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1997.4.27(第1回)〜1997.6.21(第10回)


All Written by Kei Nakahara
 

とっても便利な地図サービス ['97. 6.21]
   先日アメリカンネィティブの友人にあるお店の名前と電話番号を書いたメモを渡されまし
   た。いつものをよろしくということで、FAXを持っている私に頼みごとです。
   何を頼んでいるかというと、このお店への行き方が分かる地図を出力するというFAXサ
   ービスを出してくれるよう頼んでいるのです。
   そのサービス名は、「FAX地図案内サービス タウンマップ」といいます。

   大変に便利です。

   あるお店なり、会社なり、公共施設なりの電話番号をFAXに入れてやると、その目的地
   を中心とした地図(大きな地図と目的地の拡大図)をコンピュータで作成し、A4サイズ
   におさめてその場で返信してくれるという大層便利なサービスです。

   どういうふうに便利かというと、たとえばある会社の名刺だけあって、そこにどうやって
   行けばよいのか分からないとします。そのとき、このサービスで相手の会社の代表番号を
   打ち込むだけで、その会社のビルを中心とした詳細な地図が出てきて、周辺の路地の走り
   方や建物の形まで、鳥になったかのごとく分かってしまうのです。

   さらに、バス停が近くにあるかとか、面した道が一方通行であるかとか、目的のビルが何
   階建てであるかとか、そのビルの裏には山田太郎さんの家があるとまで分かってしまうの
   です。いわゆる配送業者などが利用する「住宅地地図」が出てくるのですね。

   いままでに、特許庁にはじめていくとき、都内にマイナーな映画を見に行くとき、ボラン
   ティアの集会で区民センターに行くとき、急な不幸でお寺の名前と最寄りの駅しかわから
   ないとき(このときはNTTの電話番号案内で事前に名前から電話番号を調べた)など、
   いままで私は非常に便利に活用させてもらっています。

   その他、このサービスを使うと、TVのグルメ番組などで紹介されたお店に簡単に行くこ
   とができます。TVや雑誌でのお店紹介は、ごく簡単な形式化された地図しかなかったり、
   電話番号しか紹介されていなかったりして迷子になることがあるものですが、これを利用
   すれば道一本間違うことなく目的地に辿り着けます。

   このFAXサービスは無料です(1999.4.13現在)。

   最後になりましたが、手順を紹介しましょう。

      1.FAXの受話器をあげて、次の番号にダイヤルする。

        03-5645-2345

      2.案内にしたがって、目的地の電話番号と#をダイヤルする。
      3.案内にしたがって、送信ボタンを押す。
      4.受話器を置く。
      5.しばらくすると地図がでてくる。

   なお、このサービスは東京23区のタウンページに掲載されている約100万件が対象で
   す。個人宅は検索できません。ピッポッパッという音の出るトーンダイヤルの回線で利用
   できます。

   FAXを持っている人は覚えておいて損のないサービスです。これぞ、次世代のFAXサ
   ービスでしょう。ぜひ、試して見てください。
   (別に私はこの会社のまわしものではない)。

[補足1]
   インターネット版は、電話番号から検索するものではないのでユーザインターフェースが
   まったく違いますが、CADのように地図を拡大できるのが面白いかも知れません。体験
   したい方はここをクリックしてみてください。

[補足2]
   このサービスのFAX番号が1999年の春に変わったのですが、その際、このサービス
   を運営している会社から、このホームページで紹介している番号は変更になりましたよ、
   と親切に直接電子メールで教えてくれました。ちょっとびっくり。直しましたよ!
 

人の世の憬れ ['97. 6.18]
   最近、ボーナスが出たこともあり買物づいています。
   昨日、高性能のカラーイメージスキャナを買いました。これで手元の絵画ハガキコレクシ
   ョンを生かして「美学概論」に著作権の切れた名画を使う予定です。

   スキャナの購入と同時にそれに接続するメインPCのパワーアップも進めています。すで
   に、オーバドライブプロセッサを投入しました。メモリも限界まで増強し、グラフィック
   ボードも挿す予定です。さらにISDNの導入も検討しています。

   その他、ホームページの英語化を推進するにあたり、英日、日英翻訳ソフトの選定を進め
   ています(昔、会社で専用翻訳マシンを使っていたときのことを思い出します)。


   買物は物欲を満たせるので、楽しいですね。しかし、一抹の後ろめたさもあります。
   このお金を募金すれば、飢え死にしかけている子供の命を救えるのではないか、と思うか
   らです。
   物欲と理想の間でジレンマを感じます。
   しまってあった、国際連合世界食料計画(WFP)の振込み票を取り出して、とりあえず
   金額を書いてみました。

   ・・・・欲を捨て去ることができたら、どんなにか素晴らしい人生なのでしょう。

   現実は、物欲にまみれて悲しくも滑稽な姿です。人が憬れ(あこがれ)をもてるというの
   はひとつの救いですね。

   いや、逆に憬れという理想があるから、悲しんだり、苦しんだりするのでしょうか?

 

殴られていた人は ['97. 6. 7]
    昨日の朝、会社に行くために横浜駅の地下コンコースを歩いていたら、二十代の男性が
    三十代の男性を柱に押し付けて顔を本気で殴りつけているのが目に入った。殴られている
    男性は無抵抗で反撃する様子もない。

    すぐに歩み寄って間に入いり、若い方の男性を制止した。
    もみ合いの中で、殴られていた男性は「ちょっと触れただけだろ」と言っている。
    二人を引き離すと、若い男性の方は私の方に向き直って睨み付けて
    「なんなんだよ、おまえは」と言う。

    ここでひるむと危険なので、冷静に相手の目を見据える。
    目を見ると本気で怒っており、頭に血が昇っている状態なのが分かる。なかなかこれだけ
    怒っている人間を見る機会はない。身なりは、スーツを着ていて、髪も中央できれいに分けて
    あり、普通の勤め人風である。少し太目で体格はいい。

    若い男性の隣に女性が立っている。まじめなOL風で、暴力に動転しながらも彼を止めようと
    していた。彼女に聞いてみた。「知り合いですか?」「ええ、そうです。」
    殴られていた男性に話しかける。「大丈夫ですか?」
    「いいんです。大丈夫」一見、まじめそうなどこかの係長さんといった感じである。
    若い男性の方が「関係ないだろ、おまえには」と言う。

    殴られていた男性の方の言葉のニュアンスや表情が、もうこの場には関わってくれなくても
    いいですよ、というものだったことと、知り合いの女性がその場にいるならあまり男らしくない
    ことはしないだろう、という予想と、私が全部の事情を知っている訳ではない第三者である、
    ということ、そして、一端引き離して水をさしたので、再び暴力沙汰になることはないだろう
    と総合的に判断し、これ以上関わらないことにした。

    もう一度若い男性の目を威嚇的に見て、それから向きを変えてその場を離れた。
    止めに入ってから一分間位だろうか。

    喧嘩を止めに入るのは簡単だが、引き際は何より難しい。ミイラとりがミイラになっては
    いけない。
    いつもどおりの電車に乗り、いつもどおりに会社に向かった。

    電車の中で考えた。一体何があったのだろう?
    どちらも普通のサラリーマン風だったし、朝っぱらから何をそんなに怒ることがあるのだろう?
    そして、いろいろなことを考え合わせて、やがてひとつの重大な点に思い至った。

    (もしかして、殴られていた男性は痴漢だったのではないだろうか)

    その場に若い女性がいたこと。殴っていた男性が本気で頭にきていたこと。
    殴られていた男性が「ちょっと触れただけだろ」と言っていたこと。その男性が、反撃もして
    いなかったこと。ふつう弱気の人間なら、ぶつかったのなら謝るのでそれ以上ことは大きく
    ならない。

    朝であること。この前みたいな酔っ払いの喧嘩ではなく、スーツを着て家を出てきて間もない
    人間が知らない人に対し、あそこまではなかなかぶち切れるものではないということ。
    満員電車が動いているということ。「ちょっと触れた」のが男の肩である場合と、女性のお尻
    である場合は、全然問題が異なる。

    これはあくまでも仮説だが、当事者のごく短い間の言動を重ねあわせると、そうかも知れない、
    という気持ちが強くなってきた。う〜ん。そうだとすると、私は痴漢の味方をしてやったことに
    なってしまう。もし、痴漢だとしたら殴りつけていた若い男性の気持ちはとてもよく分かる。
    (まあ、殴っちゃいけないが・・・・)。

    結果的に見れば、無抵抗な人が殴られているという暴力沙汰を止めて、それからすぐに正しい
    と思われる状況判断をして立ち去ったので、何も後悔することはないのですが。

    その日私は、少しだけ落ち込みました。くよくよ。

 

東京の空 ['97. 5.21]
    昨日は、昔の職場があったビルまで出張しました。
    このビルは近代的な双子の高層ビルで、なかなかお洒落で気に入っていたところです。


    昔の職場は21階にあったので、東京の空を一面に見渡すことができました。

    遠く羽田空港から小っちゃなおもちゃのような飛行機が、ゆっくりと、しかし正確な
    軌跡を描きながら離着陸するのを不思議な気持ちで眺めていたものです。
    下を見下ろせば、やはりおもちゃのような電車が音もなく滑っています。
    ときおり、東京の空を銀色の飛行船が飛んでいました。そんなときは目の前のガラスが
    水槽のガラスのように思え、広い大きな水槽を眺めている気分になったものです。

    近くには多摩川が流れ、夏の夜にはきれいな花火をみることもありました。
    晴れた日には富士山が見えました。徹夜明けには、朝日の美しさに我を忘れました。

    副都心を眺めれば、高層ビル群が臨めました。猥雑なはずの都心が高さと距離によって
    濾過され、そこには空の美しさと等質に広がる静謐な人間の空間がありました。

    私は毎朝、その眺望に心静かな思いになり、さらに地平線を見渡してその微かな曲線から
    地球が丸いことを想像することを密かな楽しみとしていたものです。

    しかし、ある日残念なことに気付きました。

    午後の体操をして頭を傾げた時に気付いたのですが、副都心方面の地面近い部分の
    空気の色がまったく違うのです。空のほんの一部、空の底といってもいいくらいの
    高層ビルがすっぽりと覆われるくらいの高さまでが違う層になっているのです。

    透明なのだけど、澱んだ、黒い空気の層です。
    空の青さは大地に近づくにつれ透明になるのですが、その透明な空気の層が、見事にある
    一線を境にして、薄汚れたものになっているのです。

    空全体の広さから見れば、ほんの一部、ごく薄い層でしかありません。
    しかし、その中に、東京の人々の営みが呑み込まれているのです。
    どうりで東京では星が見えないはずです。
    この黒い空気の中に人々は暮らしていたのです。


    昨日、久しぶりに東京の空を眺めたくて、最上階までエレベータで昇りました。
    あいにく小雨が降っていて遠くは見えませんでした。
    見えなくて、少し安心した自分に気付きました。

 

対コンピュータウィルス['97. 5.16]
    5月のある日の午後、私は部内から返信されて来るメールの処理にあたふたとしていました。
    各課/各社のシステム管理者を通すことをせずに、部内全員が私宛てに調査回答の
    メールを返信するように依頼したからなのですが、2,3時間の内にざっと100通程度の
    返事が私のところに雪崩のようにやってきて、受信画面が埋め尽くされていたのです。
    部内全員がこのペースで送り続けてきたら、容量オーバーで古いメールが削除されてしまう、
    とあせりながら、せっせと処理をしていました。
    (念のため、会社のメールと自宅のメールは別物)
    いま、席を離れたらアブナイぞ、と思っている矢先に電話が来ました。主任がとったのですが、
    動転した様子で、

    「第3グループでコンピュータウィルスに感染したらしい」と震えた声で言いました。

    私はどうせ「疑惑」だろうと思って電話をかわったのですが、ウィルスチェッカーに表示された
    その名前が「WM.CAP.A」と聞き、ついにきたかと思いました。
    このウィルスは、MS-Wordの文書ファイルに感染するコンピュータウィルスで、現在猛威を
    ふるっている代表的なマクロウィルスのひとつです。電子メールのWord文書の添付ファイルなど
    から感染を広げるため、LAN内での感染力が強いのが特徴です。

    部外からの情報で、よその部でも「WM.CAP.A」の感染事例が多発しており、パソコンが全滅に
    近い被害を受けた課もあるので注意して欲しいと耳にしていました。また、2週間程前に本社
    からの「WM.CAP.A」ウィルス緊急対策の通知があり、電子掲示板へのWord文書の添付が原則禁止
    されたり、情報システム部から「WM.CAP.A」ウィルス専用のウィルスチェッカーが配布されて
    いたりしました。つい先日、この専用ウィルスチェッカーによる全員のチェックを確認した
    ばかりです。

    すぐに連絡先に向かい、対策にかかりました。
    よその部の課長からこちらの課長に送った電子メールの添付ファイルに「WM.CAP.A」が感染
    していたことが分かりました。
    そして、そのメールはさらに部内で転送されており、部内の他の2台でウィルスが検出され
    ました。
    ざっと被害を確認した後、必要な感染拡大予防措置をとり、本部内の開発保全グループに電話で
    報告をし指示を仰ぎました。その後、各課/各社のシステム管理者に電話とメールで連絡し、
    本日中の部員全員のチェックを依頼しました。
    感染ルートと被害状況を調査した結果、部内で3台のパソコンの8ファイルに感染していた
    ことを特定できました。ここに至るまで、部内では「ウィルス発生!」の警告のメールが
    何重にも飛び交っていたはずです。

    開発保全グループの指示に従ってウィルスの除去を開始し、結局16:00には作業を
    完了しました。第一報が13:30ですから、直接の対策に二時間半かかった訳です。

    関係者に収束を報告し、ようやく自席に戻った訳ですが、ああ、私のメールBOXはパンク
    していないだろうか?−−−−幸い、ぎっしりと詰まった未開封のメールを下の方に
    スクロールしていくと無事に古いメールデータがありました。
    よかった・・・・容量オーバで削除されなかった。

    その後、私は膨大な数の返信メールを処理し(印刷しただけですが)、開発保全グループに
    被害の報告をし、そしてウィルス感染の終息宣言にあたる文書をメールで作成して部内の
    全員に展開しました。
    そんなこんなで、またもや終電の時間です。

    ああ、疲れた。咳が出る。あれ、感染したかな。

 

理系の人ってすごい ['97. 5.11]
    木曜日、会社で残業していたのですが、21:30頃に同じ課のTさんが席の近くに
    きたので、世間話を始めました。うちの職場は、21:40〜22:20は一応休み
    時間なのです。
    何かの話から、こんな話になったのですが、
    「鏡文字を昔は書けたんですよ」と、紙に器用に書いてくれます。
    右手と左手で同時に違うメモを取る人をTVで見たことありますよという話をすると、
    「右手と左手で同時に1行のメモを書けますよ」と言う。右手で文字のおおまかな部分を
    書きながら、左手で仕上げていくのだという。
        先日それでメモを取っていたら課長に「おまえ、何やってんだ?」と言われたとのこと。
    それは怪しいと二人で大笑い。

    やがて、話は盛り上がって、速読の話とか、記憶力の話とか、知能の話とかになって、
    彼や、その話題に登場する彼の周辺の人間の頭の良さに関心することしきり。

    本人の専攻を聞くと、応用数学の素粒子論だという。
    アインシュタインの相対性理論が、その専攻の基礎となる教科書みたいなものだという。

    実は、私は相対性理論には並々ならぬ関心があるのです。
    しかし、文系の人間の悲しさで、どうしても表面的なことしか分かっていません。
    そこで、ここぞとばかり質問をしまくりました。
    相手は数式をスラスラ書きながら説明してくれるのですが、数式は全然分からないながらも、
    どういう経緯や考え方で特殊相対性理論や一般相対性理論が成り立っているのか、丁寧に
    教えてもらえました。

    いままで、どうしてただの0〜9の数字から宇宙の成り立ちが分かるのか、そこがものすごく
    疑問だったのです。でも、ようやく私なりに分かり、大変感動しました。
    そうか、そうして宇宙の成り立ちが分かっていったのか、と。

    久しぶりに知的興奮に満ちた会話で、あっという間に時間は経ち、終電の時間が迫って
    いました。数時間も話し込んでいた訳です。

    帰りの電車でこう思ったのでした。
    ようし、少し本を読み直して勉強して、また質問に行こう、と。

 

社内報の後書きの話 ['97. 5. 4]
    桜がようやく咲き始めた頃の話。
    次の号の社内報の後書きを書けというメールが編集長からきました。

    普段はこんなことを書いていたりしています。

     「最近とっても忙しい。洗濯物を沢山詰め込まれた洗濯機の
                   気持ちがよく分かる今日この頃 (憬)」

    インターネットを始めた頃はこんなことを書いていました。

     「インターネット始めました。面白い。ショートケーキを
                      見つけたありんこの気分 (憬)」

    さて、今回の後書きには「お題」があって、「花見」とのこと。
    しばらく考えて、次のものをメールで返信しました。

     「桜の樹の下には・・・・ゲロが埋まっている。
                     だから桜は美しく咲くのだ (憬)」

      注:念のため書きますが、梶井基次郎の作品をもじったものです。

    ややあって、編集長からお返事がきました。
    いわく、「ゲロ」という単語は下品なので、違う言葉に書き直してほしい、
    とのこと。

    少し、カチンときましたが、そういえば以前も原稿に勝手に手を入れられて
    長文の抗議文を送って困らせたことがあったっけ(手を入れているのは会社の
    体裁を考えている重役連である)。わざわざ事前に連絡してくれた編集長は
    親切である。ここは、おとなしく引き下がろう。

    という訳で、結局、没になってしまった後書きを紹介したかったのでした。

 

「へ゛ルトモニナロウ!」 ['97. 4.30]
    少し前の話。会社で働いていたらお昼頃にポケベルが鳴りました。
    このポケベルの番号は秘書サービスの女性にしか教えていないので、そうそうは鳴らないの
    ですが、表示されたメッセージを見てみると、
    「へ゛ルトモニナロウ!」と出ています。
    君は誰??という感じなのですが、すかさずまたベルが鳴って、
    「03−6163−××××」と出ています。
    う〜ん。誰だか分からないがベル友を探しているらしい。
    どうして、私のポケベルの番号がなったのだろうと、考えていたら、その日の夕方にまた
    ポケベルが鳴りました。
    「ナマエハ?マキ」
    え?マキちゃんですか。女子高校生かな?(←なんとなく少し嬉しい)
    「03−6163−△△△△マキ」
    この番号はお昼に入っていたポケベルの番号とは違うものでした。
    つまり、違う二人が同日にメッセージを送ってきたわけです。
    10分ほどして、またポケベルが鳴りました。
    「ナンサイ?マキヨリ」
    ふ〜む。相手がカナを打ち返せないケースを考えているのかも知れない。18とお返事を
    したら楽しかろうな、などと不謹慎なことを考えたりしましたが、結局全部お返事をしま
    せんでした。

    個人情報誌で誰かがベル友募集記事を出して、その番号に近かったのかな、とか、お返事
    をしなかったからがっかりしたかなとか、会社で一日終電近くまで働いていなかったら、
    お返事をしていたかな、とか、電子メールだったら親切にお返事をあげたのに、とか考え
    てしまいました。

    もし、あなたのところにこんなメッセージが入ってきたらどうします?

 

もしかしてこの本の作者は・・・!['97. 4.27]
    昨日、本の紹介のページを増やそうと、私のベストセレクションの書棚から
    「人間の限界」霜山徳爾 著(岩波新書)という本を取り出して読み直してみました。
    本の紹介はいまにできる書評を見て欲しいのですが、これだけの見識を風格のある文書で
    まとめあげる尋常ならざる才能に、改めて作者が何者だか調べてみたくなりました。
    ふむ、上智大学教授(この本は私が大学生のときに偶然古本として買ったのものです)か。
    え〜と訳書は、フランクル「夜と霧」。こっこれはもしかして、私のベストセレクションの
    数少ない本の中にすでに入っている本ではないかぁ。

    本を取り出して確かめてみると、確かに二冊とも、この霜山徳爾先生の作品でした。
    う〜む。これは画家のアンリ・ファンタン・ラトゥールのときと同じケースだ。

    少しびっくりして、改めてこのひとの本が好きになった連休の出来事でした。
 

争いは人の世の常か ['97. 4.27]
    先先週、金曜日の夜23時頃に横浜駅のホームで立っていたら、近くで四十代の男性と
    大学生くらいの若い男性がむなぐらのつかみ合いを始めた。
    足が触れた、触れないとのことで、四十代の男性が大声でつかみかかっている。
    若い男性の方も負けずに応じている。
    すぐに間に割って入って止めようとした。「落ち着いて、落ち着いて!!」
    少し三人でもみ合いになったが、もう一人、労務者風の男性が面白そうに止めるのを
    手伝ってくれたので、二人はようやく離れて、若い男性は捨てぜりふを残して去って
    いった。
    私は無事に喧嘩が止められたので、一安心。四十代の男性の肩を叩いて「犬に噛まれ
    たと思って」なんて気楽なことを言っている。

    でも、と思う。こういう場面で常に平穏に事が片付くとは限らない。
    勇気がなくて、止めに入れないようなときもある。
    いまに、自分がもっと凄惨な目にあうんではないかという予感もする。
    家に帰ってから、部屋の額に入れてあるドンキホーテの歌を口ずさんでみた。

          ”To be willing to march into hell For a heavenly cause ! ”
                         (from "The Impossible Dream")

    とりあえず、誰も傷つかなかったことを神に感謝しよう。


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