・東急電鉄8000系列

珍しく急行運用に入る8036以下8連(行先表示機はLED式に改造)  1969(昭和44)年の登場で、新玉川線で使用できる車両として設計され、まずは東横線に投入された、20m4扉のステンレス車です。モータは複巻電動機ですが、制御システムは界磁調整器の変わりにチョッパを使用し界磁チョッパ制御となりました。
 75年には半蔵門線直通用に一部改良を加えた8500系が登場し、78年には軽量ステンレス車体の試作車2両が登場、80年登場の8090系へとその実績が受け継がれています。しかし東横線とMM21線の直通時に非貫通の8090系は不都合で、88年には8590・8690形が登場し、組み替えられることとなりました。89年には8500系のM車2両が1C8M式のインバータの試験車に改造され、91年登場の最後の2両はそれを反映したものとされ、後の2000系にも継承されています。
2000.8.5 東横線多摩川園駅にて撮影(現在は多摩川に改称)
 8000系走行音(1C8M)[toq8000a.ra/151KB] 直接再生
 たぶん一般的と思われる8000系の走行音です。高速域では低めの音が目立つようになるのがこの形式の特徴でしょうか。そうでない車両も存在するようではあるのですが・・・。増備途中でモータの形式がTKM-69からTKM-80に変更されていて、現在では混用されているはずなので、そういうことも影響しているのだろうとは思います。変更の内容は軽量化とのことですが・・・。昭和56年頃からの変更のようなので、基本的には8000系にはあまり多くはなく、8500系では半分くらいは、ということになるのかもしれませんね。
 ちなみに、狭義の8000系は東横線に6M2Tの8連が19本、大井町線に3M2Tの5連が7本、計187両が在籍しています。大井町線ではその編成から1C4M車と1C8M車が混在するわけですが、本来の1C4M車が組み込まれているのは2編成だけで、残りの編成の1C4M車は1C8M用の車両を代用しています(たぶん永久直列配線になっていると思われる)。
 録音は東横線田園調布→多摩川間です。
 8090系(1C4M車)走行音[toq8490a.ra/168KB] 直接再生
 こちらは大井町線で活躍する8090系のうち、大井町側から2両目に組まれる1C4M車、8400形の走行音です。当初は東横線に5M3Tで投入され、急行用として活躍したわけですが、将来の横浜からのみなとみらい21線への乗り入れが決定し、貫通形とする必要が生じたため大井町線に3M2Tの編成を移し、残った中間車2M1T×10のところにMc車2両(8590・8690形)×5を新造し6M2Tの8連となった「8590系」が東横線に残ることとなりました。
 それにしてもこの車両、たまたま個体差でこういう音を出しているのか、この形式は全てこうなのかは分かりかねますが、起動時の「唸り」本当に激しいですね。さすがに路線が路線だけに速度は出ませんが・・・。
 録音は大井町線北千束→旗の台間です。
 8590系走行音[toq8590a.ra/318KB] 直接再生
 こちらは東横線で活躍する「8590系」の桜木町方先頭車、8590形の走行音です。とは言っても後ろ向きになっているときの録音なんですが・・・。
 音はごく一般的な8000系列の音なのではないかと思います。まぁ、急行運用でもありますし、一番飛ばせる区間でもあるのでかなり激しい音になっていますが・・・。もちろんmaxの110km/hまで出ていると思います。高速域で低めの音と高めの音が両方聞こえてくるのが印象的です。
 録音は東横線自由が丘→学芸大学間です。ちなみにこの車両、基本的には急行専用車です。これが各駅停車に入ったときは何らかのダイヤの乱れがあったと見てほぼ間違いないでしょう。
 8連5本でしたが、2編成が田園都市線に転属し、現在では東横線に6M2Tが3本、田園都市線に8M2Tの10連1本と保留車6両とになっています。
 8500系走行音その1[toq8500a.ra/214KB] 直接再生
 こちらは田園都市線で活躍する8500系の走行音です。半蔵門線との乗り入れ開始当時に6連で5M1Tの組成とすることで故障時の勾配区間での押し上げの性能を確保すること、中間車に誘導無線を取付け、その場所は付随車であることが望ましいなどの理由で両先頭車を電動車としたこの8500系が登場し、狭義の8000系は本来の目的には使用できない車両となってしまったのでした。
 まぁ、モータ音は機器が8000系列共通品と言うことで変化はないですね。先頭の電動車で録音したので発車時のブザー合図などが聞こえてくるという違いはあるわけですが・・・。
 録音は田園都市線梶が谷→宮崎台間です。
 8500系走行音その2[toq8500b.ra/207KB] 直接再生
 こちらは一部に存在すると見られる、何となく起動時の音が違っているタイプです。なんだか「唸り」に迫力が感じられないなどの違いは聞き取れるのでは、と思うのですが、加速力がある分微妙な違いにしかならないんですよね・・・。高速域では高めの音ばかりしか聞こえてこないようにも思います。
 録音は田園都市線宮崎台→梶が谷間です。
 VVVF車走行音その1[toq85va.ra/207KB] 直接再生
 こちらは89年にVVVF化改造を受けた8799と0802が該当します。本当に激しいVVVF音を響かせているのが特徴です。このタイプで量産された例は相鉄8000系がありますが、もっとソフトな鳴り方になってますしね・・・。
 ちなみに、0802号車というのは、デハ8800形が番号を使い切ってしまい、8899号車の次をどうしようかとなった時に千位を0にして、下2桁はリセットしてしまえ、ということのようです。8899の次は0800、0801、と続くわけです。8700形も8799の次は0700になったわけです。
 録音は田園都市線市が尾→藤が丘間です。
 VVVF車走行音その2[toq85vb.ra/151KB] 直接再生
 こちらは8500系の最終増備車となった0718と0818のユニットが該当し、上のユニットと共に8542〜8642の編成に組み込まれています。この車両では2000系と類似したVVVF音となり、量産品と大差がないことを伺わせるものとなっています。
 ちなみに8500系は10連40本が在籍し、全て田園都市線と地下鉄半蔵門線との直通用に使用されています。先頭車の番号は42までありますが、これは2編成ほど5連2本に分割可能な車両があるためです。
 録音は田園都市線宮崎台→宮前平間です。
 VVVF車走行音(mix)[toq85vc.ra/RealPlayer5.0以上/430KB] 直接再生
 上の2種のVVVF車の連結部で録音した、2種の混ざりの走行音です。どの部分がどちらの車両から発せられているのか、全て区別できるでしょうか・・・。
 録音は田園都市線青葉台→田奈間です。
・その他の写真
 大井町線の8050以下5連です。こちらは行先表示機も原形で、冷房改造や正面の赤帯追加を除いては原形に一番近い車両の一つなのではないかと思います。まぁ、東急の車両の昔を知らないからこんなことを言えるのかもしれないので、何かと突っ込まれそうですね(^^;
 2000.1.12 二子玉川園駅にて撮影(現在は二子玉川に改称)
 室内の更新工事などを行った車両はこのような塗装になっています。「歌舞伎塗装」という俗称があるそうな・・・。更新車のうち、初期に施工された車両はこのように行先表示機が字幕式のままとなっています。この写真も急行運用に入ったときのものだったりします(編成は8024以下8連)。
 2000.8.5 東横線多摩川園駅にて(現在は多摩川に改称)
 更新車も途中からはLED式の行先表示機を使用するようになりました。写真は8020以下8連です。
 2000.4.29 東横線多摩川園駅にて(現在は多摩川に改称)
 こちらは大井町線で運用されている8090系、8081以下5連です。確か90だったか91から付番したものの、番号がすぐにあふれてしまって80か81に戻ってしまった、というような経緯があったと思います。
 1999.11.7 二子玉川園駅にて(現在は二子玉川に改称)
 田園都市線用の8500系のうち、初期車に当たる8505以下10連です。この頃は行先表示機が原形で残っていましたが、その後かなりのペースでLED化されてしまったと聞きます。もっとも、この時点で東横線の8000系には残っていなかったようですが・・・。
 2000.4.29 田園都市線溝の口駅にて
 こちらはLED化された8528以下10連です。これに限らずですが、東急のLED車は意外によく写真に写るんですね。でも昼間の視認性には問題があるわけですが。
 2000.4.29 田園都市線溝の口駅にて
 こちらは広告車両のような状態になった8537以下10連です。昔はVVVF車がこの編成に組み込まれていてよく目立ったらしいですが、今はそういう特徴はなくなっています。確か東急系のケーブルテレビの宣伝だったような・・・。
 2000.4.29 田園都市線溝の口駅にて
 こちらはVVVF車を含む8542以下10連です。だから何?と言われればそれまでです。まぁ、次車によって細かな形態の違いもあるようなのでそういう説明もできれば比較用の資料にはなるんでしょうが、説明できるだけの知識がありません(^^;
 2000.1.12 田園都市線たまプラーザ駅にて
 8590系の8592以下8連です。以前は5編成全て東横線に配置されていたのですが、今では2編成を田園都市線に転属させ、編成を組み替えた上で10連1本が同線でも活躍しています。残り3編成は現在でも東横線で基本的に急行専用車として使用されています。
 2000.5.7 東横線多摩川園駅にて(現在は多摩川に改称)
 VVVF車のうち、改造で取付けられた8799号車のVVVF装置です。北側の側面ではこのように冷却ユニットが1つ見えるだけですが、反対側には同じものが2つ見られるはずです。日立製のGTO1C8Mタイプの標準的な配置で、装置の形も標準に近いものと言えるでしょう。
 2000.1.12 田園都市線たまプラーザ駅にて
 こちらは新製時からVVVF車である0718号車のVVVF装置です。配置などに関しては8799号車と同じことが言えます。形が少し違っていますね。この車両や2000系については独特な形状になっています。
 2000.1.12 田園都市線たまプラーザ駅にて

前のページに戻る