・営団地下鉄01系

01-118以下6連  1983(昭和58)年、銀座線の近代化を図るために試作車が登場、翌年から量産が開始された16m3扉のアルミ車体の車両です。当時、VVVFインバータ制御を採用することも検討されたものの、新造コストの高さが障壁となり見送られ、GTOを使用した高周波分巻チョッパ方式が採用されました。この方式では電機子と界磁の双方をチョッパ制御し、従来の方式よりも粘着性能などが向上したことが特徴です。
 1997年までに38編成が製造され、1992年製の32番以降は行先表示器のLED化、車椅子スペースの設置などが行われ、1993年の37番からは06・07系に準じIGBT素子を使用したVVVFインバータ制御車となっています。
2000.4.13 銀座線渋谷駅にて撮影
 チョッパ車(日立)走行音(異音車)[sub01chb.ra/145KB] 直接再生
 第36編成までは高周波分巻チョッパ方式(又の名を4象限チョッパ)の制御装置が搭載され、直流分巻電動機を駆動しています。この制御方式の車両では、通常の電機子チョッパ制御とは異なり、チョッパ音が高いうえに、起動時には3段階くらいにステップ上に音が変化し、少し速度が上がるとその音が下がるという、独特のものになっています。これもどうやら試作車だけは違う音だったらしく、チョッピング周波数が量産では2.2kHzのところ試作車は2kHz、界磁チョッパ時の周波数は量産車300Hz、試作車250Hzというように差があったようですが、現在では試作車に乗っても差が感じられないため、これは量産化改造時に変更されているものと思われます。
 このタイプのチョッパ車の中でも、このファイルで聞ける音は、なぜか起動時にチョッパ音ではなく、モーター音の方が「ヒュゴゴゴ・・・」という感じに、不思議な音をたてるのが特徴の車両です。一説によるとモーター内部にあるブラシが油ぎれを起こしているために鳴るとも言われているのですが、実際のところは定かではありません。ただ、検査直前の頃が一番激しくこういう音をたてているらしいので、ある程度信憑性のある説ではあるのですが・・・。
 ついでにチョッパ装置のメーカーの分布は、試作第1編成は第2車両三菱、第4車両日立、第5車両東芝、02・03・06・07・09〜13・17・18・22・23編成が三菱、04・06・13〜16・20・21・24〜31編成が日立、残りが東芝となっています。特に4次車に当たる32番編成以降の東芝製チョッパの車両がチョッパ音をかなり大きくたてている傾向にあるようです。
 録音は銀座線上野広小路→末広町間です。
 VVVF車(三菱)走行音(登場時)[sub01vma.ra/160KB] 直接再生
 こちらは三菱製のIGBTインバータ装置を搭載した第37編成の登場時の走行音です。登場は1993年で、06・07系とほとんど同じ時期でもあり、IGBTインバータでは第1世代のものになります。そのため鳴っている音も同じメーカーである07系と似たような雰囲気で、甲高い非同期の音が特徴となっています。
 しかし、1997年春に02系80番代がこれとは異なる音で登場し、同年夏に02系の三菱インバータ車が全て80番代仕様の音に変わり、1998年末か1999年始め頃にこの01系第37編成も02系80番代同様の音に変わってしまい、この音は消滅しています。
 録音は銀座線銀座→京橋間です。
 VVVF車(三菱)走行音(現在)[sub01vmb.ra/137KB] 直接再生
 こちらは上記の37番編成の、ソフト変更されたあとの走行音です。三菱IGBTとしては第2世代に分類できる非同期音に変化していますが、非同期モードから1パルスモードに移る時になる「三菱モーターの爆音」は相変わらずです。もっとも、この車両の場合は鳴るときと鳴らないときとあるようにも感じますが・・・。
 ちなみに、この01系や、02系のVVVF車は各電動車にインバータ2台を搭載し、それぞれ2台ずつのモーターを駆動する方式となっています。
 録音は銀座線上野広小路→末広町間です。真夏の録音のため冷房が激しく、あまり音がよく聞こえませんが、02系の三菱インバータ車と特に変わりません。
 VVVF車(東芝)走行音[sub01vsa.ra/168KB] 直接再生
 こちらはラストナンバー車、第38編成の走行音です。この編成には東芝製のインバータが積まれていて、やはり02系の東芝インバータ車と同じ鳴り方をしています。タイプとしては東芝IGBTの第1世代で、06系とも非同期の音はほぼ同じと言えるのではないでしょうか。
 録音は銀座線京橋→日本橋間で、こちらも真夏の録音でやや聞こえにくいですが、三菱製ほど音がかき消されるわけではないようです。
・その他の写真
 01209の三菱製チョッパ装置です。ステンレス車体にあるビードのような模様が特徴です。
 1999.8.15 銀座線渋谷駅にて撮影
 01433の東芝製チョッパ装置です。三菱製に比べて素子の冷却部分がコンパクトにまとまっているのが特徴です。
 1999.8.15 銀座線渋谷駅にて撮影

前のページに戻る