・701系

秋田地区用の姿のまま常磐線で運用されるクモハ701-105以下4連(105番+102番)  1993年、東北地区に残っていた客車列車の置換えとワンマン運転実施により効率化を図るために登場した交流専用の3扉ロングシート車です。発電ブレーキ付のVVVFインバータ制御で、秋田地区に投入された0番代では補助電源が電動発電機でしたが、1994年度の100番代と東北本線向けの1000番代ではSIVになり、1996年には田沢湖線用の標準軌セミクロス車5000番代、1998年にはロングシートで回生ブレーキ付の1500番代、1999年には山形新幹線新庄延長に伴う5500番代が登場しています。
 発電制動車はサイリスタ混合ブリッジ回路によるコンバータが、回生車ではIGBTによる3レベルPWMコンバータが使用され、共にインバータ部はパワートランジスタによる3レベルインバータとなっています。
 青森、南秋田、仙台、山形に配置され、東北地方の多くの電化路線で活躍しています。
2000.2.27 東北本線仙台駅にて撮影
 走行音(0番代3連)[701-0a.ra/369KB]
 秋田地区に投入された0番代車の走行音です。この地区にのみ3連が投入されており、これはその3連の走行音ですが、特に音が違うということもないようです。中速域以上では加速が重たそうにも感じられますが…。パワートランジスタを使ったインバータだということですが、209系と似たような音で、非同期モード(もしかすると最初から同期モードかも)の音がよく響くことと、回生ブレーキではなく発電ブレーキであるために電気ブレーキの失効する速度も高く、ほとんどVVVFらしい音になっていない、という違いがあります。
 録音は、清水さん提供で奥羽本線北常盤→川部間です。
 走行音(0番代2連)[701-0b.rm/1.03MB]
 こちらは同じく秋田地区の0番代で、2連の走行音です。3連と比べると中速域以上の加速感の違いがわかるのではないでしょうか。また、秋田新幹線区間での録音のため、100km/h超まで加速してくれます。
 この車両に関しては、中速域で音階を奏でているように聞こえてきますね。車輪のフラットも気になりますが…。
 録音は奥羽本線刈和野→峰吉川間です。
 走行音(100番代)[701-1a.rm/955KB]
 秋田地区に投入された100番代車で、補助電源装置をMGからSIVに変更したことによる番代区分のため、走行音の違いにはつながりません。とは言っても、モータのロットの違いか、メーカの違いか、低速域でよく唸るモータが使われているようです。他にF2-106編成でも録音したことがありますが、これよりも激しく唸るくらいでした。
 録音は東北本線東白石→北白川間です。もとは秋田地区に投入された車両ですが、常磐線北部区間のワンマン運転開始時に仙台地区に転属し、いつの間にやら常磐線限定でもなくなり、という流れのようです。1編成だけは秋田に里帰りしましたが。
 走行音(1000番代)[701-1ka.rm/0.97MB]
 盛岡地区と仙台地区に配置された1000番代の走行音です。1000番代への区分はパンタグラフの変更が主な理由のようです。この車両の音は、取り立てて特徴もない、普通の音のように感じられます。起動時など、少し軽い響きという気もしますが。
 録音は東北本線船岡→槻木間です。
 走行音(1000番代)[701-1kb.rm/831KB]
 同じく1000番代の走行音です。中速域で、弱くではありますが、音階を奏でながら速度が上がっていくタイプのようです。その他は特に変わったところはないのではないでしょうか。全体的にも、1000番代が一番特徴が少ないグループであるようにも感じられます。
 録音は東北本線矢幅→古館間です。
 走行音(5000番代)[701-5ka.rm/726KB]
 秋田新幹線開業時、田沢湖線区間の普通列車用として投入された車両です。1000番代をベースに標準軌の台車に履き替えられた車両ですので、音も特に変わりません。この車両については、パルスモードの切り替わり時などに、軽く「ヒュン」という雑音が乗るようです。
 録音は田沢湖線羽後長野→鴬野間です。最高速度は今ひとつの区間ですが、ストレートな加減速をしてくれます。
 走行音(5000番代)[701-5kb.rm/1.00MB]
 同じく5000番代の走行音です。最高速度である110km/hまで出していた区間ですので掲載してみます。トンネルがあったり、駅構内では何段階かに分けて減速したりと、あまりいい区間ではないんですがね…。
 録音は田沢湖線刺巻→田沢湖間です。
 走行音(1500番代)[701-15a.rm/951KB]
 こちらは田沢湖線用の5000番代の次に登場したグループで、仙台地区に投入されています。一部セミクロス車なのか、と期待をさせられたものですが、従来通りのオールロングシート車でした。では何が違うのかといえば、CI装置のコンバータ部にIGBT素子を用い、PWMコンバータとすることでようやく交流回生ブレーキが使用できるようになったということです。そのため、従来屋上に設置されていた発電ブレーキ用抵抗器は見られなくなっています。一部雑誌ではインバータ装置の素子をIGBTにしたなどと書かれていたのですが、これは大きな間違いで、コンバータがIGBTになっただけで、インバータは従来通りのパワートランジスタですので、VVVF音は従来通りです。回生ブレーキの失効速度も従来車と合わせたのか、20km/h程度ですので、パルスモードが1回切り替わるかどうかというあたりで回生失効します。この他、モータに通電されている間常に「ジーー」という感じの音が比較的強く聞こえてきます。これはCI装置の付近から出ているように思われます。
 この車両に関しては、パルスモード切替と前後して「ヒュン」という雑音が強く聞こえてきます。5000番代の走行音にも同様のものがありましたが、この車両の方が明らかに強いです。減速時にも何回か聞こえてきますし。1500番代の後半の車号ではこのような車両が多いようです。
 録音は東北本線北白川→東白石間です。
 走行音(5500番代)[701-55a.rm/842KB]
 現段階での最新バージョンである山形新幹線新庄延長に伴い製造された5500番代の走行音です。せっかく田沢湖線向けには一部ボックスシートが復活したというのにこちらは結局オールロングシートとなってしまいました。同じ路線で活躍している719系5000番代との差があまりにも激しすぎますから、将来どうなることやら…、というところではあります。
 モーター音はようやくVVVFらしくなったのが特徴で、回生ブレーキも停止直前まで効くようになりました。雰囲気的には209系とは少し異なっています。あとは1500番代同様「ジーー」という感じの音がよく聞こえています。
 701系の回生ブレーキはこの車両のように停止直前まで電制を使えるということが証明されたわけで、やはり1500番代は従来車と電制の切れるタイミングを合わせているだけ、ということなのでしょう。どうせぴったり合ってるわけじゃないんだから、1500番代だけでも電制の速度を広げてしまえばいいのに、と思いますが…。
 録音は奥羽本線高擶→天童間です。速度は110km/hまで達していると思われますが、減速時にポイントの速度制限を受けてしまいます。
 走行音(5500番代)[701-55b.rm/731KB]
 同じく5500番代の走行音です。最高速度は110km/hまでは出ませんが、ストレートな加減速をする区間の走行音です。
 録音は奥羽本線天童→乱川間です。
・その他の写真
 クモハ701-1038以下2連で、これは青森運転所配置の車両です。主な活躍区間は東北本線一ノ関〜青森間と津軽線です。秋田地区の車両と似たような色ではあるのですが、紫の濃淡の使い方がほぼ逆のような印象です。
 1998.9.8 東北本線盛岡駅にて撮影
 こちらは仙台地区用の車両で、クモハ701-1029以下4連(4両固定編成)です。719系で使用されたラインカラーとほぼ同じものとなっています。ちなみに、1500番代も外観上はほとんど違いがありません。屋上の抵抗器がなくなったというのは大きいですが・・・。
 1996.8.13 東北本線松島駅にて撮影
 こちらは田沢湖線用の5000番代車で、クモハ701-5006以下2連です。比較的明るめの色使いに変わったのが特徴と言えます。
 2000.2.27 東北本線盛岡駅にて撮影
 こちらは山形新幹線新庄延長に合わせて増備された5500番代車で、クモハ701-5502以下2連です。百位が5になっているのは1500番代同様回生ブレーキ仕様であることを意味しているのではないかと思います。もちろん千位の5は標準軌仕様という意味でしょうね。色は仙台地区仕様ですが、5000番代同様テールライトの位置が乗務員室窓上部に移されています(この写真ではヘッドライトが点灯しているので分かりませんが)。
 2000.2.26 奥羽本線山形駅にて撮影
 クモハ701-105のVVVF装置です。これは海側の側面の様子です。左側の2つがコンバータ部、右側の3つがインバータ部だと思います。中央の1つの出っ張りは知りません(^^;
 逆側の側面は別に紹介しますが、それと併せて、どう考えても1C2Mの構成であることは間違いないと思います。ただ、わざわざ5000番代が出たときにモーター2個単位で解放できると書かれていたことがあったので、それ以前の車両は制御単位としては4個一括とされているのかもしれませんが。
 2000.2.27 東北本線仙台駅にて撮影
 クモハ701-1038のVVVF装置です。これも海側なのですが、0番代や100番代と特に相違はありません。
 1998.9.8 東北本線盛岡駅にて撮影
 クモハ701-1022のVVVF装置山側です。非常に見づらいですが、中央付近に3つの出っ張りがあるのが分かると思います。これらは全てインバータ部の素子が入っているものと思われます。それで2つ上の写真のところに書いたようなコメントにつながるわけです。
 1999.10.10 東北本線郡山駅にて撮影
 クモハ701-1503のVVVF装置山側です。一番左側にゲート制御部、次の2つがコンバータ部、残りの3つがインバータ部であると思います。ただ、この車両の場合海側にもほぼ同じ構成のものが見られ(しかも順序も同じ)、コンバータもインバータも1C2M×2群の構成になっているようです。
 1999.10.10 東北本線郡山駅にて撮影
 クモハ701-5502のVVVF装置です。これも山側で、1500番代と何ら変わりはありません。それ以上は特にコメントすることもないでしょう。
 2000.2.27 奥羽本線山形駅にて撮影


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