お言葉集

Last update 1998/04/01


「おまえはサンを殺すために何をやっているか」
(マイクロソフト成毛真)

週刊東洋経済1998/4/4号、「ウィンテルの崩壊」という特集記事における成毛の発言は、ヤクザ顔負け。

(1998/04/01)

 週刊東洋経済の件のインタビューでは、こんな発言をしています。

--Javaに関し、訴訟合戦となったサンとは全面対決ですね。
成毛 現在、マイクロソフトは全世界でサンを抹殺しようと動いている。幹
部同士が会うと、「おまえはサンを殺すために何をやっているか」が合言葉だ。
 ビルが(中略)悪の権化のように攻撃されている。そのため(中略)現場が自動
的に攻撃モードに入ってしまった。ビルがやめろと言うまで二万人の社員がサン
叩きを執拗にやり続けるだろう。

 なんかもう、山口組と一和会の殺し合いのころを思い出させる発言ですね。ヤクザの組長や若頭の発言じゃなくて、これがマイクロソフト社長の発言なんだよ。しかも舞台が週刊東洋経済ですからね。器が小さいと馬鹿にされているのに、これじゃ、いつまで経っても、成毛はガキで片づけられてしまいますね。

 ぼくは、マイクロソフトをインテリヤクザだといってますが、この発言はまさにそれを示すものです。社長としては、マイクロソフトがヤクザであることを世間に公表したも同然で、ほんとに愚かな発言です。日本の有名経済誌でこういう発言をしているのを、本社は知ってるのかな。だれか教えてやったほうがいいよ。ますますイメージが悪くなるもんね。

 「MSって、マフィアみたいに殺しには来ないんですか。中村さん、身の危険を感じたことはありませんか」と真顔で質問されたことがあって、「いや、さすがにそこまでひどい会社じゃないでしょう」と笑って答えましたが、こういう発言を読むと、そうも言ってられませんね。徹底的にやってしまうマイクロソフトの体質から考えて、社会的に殺すだけじゃなくて、肉体的に殺すのもありだと考えたほうが無難ですから。

 ということで、サンの人は、護身用にバタフライナイフを買って、できるだけ明るいうちに帰宅するように心掛けましょう(苦笑)。それとも、「おまえは成毛を殺すために何をやっているか」を合い言葉にしたほうがいいのかな(笑)。ぼくも夜道に気をつけます。もし、ぼくが死んだり、怪我をしたり、病気になったら、即座に犯人はマイクロソフトだと断定してください(半分以上マジ)。バタフライナイフは持ちません。どうせバタフライなら、ナイフじゃなくて、女性のパンティのほうがいいですから(爆笑)。

 成毛は、公取委の抱合せ販売調査にも触れていますが、「たとえ排除命令を受けてもビジネス上の影響は全くない」と発言しています。つまり、公取委が何を言おうが聞く耳は持たないということです。これは、排除命令に強制力がなく、紳士に対するアドバイスでありませんから、ヤクザには通用しないという典型例ですね。

 ヤクザ丸出しの成毛発言も含め、この特集はなかなか読ませますから、今週の週刊東洋経済1998/4/4号を、ぜひお見逃がしなく。


「内部告発ソフトバンク歪んだ経営」
(吉田晃一)

いま業界で話題の本といえば、ソフトバンクの告発本、吉田晃一著「内部告発ソフトバンク歪んだ経営」(エール出版)です。なかなか手に入らないともいわれますが、ぼくは、地元の本屋で買えました。とっても面白かったです。経理操作なんか、よーわーらん状態でしたけれど。

(1997/09/03)

 また書くのは面倒なので、ASAHIネットのjouwa/salonに書いたのを、そのまま載せます。

 吉田晃一著「内部告発ソフトバンク歪んだ経営」(エール出版)は、
めちゃ、おもしろいね。ソフトバンクの経営の問題点をいろいろ
書いてあるんだけど、やっぱ相当痛いところを突いた本だったのかな。
いっぱい間違いがあるといって、ソフトバンクが4億円の損害賠償訴訟
を起こしましたよね。
 でも、読むと、説得力ありました。少なくともおれが知っている話
と符合する部分はあったし、細部に間違いはあるかもしれないけれど、
まったくでたらめという感じは全然しなかった。
 ソフトバンクを実質握っている、孫さんの個人会社のこと、これだけ
書いてある本は初めてじゃないかな。
 それから、新インセンティブ制度。株が下がったら地獄も地獄。
借金がどんどん膨らむんだもんね。バンク株は、ずっと下げ続けで、
いま、5000円そこそこでしょ。この本の執筆時点で、対象者一人
あたりの平均8000万円の借金を抱えることになってるというのは、
なかなかすごいね。額がでかい人が多いんだろうけれど。ともかく、
株価が上がってくれなきゃ、どうしようもないのが現状みたいね。
 それから、JスカイBでポルノを流すのを、いやがるマードックを
説得してやることになってなんてのもいい話。若い女の子といわず、
女性がポルノを観たくても、レンタルビデオ屋に借りにはいけないもん。
空から降ってきたら、そりゃ、観たいと思う女性多いだろうね。こりゃ、
儲かるんじゃないかな。
 それと、起死回生策として、サラ金をやろうとしているという話。
オチが、ほんとの「バンク」になるというのが、いいよね。
 それにしても、野村證券から来た北尾常務ってとっても嫌われているん
だね。やり手のはよくわかるけれど、いいと思ってやったことがあとで大
きな間違いだったというのが、この本にはよく出てきていて、それが大体
北尾常務が進めたものなんだよね。
 今週の週刊ダイヤモンドに、持ち株会社解禁で、ソフトバンクを3分割
するという話で、北尾常務が出てたけれど、実質ソフトバンクは北尾常務
が牛耳ってる会社なんですね。
 告発した人たちは、北尾常務一派には、相当に恨みがあるんだろうね。
北尾常務一派の裏給料疑惑とか出てくるけれど、ソフトバンクをめちゃく
ちゃにして食い物にしてるのは、こいつらじゃ、みたいな執念さえ感じる
もんね。
 店頭市場が低迷している原因のひとつに、この本が挙げられるっていう
んだから、大したもんですね。笑ったのは、ソフトバンクは、店頭市場で
は、池の中の鯨といわれているそうで、今度1部上場の話があるらしくて、
市場関係者は、早く1部に行ってくれ、バンクがいなくなったら店頭市場
があく抜けするだって。
 この本、バンクの人間は、かなり買いに走ったらしいけど、買い占めら
れたのかな、なかなか入手できないみたい。
 おれ、分倍河原の分梅書店で買ったけど、初版1刷です。もう1冊、
友達の分まで買ったけどね。


「何よりも金儲けの才能です」
(マイクロソフト社長 成毛真)

文芸春秋1997年9月号の特集「日本経済、大丈夫ですか」に登場した成毛ちゃん。あまりに周囲から浮いたコメントで、これじゃなあ、と思いました。

(1997/09/02)

 この特集、バブル崩壊後、先行きの見えない日本経済について、財界人にいろいろとコメントを求めているのだが、成毛ちゃんが「経営トップに必要な条件」との質問に答えたのがこれ。このコメントだけ、あまりに浮きまくっている。なぜか。質問の趣旨がちっともわかってないからである。バブル崩壊の反省に立って、いま日本の経営トップに必要な条件はという趣旨なのに、答えがバブルと同じく金儲けさえすればいいじゃ、笑い話にしかならない。金儲けの才能なんかあって当たり前、その先が何かという質問なのにね。

 同誌160ページから全文を引用すると、「何よりも金儲けの才能です。それが絶対条件で、後は追随する形でいろいろな才能があればいいと思う。企業が社会に貢献できる最大の方法は金儲けをすることです。売れるのは顧客が支持しているからで、いい製品を出しているということになる。企業が儲かれば、社員にも株主にも還元できるし、雇用も増えます」

 鼻持ちならないのは、「売れるのは顧客が支持しているからで、いい製品を出しているということになる」の部分だろう。Office 97やWindows 95やWindows NTを使って、毎日バグや不安定さで仕事がパーになっている人は、怒り心頭。いい製品でなくても、OSを握ることでメーカに圧力をかけ、MS製品をバンドルさせることができているから数が出ているわけで、顧客の支持とは直接はむすびつかない。買わなくてもユーザのハードディスクに最初から入ってるんだから。それを支持があるといいたいのだろうが、実際にはユーザに不満は多い。なぜなら、ソフトがむずかしくて使いこなせないんだもん。

 しかし、この使いやすくないソフトをハードディスクに最初から入れて、何も知らない初心者に脅迫的に使わせる作戦は、業界全体としては短期的には非常にいい作戦。なぜなら、かわいそうな初心者(業界からみれば、馬鹿なカモ)は、使えないのは自分が悪いと思って、せっせと初心者本を買ってくれるからである。それも、ボタンの一つ一つを押す順番から何から、馬鹿丁寧に解説と称して書いてある本を。インプレスの「できるシリーズ」など、こんな本が総計500万部も出るんだから、笑いが止まらない。出版社はどこも、マイクロソフトには、絶対、複雑で使いにくいソフトを出してほしいはず。そうすれば、手取り足取り本が売れるからである。そしてマイクロソフトは、その期待を裏切らない。それにマイクロソフトのマニュアルはじめ、いろんな仕事をパソコン系の出版社は請け負ってるから、完全な癒着があるわけで、何も知らず、金を巻き上げられているんだから、やはり日本のパソコンユーザって馬鹿というかカモですね。

 成毛ちゃんは、以前、オフィスのバンドルを止める止めないの話のときに何といったか。「バンドルすると日本のソフト産業が育たない。だから止める」といった。これを聞いた業界の人間は、腹を抱えて笑ったもの。彼がそんな殊勝な考えをもつはずがないと思っているからである。彼は、オフィスを安くバンドルしていたから、米本社からもっと利益を上げろと尻を叩かれた。それでバンドルを止めると言い出し、他社を牽制したものの、ジャストシステムもロータスも成毛社長の本心を知ってるから相手にしなかった。それでまたバンドルを開始した。それだけのことだったんだよね。そんな程度の覚悟で、日本のソフト産業を育てるうんぬんを語るところが、彼らしいというか。そういうミエミエの理屈をいうから、軽い奴と思われちゃうんだよね。

 この発言からは、「金儲けするしかない」という成毛ちゃんの追いつめられたポジションもわかるよね。彼は本社から人間扱いされておらず、金儲けをするマシンとしてのみ機能することを求められ、日夜苦闘しているんだろうね。成績が悪くなると、すぐ首だと思うよ。4年前の電脳曼荼羅事件当時、彼、日本の社長なのに、本社のボードメンバーじゃなかったんだ。日本のある部長は本社のボードメンバーだったのに。ああ、彼のポジションってそういう扱いなのかと思ったのを、いままた思い出したね。

 「何より金儲けの才能」とは、本社が成毛に求めたことそのものなのね。そこが成毛ちゃんのかわいそうなところで、いくら金を儲けても、彼の功績としては世間は扱わない。「ああ、ビル・ゲイツの使い走りだから、偉そうにしてられるし、儲かってるんでしょ」。これで終わり。いくら、アスキーの倉庫番から世界企業の日本法人トップに這い上がっても、成毛の昔を知ってる人間は、みんなこういうからね。「あいつ、ごますりだけでしょ」。これで終わり。だから、彼、相当にストレス溜まってるよね。そうまでして本社とビル・ゲイツに忠誠を誓っても、ゲイツは成毛ちゃんを信用しないんだもん。結局、ゲイツが日本で信用しているのは、アスキーの西和彦だけ。腹を割った話をするのは、西さんだけでしょう。結婚式もそう、母親が死んだときもそう。ゲイツは西さんだけは呼ぶからね。

 結局、成毛って人は、いろんな人がいうように、器が小さいんだろうかね。その場限りの取り繕いは上手だけど、とんちんかんなこと言って失笑をかうことが多いし、見識が感じられないもん。いくらがんばっても世間は大して評価してくれないし、器が小さいといわれる。じゃ、どこに行くかというと、結局、彼の場合、より上の肩書きをほしがるのね。だから、国会議員になってやるだとか、財界活動を活発化するなどと吠えるんだけど、尊敬されたいと思うなら、ほんとはそうじゃないんだよ。おれがいうと爆笑なんだけど、心を磨かないとね(爆笑)。それがわかってないから、文春の質問に、あんな答えしかできないわけでね。小説、詩、短歌、和歌、映画、美術なんでもいいし、芸術を楽しむ心の余裕があったほうが、いいんじゃない?

 ところで成毛ちゃんは、ウィンドウズ御殿とよばれる新居で、自らそばを打ってふるまうんだって。おれ、それを聞いたとき、少しは成長したかと思ったんだけど、どうも周りは全然そう思わないみたいね。「あのケチな成毛が、ふるまうなんてどういう魂胆なんだ」って、そう考えるらしい。そばの味は、食ったことないから知らないけどね。本心からもてなそうと思っても、そうは受け取ってもらえない、彼のポジションのつらさ。成毛って、ほんと友達いないよね。その点、古川さんは、狡猾というか、成毛を矢面に立てて自分は裏に回ってるから、なおのこと、成毛ちゃんがかわいそうにみえるよね。でも、自業自得だし、お金もたんまり稼いだから、いいのかもね。


「もしダメならパソコン雑誌にする」
(アスキー社長 西和彦)

「週刊東洋経済」の1997/07/26号は、企業研究としてアスキーを取り上げているんですが、西さんの爆笑インタービューをはじめ、読みどころがいっぱい。

(1997/07/29)

 西さんのインタビューで飛び出したこの発言。何のことかといえば、「週刊アスキー」のこと。10億円投資したが、ダメならパソコン雑誌にすればいいという、この発想。不安だよね、アスキー。でも、これでやってけるところが、西和彦の西和彦たるゆえん。なんにせよ、爆笑でした。

 いま、「週刊アスキー」全然だめでしょ? 調子いいという話聞かないんですよ。創刊号はみせてもらったけど、あとはコンビニで手に取ってもいないもんね、おれ。SPAとEYE-COMを足したような感じだと思いました。

 パソコン雑誌として再生するにも、デタラメをよく書く田中亘を重用したがために、嘘の多い雑誌として、EYE-COMは技術屋やマニア層には評判悪いから、あの路線はイメージダウンかもね。といって初心者雑誌は、パソコンバブルがはじけてきて、どこも青息吐息だもんね。どう舵取りするのか、注目です。

 「週刊アスキー」クラスで、経費は月にどれくらいかかるもんですか? 5000万円くらいですか。それとも1億円超えます? 返本多そうだから、赤字は月にどれくらいなんでしょうね。2000万円赤字で、年に2億4000万円。アスキーの400億円の借金に比べたら、誤差の範囲だよね。万が一当たればでかいから、銀行も金を出したんでしょうけれど。

 ほかにもいろいろ楽しい話が載ってるし、全然別記事は、ソフトバンクの孫さんのインタビューもあるし、業界人なら、この「週刊東洋経済」は必携・必読です。


「2次災害で被害が出たら、あんたらが責任を取るのか」
(自民党の亀井建設大臣)

コワモテの亀井さんだけど、行方不明者の家族に向かって、これは、ひどすぎるよね。

(1997/07/13)

 死者20人ほどを出した鹿児島出水市の土石流災害。行方不明者の捜索が続けられていたが、午後6時にその日の捜索を打ち切ることに。それに対して家族からは「まだ明るいから捜索を続けてほしい」という声。それに向かって、亀井大臣、すごいね。日刊ゲンダイ1997/07/12の表現では、「そんなことは当たり前だ。ふざけるな」「専門家が危険だと言っているんだ。あんたは素人だろう」と怒鳴りまくった。家族がなおも「あす一生懸命やってくれるのか」と食い下がると、亀井大臣、「ふざけるな。無礼なことを言うな。2次災害が出たら、あんたらが責任を取るのか」。あまりの暴言に、家族は呆然だったという。亀井大臣は、行方不明者の家族とは知らず、マスコミの連中だと思って、怒鳴り散らしてワンマンショウだったというのが、いやあ、こういうときこそ、本音が丸出しになる見本のような大失態ですね。これじゃ亀井さん、人間のクズと呼ばれても返す言葉ないでしょう。自戒しようっと(実は口だけ)。

1997/07/29 補足

 CHAKAさんという方(出水氏出身の夫をもち、インターネット出水会の会員だそうです)から、「現場での実際のやりとりはマスコミ報道とは違っていた。亀井発言は、マスコミのでっちあげか」という、情報を流しているウェブページがあることを教えていただきました。そのウェブページは、 http://www2a.meshnet.or.jp/~uchi_a/saigai/halihara_mc.html です。


「京セラDataScopeは詐欺だ」
(京セラのいうことを信じて買った人たち)

京セラのDataScopeを買った人たちから、約束と話が違うじゃないかと異論が続出しているようです。

(1997/04/29)

 ぼく個人は、携帯電話やPHSにほとんど興味がないので、京セラに取材してまで雑誌などで書く気もないので、ここでちょこっとお知らせするにとどめます。

 Toshinori MATSUDAさんという方から、こういうメールが10日ほど前に届いていました。

中村さんにお願いがありまして、メールを書いております。 それは、京セラ・データスコープの詐欺販売についてです。 3月中旬に製品は発売されたのですが、4月中旬になって突然DX4−75 以下のCPUのマシンでは、PIAFSに対応していませんと京セラが発表 したのです。おおくのHP200LXやPC110等のユーザーが詐欺にあい 怒りに燃えています。 京セラは2400bpsの通信は出来ますということでかわそうとしています が、実売5万円近くするPHSを購入した者たちは暴動寸前です。

 MATSUDAさんのその後のメールによれば、「2月15日の発表時には、HP-200LXやWindows 3.1の対応が明記されていた」ということなので、

今頃になってWin95以外ではPIAFS利用不可というのは酷すぎます。
のは、たしかに頭に来るでしょうね。

 京セラは何らかの対応しないとまずいんじゃないの。お寺に泊まりがけで、稲盛さんのありがたいお言葉を聞くツアーに無料ご招待とか。洗脳されて、DataScopeなんかなくても稲盛さんの声がいつも聞こえるようになったりして(ひぇぇぇ)。

 マジな話、メーカからすれば、こういうマニア層って得がたい特攻隊なんです。最初の製品というのは、バグだらけだし安定しないのは常識だし、普通の人には売っちゃいけないような状態でもあるんですね。だから最初はこういうマニア層に買ってもらって、彼らが製品をいじり倒してくれて、そのフィードバックで製品がよくなっていくのが、通例です。そういう奇特な人たちなのに、ハシゴをはずしちゃまずいです。死ぬ覚悟ができていて明日特攻というときになって、突然終戦になっちゃって放心状態になった特攻隊員、あれと同じ心理状態ですね。あ、全然、話が違いますか。こりゃまた、失礼しました。

 京セラは金は返せないだろうし、この人たちも金を返されたっておもしろくないだろうから、次のDataScopeをこの人たちに半額やタダで上げるとか、開発パートナーとしてPHSの通話料ある限度分はタダとか、何か別の手を打ったほうがいいんじゃないですかね。


「Oracle・パー、MS・グー」
(オラクル)

オラクル社内から出てきたスローガンなのだそうです。

(1997/04/24)

 ほんとは、「オラクルはパーで、マイクロソフトはグー」というらしいのですが、リズムが悪いので上のようにしました。日本オラクルの中で出てきたスローガンのようです。

 どういう意味かというと、「Oracleはジャンケンのパーのように手を開いていてオープンだけど、Microsoftはグーのように手を閉じていて閉鎖的だ」という意味だそうです。よく指摘されるMSの閉鎖性、独善性、傲慢さをまた別の言葉で表現したものといえます。
 でもさ、最初に聞いたときの印象だと、「Oracleはクルクルパーのパーで何にもわかってない奴ばっかしの会社、逆にMicrosoftはグッドでグーな連中がいる会社」という意味にしか聞こえないんですけれど。こんな言葉遊びやってて大丈夫か、オラクル。あ、Oralceだからいいのか(英語の辞書で、Oracleを引いてみてね)。

それにしてもオラクルの佐野社長だっけ? 記者会見のときに、「マイクロソフトを叩き潰すためなら何でもやる」と発言したのは。こういうのは、波風を立てない日本の会社の首脳で珍しいですね。


「NTがこれに載るかい?」
(スコット・マクネリ)

来日したSunのCEOスコット・マクネリが、JavaがWindowsより優れている一例として挙げたときのお言葉。

(1997/04/21)

 都内の講演会でネットワークコンピューティングの時代をアピールしたマクネリ氏。スマートカード(ICカード、早い話が超小型コンピュータと思ってください)をみせて、前記のお言葉を。Javaはこういう小さなものからメインフレームまで動くことを強調したわけです。Javaをオープンなものにし、無料で公開した理由として、言語を独占して言葉を発するごとに税金を徴収するようなやり方はだめで、仕様はオープンにして実装で競うべきという、当たり前のことも強調したそうです。もちろん、Microsoftの金儲けや支配のやり方を批判しているわけです。Microsoftのいうオープンなんて、その独善的かつ独占的なやり方のどこがオープンなのか説明してみろといいたいくらいの、お笑いですからね。

 思わず笑ってしまうのは、ほんとに上から下まで一社でその全部をもってて、Javaの移植をやってる会社があること。もちろんそんな馬鹿力があるのはIBMです。IBMのメインフレームS/390や日本でいうオフコン相当のAS/400でJavaが動くというのは、なんかしらんけど、笑いが込み上げてくるんですよね。IBMが一番喜んでいるじゃないかな。今から30年ほど前にPL/Iという言語で、上から下までOKとやろうとして失敗したけど、Javaでいけるということでどんどんいっちゃってるんでしょうね。

 スマートカード上のJavaについて、Sunのいう「Write Once, Run Anywhere」のスローガンにケチをつけるなら、現状では標準クラスライブラリのサブセットを載せることになるということ。だからスマートカード用APIの範囲で書かないと動かないはず。でも、CPUやらを気にせず、どこのスマートカードでも動くようになるはずです。


「ジャバレンジャー V.S. ビルゲイジャー」
(「直子の代筆」)

「直子の代筆」で有名なテグレットが公開している「直子の代筆」のインターネット版、サイコーですね。

(1997/04/21)

 テグレットのWWWサーバには、「直子の代筆」インターネット版が公開されていて、「個人」の「創作」を選ぶとスーパー戦隊シリーズのオープニングとエンディングテーマの歌詞が作詞できます。

 jouwa-mlで松村靖さんが教えてくれたので、ぼくもやってみました。爆笑です。なお、暗黒戦隊ビルゲイジャーの命名は、松村靖さんによります。コーヒー戦隊ジャバレンジャーはぼくが命名しました。ジャバレンジャーのオープニング・エンディング、ビルゲイジャーのオープニング・エンディングの4つを作ってみました。なお、ビルゲイジャーについては、こちらにも収録しました。

コーヒー戦隊ジャバレンジャーのオープニング

「ジャバレンジャーのテーマ」 

●1番 

誰が呼んだか 我々は コーヒー戦隊ジャバレンジャー 

世界の愛を守るため 

いま合わせる みんなのパワー どんな悪にも負けないぞ 

ビルゲイジャーに愛はない そんな世界は許せない。 

 セリフ「ビルゲイジャー! 貴様らの思い通りにはさせない!」 

おお、われらのジャバレンジャー 

戦え、コーヒー戦隊ジャバレンジャー 

●2番 

誰が呼ぶのか 我々を コーヒー戦隊ジャバレンジャー 

世界の愛を守るため 

いま合わせる みんなの心 どんな悪にも負けないぞ 

ビルゲイジャーに愛はない 世界の悲鳴が聞こえるか。 

 セリフ「行くぞ! ネットワークコンピュータ発進だ」 

おお、われらのジャバレンジャー 

戦え、コーヒー戦隊ジャバレンジャー 

●3番 

皆が呼ぶのさ 我々を コーヒー戦隊ジャバレンジャー 

世界の愛を守るため 

いま合わせる みんなの勇気 どんな悪にも負けないぞ 

ビルゲイジャーに愛はない そんな世界にさせないぞ。 

 セリフ「いまだ、とどめのWrite Once, Run Anywhere!!」 

おお、われらのジャバレンジャー 

戦え、コーヒー戦隊ジャバレンジャー 

コーヒー戦隊ジャバレンジャーのエンディング

「ビルゲイジャーのバラード」 

●1番 

嫌いなんだよ、きれい事 心の中では誰だって 

うまくやりたいと思っている 自由に生きてなにが悪い 

われわれビルゲイジャー 自分に嘘などつかないさ 

いつかは倒すぞジャバレンジャー 

ゆけ 成毛 世界を支配できるその日まで たたかえ 

●2番 

いやな奴だよ、正義の味方 心の中では誰だって 

うまくやりたいと思っている 自由に生きてなにが悪い 

われわれビルゲイジャー 自分の好きに生きるのさ 

いつかは破るぞマルチプラットフォーム 

ゆけ 成毛 世界を支配できるその日まで たたかえ 

●3番 

恨みはふかい、コーヒー戦隊 今日も成毛は倒されて 

この次こそはと呟いた かならず倒すぞ、戦隊 

われわれビルゲイジャー 自分のために戦うのさ 

いつかは倒すぞジャバレンジャー 

ゆけ 成毛 世界を支配できるその日まで たたかえ 

暗黒戦隊ビルゲイジャーのオープニング

「ビルゲイジャーのテーマ」 

●1番 

誰が呼んだか 我々は 暗黒戦隊ビルゲイジャー 

世界のパソコンを守るため 

いま合わせる みんなのパワー どんな悪にも負けないぞ 

Javaを許したらパソコンはブラックボックスだ そんな世界は許せない。 

 セリフ「Java! 貴様らの思い通りにはさせない!」 

おお、われらのビルゲイジャー 

戦え、暗黒戦隊ビルゲイジャー 

●2番 

誰が呼ぶのか 我々を 暗黒戦隊ビルゲイジャー 

世界のパソコンを守るため 

いま合わせる みんなの心 どんな悪にも負けないぞ 

Javaを許したらパソコンはブラックボックスだ 世界の悲鳴が聞こえるか。 

 セリフ「行くぞ! 成毛発進だ」 

おお、われらのビルゲイジャー 

戦え、暗黒戦隊ビルゲイジャー 

●3番 

皆が呼ぶのさ 我々を 暗黒戦隊ビルゲイジャー 

世界のパソコンを守るため 

いま合わせる みんなの勇気 どんな悪にも負けないぞ 

Javaを許したらパソコンはブラックボックスだ そんな世界にさせないぞ。 

 セリフ「いまだ、とどめのセキュリティクラッシュ!!」 

おお、われらのビルゲイジャー 

戦え、暗黒戦隊ビルゲイジャー 

暗黒戦隊ビルゲイジャーのエンディグ

「Javaのバラード」 

●1番 

嫌いなんだよ、きれい事 心の中では誰だって 

うまくやりたいと思っている 自由に生きてなにが悪い 

われわれJava 自分に嘘などつかないさ 

いつかは倒すぞビルゲイジャー 

ゆけ マクネリ・エリソン・アンドリーセン 世界を支配できるその日まで たたかえ 

●2番 

いやな奴だよ、正義の味方 心の中では誰だって 

うまくやりたいと思っている 自由に生きてなにが悪い 

われわれJava 自分の好きに生きるのさ 

いつかは破るぞハッタリ圧力大嘘マーケアンフェア商法 

ゆけ マクネリ・エリソン・アンドリーセン 世界を支配できるその日まで たたかえ 

●3番 

恨みはふかい、暗黒戦隊 今日もマクネリ・エリソン・アンドリーセンは倒されて 

この次こそはと呟いた かならず倒すぞ、戦隊 

われわれJava 自分のために戦うのさ 

いつかは倒すぞビルゲイジャー 

ゆけ マクネリ・エリソン・アンドリーセン 世界を支配できるその日まで たたかえ 


「ActiveX = Java + porting + memory loss + viruses」
(Sunのスコット・マクネリがJavaOneで披露)

Javaで調子に乗っているSunのマクネリさん、相変わらず言いたい放題です。

(1997/04/06)

 Oralceのラリー・エリソンよりもずっと昔から、MSをこき下ろしまくってるSunのCEOであるスコット・マクネリさん。Javaが快調だし、MSのActiveXやIEは危険だとメディアが騒いたので、調子乗りまくってますね。そんな彼が、さきごろのJavaOneで披露したのが、この方程式です。

 これに付随して、ActiveXがいかに危険かをデモしてみせたそうです。この新しいActiveXコントロールは、あのExploderの作者Fred McLeanが作ったもので、いろんなことをやってみせてくれたそうです。詳しくは、 http://www.infoworld.com/cgi-bin/displayStory.pl?97043.emcnealy.htmを読んでください。

1997/06/07 補足
 Infoworldの記事は、アーカイブ入りになってURLが変わっています。今度は、http://www.infoworld.com/cgi-bin/displayArchives.pl?97043.emcnealy.htmです。Naochika Inoueさんから1997/05/30にメールで教えてもらいましたが、今日この補足を書いている次第です。Inoueさん、ありがとうございました。

1997/04/16
 日本サンの長尾さんから、さらに連絡があって、JavaOneに参加した同僚から、Memory Leaksといっていたとの証言を得たとのこと。したがって、「ActiveX = Java + Porting + Memory Leaks + Viruses」に決定します。今後使うときはこちらを使うようにします。

 それから、

US では MS が ISV に対して「今後 ActiveX のプロモーションはしない。注力するのは Application Foundation Classes (AFC) for Java だ。」と説明しているそうです。
という話もありました。これもMSとしてはわかる話。簡単にいうと、ActiveXは「きさまはすでに死んでいる」状態なの。デベロッパの吸引力はJavaのほうがあって、ActiveXは見放されつつあるわけ。日本くらいじゃないの。いまからActiveX勉強しようなんていう呑気な商売やってるプログラマがいるのは(半分嘘だけどね。でもActiveXは作れても当たり前にだし、大した商売にもならないのね)。企業のイントラもサーバサイド+Javaベースでどんどん話が進んでいて、とくにIBMの牽引力がやっぱすごいのね。いまさらActiveXはなあ、という感じがするしね。

 NTが好調といっても基幹サーバはメインフレームやUNIXだし、NTもBIOS扱いでその上のミドルウェアやサーバは、IBM、Lotus、Oracle、Netscapeがかなり押さえているし、しかもみんなJava陣営だからね。MSはJavaで主導権握らないと苦しいからつっぱってるんだけど、JavaにコミットすればするほどActiveXもWindowsも比重が軽くなっちゃうし、自分の首を絞めるから、生きる道がどんどん狭くなっているけれど、そこにしか行けないように仕組まれちゃったから。

 NCも銀行やらも含めて先進企業ユーザに数千台、1万数千台といった規模で試験導入が始まって、実際にどれくらいのTOC削減が達成できるか現実の実証フェーズになってるもんね。ここで期待外れだとNCも終わり。期待通りなら一気にブレークするでしょう。その上に、IBMなんかJavaベースでサンフランシスコプロジェクトで金融フレームワーク、どかーんだもん。MSはなんとかNetPCにWindowsとActiveXの遺産を引き継ぐ道をつけておかないとヤバいもんね。

 普通に考えるとJavaやってる奴は、NetscapeのIFCとそれの発展形としてSunとNetscapeが作っているJFCを使うようにするよね。Java本流でリスクが少ないから。AFC使う奴少ないでしょ。Windows上ならまだしもいくら100% Pure JavaといってもAFCだけでソフト書くと首を絞めちゃいそうだもんね。

 霊能力者ゼロのおれ(出たあ!!)があれを書くと差し障りがあるから書かないけれど、MSも先はちょっと苦しいし、いま必死だよね。信じる?

1997/04/11 補足
 日本サンの長尾さんから、上の方程式は、 JavaSoft(実際にあるのはJavaWorld)のページにあるものと違うという指摘がありました。そのページにあるのは、
「ActiveX = Java + Porting + Memory + Leaks + Viruses」
という式です。両方の式を比べると両方とも間違っていて、
「ActiveX = Java + Porting + Memory Leaks + Viruses」
が正しいのではないかと思えてきますね。「memory loss」や「Memory + Leaks」より、「Memory Leaks」のほうが、Javaはガベージコレクションで自動的にメモリ管理をしてくれるのに、ActiveXはそうではないことが的確にわかりますから。

 ということで私としては、
「ActiveX = Java + Porting + Memory Leaks + Viruses」
を方程式として採用したいと思います。上のお言葉そのものはそのままにしておきますが。


「平成ネズミ講の手口」
(週刊ダイヤモンド1997/03/22号)

KKCやNESなど、いまだ繰り返されるネズミ講を追った特集です。

(1997/03/21)

 ネズミ講やマルチ商法は破綻するのがミエミエなのに、引っかる人が絶えませんね。この特集を読むと、KKCやNESのほかにも、オレンジ共済やココ山岡の手口のどこに、被害者が引っかかったかがわかります。日本の社会システムとしての講自体の話も、ぼくは面白かった。

 それにしても、資本主義の免疫がなかったアルバニア。国全体がネズミ講状態になって破綻して、いまや内戦で血で血を洗う状態。無知であることの罪の重さのすさまじさを感じざるを得ません。おれら小さいときは、熊本の天下一家の会の事件で大規模ネズミ講被害が発生したのをみてるし、その残党がやった国利民福の会の事件や、会長が報道陣の目の前で惨殺された豊田商事事件も、リアルタイムでみてきてるから、免疫があるけど、いまの20歳前後の人って、免疫がないから、ひっかかりやすいんでしょうね。

 ってなこと偉そうにいってるけど、おれも、牛の預託システムって面白そうだななどと興味をもったりしたので、やっぱだまされるときって簡単にだまされますね。いま、この牛の預託システムが一番警戒したほうがいいんだそうです。


「ウィンドウズ御殿」
(成毛邸)

マイクロソフトの成毛社長、杉並に建てたお宅が、ウィンドウズ御殿と呼ばれているそうです。

(1997/02/26)

 ストックオプションで建てたお宅が、3億円の豪邸だそうで、ご同慶の至り。これ、ほんと、よかったよな。ウィンドウズ御殿は、いってみれば、アスキーの倉庫番から叩き上げて、あの地位まで成り上がった勲章だからな。ゴマスリ野郎だとか、口先男とか、業界じゃいろいろ馬鹿にされたり軽蔑の言葉を吐きかけられるけど、金だけは儲かったわけだからね。それにおれが、今年Microsoftを買収することになっているが(爆笑)、そのあとだと、株価暴落で、ストップオプションなんて紙切れになってからね。いやあ、よかった、よかった。


「CPUを内蔵するNCすら必要ない」
(某技術者)

これは、相当に見極めたお言葉ですね。

(1997/02/26)

 ASAHIネットからPC Week日本版のWWWサーバに転載されているOn The Moveの連載のうち、「Java DAYとNC(On The Move #45)」を読んだある技術者の方が、送ってくださったお言葉です。商品開発上の秘密もあるので、詳しくは述べられないとのことでしたが、この言葉からは、いろいろなことが想像できます。あれやるのかな、これやるのかな、って、なんだかわくわくしません? あ、しませんか。そうかもしんないすね。(^^;


「無知は罪」
(MS ExchangeやIEのユーザへ)

いままでも、Exchangeクライアント(Win95の受信トレイ)やInternet Explorer(ブラウザもメールもニュースもそう)が、どれだけインターネットに迷惑をかけてきているかを、いろんな人が指摘してきましたが、やっぱり知らずに使って非難される愚かな人(早くいえば馬鹿)が後を立ちません。世界中に迷惑をかけるんだから、もはや「無知は罪」ですよ。お気をつけください。

(1997/02/16)

 On The Move #44の「マイクロソフトの冷感商法」で、とんでもないUser Agent名を送ってくる馬鹿ブラウザの例として、Microsoft Internet Explorer(以下IE)とともに、ぷららブラウザを採り上げました。ぷららブラウザを配布しているGRRから連絡がありました。この馬鹿なことをやっていたのはV1.2だったそうで、気づいて直して、いまはV1.3になっているそうです。そしてこれが重要なのですが、

インターネットの規約に違反しているブラウザを使わないように、お詫びとともにV1.2のユーザ全員に、V1.3のブラウザのディスクを配布した

そうです。

 これがまともなメーカがやることであり、責任ある企業の態度というものです。 ではマイクロソフトはどうでしょうか。厚顔無恥な会社ですから、もちろんいまだに改善せず、公害ソフトだからサーバから撤去せよといわれても馬耳東風(これらは、昨年からいわれています)。サーバからどんどんダウンロードさせるのみならず、雑誌や本に付けてばらまいています。無知なユーザがExchangeクライアント(Windows 95の受信トレイ)、IEのブラウザやメール&ニュースを使ったがために、いままでどれだけの人間が迷惑してきたことか。何も知らずにExchangeやIEを使い、世界中に公害を撒き散らしている愚かなあなた。

「無知は罪」です。

 どうしても使いたいなら、ちゃんと設定して、(そして設定では逃れられない部分もあるので)非難や攻撃を受ける覚悟をもって使ってください。自己責任とはそういうことです。そういう責任が取れないのなら、ただちに使うのを止めるべきです。

 それから、問題点の指摘や正しい使い方も教えず、こういう公害ソフトのばらまきに手を貸してきている出版社の連中。そして安易にIEをバンドルしてきているハードメーカ。あなた方は明らかに共犯です。日本では、これらの出版社やメーカに報復行動が起こされる可能性は低いとはいえ、相応の見識と覚悟をもって行動すべきでしょう。あとから知りませんでしたは通用しません。といっても、そういう見識がパソコン雑誌関係者やメーカにあれば、もっとまともな業界になってるはずですけれどね。

 MSのインターネット製品を使うとどんなトラブルに巻き込まれるか、そしてそれが他人にどんな迷惑をかけるか知りたい人は、以前のお言葉をご覧ください。たとえば、

があり、「マイクロソフトの冷感商法(On The Move #44)」でも、いくつかの問題は取り上げました。

 こんなふうに、マイクロソフトの製品が日々トラブルを起こし、しかも改善されないので、インターネットのコミュニティ、サーバの管理者などはかなり頭に来ています。だから、マイクロソフトはインターネットにテロ行為を行なっているなどと非難もされ、ExchangeやIEを使っている人が、テロの実行犯や共犯かのように非難されることがあるのです。それもいままでの経緯やマイクロソフトの態度を考えると、無理からぬ面もあります。そういうのに巻き込まれないための一番簡単な方法は、「使わない」ことです。


「マイクロソフトの冷感商法」
(On The Move #44)

アメリカでも日本でもマイクロソフトは、自ら好んでイメージダウン、信用失墜を図っているかのような馬鹿なことばかりやって、個人ユーザや企業ユーザの信用を失いつつあります。
ソフト自体の品質の問題(いま一番企業ユーザを悩ませているのが、NT4.0の問題)、サポートの馬鹿さなどを、ずっと指摘されているにもかかわらず、官僚的な硬直した対応しかできていません。自分が被害に遭って、ようやくマイクロソフトのひどさに気づいた人が増えているのも当然でしょう。

(1997/02/16)

 これはPC Weekに転載された「マイクロソフトの冷感商法(On The Move #44)」を、読んでもらえればいいです。ほかの事例が知りたいのなら、「暗黒の帝国マイクロソフト」をご覧ください。


「NTバブルの危機」
(日経コンピュータ1997年1月6日号)

宣伝文句につられてNTを入れたものの、美辞麗句と現実とのあまりのギャップのひどさに、NTを使ったシステム開発が破綻する企業が続出しています。

(1997/02/09)

 前々からいくつかは、話を聞いてはいましたが、こんなにひどいとは、さすがのぼくも思いませんでした。とにかく、NTを導入しようと考えている企業や組織の担当者で、まだこの特集を読んでない人は、絶対に読むべきです。普通、企業や組織の情報システム担当なら「日経コンピュータ」は読んでいるだろうと思っていたのですが、ASAHIネットのjouwa/salonの反応をみていると、そうでもない人もいますね。
 「日経コンピュータ」は書店売りをしていないので、年間購読でないと読めません。だから、購読してない人は、この1997年1月6日号だけでもバックナンバーとして購入するか、この特集だけの別刷を売ってもらえるのかどうか、日経BP社読者サービスセンター(TEL 03-5696-1111)にでも、訊ねてみてください。

 今年初めに読んだとき、すぐ警告としてホームページで推薦しておくべきだったのですが、遅れてすみません。この業界にいれば、普通、日経コンピュータぐらいは読んでるから、わざわざ知らせなくてもと思ったのも遅れた原因です(ASAHIネットのjouwa/salonでは、すぐ話題沸騰になりましたけれど)。しばらく、この記事だけで、お言葉が作れるくらいです。
 ぼくはNTは部門サーバとしてはいいOSだと思っています。もちろん、自分で管理できるという前提があってのこと。管理できないなら部門サーバとしてもNTは使い物になりません。そんなこと、みんな知ってるもんだと思っていたけれど、世の中、お人好しというかカモというか、NTが騒がれるとそれでシステム作らないと将来がないかのように思って闇雲にNTを入れようとする馬鹿な企業が多いのには驚きますね。冷静に比較検討してOSを決めるユーザ企業が、少数だなんて。企業の生命線を託すシステムに対して、その程度の検討しかしない、そんな馬鹿な企業は、カモになって当然かもしれません。
 安易にNTを導入すると、人、金、労力、時間がどんどん食いつぶされていくのに、バラ色の宣伝文句を無邪気に信じて、あとで真っ青になる馬鹿な企業が多いんですね。何千万円何億円もの金と、何年もの時間を無駄にして、ようやくNTは使い物にならないことに気づく企業の多いこと。今年、我先にとNTを導入している企業のシステムが、どれくらい破綻するか楽しみです(苦笑)。


「野村BPRにおけるNTはあくまでもクライアントと支店サーバーのOS。ダウンしたらビジネスに大きく影響するシビアなアプリケーションは一つもない」
(日経コンピュータ1997年1月6日号から、野村総合研究所の見解)

マイクロソフトは、NTが基幹業務で使えるといって盛んに売り込んでいますが、それは大嘘であり、会社ぐるみの詐欺的な営業だといえます。

(1997/02/09)

 マイクロソフトが、NTが基幹業務で使えるといって、売り込むときに引き合いに出すのが、野村證券の野村BPRと呼ばれるプロジェクトです。マイクロソフトの長谷川常務からして、野村BPRの基幹業務にはNTが採用され、そのおかげで見事に成功しているかのような言い方で営業をしていますが、これは大嘘。常務からしてこれだから、会社ぐるみの詐欺的営業といえるでしょう。

 ということでこの話題、MSの暗黒面の事例なので、申し訳ないですが、こちらに飛んでください。


「質問、1個、2万円」
(マイクロソフト日本法人、NTのサポート)

 マイクロソフトのサポートは、腐っています。サポートなしではにっちもさっちもいかないNTなのに、サポートレベルは値段に値しない質の低さです。これでは、マイクロソフトのサポートが不安だから、NTの導入を止めた企業、企業には薦めにくいというSI(システムインテグレータ)業者、SP(ソリューションプロバイダ)業者がいるのも道理です。

(1997/02/09)

 これはASAHIネットに連載している「On The Move #44」に書いたので、詳しくはそちらをお読みください。そのうち、PC Week日本版のサーバに転載されるはずです。

 これだけではなんですし、MSの暗黒面の事例なので、申し訳ないですが、こちらに飛んでください。


「年賀状メールは止めませんか」
(おれから)

毎年この時期になると、インターネット関係者を悩ますのが、年賀状やクリスマスカードのメールです。一気に集中して出されるために、メールサーバが破綻するからです。

(96/12/14)

 今年(1996年)の正月は、Niftyが破綻しました。数日間にわたって、Niftyは全然メールがインターネットとやりとりできませんでした。その後復旧したはいいけれど、馬鹿なことに、たまっていたメールを一気に放出したもんだから、ほかのプロバイダやサイトに鉄砲水状態でメールが流れ込んで、メールサーバが連鎖的に破綻しました。図体がでかいんだから、影響を少しは考えればいいのに、ほんとそういうこと考えないのね、Niftyって。だから日本のネットワーク界のガンだといわれたり、会員が馬鹿にされたりするわけです。

 そもそもNiftyのインターネットメールは、慢性的に破綻の危機にあって、ずいぶん配送に時間がかかります。「PC Week Wire」というPC Week日本版がやっている電子メールの日刊業界新聞がありますが、それに載っていた実測値だと、たしかNiftyへは2時間か3時間かかるんですよね。一番よかったASAHIネットへは、2秒か3秒だったか、桁を間違えていたとしても2分か3分で届いてました。実際、原稿を受け取る編集者がNiftyでしか受け取れない場合、数日前に出さないと届かないことがあって、困っています。

 そんなわけで、年賀状やクリスマスカードのメールを送れるサービスがいくつも登場していますし、年賀状やクリスマスカードをメールで出したいのはわかるけど、インターネットの初心者ユーザのみなさん(とくに会員が多く、システムがタコいNiftyのユーザのみなさん)、そういうのは虚礼廃止で控えてほしいものです。出すにしても3日すぎてからとか、下手するとそのあたりで破綻しているだろうから、10日すぎくらいになって出すとかね。年賀状の画像をバイナリメールで送るなどという、馬鹿なことは決してしないでください。自分のホームページに画像をおいて、そのURLだけ知らせればいいじゃないの。


「NetscapeがNovellを買収するってほんとですか」
(某噂好きから)

今年の夏ごろからある噂です。

(96/11/11)

 これは今年の夏ごろからある噂です。Novellの買収については、いままでにもIBMやAT&Tといった必ず出てくる名前も例によっていままで登場しました。この噂に限らず、たとえばIBMがAppleを買収するなどといった買収話のほとんどは、株屋が情報操作としてひと儲けをたくらんで流していると相場が決まっています。株は思惑で動きますから、口先だけで株価が動くからです。

 今回のNetscapeがNovellを買収するという話は、たぶんPC Weekの記事あたりを読んでの質問だと思いますが、これ、Netscapeにメリットがあるとは思えないんですよね。たしかにぼくならNovellのNDSはほしい技術です。クイズのほうでもNTのドメイン管理は破綻しているという問題がありましたが、NDSはすでに実績も積んでいるし、ほんとに使えるディレクトリサービスです。このためだけにNetWare4.1にする価値があるという人もいるくらいです。それを手に入れて、LDAPでアクセスできるディレクトリサーバに統合できれば、NetscapeのSuiteSpot Server群の中でも非常に魅力的なものになるでしょう。あとほしいのは、営業的にはNetWareの膨大なインストールベースということになりますが、実際買収しちゃったあと、顧客だけNetscapeの製品群に吸い上げて、NetWareを捨てられるならいいですけど、そうはいかないでしょう。とすると2つの製品ライン、しかもイントラネットでは競合する面もある製品を売り分けないといけなくなって、そのデメリットと考えるとメリットがほとんどみえてこないんですけどね。いまのようにNavigatorをIntraNetWareにバンドルする、あるいはSuiteSpot ServerのNetWare版を作るくらいの距離が、Netscapeとしてはいいポジションだと思います。つまり、株屋がNovell株をつり上げて売り抜けるために流した噂だと思います。


「中村さんて、お笑い系だったんですね」
(某読者から)

私がアホでお笑い系であることが、ばれてしまいました。

(96/10/16)

 私はコワモテだと思われていますが、実はお笑い系であることがばれました。「Tech B-ing」'96年11月号に、アホ面が載っているからです。元々、私が、鈍くてタコで人間のクズであることは、昔から私を知っている人は知っていたのですが、最近は、いわゆるひとつのヤングボーイですか。パソコン初心者が増えましたからねえ、ハイ。それを知らない人が増えて、ラッキーイニングだと思っていたんですが。いやあ、みんなチェック厳しいですねぇ。「おれに関する噂」みたいね。遊びに行けないよぉ。


「MSKKがまたネガティブキャンペーンをやってるようですね」
(某読者から)

ジャストシステムの一太郎7が非常に好調な滑り出しを見せているせいでしょう。MSKKは、一太郎7のネガティブキャンペーンをやっていると、ジャストシステムが指摘しました。

(96/09/21)

 これは、PC Watchの記事をみると概要だけはわかります。つまり、一太郎7に対抗するためにMSKKがやったWordのキャンペーンで、一太郎7を不当におとしめるネガティブキャンペーンをやっている部分があるという指摘です。

 ライバル会社のやり方に、マスコミに対してだけとはいえ文書で公表しているわけで、日本では珍しいですからよほど腹にすえかねたのでしょう。こういう積み重ねで、マイクロソフトという会社の危険性を、一人でも多くの日本の人たちが認識するようになるといいですけれど。

 ということでこの話題、MSの暗黒面の事例なので、申し訳ないですが、こちらに飛んでください。別に集めたくて集めているわけじゃないんだけど、MSとMSKKはこの手の話題が多すぎますよねぇ。ため息。なんかさぁ、もっと心が晴れやかになるような、お言葉ってないですかねえ。

 そうそう、PC Watchの記事に一言いっておくならば、なぜ、PC Watchはジャストシステムが送ってきた文書の内容を公表しないのだろう。思わせぶりな書き方をしておいて、プレスリリースじゃないので公表しないというのは、メディアとしておかしいし、読者/ユーザからすれば理由になっていない。日本のマスコミは、記者クラブ制度によって官公庁企業のプレスリリースを垂れ流す御用ジャーナリズムとよくいわれるが、PC Watchの理由説明はそれに相当する。それでいて、今回の論争は、Web上でユーザーの目に触れる形でやってほしいものだなどとご高説をたれている。それをいうくらいなら、さっさと公開した上で説教を垂れてほしい。文書を公開して、ユーザーの目に触れる形にするのが、メディアに期待されている役割だろう。ジャストシステムが出した文書の存在を明らかにしたという点では、評価できるが、その先をやってもらいたい。機密文書でもないし、なにも全文丸ごと公開する必要もなくて、ポイントをうまく整理して出すこともできるし、手はいろいろあるんだから。今後を期待しています>PC Watch

補足(96/09/29)

 PC Watch編集部から今回の件について回答があったので掲載しておきます。それからジャストシステムがマスコミ各社にFAXした文書も入手できましたので、掲載しておきます。

 PC Watchの記事はすでに訂正されていますが、元の記事では、プレスリリースではないのでジャストシステムの文書の内容に触れないという理由が述べられていました。これはメディアとしてあるまじき姿勢でした。ところが、編集部からの回答や訂正された記事を読むと、ジャストシステムがプレスリリースではないので公表しないでくれと要請したことがわかります。これは広報としてはあまりにお粗末。一度マスコミ各社に会社名で配布した文書なのに、プレスリリースではないから公表しないでくれは、通用しません。そしてプレスリリース以外については報道を許さないかのような要請は、言論統制として厳しく責任を問われかねないものです。これでは対外広報活動をなめているといわれても仕方のない失態です。しかも内容はといえば、他愛のないものです。今回の件で一番ミソをつけたのが、ジャストシステムの広報でしょう。これでMSKKのキャンペーンに対抗するつもりなら、広報の教育からやり直さないとむずかしいでしょう。MSKKの広報も似たりよったりなのですが、日本のソフトハウスの広報って、程度がずいぶんと低いと思うことがしばしばです。みなさんは、どうお感じでしょうか。

 次にやはり指摘しておかなければならないのは、PC Watch編集部の姿勢です。ジャストシステム広報の「プレスリリースでないから公表しないでくれ」を受け入れたのはまずいことでした(逆らうと出入り禁止になるなど、受け入れざるを得ないという日本のパソコン雑誌界が抱える問題も背景にあります)。しかしこれを受け入れるようになると、プレスリリースすなわち大本営発表しか掲載できなくなります。しかもプレスリリースなら、いまや各社のWWWサーバに掲載される時代です。わざわざ雑誌が載せる理由は急速に失われつつあります。
 今回の件は、PC Watch編集部が述べるような、文章力うんぬんの問題ではなく、メディアとしての基本姿勢に問題があったととらえるべきです。ただし、あとの処置が迅速に行われたことは評価できます。これからもこの姿勢を忘れないでほしいと思います。
 日本の新聞やテレビは、俗に発表待ちジャーナリズムとか、大本営発表垂れ流しジャーナリズムと呼ばれます。これはマスコミ大手各社が記者クラブという端的にいえば談合組織を作って、官庁や企業の発表をもらっては紙面や番組で「報道」と称して、垂れ流している状況を皮肉った表現です。この現状については、マスコミ内部からも海外のジャーナリストからもたびたび弊害が指摘されています。PC Watchにはそうならないよう努力していただきたいものです。官庁や企業がどんどんインターネットで情報を発信するようになって、単なる情報の横流ししかやってない連中や記者クラブが、淘汰されるようになると面白いんですけれどね。


「NTS = NTW + おまじない」
(NTハッカー)

泥沼化しているNT4.0のライセンス問題。MSは、NT ServerとNT Workstaionは全然別のOSと主張しているにもかかわらず、同じOSであることが明らかになりました。

(96/09/12)

 NT4.0 WorkstationにはTCP/IPの同時接続数制限があることが発覚し、NTW(NT Workstation)でWebサーバなど各種サーバを動かそうとしていて、ユーザやライバル各社からひどい非難を受けました。MSはソフトからは制限をはずしましたが、今度はライセンス条件を書き直し、やはりNTWがサーバとして使えないような措置を講じました。これがまた強い反発を招いており、この問題は泥沼化しています。

 MSはNTS(NT Server)は、NTWとは全然別のOS。NTWはサーバには向いてない。NTSがサーバOSなのだという主張を繰り返してきました。しかし、その主張を覆えす事実が明らかになりました。すなわち、NTWにちょっとおまじないをするだけで、完全にNTSになるのです。

 ということでこの話題、MSの暗黒面の事例なので、申し訳ないですが、こちらに飛んでください。


「MSがまた汚い手を使っているって本当ですか」
(某読者)

MSがIE3.0の売り込みにおいてあれやこれや汚い手を使っているという話題が、先週からアメリカのオンラインパソコン各紙をにぎわせているのは事実です。そしてNetscapeが、司法省に調査を依頼する書簡を提出したのも事実です。

(96/08/27)

 NetscpapeとMSによるブラウザ戦争は、バグだらけのものをばらまくユーザ不在の競争になっていることを最大の問題として認識すべきでしょう。その状況下で、自由で公正な競争が行われているのならまだしも、MSがダーティな手を使っていると非難されています(MSのダーティさを知っている業界関係者なら、またいつもの手を使っているなと思うでしょうが)。消費者としてはとても容認できるものではないというのが、アメリカ市民の考え方です。そこを踏まえて、アメリカのパソコンジャーナリズムは大々的に報道を繰り返しているのです。メーカの囲われ者が大半の日本のパソコン雑誌では、なかなか考えられないことです。こういうのを見るにつけ、日本のパソコンユーザは不幸だし、日本のパソコン雑誌を読んでいるだけではどんどんメーカの都合のいいように洗脳されて馬鹿になって、いいカモにされるのがわかります。

 ということでこの話題、Netscapeが司法省に調査を依頼した内容には、NT4.0のライセンス問題もからむ(これもユーザには大きな影響があります)し、MSの暗黒面の事例なので、申し訳ないですが、こちらに飛んでください。


「MSは公害企業か」
(某インターネットユーザ)

マイクロソフトのIE3.0は、正式版になってもインターネットにとって迷惑なソフトのままです。使わないほうが賢明です。

(96/08/27)

 IE3.0のベータ版はインターネットに腐れメールを流す迷惑なソフトであることを指摘しました(下記参照)。正式版になってもそこで指摘されたことは基本的には直っていません。メールやニュースでの本文のエンコーディング指定が正しくないし、MIMEを使うとヘッダに半角カナを直接書き込むという大技を披露してくれます。しかもこれ、試した限りどんな設定をしてもユーザが関知できないところでソフトが勝手にやってしまいます。

 出してはいけないメールやニュースがどんどん流れてしまうことになります。非難を受けるのはあなたやあなたの会社や組織です。ポストマスターも大変です。直るまでは使わないほうが賢明でしょう。私の会社では使用禁止です。こんな問題で時間が割かれるのがばかばかしいからです。

 ActiveXのセキュリティの問題も判明しました。これを含めて2つの大きなバグのパッチは英語版なら公開されています。しかし英語版パッチを日本語Win95にあてるとWin95がおかしくなるので日本語版パッチが出るまで待ちましょう。ActiveXは本来何もセキュリティを考えていないOCXの延長技術ですから、今後もセキュリティの問題はいろいろ出てくると想像できます。

 ほかにもJavaScriptは全然だめです。GAMELANで試してみればわかりますが、多くのJavaScriptプログラムが動きません(当然Netscapeでは動きます)。これでJavaScript対応とはおこがましいでしょう。Java自体も、NetscapeやHotJavaでは正常に動くものが、うまく動きません。こういう非互換を放置してほしくないものです。MSの狙いとしては非互換を放置することで、VBScriptやActiveXに引き込みたいのかもしれませんが。

 それにしても、よくこんなので出荷できたなと思います。たびたび指摘されていることですが、MSとMSKKにはインターネットの日本語技術がわかる技術者とテスト担当者がいないのでしょう。MSは自分に都合のいいルールを決め、雲行きが怪しくなるとまた勝手にルールを変えるといったことでいままで支配力を発揮してきました。しかしインターネット技術にはすでに守らなければならないルールが多くあり、自分勝手にルールを変更することはできません。だからMSはこのように苦しんでいるのです。しかしその苦しみをユーザに責任転嫁させるようなソフトをばらまくようでは、公害企業のそしりを免れません。


「IE3.0はO-157か」
(某インターネットユーザ)

マイクロソフトのIE(Internet Explorer)3.0は、現在ベータ版が無料配布されていますが、Exchangeの反省もなく、インターネット界では、またしても迷惑なソフトとして非難されています。

(96/08/08)

 Win95付属のExchangeのインターネットメールが、インターネットコミュニティに迷惑を引き起こしているという指摘はすでに行いました。その反省はマイクロソフトにはなかったようです。

 というのは、IE3.0とともに使うニュース&メールソフト(これも無料配布)もひどい出来で、とんでもないメッセージが流れてしまうと評判だからです。詳しい話は、fj.news.usageでの議論を参照していただきたいのですが、簡単にいうなら、シフトJIS、半角カナあり変態MIMEマルチパートメッセージを平気で流してしまいます。しかもこれはユーザが手を出せないところで勝手にやられてしまうので、ユーザは知らずにそんな記事を投稿して、多くの人からぼこぼこに文句をいわれている事例があります。

 すでにExchangeという前例がありながら、こういう掟破りを相変わらず連発してしまうマイクロソフトには、インターネット技術がわかる人間も、指導できる人間も、品質をチェックできる人間もいないのでしょう。日本語化も単にシフトJISが通ればいい、メッセージを日本語化すればいいというレベルです(日本語にするとまずいところも、日本語にしてたりしてね)。訳もわからず、ただひたすら闇雲にやっつけ仕事をこなしているだけのようです。

 その他、IE3.0ベータではさまざまな問題が指摘されています。

 ベータ版だから使う使わないは、自分の責任においてやることです。何があろうがインストールして使った人間の責任だといえばそれまでです。ただ、こんなレベルで製品化されたら、社会的な迷惑です。さらにはOSに統合されて、ハードにプリインストールされて出荷され、ということになって、何も知らないユーザが使い出すと大混乱でしょう。

 ニュース&メールの件は、マイクロソフトはそれでよくても、インターネット全体に迷惑がかかるので、お粗末では済まされません。なんとか製品までには、まともにしてから出荷してほしいものです。しかしながら、アメリカでのIE3.0の出荷はまもなくといわれます。日本語版はそれとほぼ同時ともいわれますから、残された時間はあとわずかです。社会的な責任を自覚して、きちんとした仕事をして、出荷してもらいたいものです。

 とりあえずの予防策(まるでO-157みたいですが)は、使わないこと、これに尽きるでしょう。IEを使いたいにせよ、製品が出て、評判を聞いて、指摘されている問題がどれほど直っているかを確認して使うべきでしょう。それを怠るとあなたにいわれのない(しかしIE3.0が原因になっている)非難が降りかかってきかねないのですから。


「イントラネットにはどのソフトがいいのでしょう」
(某社の情報システム部)

(96/07/23)

 現在実績のないExchange Serverは論外としても、豊富な実績を持つNovell GroupWiseやLotus cc:Mail, Lotus Notesでさえインターネット技術の前に存亡の危機に立たされています。それはなぜでしょうか。イントラネットをオープンなインターネット技術を使った企業の情報インフラだとすれば、これらのソフトはオープンでない独自技術を使っている点が、嫌われ始めているのです。オープンでないソフトを使うと、そのソフトの機能や進化スピードに企業の情報インフラが左右されてしまいます。そこで多数の互換品が入手できるオープンなインターネット技術を直接サポートするものに、人気がシフトしつつあるのです。

 この急速に立ち上がりつつある市場を開拓するために、Lotus, Microsoft, Netscapeは盛んに宣伝をし、インターネットでもセールストークを流しています。たとえばLotusは、こういう比較をやっていますし、Microsoftはそれに反論しています。Nescapeもこういう比較をやっています。どれも自分に都合のいいシナリオで数字を積み上げているのです。

 この手の宣伝合戦はエスカレートします。たとえばMicrosoftは、同社のIIS(Internet Informaion Server)のベンチマークの数字を自社に有利なものにしているというので、ライバルから非難され、問題になりました。知らない方は、こちらをご覧ください。このようなありさまですから、導入に際しては、これらのセールストークに惑わされず、いや、逆にこれらのセールストークを数多く集めて十分比較検討することが重要です。

 ちなみにNotesは、Dominoでインターネットの各種プロトコルの直接サポートを開始しました。これで生き延びる可能性が高くなったというのが、アナリストたちの評価です。いま、LotusDominoのサーバにいけばベータ版もダウンロードできます。
 Netscapeの考えているイントラネットの将来象は、ロードマップを読むとわかります。Netscapeが好き嫌いに関係なく、これは必読です。同社のその他のインターネット技術の解説はここからたどれます。現在のサーバ群の説明は、Server Centralに行けば読めます。試用のためにダウンロードもできます。LotusにしろNetscapeにしろ、せっかくのチャンスですから自分の目でよく確かめてください。
 MicrosoftのExchange Serverも年内を目標にインターネットの各種プロトコルをサポートするといっています。しかしまだベータ版はありませんし、現在のサーバ群もIIS以外はダウンロードして試してみることができません。同社は、IEとIISをタダで配っていますが、つまるところNTとBackOfficeに囲い込み、そこで金をとるつもりでいることがわかります。NTとBackOfficeに縛りつけられることを、どれくらい好み、どれくらい嫌う人がいるか、それがMSのイントラ市場での成功を左右するでしょう。

 結論は平凡です。あなたの会社の業務内容や仕事のやり方などを、ちゃんとしたコンサルタントに分析してもらい、必要なシステム設計と情報インフラの整備をどうするか、しっかりしたシステムインテグレータも交えて協議することです。そしてインターネット標準に投資することです。そうすればおのずとどうすればいいのかが見えてくるでしょう。


「インターネット資格検定試験は何のためにあるの? 持ってるといいの?」
(インターネット初心者)

(96/07/14)

 この資格検定試験は、アスキーサムシンググッド,NTTラーニングシステム,NTT,アスキー,およびマイクロソフトの5社がやりますが、昨今、関係者の間でこれほど失笑を買った資格検定試験もないでしょう。結論をいえば、この試験は、NTT、アスキー、マイクロソフトのお金儲けのためにあります。決してインターネットのためでも受験者のためでもありません。問題はいくつもあります。

 まずなにより、カンニングやり放題です。いやしくも資格検定試験でカンニングやり放題とは太っ腹です。こんな資格では、持っていても社会的なステータスはありません。むしろ、恥ずかしいだけですし、真面目に勉強して取っても、カンニングしたと思われるのがオチです。

 インターネット資格検定試験といいながら、第1回の問題はマイクロソフトのIE(インターネットエクスプローラー)に関する問題にするそうです。市場シェアが8割を超え、多くのユーザがいるネットスケープナビゲータに関する問題なら、まだインターネットを名乗る資格がありそうですが、IEの問題でインターネット資格試験を名乗る資格などありません。

 以上から、この資格試験は、ブラウザの市場シェアで圧倒的に劣勢にあるマイクロソフトが、資格検定試験の名をかたってIEの洗脳浸透を狙ったマーケティングだと解釈するのが最も合理的です。いずれはインターネット資格検定試験の名で、同社が売り込んでいるWindows NTやExchange Server、BackOfficeに関する問題が出るのは時間の問題でしょう。

 ついでにいえば、マイクロソフト(日本法人)のIEのページには、半角カナが使われています。知っている人はこれだけで、マイクロソフトのインターネットに不安を感じるでしょうし、いかにマイクロソフトがインターネットを知らないかに気づきます(これを読んだらすぐ直すかもしれませんが)。以前指摘したように、Exchangeの文字化けメールの話もあります。インターネットにむしろ害を与えているといえるマイクロソフトが、インターネット資格試験に加わるというのが、すでに悲喜劇の始まりです。日本のユーザは、ほんといいように食い物にされているというのが実感です。

 以上だけでも、どこに彼らのいう客観性があるのか疑問です。しかし逆にいえば、素人から金を巻き上げるには、とてもうまいところに目をつけたといえますから、ほめるべきでしょう。結局ユーザは馬鹿なんだから、宣伝とイメージ作りさえうまくやれば儲かるというのが彼らの本心ですし、これまでは、それで実際にパソコンもソフトもうまく売ってきたわけですから、実績があります。年間10万人の受験を見込んでいるそうですから、実際ひっかかる人は多そうです。学生なんか就職に有利だなんていわれて、受験するかもしれません。もっともわかってる人事なら、こんな怪しい資格商法に引っかかるようなマヌケな学生から落とすでしょうけれど。

 アスキーはいつ潰れてもおかしくないから、こういう商売に手を出すのもわからないではないけれど、NTTがこういう怪しげな商売に手を出しているのは、公益性の高い独占法人としてはどうなのでしょう。非難されてもおかしくありません。郵政省や郵政族の分割推進派、同業他社に口実を与えかねないと思うんだけど、通信の独占にあぐらをかいているから、なんでもやるんでしょうかね。リクルート事件のようにならなければいいんですが。

補足(96/07/23)

 情報処理技術者などの公的資格は持つ価値があるのか、知りたい人もいらっしゃるのでここでぼくの考えを述べておきます。

 情報処理技術者などの公的資格なら持つ価値があるのかといえば、少なくともプロの間では情報処理処理技術者の1種や2種を持っていても、それだけで相手にされることはありません。プロの間では資格や肩書きではなく実力が重視されますし、1種や2種は、受験テクニックさえあれば、実力とは関係なく、数日あるいは一夜漬けでも取れる程度の資格だからです(実際ぼくはそれで取れてしまいました)。出題に関しても、現状のコンピューティングを反映しておらず、古い問題が多いこともしばしば指摘されます。情報処理技術者なら特種だけが、ある程度は実力があることを示している資格でしょう。

 コンピュータ業界の公的資格では最も古い部類の情報処理技術者でもこの程度です。ほかは推して知るべしです。ぼくの学生時代(1980年代前半)、パソコンだかマイコンだかの資格試験が新設されました。ぼくの先生のところにそれを運営する、そして役人の天下り先にもなる財団法人だか社団法人だかから、手紙が来ていました。まだ先生が了承するもしないもないのに、勝手に理事あたりに名前が載っており、パンフレットまでできていて、事後承諾を求める手紙でした。昨今のマルチメディアどうのこうのといった、流行りに便乗した資格は、これくらいのいい加減さで作られると思っておくほうが、いいのではないでしょうか。

 では、資格は持つ価値がないのでしょうか。これが世間の面白いところで、以上のように裏も知っているプロの間では、相手にされなくても、一般人には相手にされることがあるので、持っていると得な場合があります。たとえば、企業はシステムのアナリストやプログラマの実力を評価できません。いきおい資格で判断しがちです。つまり、今回のプロジェクトは特種1人、1種3人、2種8人でお願いしますなどとなるわけです。ソフト会社の側としてはこんなに楽なことはありません。実力がなくても資格さえ取らせておけば、無資格の人間を送り込むより高い金を取れるからです。そこでソフト会社は、資格を取ればボーナスに10万上乗せだとか、給料に何万上乗せなどとやっています。これは派遣業務を主にやっているソフト会社が熱心です。こういう場合は、会社から金がもらえるだけ得ですから、金になる資格は取っておくといいでしょう。

 ついでにいえば、目利きがいる企業では、資格なんかあてにしていません。実力をみています。実力があると判断されたときは、プロジェクトにあの人を加えてくれと指名してきます。そういう実力の持ち主は、引っぱりだこですから、会社としてもかなりの金額を請求できますし、フリーになっても食っていけます。それでも企業がその人を指名するのは、そこでケチるとプロジェクトが頓挫し、ケチった金額とは桁違いの損害になることが多いからです。バブルのときは、学生だろうが何だろうが、頭数さえ揃えて(有資格者を揃えられるならなおよい)放り込んでいれば、金になったソフト業界ですが、バブル崩壊後は実力による差が顕著です。実力のある人や会社は、ますます忙しくなって儲かり、頭数に頼っていた会社は潰れ、頭数要員だった人たちは職にあぶれました。前述のようにプロの評価は資格をほとんど考慮しませんから、情報処理技術者資格程度では、持っていてもそれだけでは食ってはいけないのです。

 なお、理系の資格で、取得の困難さや社会的なステータスを考えると、持っていればプロの間でも無条件に一目おいてもらえる資格といえば、技術士しかないと思います。意欲のある人は、ぜひ、挑戦してください。ぼくは試験がいやなので、挑戦する気がありませんが(苦笑)。

補足の補足(96/09/15)

 情報処理技術者試験について、斎藤順一氏から間違いがあることを指摘されましたので、補足の補足としてお詫びして訂正いたします。ありがとうございます。>斉藤さん

 すでに特種という区分はありません。現状を調べずに書いたぼくのミスです。いまは、1種、2種の上に、分野別の資格試験ができています。かつての特種は、アプリケーションエンジニアの資格に相当するようです。なお、情報処理関連の資格なんてアテにならないという、論旨は変わりません。

 それから、さむらい資格といわれる「士」のつく資格がそれなりに権限があるのに比べ、情報処理技術者は「者」のつくモノ資格だから、その時点での実力認定でしかないという、斉藤氏の指摘に、なるほどそういう区分があったのかと、恥ずかしながら初めて知ったぼくは目からウロコの思いがしました。以下独り言。そうか、それで技術士は一目おかれるのか。


「Windows 95のメールソフトExchangeは公害ソフト」
(インターネット関係者)

 Windows 95にはExchangeクライアントというメールソフトがついてきます。デスクトップ上に受信トレイとして現われるソフトです。このソフトを使ったときに、そうとは知らずに、シフトJISで書かれたインターネットメールを出している人が大勢います。シフトJISで書いたメールをインターネットに流すことは絶対やってはいけません。直ちに止めてください。

 ちゃんとルールを守った上でJISで流す決まりになっている世界に、シフトJISを流すことは、公害です。たとえるなら、右側通行の道路を左側通行で走るようなものです。あるいは、偽札を流すようなものです。あるいは、有害物質を川や海に垂れ流すようなものです。あなただけが馬鹿をみるなら自業自得ですみますが、これは社会のみんなが迷惑します。
 ところが、MSKK(マイクロソフト日本法人)のユーザサポートが、このやってはいけないことを、Exchangeでのメールの文字化けに悩むユーザに薦めているというのです。犯罪的といわざるをえません。

 「パソコン批評」(マイクロデザイン)というパソコン雑誌があります。これの第4号62ページに、冨安大輔という人が記事を書いています。MSNを退会して専用ソフトを削除したら、メールが文字化けするようになったので、MSKKのサポートに電話します。そして親切に教わって文字化けが解消したというので、感謝しつつ、読者にもその解決方法を披露しています。
 しかしながらその方法がとんでもない。なんと、シフトJISのメールを直接インターネットに流すようにExchangeを設定してしまう方法なのです。こんなデタラメを初心者に教えるなんて、MSKKのサポートは何を考えているのでしょうか。答は、簡単。彼らはインターネットのルールに無知なのです。しかもいつも自分勝手に平気でルール破りをやってきた会社ですから、こういったルール破りに無神経なのでしょう。

 この冨安氏は、善意で記事を書いていますが、結果的に公害を垂れ流すのを奨励してしまう記事になっています。無知とは怖いものです。本来ならMSKKが馬鹿なこといった時点で、「お前のところはこんなデタラメなことをユーザに教えているのか。社会的な大迷惑になって責任をとれるか」と問いたださないといけません。そして何より編集部がチェックできなければいけませんでした。この記事を信じてシフトJISメールを流して、怒られる初心者もきっと出ることでしょう。MSKKもこの雑誌も実に罪作りなことです。
 この雑誌はなかなか本音ベースで面白い雑誌なので、がんばってほしいのですが、今回実力のなさを露呈しました。この雑誌に限らず、この程度が日本のパソコン雑誌の実力なのです。そういう雑誌しかもてない日本のパソコンユーザはかわいそうというしかありません。

 ということで、マイクロソフトはすぐさま、このでたらめなサポートを止めるべきです。そしてExchageを使っている人は、いま一度、設定を確認してください。確認手段はこうです。

 「ツール」->「サービス」を選び、「インターネットメール」を選んで、「プロパティ」を押す。「インターネットメール」の画面になったら、「メッセージ形式」を押す。「メッセージ形式」の画面で、「メッセージを送信するときはMIMEを使用」にチェックがついていることを確認。「文字コードセット」を押して、文字コードセットが、「日本語(JIS)」になっていることを確認。以上の2点が違っていたら、MIMEを使用するにチェックをつけ、文字コードセットを「日本語(JIS)」にしてください。間違っても日本語(Shift-JIS)を選んではいけません。この設定で、メールがまだ文字化けするようなら、相手の設定が悪いのではと疑ってください。相手もExchangeを使っていてデタラメな設定でメールを送っていることも考えられるのです。それでもダメならExchangeとWindows 95がそこまで腐っているということです。ともかく、MIMEありでJISを使う。Exchangeでインターネットメールを出すときには、これは絶対に変更してはいけません。

 もしMSKKのサポートが前述のようなデタラメをあなたに教えたら、「それは間違っている。自社のソフトが腐っているのを、他人や社会に迷惑をかける形で安易に解決するな」と、はっきり言ってやってください。彼らは、重大なルール破りで、公害の垂れ流しを助長しているとは、夢にも思ってないのですから。そして、MSKKにだまされたかわいそうな初心者が、シフトJISのメールを流さないように、この話を一人でも多くの人に伝えてください。

 個人的には、Exchangeクライアントは捨てて使わないのが一番だと思っています。トラブっている人が多いし、日付時刻が9時間ずれたり(たった1種類の日付フォーマットにしか対応してないので時間がデタラメになるのです)、重たいし、全般的な出来がよくないともっぱらです。とかく初心者は、最初からついてきたソフトを、なんとか使いこなそうとしますが、所詮オマケです。それからMS本社はいまのExchangeクライアントをすでに見限って別のソフトを開発中です(こういう情報はPC Weekなどを読んでいると入ってきます)。つまりいまのExchangeクライアントに先はないと思ったほうがよく、一生懸命操作を覚えても無駄になる可能性が多いにあります。

 したがって、代わりにフリーウェアの電信8号やシェアウェア(といってもたかだか数千円)のAL-Mailといった著名ソフトを使ったほうが、あとあと楽だし、時間と労力が節約できるでしょう。これらは主要FTPサイトにおいてあったり、雑誌CD-ROMに入っていますから、試してみてはどうでしょうか。

 いままで自分だけで勝手に約束事を決めることができた独自世界で生きてきたMSは、インターネットに大きく出遅れたために大慌てです。いま必死にインターネットの約束事を勉強している最中です。しかし今回の件でもおわかりのように、お粗末なところがままあります。MSのインターネット技術はまだまだ未熟というのが、専門家たちの共通認識です。これはプロトコルスタックの実装から個々のサーバ、クライアントソフトまで、すべてに広くあてはまります。

 なぜそうなるのか。それはたとえば、Exchangeクライアントもそして6年かかってようやく先日アメリカで出荷が始まったExchange Serverも、元々は、自分たちだけの閉鎖的なシステムとして設計開発が進められてきたものです。それをインターネットがブームになったものだから、大慌てで木に竹を接いでインターネット対応と称している代物だからです。ですから、インターネットメールなら本来存在してはならない日本語(Shift-JIS)などという馬鹿な項目が選択できてしまうのです。しかもシフトJISなどというローカル規格は国際的には認められていませんから、MIMEのContent-Typeのcharsetにus-asciiを指定して代用するという、あまりにぶざまで安易なやり方をやっています。こんなことをやっていたら作った人間の神経を疑われますし、プロジェクトマネージャと品質管理のマネージャは、何をやっているのかという話になります。

 Win95を入れてExchangeクライアントを使っている組織や企業の方、とくにシステム管理者は、シフトJISのメールを出さないように周知徹底してください。すでにMSのメールシステムを使っているところ、あるいはExchange Serverを今後導入する予定のあるところも、同様にシフトJISメールを出さないように正しい設定をしてください。

 ぼくがみた事例では、ある大手会社から、とんでもないメールが来ていました。その会社では、BackOfficeのメールシステムを使っているとのことでした。
 まず、Subjectの返信を示すRe:が返:と日本語化されている(余計なお世話)。それだけなら笑い話ですが、ここがJISが生で出ていました(本文もJISです)。もちろんお得意の9時間時刻がずれているのは当り前。さらにはfrom:があるにもかかわらず、それを無視してsender:に送ってきていました(reply-toがあっても無視するかは不明)。掟破りの連発です。Exchange Serverもこの程度の出来だとすれば、導入するときはよほど慎重に設定を行わないと、とんでもないメールをインターネットに流すことになり、流した会社や組織が、強い非難にさらされることでしょう。くれぐれもシフトJISメールなどのメール公害の垂れ流しには、気をつけてください。それでなくても、得体の知れないダイレクトメールが増え、公害化しつつあるのですから。

補足(96/07/23)

 電信8号やAL-Mailといった専用メールソフトのほかに、Netscape Navigatorのメール機能を使うことも考えられます。2.0の初期だったと思いますが、日本語が化けることがあったので、ぼくは使用を中止していました。しかし先ごろ試したら、3.0b5aは大丈夫のようです。使うときはこれもMIMEを指定してください。3.0Beta5aの場合、Options->Mail and News Preferences->CompositionのSend and PostをMIME Compliantにしてください(一応、Allow 8bitでOptions->Document EncodingがShift-JISでも、MIMEかつiso-2022-jpかつ7bitで送ってくれるようですが、気分的には避けたいと思います)。なお、正しいメールが出ているかどうかの事前テストは、十分行ってください。

 Windows 95付属のExchangeクライアントには先はないという話に補足です。このソフトは、元々はExchange Serverのクライアントになるという触れ込みだったはずですが、またも公約が守られかったようです。そんなことは言ってないとMSやMSKKが主張しても、名前からしてExchangeクライアントなんだから、将来はExchange Serverにつながると思っていた人は少なくないのです。「スーパーアスキー」'96年8月号によると、Exchange Serverにつなぐには別に専用のクライアントソフトが必要で、ライセンスを購入する必要があります。Win95付属のソフトで、Exchange Serverを使ったグループウェアがいけると目論んでいた会社は、ショックかもしれません。
 思えば、MS-Mailを昔から使っていた会社というのは不幸です。MS-Mailは機能も低くてスピードも遅く苦情が多いメールシステムでした。なにしろDOSマシンを1台割り当ててメールの配送をしなければならず、そこがボトルネックとなって破綻し、メールが配送できないといったトラブルに見舞われるメールシステムだったのです。1年ほど前でしょうか、ようやくNTで配送ができるようになりましたが、それまでの何年間かは、MS Mailのユーザは我慢するしかなかったのです。ぼくが聞き及んだ範囲では、Win95付属のExchangeクライアントでは最初は、このメールシステムに直接アクセスができませんでした。そして今回Exchange Serverになったらなったでまた直接アクセスができなくなるというのです。マイクロソフトに従うなら、専用クライアントを購入するのが順当ですが、いままでもずいぶん追加投資をさせられ、今度は長い間待たされた挙句(Exchangeは6年かかっています)、いままた追加投資が必要というのは、振り回されているといっていいでしょう。これがオープンでない独自技術を使ったシステムに縛られることの怖さなのです。
 MS Mailに付き合ってきた企業は、5年前に見限ってcc:Mailの導入、そしてNotesの導入と進んだ企業に比べ、ずいぶん時間と労力と金を使い、遠回りしてきたことでしょう。これがアメリカでMS Mailが廃れ、cc:MailとNotesが標準になった理由です。しかし、それほどの実績のあるcc:MailやNotesでさえ、対応が遅れれば先はないといわれているほど、インターネット技術に揺さぶられているのが、グループウェアやメールシステムの現状です。続きは、イントラネットで。


「Windows95はほかのどのような製品よりクレームが少ない。
だからマイクロソフトのサポート電話は暇を持て余している(笑)」
(「サイビズ」誌'96年7月号での成毛社長の発言要旨)

だそうですから、みなさん、パソコン通信やインターネットで質問する前に、マイクロソフトに電話してあげましょう。連日連夜Windows 95のクレーム処理に追われるショップ、ハードメーカー、ソフトハウスのみなさん。かかってくる95の質問はマイクロソフトに転送してあげましょう。それも成毛社長に直接電話してあげたほうが現場の不満が実感できていいでしょう。

 つまり、マイクロソフトのサポートが暇なのは、責任を他人に押しつけているからです。実際、OEM供給版のマニュアルにはマイクロソフトは質問を受けない、ハードメーカに問い合わせろと書いてあり、マイクロソフトのサポートの電話番号すら書いていません。仮にマイクロソフトのサポートに電話してもロクなサポートが受けられなかったために、ハードメーカやショップに泣きついているユーザは少なくないのです。しかも上にあるように、社会的大きな迷惑になる、大嘘を教えることもあるしね。

 それをこういうふうに自分勝手に解釈してしまう傲岸不遜ぶり。こういう無神経なことを社長が平気で雑誌で語るから、マイクロソフトのイメージがどんどん悪くなっているのに、広報は何をやってるんだろうね。いかにも裸の王様化している成毛マイクロソフトらしい。


「インターネットでもっとも嫌われているワープロは、ワードです」
(詠み人知らず)

マイクロソフトワードの宣伝のパロディ


ホットコーナーのトップページへ