューズウィーク2012年10月8日
「天国は実在する」〜ある医師の死後の世界の体験



※クリックすると、該当の英文記事が読めます。


2012年10月、世界的な脳神経外科の権威エベン・アレグザンダー(Eben Alexander)医師は、
死後の世界を体験したという内容の著書「プルーフ・オブ・ヘヴン」を発表し、
アメリカ中の話題をさらいました。その本は全米で200万部突破の
大ベストセラーとなり、ニューズウィークでも取り上げられました。
「プルーフ・オブ・ヘヴン」を直訳すると「天国の証明」です。

ことの起こりは、2008年の秋、彼が細菌性髄膜炎を発症したことです。
大腸菌によって髄膜が侵され、彼の脳の新皮質の活動は停止状態に陥りました。
深い昏睡状態が続き、状況は絶望的でした。担当の医師が治療を中止しようとしていた
その7日目の朝、奇跡的に彼は目を開け、以後、快方に向かったのです。

彼は、昏睡状態の間、次のような不思議な臨死体験をしていました。

※     ※     ※

最初は暗い世界。意識だけで肉体はなく、記憶も感情もなく、時間の感覚も
ないままに泥を通して物が見えるような暗がりにいたそうです。

突然、金色の光が差し込んできて、美しい旋律が聞こえてきました。
光はぐんぐん迫ってきて、その中心に隙間が開いた瞬間、彼は猛スピードで
上昇を始めました。気が付けば「楽園」としか形容できない、
ただ美しい世界を彼は飛んでいたそうです。

自分の隣には、見知らぬ美しい女性が飛んでおり、慈悲と愛に満ちた
メッセージを送ってきたそうです。二人は蝶の流れとともに
花をつけた木々の間を飛び続け、濃紺の空に薄桃色の雲が浮かぶ場所に出ます。
上空には天使のような存在が宙を横切って飛び交い、彼らの溢れ出る喜びが、
聖歌のような荘厳な大音響として美しく響き渡っていました。

さらに進んでいくと、コアと呼ばれる限りない安らぎを感じられる
光輝く闇の中へ入っていきました。そこでは、子宮の中の胎児のように、
"母親"に相当するものとして神や創造主、根源と呼ばれる存在が
一体に感じられました。彼はそこで、高次の存在と、宇宙について、
存在について、悪について、愛について対話をしました。
見知らぬ美しい女性はそこでは、光の球体となって
通訳の役割を果たしてくれたそうです。

何度か、コアと泥のような世界を行き来したあとに、コアへの門が閉ざされ、
還るべき時期が来たと教えられます。巨大な雲を抜けて降下しながら、
彼は無数の人たちが地上で自分のために祈っていることを知ります。

※     ※     ※

彼は回復後、神経外科医の立場から、自分自身が置かれていた医学的な状況を
客観的に検証していきました。専門家の立場から見て、大脳皮質が完全に活動を
停止しているにもかかわらず、あのように堅牢で、双方向的な性質を持つ
回想が起こりうる可能性は医学的にはあり得ないことでした。

ほかの神経科学者にも意見を求め、9つもの仮説を立て検証しましたが、彼の体験した
あまりに豊饒な天国の「超現実性」を説明できるものはありませんでした。

※     ※     ※

彼自身は、この臨死体験の完全な記憶を保持しており、自分が体験したことに一点の
疑いのないものと考えていましたが、一つだけほかの臨死体験者と違う点があり、
それが腑に落ちませんでした。多くの人たちは、先に逝った親や恋人や友人などに
出逢っていました。しかし、彼は先に逝った人たちと誰も会うことがなかったのです。

しかし、それは彼の間違いであることにある日気づきました。

彼は、生後4か月のときに高校生だった母親に養子に出され、2000年まで、実の両親が
その後結婚したことや、家族のうち、一人の妹が亡くなったことを知らずに育ちました。
臨死体験から4か月ほど経ったときに、亡くなっていた妹の写真を初めて目にしたのですが、
その写真の女性こそ、あの世界で一緒に過ごしてくれた美しい女性だと気づいたのです。

※     ※     ※

臨死体験の中で、彼は言葉に尽くせないほどの無私の愛と無条件の受容を体験したといいます。
彼は、脳や肉体が滅んでしまっても意識は消滅せず、人間は死を超えて生きていく存在であると
いうこと、そして、人の存在を温かく見守る高次の存在がいるということを主張しています。


Proof of Heaven: A Neurosurgeon's Journey into the Afterlife
Large Print Pr(2013-04-15)
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※洋書です。エベン・アレグザンダー(Eben Alexander)医師本人の著作です。
プルーフ・オブ・ヘヴン--脳神経外科医が見た死後の世界プルーフ・オブ・ヘヴン--脳神経外科医が見た死後の世界
白川 貴子
早川書房(2013-10-10)
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[補足]
時折、エベン医師の体験を紹介している番組を見かけます。
動画検索すると観ることができるかも知れません。
テキスト検索すると、番組の感想も見つかります。

フジ奇跡体験!アンビリバボー「死後の世界SP」2013年11月28日放送
フジ世界の何だコレ!?ミステリー「死後の世界は本当にあるの?SP」2017年5月3日放送
NHK Eテレモーガン・フリーマン 時空を超えて『第2回 死後の世界はあるのか?』2015年3月28日放送以降、何度も再放送されています。

2:46からエベン医師のエピソードが紹介されています。
※墓地や脳外科手術中の映像が使われています



No.12 やがて同じところに

あの世がない場合−−−死んだら無に帰すのだったら、
その人と同じところに行けるということ。
少なくても、悲しみや苦しみや寂しさは、もう、味わなくて済みます。
そして、その人も、もう何の苦しみも悲しみもない世界にいるということ。

あの世がある場合−−−死んだら魂の存在になれるのなら、
その人と同じところに行ける可能性があるということ。
この世で悪いことをしていなければ、惹かれ合う二人はいつか出逢えそうです。
きっと、人の情けを知る、出会いを導いてくれる存在もいるはずです。

どちらの場合でも、悪いことにはなりそうにないですね。



No.11 「生まれ変わり」の研究

アメリカ バージニア大学 医学部 知覚研究室の精神医学者
ジム・タッカー(Jim B. Tucker)博士は、前世の記憶を持つ子どもに
関して研究を続けています。

研究の基本は、前世の記憶を語る子どもへの聞き取り調査で、
これまで収集した事例は世界中で2,500件以上になるそうです。

前世を話し始める平均年齢は、生後35か月、大体2〜3歳の頃。
ほとんどが6〜7歳で話すのを止めてしまうのだそうです。

このような生まれ変わりと呼ばれる現象の大半は、偽りの記憶で
説明できるといいます。子どもは生まれて2年間くらいは
「幼児期健忘」と呼ばれる時期に当たり詳細な記憶を持てません。
その後、徐々に記憶を形成することになりますが、その頃に
同じ話を何度も聞くと実際に経験したと思い込むのです。

しかし、膨大な事例の中にはそれだけでは説明がつかないものが
あることがわかってきたと博士はいいます。

オクラホマ州のライアン君(9歳)は、1年前まで
前世の記憶を話していたそうです。

 「ニューヨークで踊っていた」
 「ハリウッドに住んでいた」
 「事務所を経営していた」

このような発言に対し、母親は空想だろうと思っていたのに、
ときには夜中まで同じ話を繰り返し話し、前世の家に帰りたいと
泣いて訴えるため、困り果てたそうです。
ライアン君は3時間しか眠れない日々が続きました。

そんなある日、ハリウッドに関する本の写真を指差してライアン君が
「やったね。自分を見つけた」と興奮して言ったそうです。
ある映画の一シーンの写真で、そこに写っている男性が自分だというのです。

ジム・タッカー博士は、自らこの事例の検証に乗り出しました。
半年後、指差された男の身元がハリウッドの図書館で判明しました。
マーティ・マーティンという映画俳優でした。博士は遺族を探し出し、
聞き取り調査を行いました。家族しか知らない情報とライアン君の
発言を照らし合わせ、検証を試みたのです。

 「家の住所にロックかマウントが入っていた」
 「プールつきの大きな家に住んでいた」
 「知り合いにファイブ上院議員がいた」

結果として、上記のような68項目中、54項目が一致したそうです。

博士の研究によると「偽りの記憶」では説明しがたいほど、過去の事実と
一致したケースがこれまでに世界で44例確認されたといいます。

ジム・タッカー博士は、これらの事例を綿密に研究することが科学の
進歩に新たな視点をもたらしてくれるといいます。


 ※この文章は、2014.3.22に放送された
  NHKスペシャル「超常現象 科学者たちの挑戦」
  「生まれ変わり」に関するパートを要約したものです。

この番組は、次の場所で有料で視聴できます。

Gyao!ストア「超常現象 1集 さまよえる魂の行方」というタイトルに変更されています。
NHKオンデマンド「超常現象 1集 さまよえる魂の行方」というタイトルに変更されています。


Return to Life: Extraordinary Cases of Children Who Remember Past Lives
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※洋書です。ジム・タッカー(Jim B. Tucker)博士本人の著作です。
転生した子どもたち―ヴァージニア大学・40年の「前世」研究
Jim B. Tucker
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No.10 アインシュタインの弔文

20世紀最大の物理学者、アインシュタインは相対性理論により、
宇宙論−−−特に時空の概念に革命を引き起こしました。

それまでのニュートン力学で個別に独立した存在と考えられていた
空間と時間の関係を見出し、時空という概念にまとめ上げたのです。

また、観測者の立場によってその人の現在が、別な人にとっての
未来や過去であり得ることを示しました。
相対性理論によれば、唯一かつ特別な現在は存在しないのです。

アインシュタイン自身、過去と現在、未来の区別はないと考えて
いました。アインシュタインは、1955年4月に亡くなるのですが、
その1か月前に、学生時代からの親友のベッソーを亡くしたとき、
次のような弔文を送ったそうです。




ベッソーは、この奇妙な世界から、私より少し先んじて旅立った。
それには、何の意味もない。

私たちのような物理学の信奉者は、
過去と現在、未来の区別は、
ぬぐいがたい幻想に過ぎないことを知っているのだ。


〜アインシュタイン

ブルーバックス「大栗先生の超弦理論入門」より




いまや、超ひも理論を代表とする万物の統一理論を追及する中で、
時間が流れるのは錯覚に過ぎない、という意見の物理学者は
少なくありません。過去と現在、未来はいずれも等しく現実であると。

時間変数tには、そもそも過去と未来の区別はありませんし、より根本的な
法則を定式化しようとすると、tを含まない方程式が成立してしまうのです。

オックスフォード大学のペンローズ教授たちは、時間が流れるように感じる
のは、意識が脳内の量子過程に関係しているためと考えているそうです。

常識的な感覚とはまったく相容れない「時間が流れるというのは幻想」という
主張は、現代の物理学者には深く静かに浸透してきているらしいのです。

にわかには信じがたいような話ですね。もし、それが本当だとすると、
愛する人と過ごした、あの失われたと考えていた過去も、
実はどこにも失われていないのかも知れません。


Newton (ニュートン) 2013年 10月号 [雑誌]
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※表紙の右上の斜め帯には「『時間は流れている』は幻想」と書かれています(アリゾナ州立大学教授 ポール・ディヴィス氏の取材記事のタイトルです)。
時間は存在しない
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◎イタリアで18万部発行、35か国で刊行決定の世界的ベストセラー
◎タイム誌の「ベスト10ノンフィクション」
“ホーキングの再来"と評される天才物理学者が、本書の前半で「物理学的に時間は存在しない」という驚くべき考察を展開する。
後半では、それにもかかわらず私たちはなぜ時間が存在するように感じるのかを、哲学や脳科学などの知見を援用して論じる。

詩情あふれる筆致で時間の本質を明らかにする、独創的かつエレガントな科学エッセイ。
(Amazonの内容紹介より)

※著者は、超ひも理論と並んで有力視されているループ量子重力理論の第一人者。
ループ量子重力理論では、量子力学と一般相対論の基本原理を注意深く組み合わせることで生まれた理論。時空をなめらかに連続したものとは考えず、これ以上分割不可能な最小単位を想定し、その格子状のつながりの集積が時空であるとするもの。つながりの変化は、1プランク秒(10-43秒)単位であり、これが積もり積もって人が時間の流れを感じるとされる。
大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)
講談社(2013-08-21)
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※日本における超弦理論(超ひも理論)の第一人者、大栗博司氏(カリフォルニア工科大学 カブリ冠教授 および 東京大学 カブリIPMU 主任研究員.京都大学卒業、東京大学理学博士(素粒子論専攻))の著作です。この本の最終章のタイトルは、「時間は幻想か」です(ちなみに、その一つ前の章のタイトルは「空間は幻想である」です)。
時間とは何か? (別冊日経サイエンス 180)
吉永 良正
日経サイエンス(2011-08-09)
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※表紙の6つのサブタイトルの先頭2つは「時間は流れない」「時間は実在するのか」です。最初の文章から一部引用します。
「時間は物理学において、最近特にホットな話題になっている。統一理論を追及する中で物理学の基本仮定をとらえ直す必要が生じ、時間よりもっと根本的なものがある、と考えられるようになった。」
「物理学者の中には、『時間はそもそも存在しない』と主張する人もいるし、逆に『時間はもっとも本質的なものだ』と考える人もいる。(中略) 静止した世界からどういうわけか、私たちが『流れる』と感じる時間が生じるのだという。」

日経サイエンス 2002年12月号にも「時間とは何か」という特集があり、その中に「時は流れない」という記事があります。
いわく「現代物理学には,時の経過という概念がないのだ。物理学者たちによると時間は流れず,単に「存在する」だけだ。」

[補足]
時間が流れるように感じるのは人の脳に現れる錯覚であり、
言語による思考からくる制限に過ぎないということを表現した
SF映画があります。異星人とコンタクトしようとする言語学者を
描いた「メッセージ」という作品です。
こちらで紹介していますので、ぜひ、読んでみてください。



No.9 天国からの「お迎え」

2012年8月29日にNHK「クローズアップ現代」で、
次のタイトルの番組が放送されました。

天国からの“お迎え”
〜穏やかな看取り(みとり)とは〜


死の間際すでに亡くなった親しい人が夢枕に立つという
「お迎え」という現象は古くから知られてきました。

仙台を中心に在宅医療に取り組む医師の河原さんは、
在宅医療を続ける中で、お迎え現象は珍しいものでは
ないという意外な事実に気がついたのだそうです。

河原さんたちは社会学者と共同で、在宅緩和ケアを
利用した患者の遺族、500人以上を対象にした、
本格的な学術調査を実施しました。

すると、全体の4割でお迎え現象を体験した
という回答が得られたのです。

−−−亡くなった両親が、やって来た。
−−−昔、かわいがっていたペットが現れた。

そして、お迎えを見た人の、実に9割が
穏やかな最期を迎えていたのだそうです。

さまざまな延命治療を推し進めてきた医療現場は、
自然で穏やかな死への道筋を見落としてきたのではないかと、
医師たちの看取りに対する意識も変わり始めているそうです。



No.8 神への祈り、その人への言葉

あなたはその人の無事や回復を必死に祈り、
その人の亡骸に手を合わせて語りかけた。

知らず、人は神へ祈り、
知らず、人は亡き人に言葉をかける。



No.7 パスカルの賭け




もし、人が死後の生命の存在を信じていたのに、実はそれが
存在しなかったとしても、別に何も損したことにはならない。

しかし、死後の生命が存在するにもかかわらず、それを信じなかった
ために、手に入れそこなったとしたら、もう取り返しがつかない。


〜パスカル

「パンセ」より




「人間は考える葦である」という一節や、パスカルの定理で有名な
フランスの数学者、物理学者、哲学者、思想家、宗教家である
パスカルの言葉です。

死後の世界があるかないか、天才科学者のパスカルも考えたのでしょう。
そして、「確率論」を創始したことでも知られるパスカルは
この言葉を残したのでした。



No.6 あの世と時間

ものの本によると、あの世には時間の流れというものがないらしい。
あの世のことを書いた本には、不思議なくらい共通してそのことが書かれている。
(あなたの読んだ本にも、そう書いてありましたよね?)

時間の流れがないということは、向こう側に行ってしまった人は、
何も待つ必要がないということなのではないだろうか。

すなわち、死に別れというのは、あちら側の人からみれば、待ち時間ゼロであり、
自分が死んだと思って横を見れば、もう、あなたがいるということ。
だって、時間がないのですからね。

この世のことは、ほんの短い間の夢物語。一炊の夢。

すべては夢に過ぎず、実は、過去・現在・未来にわたって
その人はあなたとずっと居続けるということ。

(きっと、その人は孤独ではないんじゃないかな!)



No.5 あの世と想念

ものの本によると、あの世には物質がなく、想念しかないらしい。
あの世のことを書いた本には、不思議なくらい共通してそのことが書かれている。
(あなたの読んだ本にも、そう書いてありましたよね?)

物質もなくもちろん身体もなく、ただ「想い」だけが存在しているという。

それはちょうど、この世の人の寝入りばなの心理状態と、非常に似ていると思う。
体を横たえているから、身体感覚がなくなり、目を閉じるから視覚情報も
流れ込んでこない。心だけの状態になって、心に残ったことに意識が向かう。

人が眠りに落ちる前に、その日の出来事をあれこれ回想するように、
人があの世で成仏する前に、その一生の出来事をあれこれ回想するのだろう。

その日、心に残る嫌な出来事があればそのことをどうしても考えてしまいますよね。
これと同じで、一生の内に特別に想いを残す無念や恨みや憎しみがあれば、
どうしても、あの世でもそのことに想いがいってしまうのだと思う。

突然に命を奪われる事故に遭ってしまったような場合に、その事故のことを
繰り返し考えてしまい、その結果、想念が事故現場に飛ぶことになるのだろう。
霊視できる人が見れば、そこに霊がいるということになるのだと思う。

通常は、この世の人が三十分も経てば眠りに落ちるように、
あの世の人も四十九日も経てば成仏するものなのだろう。

きっと、幽霊というのは、あの世で思い悩んでちょっと眠りそこなって
しまっているような人たちの想念のことなんじゃないかな。

(きっと、その人の無念や苦しみの思いはすぐに晴れるんじゃないかな!)



No.4 あの世と波長

ものの本によると、あの世では、同じ波長の人にしか逢えないらしい。
あの世は階層社会であり、同じ波長の人としかコンタクトできない。
あの世のことを書いた本には、不思議なくらい共通してそのことが書かれている。
(あなたの読んだ本にも、そう書いてありましたよね?)

人を愛し美しいものや平和を好む温かい心の持ち主が高い波長で、
人を憎み醜いものや争いを好む冷たい心の持ち主が低い波長らしい。

前者の集まりが天国であり、後者の集まりが地獄とのこと。
天国も、地獄も自分で選んで、そこに留まっているのだそうだ。

もし、遺された遺族、恋人、友人が、悲しみに暗く冷たい心でいるとき、
きっと、天国からは、その人に逢いにいくことはできない。

その人は、隣に居る未来の(?)あなたと
幸せに温かい気持ちで暮らしているから。

その人に夢の中で逢うためには、きっと、普段どおりに心穏やかに
暮らしている、そういう心境でいるのがいちばんいいと思う。

(きっと、その人はこの世のあなたを忘れているワケじゃないってこと!)



No.3 あの世と空間

ものの本によると、あの世には空間という概念がないらしい。
あの世のことを書いた本には、不思議なくらい共通してそのことが書かれている。
(あなたの読んだ本にも、そう書いてありましたよね?)

向こう側にいる人にとって距離という概念はなく、思ったところに
すぐに行け、同じ波長の人なら誰とでもすぐに逢えるとのこと。

死後すぐにいく場所は、あの世とこの世は重なっているらしいので、
その人が逢いたいと思えば、あなたのそばに行けるらしい。

こちらの世界から見れば、永遠の別れ、しかし、あちら側の人から見れば、
単にコミュニケーションを取れないだけで、別れではないらしい。

空間がないのだから、隣に居るともいえるし、
隣に居ないともいえるだろう。
誰かが言ったように、1000の風になって吹き渡っているのかも知れない。

(きっと、話せないだけで別れではないんじゃないかな!)



No.2 死後の世界は存在するか

「人生について数字が教えてくれること」という本があります。
生涯賃金からみた高校を中退してはならない統計的な理由とか、
国の財政赤字の解消法に関する経済的な解説とか、旅先で友人に
ばったり遇うという現象の確率的な分析とか、数字に強い筆者が、
さまざまな事象をわかりやすく解説してくれるエッセイ集です。

その中に「死後の世界は存在するか」という章があります。

人生について数字が教えてくれること
ジョージ・シャフナー著[角川書店]
もともとこの本は、著者の義母が病気の不安から死後の世界は本当にあるのだろうかと、元気をなくしてしまったことから書き始められたものだそうです。

「常識と初歩的な計算を使って、人は死んだらどうなるのかという問題を、宗教的な議論は抜きで、考えてみたのだ。このエッセイで人類永遠の謎を解き明かせたとは思わない。しかし、これを読んだ義母は、前よりずっと気持ちが楽になったようだった。」

と序文にあります。

この章の内容を箇条書きで(計算抜きで)、かいつまんで紹介するとこのようなことが書いてあります。

ビックバン理論を破綻なく補完するためには、宇宙にはまだ科学者に観測できていない、全宇宙に存在する物質の90%を占めているとされるダークマター(暗黒物質)と呼ばれる物質が存在するはずである。
高度な数学は、10以上の異次元が存在することも予測している。
宇宙には「無限化の法則」があるらしい。この宇宙は無限に大きく、無限に小さく、無限に複雑だ。人間だけが「無限化の法則」の例外である確率は、無限に近く小さい。
私たちは、自然はすべてを保存することを知っている。原子も電子も光子も、状態こそ変わるが、なくなってしまうことはない。物質は消えてもエネルギーは残る。私たちの自我は、すべてを保存する性質を持つ自然の中で唯一の例外なのだろうか?
これまでの歴史上幽霊を見たという証言が全部作り話であり、一人残らず嘘をついていたか錯乱していたという可能性は非常に低い。立証には一つの例だけがあれば済む。
催眠術をかけられて前世の記憶を取り戻した人がいる理由を説明できない。また死後の世界をかいま見たという人の経験は全部作り話か、あるいは脳内麻薬物質が見せる幻覚だと言い切れるだろうか?
コンピュータのプログラムは使い終わっても消えるわけではない。ひょっとしたら、自然は私たちの自我というプログラムを、死後も保存しておくのかもしれない。チベット仏教のダライ・ラマのことを思い出してみるのもいい。彼は十三回も転生を繰り返してきたと信じられているのだ。

筆者は、こうしていろいろ考えてみると、人間は死んでも無になるわけでは
ないという考え方にも、かなりの根拠がありそうである、と書いています。

私の意見としては、直接的な証拠はないにしても、状況証拠的に
考えれば、死後の世界はあるに違いないと思います。直感的な話になって
しまいますが、「この世」の不条理を補完するべき世界があるはずですし、
こんなにも不可解で謎に満ちた世界である「この世」が現にここにあるのだから、
「あの世」が広い宇宙のどこかにあっても何の不思議もないと思います。



No.1 この宇宙の次元

最近の科学雑誌によると、この宇宙は3次元空間+時間ではなく、
4次元空間(以上)+時間という考え方が主流になっているらしい。

たとえば、ハーバード大学の理論物理学者であるリサ・ランドール博士は、
ブレーンワールド仮説による余剰次元の存在を主張しており、
第5の次元の存在は実証できるという。

そう、2008年以降、次元の科学は歴史的な転換点を迎えるかも知れない。
欧州原子核研究機構(CERN)がジュネーブの地下に建設を進めていた
大型ハドロン衝突加速器(LHC)の本格稼動が始まるからだ。

このLHCは、陽子を光速の99.9999991%まで加速させることができる。
約7兆電子ボルト(7TeV)のエネルギーを持つ陽子を正面衝突させることで、
宇宙誕生直後に似た超高エネルギー状態が生み出されるという。

そのときの状態を観察することによって、物質の基本構造や相互作用、
時空の構造などを解明していくことができると期待されている。

衝突の際、もし、極小ブラックホールの存在が検出されれば
(ブラックホールはホーキング放射によって直ぐに消滅するといわれている)、
第5の次元の存在は間接的に確かめられるだろうとのこと。

ちなみに、超ひも理論が矛盾なく成り立つためには、
この宇宙は10次元空間でなくてはならないという。
(6次元分は、観測できないほど小さく丸め込まれている)

この宇宙の次元は、人の目に見えるものだけではないらしい。


[補足]
その後、CERNの国際研究チームは、2012年に万物の質量(重さ)の起源であり
「神の粒子」とも呼ばれるヒッグス粒子を発見する成果を出しました。



理論物理学者 リサ・ランドール博士の来日インタビューです。

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"There are more things in heaven and earth, Horatio, Than are dreamt of in your philosophy."
by William Shakespeare


「ホレイショよ、この天地のあいだには、人智の思いも及ばぬことが幾らもあるのだ」
シェイクスピア 「ハムレット」より





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