・営団地下鉄7000系

3次車の7026以下10連  1974(昭和49)年、有楽町線池袋〜銀座一丁目間の部分開業時からの車両で、千代田線の6000系との共通点が非常に多い車両となっています。編成構成や製造年次による改良の過程などはほぼ6000系と平行しているのですが、チョッパ装置については全編成高速域からの回生ブレーキ性能の向上のため、自動可変界磁方式(AVF)チョッパ制御を採用しています。
 1983年の3次車からは8000系同様の1段下降窓化と冷房準備化、1988年の5次車からは新製冷房車となり、1989年の6次車までで34編成が製造されました。その他、初期車に関しては経年変化が目立ってきたこともあり、1993年から1段窓化などの車体更新が行われ、1996年からはVVVF制御化、これに伴い中間組込みの3次車のチョッパ装置をVVVF化の対象となっていない編成に移設する改造などが実施されています。
1999.8.28 有楽町線和光市駅にて撮影
 VVVF車(三菱)走行音(登場時)[sub70vma.ra/181KB] 直接再生
 7000系初期車のVVVF化改造は1996年に開始され、初期改造の02・06・07編成には三菱製の3レベルIGBTインバータ装置が装備されています。1C2M×4群、2両分に当たるインバータ装置が第3・7・9車両に装備されている点など、6000系のインバータ改造車と同様のシステムで、実際、搭載されている装置も同じであると考えられます。特に、02・06編成については1998年3月の、西武池袋線との直通開始よりも前に改造されていて、登場当初はこのように、完全に6000系の三菱インバータ車と同じ音を出していました。しかし、いつの間にかこの下にあるような妙な高さの非同期音をたてるものに改造されていたようです。
 録音は清水さん提供で、有楽町線麹町→市ヶ谷間です。当時の彼の録音環境が、実は1997年11月まで私が使っていたレコーダーをしばらく貸していたという状況のため、残念ながら音が狂ってしまっています。まぁ、6000系で今も残っているものと同じなのでまだいいのですが・・・。
 VVVF車(三菱)走行音(現在)[sub70vmb.ra/256KB] 直接再生
 これは上記の三菱製インバータ搭載車の、西武池袋線との直通運転を開始した後の走行音です。以前に比べかなり非同期の音が高くなり、初めてIGBTらしい音になったとも言えるのですが、「幽霊インバータ」と呼びたくなるような、何となく不気味な音です。それにしても、非同期の高さが日立3レベルのものとかなり近いものになってしまい、しかもこのようにフラットの激しい車両ばかりでモーター音がはっきり聞き取れないとなると、音を聞いただけでは三菱車と日立車を間違えてしまう可能性さえあるのが困ったところです。
 録音は西武池袋線大泉学園→石神井公園間です。
 VVVF車(日立3レベル)走行音[sub70vha.ra/179KB] 直接再生
 こちらは同じVVVF改造車でも日立製の3レベルIGBTインバータを搭載した車両の走行音です。1998〜1999年頃の改造車である12・14編成が該当するようです。搭載しているインバータは6000系の日立インバータへの改造車と同じで、音ももちろん同じです。と言ってもこの時の車両など、フラットがあまりにも激しくて聞き取るのは容易なことではありませんでしたが・・・。
 録音は有楽町線麹町→市ヶ谷間です。
 VVVF車(日立2レベル)走行音[sub70vhb.ra/146KB] 直接再生
 こちらは2000年に入り更新された19編成が該当する日立製2レベルIGBTインバータを搭載した車両の走行音です。既に対象車両の改造が完了した6000系では見られないタイプで、05系や9000系の同時期の新造車と同等のシステムを搭載した、営団らしい新技術の取り込み方と言えるでしょう。インバータ装置の形状も従来の日立製インバータとはやや異なり、音も非同期がかなり長くなり、高さも違うなど、システムの変化とともに変わりました。なお8編成のVVVF化の計画が残っているようなので、このタイプのインバータが増え、最終的には最大派閥になる可能性もあるのではないでしょうか。と言っても、同一仕様の三菱製、あるいは東芝製が参入する可能性もあるので予断は許しませんが・・・。
 録音は有楽町線新富町→銀座一丁目間です。以前のものよりも寧ろはっきり聞こえるようになった感があり、空調が入っていたにも関わらずはっきり聞こえていると思います。減速時の非同期に移る直前に「シュルルル」という感じの音が聞こえていないのが残念なところですが・・・。
・その他の写真
 1次車の車体更新車、7113以下10連です。この編成は車体更新は行っているものの、現段階ではチョッパ制御のままのようです。後にVVVF化される対象となっているようですが・・・。
 第1・7〜10車両が1次車、2〜6車両は3次車の編成であり、このため1両目と2両目で同じ1段下降窓ながら大きさが異なっているのが分かると思います。
 1999.8.28 有楽町線和光市駅にて撮影
 最終増備車である6次車に当たる、7133以下10連です。6000系7次車と同世代であり、車外スピーカーなどが設置されていますが、チョッパ装置は従来車と同じものが積まれています。
 1999.8.28 有楽町線和光市駅にて撮影
 3次車以降に装備されているフロン沸騰冷却式のチョッパ装置のうち、7932号車の、三菱製チョッパ装置です。制御方式には6000系とは大きな違いがあるものの、その形に関してはほとんど変わらないのが特徴です。
 2000.2.12 有楽町線和光市駅にて撮影
 同じく3次車以降に装備されているフロン沸騰冷却式のチョッパ装置のうち、7731号車の、日立製チョッパ装置です。こちらも6000系の日立製チョッパ装置と形は同じです。
 1999.8.28 有楽町線和光市駅にて撮影
 こちらは7902号車に搭載されている三菱製のVVVFインバータ装置です。これに関しては6000系のものと本当に全く同じようです。もっとも、2レベルIGBTの時代に移行したこともあり、このインバータが今後増えることはないんでしょうけどね。
 2000.5.3 有楽町線新富町駅にて撮影
 こちらは7914号車に搭載されている日立製の3レベルインバータ装置です。このタイプは6000系に積まれているものと形も音も全く同じです。
 2000.2.12 有楽町線和光市駅にて撮影
 こちらは7919号車に搭載されている日立製の2レベルインバータ装置で、これは7000系独自のものです。いずれは05系なり06系なりの1500V用車両の増備時に1体箱の形状になって積まれるものと考えられますが、現段階ではこの1編成だけです。それにしても素子の冷却部分はずいぶんコンパクトになったものです。
 2000.5.3 有楽町線新富町駅にて撮影

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