「死別の悲しみを癒すアドバイスブック」 家族を亡くしたあなたに キャサリン・M・サンダーズ著 白根美保子訳 筑摩書房 定価 2,520円(税込) |
このページでは、この書籍の全体のイメージをつかんでいただくために、目次構成を紹介しています。 目次構成だけでは、いささか無味乾燥なきらいがありますが、実際には実に豊富な体験談や温かなアドバイス/エピソードが盛り込まれています。ぜひ、実際に手にとってみられることを強くお勧め致します。 |
※第一章には見出しがありません。 [目次に記されている要約] 叔母、父、息子ジム、兄夫婦、娘スーの夫、母、夫ハーシェル・・・愛する家族を続けて亡くした私は、どうしたら死別の悲しみを乗り越えられるか調べ始めました。 |
■死別に対する心構えができている人などいない ■なぜ私たちは人の死を悲しむのか ■悲しみを否定するのは逆効果 ■絆が強ければ強いほど悲しみも大きい ■悲しみをありのままに受け入れる ■一体化が悲しみをいっそう深くする ■悲しみを癒す過程が「作業」と呼ばれるわけ ■死別の悲しみはなぜこれほど深いのか ■死別の悲しみは人間を成長させる ■フラストレーションが体力・気力を奪う ■社会的な支えの不足が悲しみを耐え難くする ■「遺族」というレッテルが人を追いつめる ■死に際しての状況が悲しみを複雑にする ■突然の死は大きなショックをもたらす ■故人との感情的な葛藤が表面化する ■人間性や性格、生き方によって反応が異なる ■悲しみの克服には人の助けが必要 ■悲しみから逃げずに正面から立ち向かう ■よい思い出を大切にする ■悲しみのプロセスを学ぶ ■悲しみには必ず終わりが来る ■悲しみの中に希望を見つける ■悲しみのプロセスには五つの段階がある |
■ショックに対する反応は人さまざま ■ショック期の特徴 ◆警戒心が異常に強くなる ◆実際に起こったことが信じられない ◆混乱して考えがまとまらない ◆気持ちが落ち着かず、いてもたってもいられない ◆夢の中の出来事のように感じる ◆自分ではどうしようもないという無力感に襲われる ■警戒心が強くなるのは自然なこと ■現実否認は緩衝材として働く ■混乱した頭もいつかもとどおりになる ■何かせずにいられない気持ちになる ■現実逃避は回復の時間を与えてくれる ■現実を変えられないことに対する無力感 ■ショック期の身体的症状 ◆口の中が乾く ◆身体が震える ◆ためいきやあくびが出る ◆身体がびくっと痙攣する ◆身体に力が入らない ◆眠れない ◆泣く ◆食欲がない ■ショック期の持つ社会的側面 ◆自分の殻に閉じこもる ◆故人のこと以外何も考えられない ◆死にともなう儀式を行う ■自分を守るために殻に閉じこもる ■故人のことばかりが頭に浮かぶ ■つらい葬儀を乗り切る ■混乱のうちにショック期は過ぎていく ■ショック期を乗り切るために ◆いまの自分には「安心した気持ちでいられる〜 ◆「しっかりしなくては」などと思う必要はあ〜 ◆回りの人からの慰めを受け入れましょう。こ〜 ◆あなたがほしいと思っている慰め、必要とし〜 ◆自分自身に対して寛容に、忍耐の気持ちを持〜 ◆亡くなった人のことを話すとき、その人がま〜 ◆もし可能なら、葬式の手はずを整えるのに積〜 ◆いまは将来のことについて大きな決定はしな〜 |
■喪失の認識期の特徴 ◆別離からくる不安を感じる ◆心の葛藤がおこる ◆死の事実を忘れる ◆ストレスが長引く ■喪失を認識し始めると大きな不安が襲ってくる ■生活をシンプルにして心の葛藤を少なくする ■無意識に行動してから故人の死に気づくこともある ■感情を表に出してストレスをためない ■喪失の認識期の症状 ◆戻ってきてほしいと心から願う ◆罪の意識を感じる ◆思い通りにならないことにいらだちを感じる ◆みじめな気持ちになる ◆泣いてばかりいる ◆十分な睡眠がとれない ◆怒りを感じる ◆死に対する恐怖を感じる ■故人の持ち物が慰めになることもある ■フラストレーションからいらだちを感じるのは正常なこと ■涙は鬱積した感情を発散させてくれる ■怒りを適切な形で発散させる ◆敵対心をともなう怒り ◆八つ当たり的な怒り ◆罪悪感をともなう怒り ◆内に閉じこめられた怒り ◆無力感から生じる怒り ◆適切な怒り ■罪悪感は日の光をあてて消滅させる ◆すべてに対する罪悪感 ◆生き残った者の罪の意識 ◆恥の意識は悲しみを乗り越えたときに消える ■必要な睡眠をとるためには医師の助けも必要 ■死別の体験は死への恐怖を生む ■喪失の認識期のもつ心理学的側面 ◆神経が過敏になる ◆現実を信じようとしなかったり、否認しようとする ◆故人の存在を感じる ◆幻覚のような夢を見る ■過敏な反応をする自分を受け入れる ■ときには現実を否認することも必要 ■故人の存在を感じることは慰めとなる ■夢や幻覚も慰めとなる ■喪失の認識期を乗り切るために ◆愛する者を失った痛みはしっかりと受け止め〜 ◆この時期になると人からの助けが次第に少な〜 ◆気持ちを隠そうと努めるのはやめましょう。〜 ◆泣くことを自分自身に許しましょう。泣くこ〜 ◆怒りをぶちまけましょう。あなたには怒るだ〜 ◆誰か信頼のおける人にあなたの気持ちを打ち〜 ◆自分を恥じる気持ち、みじめに思う気持ちを〜 ◆あなたが失った愛する人について話しましょ〜 ◆悲しみのプロセスにあるときはほかのどんな〜 ◆そばにいてくれる友人に感謝の気持ちを伝え〜 ◆身体を動かしましょう。いまのあなたの身体〜 ◆バランスのとれた食事をするように努力しま〜 ◆同じ体験をした人が助け合う「自助グループ〜 ◆「この苦しい時期がいつまでも続くのだろう〜 ◆おかしくなりかけているのだと思い込んでは〜 |
■「引きこもり」の時期が必要なわけ ■引きこもり時期の特徴 ◆引きこもりと休息を必要とする ◆落ち込みからさらに絶望近い精神状態になる ◆他人からの助けが少なくなる ◆自分の無力を感じる ■一人きりになって休むことが必要 ■喪失を認識したとき大きな絶望を感じる ■他人からの助けは早い時期になくなる ■人生には自分ではどうしようもないことがある ■引きこもり時期の身体的症状 ◆身体に力が入らない ◆疲れる ◆眠くてたまらない ◆免疫力が低下する ■エネルギー消耗から脱力感を感じる ■疲労のために何もできなくなる ■できるだけ多くの睡眠をとる ■免疫力の低下によって病気にかかりやすくなる ■引きこもり時期のもつ心理学的側面 ◆進展がないように感じられる ◆繰り返し思い出す ◆「悲しみを癒す作業」を行う ◆転換期が近づく ■進展は感じられなくても回復は進んでいる ■思い出の反芻によって次第に現実を認識していく ■「悲しみを癒す作業」によって現実を認識する ■かすかな希望とともに転換期が訪れる ■引きこもりの時期を乗り切るために ◆他人から距離をおくことを自分に許しましょ〜 ◆自分にはエネルギーを温存する必要があるの〜 ◆必要なだけ眠るように心がけましょう。眠く〜 ◆思い出の反芻作業は自然にまかせましょう。〜 ◆この時期を利用して写真を見なおしましょう〜 ◆何か元気が出るようなことをしましょう。お〜 ◆今日一日をなんとか過ごせば、残された苦し〜 ◆あなたが悼んでいるのは愛する者の死だけで〜 ◆愛する者を失ったのだからという理由で、あ〜 ◆疲労感があったら無理をせずに休みましょう〜 ◆生活をシンプルにしましょう。何でもできる〜 ◆家庭内の状況に変化が必要なのだということ〜 ◆頭がおかしくなっているわけではないのだと〜 |
■癒しの時期の特徴 ◆転換期に達する ◆コントロールを取り戻す ◆役割から解放される ◆新しいアイデンティティを確立する ◆自分自身を人生の中心にすえる ■転換期は知らないうちにやってくる ■人生に対するコントロールはゆっくりと戻ってくる ■家庭の中での役割が変化する ■他人に依存しない自分自身を取り戻す ■自分が安定できる「軸」を見つける ■癒しの時期の身体的症状 ◆体が回復し始める ◆元気が出てくる ◆眠れるようになる ◆免疫機能が回復する ■ストレスが弱まるとともに身体が回復し始める ■やる気がでてきたら適度な運動が必要 ■睡眠パターンを元に戻すために努力する ■免疫機能が回復し、病気にかかりにくくなる ■癒しの時期のもつ心理学的側面 ◆自分と故人を許す ◆円を完成する ◆忘れる ◆未来に新たな希望を持つ ◆意味を捜す ◆現実的な見方をする ■自分自身と故人に許しを与える ■忘れることはじょうずに思い出すこと ■死の中に意味を見出す ■円を完成して真の癒しを得る ■未来について考えるようになると希望が出てくる ■理想化から現実へ ■癒しの時期を乗り切るために ◆自分の中のエネルギーが少しでも増えた感じ〜 ◆自分がふがいなく思えても、腹を立てたりあ〜 ◆自分で何かを決めてみましょう。でも、完璧〜 ◆捨てなければならない「役割」があることを〜 ◆自分中心になることを学びましょう。「自分〜 ◆身体に十分注意を払いましょう。規則的に運〜 ◆正しい食生活を続けましょう。脂肪を避け、〜 ◆「悲しみを乗り切るためにはすべての思い出〜 ◆興味のもてる相手をさがして積極的に付き合〜 ◆新しい趣味を始めましょう。いつかやってみ〜 ◆無理をしないこと。成り行きにまかせること〜 ◆悲しみから一時的な「休暇」をとることを自〜 ◆故人の死に意味を見出しましょう。それが完〜 ◆精神を集中させる時間をもちましょう。瞑想〜 |
■再生期の特徴 ◆自己認識を新たにする ◆自分自身に対する責任を受け入れる ◆喪失をかかえたまま生きることを学ぶ ■生まれ変わった自分を認識することから新たな出発が始まる ■自分自身に対する責任を受け入れ、感情的にも自立する ■故人とまったく同じ「身代わり」はいない ■再生期の身体的症状 ◆元気が戻ってくる ◆精神的に安定する ◆身体に気をつけるようになる ■少しずつ元気になって、新しい世界に足を踏み入れる ■心の安定と共に人生も安定してくる ■身体を強くして新たな危機に備える ■再生期のもつ心理学的側面 ◆自分自身のために生きる ◆孤独を前提として受け入れる ◆「記念日」に訪れる悲しみに耐える ◆人と積極的に交わる ◆外の世界に焦点を合わせる ◆悲しみの長いプロセスを理解する ■自分自身のために生きることを学び、人間的に成長する ■悲しみが戻ってくることはあるが短期間で終わるようになる ■自分を人生の中心にすえると同時に外に目を向ける ■孤独を悲しみのプロセスの一部として受け入れる ■人と積極的に交わることがいちばんの孤独解消法 ■悲しみを乗り切るまでの時間は人によって異なる ■再生期を乗り切るために ◆最愛の人が亡くなってからたとえどんなに長〜 ◆健康や身体によいことをやり続けましょう。〜 ◆自分が変化したことを自覚しましょう。他人〜 ◆故人とのことでまだ完全に解決していないこ〜 ◆新しい自分のアイデンティティを確立してい〜 ◆自分にそのための心の準備ができたと感じた〜 ◆悲しみのプロセスのあいだにあなたが得たも〜 ◆自分の新しいアイデンティティを自覚し、自〜 ◆自分は人生で最悪の事態を乗り切ったのだと〜 ◆これからもまったく予期していないときに、〜 ◆ときにはまだ孤独を感じることがあっても、〜 ◆自分から積極的に他人と交わるようにしまし〜 ◆悲しみのプロセスの進行を速めようとするの〜 |
■子を失った悲しみがこれほどまでにつらい理由 ◆一般に子供が死ぬことがまれだから ◆親子の絆が強いから ◆親は子供を自分と同一視する傾向にあるから ◆子供は親を未来につなぐ存在だから ◆子供が社会とのパイプの役目をしてくれるから ■子供を失った悲しみはどんな点でほかの悲しみと異なるか ◆果てしのない絶望 ◆気持ちの混乱 ◆行き場のない怒り ◆避けられない罪悪感 ◆ストレスによる心身の消耗 ■子供を失った夫婦のかかえる問題 ■悲しみを表に出せない父親 (西洋社会で男性に与えられている役割) ◆強くあること---感情を抑えることのできる男らしい男であること。 ◆他者と競争し、危機的状況に打ち勝ち、一番になること。 ◆家族とその財産を守ること。 ◆家族を養うこと。 ◆問題を解決すること---修理すること。 ◆家庭内の活動や雰囲気の統制をとること。 ◆人の助けを必要としないこと---自立していること。 ■母親の孤独な悲しみ ■子供の死の中に意味を見出す |
■依存していた相手を失ったあとの苦しみは大きい ■配偶者の死に対して準備ができている人はまれ ■喪失に伴うランキング第一位は配偶者との死別 ■悲しみは心身両面に影響を与える ■悲しみの中、経済的な困難が襲ってくる場合も ■死別は夫婦の間の絆が切れることを意味する ■一人で食事をすることが大きな苦痛に ■一人寝のベッドはさびしい ■一人で子供の世話をすることも大きな重荷に ■孤独感や喪失感を乗り越えるには時間がかかる ■あせらず少しずつ悲しみを乗り越える ■新たに生きようと決心するのは自分 ■小さな出発は子供や友人たちとの接触から ■自助グループへの参加や大学の聴講で情報入手 ■新しい友人は新しい人生の出発の大きな助けに ■故人を解放し、自分も解放してやることが大切 ■友人は大きな慰めになる ■故人がそばにいるように感じることも慰めの源 ■慎重に、しかし積極的に再婚を考える |
■親が老いていくのに気づくとき ■親は自分と死のあいだの緩衝材 ■いくつになっても親の死に対する覚悟はできない ■親子の絆は人に大きな影響を与える ■親の死が与える影響は子供の年齢によって異なる ■友人・仲間としての親を失う---二十歳から三十五歳の時期 ■自分の死を予感し始める---三十五歳から五十五歳の時期 ■介護生活からの解放を意味する場合もある---五十五歳以上 ■親の死とともに失われる特別な愛 ■永遠に失われる子供時代 ■親は無二の親友 ■自分の子供にとっての祖父母を失う ■短期間に両親とも亡くすと悲しみは長く続く ■長い闘病生活は家族に死を受け入れる準備をさせる ■親を施設に入れることは子供にとってつらい選択 ■社会はわかってくれない老親との死別後の悲しみ |
■家庭のバランスを取り戻すまで混乱が続く ■家庭の崩壊に大きく影響を与える要因 1 亡くなった家族の年齢 2 亡くなったときの状況 3 家庭内での意思の疎通の程度 4 故人が家庭の中で占めていた位置 ■家族の中でも悲しみ方は人によって異なる ■怒りを表現する方法もさまざま ■風通しのよい家庭と閉ざされた家庭 (閉ざされた家庭の問題点) 1 外からのサポートが受けられない 2 沈黙が永遠に続く ■幼い子供も死を理解できる ■兄弟姉妹を失うと罪や恥の意識を強く持つ ■「大きな家族」からの支えを得る(※自助グループなどのこと) |
■人生の節目に行われる儀式としての意味 ■葬式や追悼の会の持つ価値 ◆現実を受け入れる手助けをしてくれる ◆友人や家族が集まるチャンスを与える ◆精神的な支えを与える ◆故人の人生に意味を見出す助けとなる ◆人生における大きな変化を認識させる ◆故人に対する気持ちを他人にわかってもらう機会を与える ■儀式の持つ三つの段階的側面 ◆断絶---別れ、終わりを意味する部分 ◆移行---一つの状態から別の状態へのゆっくりとした変化を意味する部分 ◆再統合---新しい人生の再出発、新しい始まりを確認する部分 ■「断絶」のみを意味する葬式 ■手作りの儀式で人生の節目を印す ■手作りの別れの儀式 ■手作りの儀式はどうやって行ったらよいか ◆この儀式を行ういちばんの大きな目的は何か ◆象徴的な意味を持つものとして効果的なものは何か ◆誰に出席してもらいたいか ◆誰が何を言うか ◆どのような順序で行うのが効果的か ◆いつ、どこで行うか ■手作りの儀式の効果は大きい ■儀式は簡素なものでいい (※たとえば木を一本植えることでも) ■人生の節目を確認することが大切 |
■愛は人生を導く ■悲しみが教えてくれる人生の価値 ■過去でも未来でもない「今」に生きる ■心のおもむくままに行動する ■静かに自分を見つめなおす ■生活をシンプルにすると大切なことが見えてくる ■成長には変化がつきもの ■他人と自分自身に対して忍耐の心を持つ ■「笑いは百薬の長」 ■誰でも「どこかに属する」必要がある ■自分の気持ちを人に伝える ■人の輪を広げて孤独を解消する ■どんな人間関係も大切にする ■悲しみを乗り越えたとき新しい自分に気づく ■新しい世界に生きる ■冒険を恐れず人生の喜びを味わう ■好奇心は自然にそなわった強力な味方 ■じょうずに危険を冒す ■より思いやりを持った人間になる ■毎日に感謝する ■より愛情豊かな人間に生まれ変わる ■第六段階<魂の成長> |