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【お知らせ】

「名作平積み大作戦」第5回、NHK-BS2で4/30放送(23:00〜23:44)。

SFセミナー2005は5/3開催。高橋源一郎、森奈津子両氏と、「鈴木いづみRETURNS」企画に出ます。ウェブ予約・当日参加可能。

●シオドア・スタージョン『輝く断片』(河出書房新社《奇想コレクション》)は、6月上旬の刊行予定となりました。

●太田出版『現代SF1500冊 乱闘編 1975-1995』は、現在のところ5月末刊行予定になってますが、予断を許さない状況。もうちょっと延びるかも。定価も決まってません。2,200円前後?

●北上次郎との書評対談集、読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド』(ロッキング・オン)、発売中。定価1,680円(税込)、四六判ソフトカバー(ISBN4-86052-050-5)。→感想リンク
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【4月1日(金)】



 というわけで、サイト開設から10年が経過。せっかくだから10周年記念の巨大プロジェクトを思い立ち、すばやく実行。10周年記念ページはこれです。1995年3月31日、http://www.st.rim.or.jp/~ohmori/にはじめてputされたindex.htmlファイル。犬がファイル加えて走ってた時代ですね。エディタはyoeditかな。
 ファイルの中身は覚えてないのでいい加減。

 当時、どういう状況だったかは月末発売予定の歴史的名著、ばるぼら『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』(翔泳社)(→amazon | bk1)を参照。めちゃめちゃ面白い。一部書店には4月末から並ぶらしい。全国発売はGW明けかな。

 《週刊新潮》ぱらぱらめくってたら、普段は読まない池田晶子のコラムに目が点。どうも高橋源一郎が出てた「クローズアップ現代」を見たらしく、
「中学生作家(正しくは高専生)のデビューが企画されてるとか、賑やかなことになっているらしい。
 私は読んだことがないので、直接にはなにも言えない。子供の作文に毛が生えたようなもの、まともな大人が読む気になるものだろうか。おそらく、若者市場に迎合しようとする編集者に扇られてのことだろう」
 以下ずっとその調子で苦言が続き、携帯メールの感覚で話すように書くのは考えてないからダメで、「これで人は馬鹿にならずにすむものだろうか」とか「おしゃべりをそのまま書いたような文章が、文学ということで、いいのだろうか」とかおっしゃってます。ふうん。

 談春が表紙の《en-taxi》09号。自伝的エッセイというか小説が載ってて、短いんだけどけっこう出来がいい。このレベルで一冊分書けば話題作になりそう。

《一冊の本》の金井美恵子の連載をひさしぶりに読んだら、金井先生はいつのまにかバルセロナ・サポになってました。びっくり。





【4月2日(土)】


 隅田川で恒例のミステリ系お花見屋形船。しかし桜は影も形もなく、東京湾クルーズに変更。水上からお台場の観覧車やテレビ局を見物。ラモーンズのTシャツ姿のトキオは霞流一氏に絵本を読んでもらったり、本の雑誌M村嬢にかまってもらったりしてご満悦。キリカも東えりかさんとか、いろんな人にだっこされてました。

 屋形船で天ぷらを死ぬほど食ったあと、妻子と別れて高田馬場でSF方面の例会に顔を出し、夜中はMYSCON会場の本郷へ。煙草部屋で、アニメおたくの恋人と楽しく話をするために週に50本のTVアニメを視聴することになった女子のノロケ話(?)を拝聴する。

「いっしょうけんめい話を合わせようと思って、『あ、それ見たよ!』とか感想言うじゃないですか。そしたら、『お前なあ、そういうことは週に30本以上見てから言えよ』とか言われて、クソーッと思って。いまはもうさすがに50本は見てないですけどね。35本ぐらいかな。あ、でもテレビじゃなくてパソコンで見てるんで」
 爪の垢を煎じてエルメスに飲ませたい。と思う人もいるかも。

 あとは日下三蔵、北原尚彦、彩古ほか各氏と昔話とか。始発で帰宅。



【4月4日(日)】


 マジレンジャーにえみぽんが! 名前も「えみ」だし。でもクレジットの役名は「女優」。豚に変身はしませんでした。

 特撮といえば、『幻星神ジャスティライザー』。HDに録画したやつをトキオが毎晩見るんで、ちらちら横から見てたら、最近なんか妙に面白い。ライザーグレンは変身のキメゼリフが「ライザーグレン、見参!」なんですが、勝てない敵から逃げるとき、「ライザーグレン、退散!」とか叫んだり、燃えるゴミゴンと燃えないゴミゴンが合体して強力なボスキャラになったり。こ、これはもしや……と思ったら脚本が浦沢義雄だった。こっち方向に路線変更ですか?

「情熱大陸」には鈴木成一氏登場。「車検延長」とレタリングした紙にサインするところが爆笑だったけど、知らない人にはわかりにくい芸風かも。しかし『半島を出よ』の装幀予算はいったいいくらなのか。うらやましい。




【4月5日(火)】


 第二回本屋大賞受賞パーティ@出版クラブ会館。
 会場は予想通りメチャ混みでしかも禁煙。それはいいんですが、三省堂の人の挨拶が……。こんなに善良さのオーラが出まくってる賞の授賞式にオレがいちゃいけないんじゃないかと思いました。ああ、苦しかった。

「直木賞頼みじゃ商売になんないから、自分でがんがん売る本は自分で選ぶぜ! 現場の底力を見せてやる!」ってことでいいんじゃないの? なんかNPOにして寄付を集めて運営費の足しにするんだそうですが、精神論になっちゃうとやりにくくなるだけじゃないかと。

 さんざん勝手な文句を言いつつ、スタッフ打ち上げ、三次会、四次会と午前5時までつきあって始発で帰宅。
 恩田さんはたいへんうれしそうでした。よかったよかった。しかしどうせなら受賞挨拶で「ざまあみろ!」と言ってほしかったな。黒い恩田陸はしばらく封印するのか?
 
ブラッセルズの三次会には新潮社の隆信社長も飛び入り。向かいのコンビニでビールを買って家に帰るところをK村Y花に見つかって拉致されてきたらしい(笑)。

 恩田さんは差し向かいで社長と話し込んでました。15年かかってとうとうここまで……(感涙)。




【4月6日(水)】


 本の雑誌編集部で70年代少女マンガ座談会。浜本発行人、穂村弘、山本直樹の各氏と2時間半にわたって激論。いかにも40代のおっさんたちの選ぶベスト10になりました。
 それにしても「ガラスの仮面」をまともに読んでるのがオレだけとは……。
 浜本氏は、「小鳥の巣」ってなんですか? って言った時点で失格。いや、そのまえにメールで「倉田江美」と書いてきた瞬間に一発レッドですが。
 あとの三人はみんな《だっくす》に洗脳されていた模様(笑)。『はみだしっ子』は意外な不人気。そんなに絵がダメですか。



【4月7日(木)】


 とり・みき『遠くへいきたい』の英語版――じゃなくてアメリカ版傑作選Anywhere But Hereがエンターテインメント・ウィークリーの今週の特選作に登場。bone-dry Zen humorだそうです。



【4月9日(土)】


 渋谷NHKで、「名作平積み大作戦」第5回の収録(→放送予定)。

 12:00スタジオ入りで終わったのは18:30。長かった。
 プレゼンターの大森は貸衣装のタキシードを与えられ、楽屋(畳敷きの個室)で着替える。正しい着方は誰も知らない。超テキトー。

 お題は「高慢と偏見」なんだけど、名作のプレゼンテーションっていうより、「高慢と偏見」をネタにした民放っぽいバラエティ。このコマだけ異様に予算がかかってます。
 オーディションやって役者3人選んでリハやってVTR撮って本番だもんなあ。 しかし、オーディエンスの支持率に関しては、番組はじまって以来の(といっても2本×5回だけど)最高記録を達成したらしい。トヨザキ社長に勝ったからよしとしよう。

 終了後、次の回の収録に来てた奥泉さんに挨拶。あっちはゲストが遠藤久美子と井上和香でうらやましい。

 見物に来てくれたアライさん米光さんと池袋にまわり、トヨザキ社長書評講座宴会に合流。鳥良→ベジダイニング→鳥良。NHKのタクシー券で帰宅。

 書評講座打ち上げにはゲストの仲俣暁生氏も来てて、最近の分断事情を拝聴。ちゃんと話をするのはほとんど初めてだったんで、いろいろ面白かった。しかし本人のキャラと文章のキャラがどうしてこうも違うのか。blog特集のユリイカ買わなきゃ。




【4月10日(日)】


『オルタード・カーボン』をようやく購入。
 cyberpunkは一語だから中黒は入りません(サイバー・パンクじゃなくてサイバーパンク)とか、赤色矮星が「赤い小人」と訳されてるのを久しぶりに見たなあとか、細かいネタはいろいろあるんですが、最大の謎は年代設定。
 邦訳では27世紀の話ってことになってますが、原書のレビューではほぼすべて25th-century(英国のレビューでは26世紀)になってるのはどういうことなんでしょうか。まあ、どっちにしても大した違いはないんだけど(というか、読んでると21世紀にしか見えない)。
 邦訳には「2609年」って年代が特定されてる箇所があるんですが、英国版原書では「'09年」らしい。インタビューとかで「500年後の話」と言ってるところを見ると、これは2509年じゃないかって気がするんですが、その後の米国版とかで直したのかな。
 話はただのハードボイルドというか、『大いなる眠り』にスターウルフがやってきたみたいなタフガイ話で、1ミリもサイバーパンクじゃないです。前半はわりと退屈、後半はけっこう面白い。古臭いマッチョ系ハードボイルド活劇がSF設定で甦ったパターン。



【4月12日(火)】


2005年星雲賞参考候補作リスト発表。
 ノンフィクション部門に『ライトノベル☆めった斬り!』が入っててびっくり。刺身のツマ? まあ、この部門は『トンデモ本?違う、SFだ!』が鉄板でしょう。
 海外短編部門では、スタージョン「ニュースの時間です」とウィリス「最後のウィネベーゴ」が入ってます。前者を収録した『輝く断片』は6月に出ちゃうけど、後者の単行本化はたぶん来春。ここで受賞すると、帯の受賞歴に、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、SFマガジン読者賞に加えて、星雲賞を追加できるんですが。「アメリカの七夜」との一騎打ちかな。順当に考えれば、読者賞の次点バネでウルフが来そうな気がするんだけど、「最後のウィネベーゴ」派の人はぜひぜひ投票をお忘れなく。
 ウィリスは長編部門でも『犬は勘定に入れません』が入ってるけど、ここは『万物理論』で決まり。そう思ってないのは山岸真ぐらいだな。
 国内長編は激戦。個人的には『空の中』を推したいが、基本は『復活の地』『膚の下』『パンドラ』の争いか。20巻完結の『ARIEL』、SFM読者賞受賞の追い風を受けた『All You Need Is Kill』も無視できない。
 国内短編は、飛浩隆票が割れた場合、混線になりそう。「時分割の地獄」が有力?




【4月13日(水)】


 今日はなぜか大阪出張。
 徹夜で新幹線に乗り、名古屋過ぎてやっと寝ついたと思ったら新大阪のアナウンス。あやうく乗り越すところだった。危ない。梅田・新阪急ホテルで三村美衣と合流し、谷川流インタビュー。自作については貝のように口をつぐむ人だったので、もっぱら、「どんな本を読んできたか」話。

 終了後、田中啓文と落ち合うべく紀伊國屋に向かうと芦辺拓氏とばったり。地下を放浪した挙げ句、田中啓文推薦の讃岐うどん屋で早めの夕食。けっこううまかった。
 その後、芦辺さんと別れて、阪急で十三へ。月亭八天さんがやってる落語会があって、そこで田中啓文が八天さんと『笑酔亭梅寿』をネタに対談するっていうんで、ついでの見物です。
 十三へ行くのは20数年ぶり。駅を下りて、「ねえちゃん〜ねえちゃん〜じゅうそおおううのねえちゃああんん〜」とお約束の歌を歌っていると、三村美衣は「なにそれ?」と言う。「そんなんだれでも知ってるやろ、藤田まことの『十三の夜』。名曲ですよ。それを尾崎豊がカバーしたのが『15の夜』」。ウソです。ていうか、「十三のねえちゃん」って曲かと思ってましたが、20数年前に来たのはこの歌の舞台を訪ねる目的だったような……。
 昔のことはさっぱり覚えていないが、十三、なかなかいい街である。東京で言うと五反田っぽい感じ。しかも寄席の会場は十三風俗街のど真ん中に建つ映画館。池袋・文芸座みたいな小屋ですね。
 椅子に座って落語を聴くのは初めてだけど、意外と楽。八天さんの噺はすばらしく見事で、最後の「茶屋迎い」に聞き惚れる。
 ロビーで田中啓文が行商した『笑酔亭梅寿』も5冊売れて上々の人気。

 終了後、我孫子武丸・三村美衣と三人で「やまもと」本店へ行ってねぎ焼きを貪り食い、西店リニューアルオープン記念の粗品(ねぎ坊主キャラが描かれたガラスのコップ二個)もらったあと、寄席の打ち上げに合流。いかにも十三な雰囲気のキャッシュオンデリバリー居酒屋。スポンサーになってる十三信用金庫の人々ほか、落語家多数。

 三村美衣が枚方方面に帰っていったあと、さらに十三駅前の白木屋へ。我孫子さんが終電直前にダッシュで消えたのち田中啓文とふたりでもうちょっとうだうだしてから、白木屋からベストリザーブで予約したプラザオーサカへ。しょぼいビジネスホテルかと思ったら633室の巨大ホテル。でもラブホテル街のど真ん中に屹立してるせいか、一泊税サ込み5,750円。すばらしい。
 部屋は淀川を見下ろす14階の広々したツインのシングルユースでかなりお得。



【4月14日(木)】


 モスバーガーで『現代SF1500冊』のゲラを読み、古沢さん推奨の天ぷら山崎で昼定食。さらにゲラを読みつつ十三の街を散策。
 せっかく大阪まで来たから造幣局の通り抜けでも行こうかと思ったら、三村美衣と堺三保がUSJに行くっていうんであとから合流。
 17:30に着いて、19:00までって言われたけど、待ち時間すべてゼロなので楽勝。スパイダーマン→BTTF→T2-3D→シュレック4Dと回り、入園料のもとはとりました。
 スパイダーマンの熱風と落下はなかなか。 T2の綾小路麗華さんはすばらしい。 シュレックはシナリオの出来がよくて意外と笑える。
 買い物して19:30ごろにUSJを出て20:10ののぞみで帰京。



【4月15日(金)】


『読むのが怖い!』の感想がウェブ各所にぼちぼち上がってます。全体に好意的。笑ってほしいところで笑ってもらえてるみたいでありがたい。検索で発見した感想コメントを北上次郎用にまとめたので、html化して、『読むのが怖い』感想リンク集にまとめました。代表的なコメントはこんな感じ。

●お互いのお薦め本について二人の意見が食い違ってるあたりが、口の立つ子供の喧嘩のようでもあって面白い。

●老人力が強まってきてる北上次郎を大森望がいかにいじくるかというところがとても楽しい。

●相手を叩き潰すガチンコ対決ではなく、相手の技を受けつつ自分のいい所を出していく北上次郎×大森望のプロレス的書評対談。
たまに間違えて相手の急所にパンチが入っちゃたりしてますけど。
殊能将之『黒い仏』に本気で腹を立てている北上さんが素敵です。

●感情的に攻めてくる北上さんと、理論整然としている大森さんの
まるっきり正反対なお二人による、噛み合ってるのか噛み合ってないのか
よく判らない対談が、とにっかく面白かった〜♪笑った笑った!!

●大森さんのワルモノっぷりは、ご本人のサイトやら掲示板やらで知っていたが、北上次郎がこんなにチャーミングなオジサンだとは知りませんですたよ。読んだ小説の内容はおろか、自分で書いた解説の内容まで忘れてるし。興味のないことについては語ろうとすらしないし。自分が知らないことについて、ものすごく素直に質問するし (これは意外に難しい)。そのすべてに、何とも言えない愛嬌があるのだな、コレが。


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