・E231系(画像をクリックすると更に拡大画像が見られます)
クハE230-27以下10連と82以下10連(通勤タイプ)
通勤タイプの初期車(左:クハE230-27以下10連)と最終増備車(右:クハE230-82以下10連)
2008.4.9 総武本線平井駅にて撮影
 2000年春、1年にわたって209系950番代(現E231系900番代)で試験を重ねた成果として通勤形、近郊形両タイプのE231系が落成しました。車体や電装品はほぼ209系950番代に準じたものとなったものの、新タイプの熱線吸収ガラスが採用され、以前のスモーク系のガラスではなく、青みがかったものになったのが特徴です。
 足回りは通勤形では952番ユニットに採用された三菱製3レベルインバータ、近郊形には951番の日立製2レベルインバータが用いられることとなりました。モーターはMT73形が引き続き搭載され、歯数比7.07でありながら120km/h運転が可能とされています。編成はMT比2:3の構成が基本ですが、地下鉄乗入の800番代では6M4T、11連を組む500番代では6M5T組成とされています。
 2000〜2001年と2002年、2006年に総武中央緩行線用として0番代10連46編成が三鷹に(登場時は習志野にも配置あり)、2001〜2004年に常磐快速線用として0番代10連17本と5連19本が松戸に、2002〜2005年に山手線用として500番代11連52本が山手(現:東京総合車両センター)に、2003年に東西線直通用として800番代10連7本が三鷹に、2000〜2003年と2006〜2007年に宇都宮・高崎線と湘南新宿ライン(宇都宮線〜横須賀線系統)用として1000番代10連49本と5連35本が小山に、2004〜2006年に東海道線と湘南新宿ライン(東海道線〜高崎線系統)用として10連42本と5連34本が国府津に、それぞれ配置されています。
 室内は基本的にロングシートで、近郊タイプの1000番代シリーズの一部車両のみ、セミクロスシートとなりました。また、近郊タイプには、国府津車の製造当初からと、小山車には2004年からグリーン車の組込が行われました。配置区所による違いとして、車内の案内表示器があり、三鷹車と小山車のほとんどは1段表示のLED式(209系と同じ)、松戸車と国府津車は2段表示のLED式で運行情報表示機能付、山手車は液晶ディスプレイ付となっています。
 0番代走行音(三鷹車)[E231-0a.rm/410KB]
 習志野電車区と三鷹電車区に配置され(現在は三鷹車両センターに集約)、総武・中央緩行線で活躍する通勤タイプの走行音です。通勤タイプでは、209系からの流れを汲む3レベルインバータが採用され、2レベルインバータの日立車と比べると、ややVVVF音が小さいようにも感じられます。
 209系952番ユニット(現在はE231系902番)とほぼ同様なのですが、やや非同期モードが短くなったようで、その分1パルスモードの始まりが低速側に移り、より低い周波数の音から立ち上がるためでしょうか、爆音が大きくなってしまいました。
 録音は中央緩行線大久保→東中野間です。
 0番代走行音(松戸車)[E231-0ja.rm/1.88MB]
 松戸電車区(現:松戸車両センター)に配置され、常磐快速線で運用される車両の走行音です。VVVF音は三鷹車と同じですが、ドアエンジンがリニア駆動式とされており、開閉時に大きな衝撃音が鳴るのが特徴です。常磐線では高速運転も多いため、このファイルのように、MT73の高速域での低い唸りも聞くことができます。
 録音は常磐快速線松戸→北千住間です。高速運転の区間と曲線制限とが短い間隔で繰り返されるため、聞き飽きない区間です。
 0番代走行音(松戸車)[E231-0jb.rm/674KB]
 同じく松戸車で、比較的短い区間での走行音です。
 録音は常磐快速線天王台→我孫子間です。この区間としては比較的速度が出ていたと思います。
 0番代空転・滑走音(松戸車)[E231-0jc.rm/604KB]
 同じく松戸車で、空転、滑走した際の加減速音です。非同期モードが短く、1パルスモードで走行する時間が長いため、近郊タイプでの空転滑走ほどの迫力はありませんが、この時はだいぶ滑っていたようです。
 録音は常磐快速線下り電車の、我孫子発車時と、我孫子到着時の組み合わせです。
 500番代走行音[E231-5a.rm/401KB]
 山手線用500番代車の走行音です。M車比率が高く、加速度も高く設定されているため、総武線や常磐線仕様よりも音の上がり方が速いのが特徴です。また、純電気ブレーキ(逆相ブレーキ省略のタイプのように感じますが)採用により、停車直前まで非同期モードの音が聞こえてきます。
 録音は山手線新橋→浜松町間です。
 500番代走行音(三菱モータ)[E231-5b.rm/575KB]
 500番代の内、502編成の各電動車は、低速域でのモータの唸りが特に大きい特徴があります。加速時は非同期モードが短すぎて目立たないのですが、特に減速時は、非同期モードに入ってから「逆唸り」が2回、はっきりと聞こえてきます。隣のホームにいたりしてもこの編成の入線は音だけで判別できてしまうくらいですから、やはり特徴的です(工場に入場してモータ換装されたら終わりですが…)。
 IGBT車での低速域の大きな唸りは、京成3000形WN駆動車、近鉄3220系他の「シリーズ21」など、三菱製モータの搭載車との共通事項であることから、この編成は三菱製モータの搭載車であると思われます。E231系には他にも多数の三菱モータがあると思われますが、この編成だけ際立っている理由は分かりません(三鷹車には似たような音の車両はそこそこ存在するようですが)。
 録音は山手線品川→田町間です。
 800番代走行音[E231-8a.rm/479KB]
 総武・中央緩行線と地下鉄東西線との直通運転用に新造された800番代の走行音です。6M4Tの強力編成で、起動加速度3.3km/h/sとされています。その割には山手線用ほどの加速感が感じられないのが不思議なところですが…。
 音に関してはE231系通勤タイプの三菱製VVVFに共通の、風の音のような非同期モードが特徴です。減速時は、純電気ブレーキ採用車であるため、山手線用と同じような印象となります。
 録音は東京地下鉄東西線行徳→南行徳間です。
 1000番代走行音(登場時)[E231hya.rm/829KB]
 小山電車区(当時)へのE231系1000番代投入当初の走行音です。近郊タイプは当初グリーン車なしの4M6T+2M3Tの組成で登場し、この頃は比較的ゆっくりと加速する印象がありました。
 加速とともに高さの下がる非同期モードと、日立IGBTらしい「ヒュルルルル…」と急に上がっていく音が特徴です。この日は軽いダイヤ乱れがあったため、回復運転をしており、よく飛ばしています。
 録音は東北本線野木→間々田間です。
 1000番代走行音(グリーン組込)[E231hyb.rm/924KB]
 小山車へのグリーン車組込後の走行音です。登場時と比べて、加速が速くなっています(音だけでなく、実測でも速くなったらしい)。最近では宇都宮線も高速運転をする機会が増え、このファイルも普通に110km/h以上は出ていると思われます。この速度域になると、MT73搭載車特有の、かなり低い唸り(実際には風切り音だと思うけど)が響いてきます。
 録音は東北本線野木→古河間です。強風の吹き荒れた日の録音のため、ファイル最初のドア閉め時には、風に吹かれてしまい、音が少し乱れてしまいました。
 1000番代走行音(グリーン組込)[E231hyc.rm/813KB]
 同じくグリーン車組込後の走行音です。1つ上のファイルと比べると、高速域で、低い唸りの他に甲高い音も同時に聞こえてきます。また、減速時だけですが、非同期モードと重なって、甲高い雑音も響いてくるようです。
 録音は東北本線間々田→野木間です。
 1000番代走行音(東海道)[E231hka.rm/941KB]
 国府津車両センターに新製配置された、東海道線向け編成の走行音です。製造当初からグリーン車組込で、加速度も速い設定となっています。湘南新宿ラインでの120km/h運転の録音なのですが、110km/h付近で下回りから凄まじい轟音が聞こえてきます。この次の区間などはちょうど轟音の鳴る速度域で定速ノッチに入れていたようで、それはそれで激しかったですが…。
 録音は東海道本線二宮→大磯間です。120km/h運転&定速運転だったようで、各停車駅とも1分くらい停車していた気がします。
 1000番代走行音(東海道/回復運転)[E231hkb.rm/1.80MB]
 同じく東海道編成の、回復運転モードの走行音です。区間が区間ですので、上の湘南新宿ライン120km/h運転ほどの速度ではありませんが、細かく加減速を繰り返しますので、別の迫力をもった走行音になっています。車両のタイプとしては比較的普通の音なのかと思います。
 録音は東海道本線川崎→横浜間です。
 1000番代走行音(最終増備車)[E231hyd.rm/1.09MB]
 東海道向けよりも後の、2006年に小山に新製配置された最終増備車グループの走行音です。この編成が偶然、ということかもしれませんが、東芝モータと推定される、低速域で甲高い雑音を激しく鳴らす車両です。255系などで聞かれる雑音タイプのIGBTバージョンと言えると思います。IGBT車でここまで鳴るのも珍しいと思います。減速時は上り勾配の駅のせいか、大変ゆっくりとしたブレーキになるのですが、それに応じて雑音もゆっくりと鳴るのがおもしろいものです。
 録音は東北本線栗橋→東鷲宮間です。
・その他の写真
 クハE231-1以下10連の、出場回送時の写真です。営業入の前は6扉車組込を示すステッカーはありませんでした。また、2007年からはスカートの交換が行われ、この写真のような平板タイプから、タイトル写真のような、中央が尖ったタイプに交換されています(2007年度内に工事終了となった模様)。
 2000.2.4 東海道本線品川駅にて撮影
 常磐線用の第1編成となった、クハE230-43以下10連です。営業開始前は、この写真のように、緑帯のみでした。営業運転開始に当たって、下の写真のように黄緑帯が追加されたのですが、確かにこのままでは各駅停車(千代田線直通)と間違えてしまいそうですね。ちなみに、この写真は常磐緩行線を走っているところですが、昼間は使用されない取手駅の緩行線ホームで展示会が行われた後の回送列車でした。
 2002.2.9 常磐線我孫子駅にて撮影
 常磐線用のクハE231-75以下15連(後はクハE231-60以下10連)です。営業運転開始時には、この写真のように、黄緑の細帯が追加されました。スカートは山手線用と類似の形状ですが、電気連結器装備のため、大きな切り欠きがあるのが特徴です。常磐線用についても、2007年度より、中央の尖ったスカートへの交換工事が開始されています。
 2006.4.8 常磐線南柏駅にて撮影
 山手線用として製造された500番代で、クハE231-502以下11連です。登場時の、平らなスカートを装着した姿です。他の番代よりも大形のものである特徴があります。
 2005.6.5 山手線恵比寿駅にて撮影
 500番代の後期ロットである、クハE230-537以下11連です。500番代では504編成以降で冷房が大形化され、それに伴い、SIVが編成中2基から3基へと、増強されました。この写真では、写真中央付近に見える、5号車のモハE230にSIVが積まれていることが識別点となります。また、この写真は、2007年度に実施されたスカートの交換後のもので、500番代登場時のイメージを踏襲しつつ、中央部が尖った形状に変更されています。
 2008.4.12 山手線御徒町駅にて撮影
 地下鉄東西線直通用として製造された800番代で、クハE231-807以下10連です。209系1000番代のような前面形状となっています。
 2003.8.31 総武本線西船橋駅にて撮影
 小山所属のクハE231-6017以下10連です。登場時の、グリーン車組込前で、原形スカートの時代の写真です。湘南色風のラインカラーですが、211系とは色遣いが異なります。
 近郊タイプでは前面上側にあるHID式のヘッドライトが特徴となります。
 2003.2.23 東北本線尾久〜赤羽間にて撮影
 小山所属のクハE230-8011以下10連です。グリーン車組込後で、スカートの交換前の姿となります。
 2006.3.21 山手線原宿駅にて撮影
 国府津所属のクハE230-8048以下15連(後はクハE230-6030以下5連)です。東海道線用の登場時の姿となります。現在ではスカートの交換が完了したようで、この姿を見ることはできません。
 2005.9.18 京浜東北線新子安駅にて撮影
 国府津所属のクハE230-8070以下15連(後はクハE230-6046以下5連)です。このK29編成を含む、K23編成とS22編成以降では先頭部のスカート形状が変更され、中央部が尖った形状となっています。特に、電気連結器が装備されない、基本編成の熱海方は、スカートが大形化され、よく目立ちます。(2007年度に在来編成もスカートを交換)
 2006.3.21 山手線原宿駅にて撮影
 国府津所属のクハE231-8061以下15連(後はクハE231-8522以下10連)です。こちらもスカート形状が変更された、後期の編成となります。付属編成については、基本編成より製造終了時期が早く、アンテナ2本の編成は登場しませんでした(基本編成のK39〜K42の4本だけ)。
 偶然にも元901系B編成である、クハ209-911との並びになりました。
 2006.3.18 東海道本線川崎〜横浜間(矢向踏切)にて撮影
 小山所属のクハE230-8086以下15連(後はクハE230-6065以下5連)です。最終増備車となったグループで、製造当初から中央が尖った形状のスカート、デジタル無線対応のため無線アンテナを2本装備するなどしています。
 2006.3.21 山手線新大久保駅にて撮影
 サハE231-131から、クハE231-44方向の室内です。常磐線用はこのような青系のシートモケットが採用されています。
 2002.12.15 常磐線取手駅にて撮影
 モハE231-586から、クハE230-529方向の室内です。山手線用は緑系のシートモケットが特徴となります。また、ドア上の表示器には2面の液晶モニタが備えられているのも特徴と言えます。
 2005.1.18 山手線大崎駅にて撮影
 サハE230-558から、クハE231-529方向の室内です。山手線用には2両の6扉車が組み込まれています。この写真は、座席を収納した状態となります。
 2005.1.18 山手線大崎駅にて撮影
 モハE231-1079から、クハE230-6038方向の室内です。近郊タイプのロングシート車ということになります。209系以降の標準となりつつある、青系のシートモケットです。
 2005.1.18 東海道本線国府津駅にて撮影
 サハE231-3038から、クハE231-8038方向の室内です。近郊タイプのセミクロスシート車の室内です。ドア間に1ボックスずつ並ぶ配置は、E217系と同等のものです。
 2005.1.18 東海道本線国府津駅にて撮影
 モハE231-47(三鷹車)のVVVFインバータ装置で、SC60A形です。モハ209-952→モハE231-902に搭載されているSC60形と外観上の違いはありません。
 2003.1.25 総武本線秋葉原駅にて撮影
 モハE231-97(松戸車)のVVVFインバータ装置で、SC60B形です。SC60形、SC60A形との外観上の差異はありません。
 2002.5.4 常磐線我孫子駅にて撮影
 モハE231-1024のVVVFインバータ装置で、SC59A形です。モハ209-951→モハE231-901に搭載されているSC59A形と、外観上はほとんど変化がありません。音がこうも変わってしまったのがなぜかは分かりませんが…。
 2008.4.12 東北本線上野駅にて撮影
 モハE231-1106(小山配置の最終増備車)のVVVFインバータ装置で、SC77形です。国府津配置の車両も同じSC77形で、いずれも、SC59A形との外観上の差異は見られません。
 2008.4.12 東北本線上野駅にて撮影
 モハE230-98のSIVです。松戸車はいずれもこの形状のSIVを搭載していて、形式はSC62A形だそうです。富士電機製のSIVだそうです。
 2002.5.4 常磐線我孫子駅にて撮影
 モハE230-648のSIVです。こちらはSC61Aで東芝製だそうです。0番代三鷹車の一部と、500番代に搭載されているようです。
 2005.4.25 山手線東京駅にて撮影
 モハE230-1024のSIVです。こちらはSC66形で、小山車のほとんどに搭載されています。他社の車両での採用例などから、三菱製と思われます。
 2008.4.12 東北本線上野駅にて撮影
 モハE230-98の台車です。常磐線用の車両で、新製間もない時期の撮影です。ライトグレーの台車枠と、ダークグレーの車輪だったようですね。DT61G形とされるもので、209系用がベースになっています。
 2002.5.4 常磐線我孫子駅にて撮影
 サロE230-1008の台車です。グリーン車用はTR246T形とされ、ヨーダンパ付となっています。M車の台車はDT61G形のまま、変化はありません。
 2008.4.12 東北本線上野駅にて撮影


前のページに戻る