・営団地下鉄03系

5扉車組込みの03-114以下8連  1988(昭和63)年6月、銀座線用01系に続く新系列車として登場した、18m3扉、1500V架線集電、狭軌線用のアルミ車両です。編成は4M4Tの8連とされ、初期車は高周波分巻方式のチョッパ制御、後期車はIGBTを使用した3レベルVVVFインバータ制御を採用しています。
 1994年までに7次にわたり42編成が製造され、1990年製の3次車途中の第9編成からは第1・2・7・8車両を5扉車とし、1992年の5次車第16編成以降は行先表示器をLED化、同じ5次車の26編成からはVVVF化、1993年の6次車途中の29編成からは再び全車3扉の編成に戻されるというマイナーチェンジが繰り返されてきました。
2000.4.29 東急東横線多摩川園駅にて撮影
 チョッパ車(三菱)走行音[sub03cma.ra/198KB] 直接再生
 5次車途中の第25編成までは01系を基本とした高周波分巻方式のチョッパ制御が採用されています。一応録音はしてあるので三菱車と日立車共に音声ファイルを載せていますが特に違いはなく、どちらも起動時に4段階くらいに音が変化した後でしばらく高い一定の音が鳴り、少し速度が上がってくると界磁チョッパの領域に移るのか、今度は低いチョッパ音が聞こえてくる、という順序で変化していくのが特徴です。
 ちなみに、現段階で確認している範囲と製造区分などによる予測では、1・6〜15編成が三菱製のチョッパ装置を積んでいるようです。
 録音は東急東横線都立大学→学芸大学間です。
 チョッパ車(三菱)走行音(異音その1)[sub03cmc.ra/197KB] 直接再生
 これも同じく三菱製のチョッパ装置を積んだ(厳密には未確認編成の録音なんですが)車両の走行音ではありますが、起動時、普通ならモーター音は「ウォーーン」という感じに聞こえ始めるところが、なぜか「ギュルギュル・・・」と鳴り出す、独特の雰囲気の異音車両です。もっとも、なんかこういう音の方がおもしろくさえ感じたりもします(^^;
 録音は東急東横線学芸大学→都立大学間です。この時の走り方はなかなかすごいものがあります。
 チョッパ車(三菱)走行音(異音その22)[sub03cmb.ra/238KB] 直接再生
 こちらは同じく三菱製のチョッパ装置を積んだ車両で、第1編成の走行音です。これは2000年1月に録音したものですが、1999年4月に乗った頃にはまだ「異音その1」のような鳴り方であったものの、いつの間にかこのような、まるで釣り掛け車のような激しいうなり方をするようになっていました。いっそのこと、「釣り掛けチョッパ」と呼んでみましょう、と言いたくなりますね。
 録音は東武伊勢崎線せんげん台→大袋間です。本当は待避駅を含む区間になどしたくはなかったのですが、準急と接続した直後のこの区間だけしか静かなところがなかったので妥協してしまいました。
 チョッパ車(日立)走行音[sub03cha.ra/187KB] 直接再生
 こちらは日立製のチョッパ装置を積んだ車両の走行音です。三菱車の項にも書いた通り、特に違いはありません。線路が交換直後か削正直後なのか、何となく違う雰囲気は感じられないこともありませんが・・・。
 ちなみに、日立製のチョッパ装置は第2〜5・16〜25編成に搭載されていると思われます。
 録音は東急東横線学芸大学→都立大学間です。
 チョッパ車(日立)空転音[sub03chb.ra/137KB] 直接再生
 こちらは日立製チョッパを搭載した車両の空転しているらしい状態の加速音です。ただ、録った区間が南千住から北千住へ向けての加速であり、途中にポイントによる制限があってノッチを絞っていたという可能性もあり、その関係でこのようにチョッパ音が上がったり下がったりを繰り返す部分があるとも考えられるので、どの程度この時に空転していたか、というのは判断に苦しむところではあります。もっとも、東急線内で雨の日に乗ったときもこのような音をたてていたのを聞いたことがあるので、間違いなく空転はしていると思います。
 VVVF車(日立)走行音[sub03vha.ra/153KB] 直接再生
 こちらは第26〜35編成が該当する日立製IGBTインバータ車の走行音です。この車両も02系と同様、モーターのうなりが聞こえ始めた頃に少しの間だけ「キーン」という甲高い音がかすかに聞こえてくるだけ、というなかなかよくできたインバータを積んでいます。
 録音は東急東横線田園調布→多摩川園間です。
 VVVF車(三菱)走行音(現在)[sub03vma.ra/192KB] 直接再生
 こちらは第36〜42編成の三菱製IGBTインバータ車の走行音です。登場当初から2回ほどソフトの変更が行われ、この音に落ち着いたそうです。なんでも登場当初は起動時などに激しい前後衝動があったとか・・・。
 録音は東急東横線学芸大学→都立大学間で、精一杯の走りをしているせいか、非常に激しい音が高速域で聞こえてきます。
・その他の写真
 全車3扉で、行先表示器が字幕式の初期車、03807以下8連です。チョッパ制御車は全て角形キセの冷房装置を搭載し、車外スピーカーが車体側面にあり、目立っているというのが特徴です。
 1999.7.18 日比谷線南千住駅にて撮影
 全車3扉で、行先表示器がLED式の、最終グループに当たるVVVFインバータ制御車、03833以下8連です。このグループになると、丸形キセの冷房装置となり、車外スピーカーもこの冷房ユニットに内蔵され、目立たなくなっています。
 この他、5扉車組込みのLED表示器、チョッパ車や、同じく5扉車組込みのVVVF車などのバリエーションもあり、特にチョッパからVVVFへの移行期を中心に複雑になっています。
 1999.7.18 日比谷線南千住駅にて撮影
 03607の三菱製チョッパ装置です。冷却ユニットのわきにある網状の部分などが特徴となっています。日立製はそういう部分に穴が空いていたりということはないので・・・。
 1999.7.18 日比谷線南千住駅にて撮影
 03225の日立製チョッパ装置です。外から見る限り、冷却ユニットとその周囲との一体感が強調された雰囲気です。
 2000.4.29 東急東横線自由が丘駅にて撮影
 03633の日立製VVVF装置です。日立製のIGBTインバータというと冷却ユニットの表面が網状になっているのが特徴ですが、この時期はまだこのような形をしていました。ほとんど同じ仕様と思われる9000系用のインバータでは比較的最近の日立IGBTらしい形になっています。
 1999.7.18 日比谷線南千住駅にて撮影
 03642の三菱製VVVF装置です。07系1次車などとよく似た形で、営団向けの三菱3レベルインバータ共通の特徴ともなっている、横から見た断面が台形のようになっているという点も当てはまっています。9000系用の三菱IGBTインバータもこれとほぼ同じものと思われます。
 1999.7.18 日比谷線南千住駅にて撮影

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