マイクロソフトの言論弾圧とやりすぎの事例

Last update 1999/05/08

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Scalability Dayの嘘(1997/11/17記録)

 先週幕張でやったWindowsNT Intranet Solutionsで、MS幹部のポール・マリッツが性懲りもなく、NTのスケーラビリティを誇示すると称するデモのビデオを流しました。5月にニューヨークでやったデモのビデオです。1日10億トランザクションがNTで処理可能と触れ込むビデオです。ところが、このデモは同社お得意の詐欺的営業であり、嘘っぱちであることがバレています。でも悲しいかな、日本では「日経コンピュータ」が1997年6月23日号のメーカーウォッチで指摘しただけです。

 日本のパソコン雑誌は馬鹿だし、日本のユーザも馬鹿だから、アメリカで嘘だとバレたものをそのまま持ってきても通用すると思ったのでしょう。そして実際それは通用するのです。ユリ・ゲラーの超能力みたいなもんですけど、日本人はころっとだまされるのです。日本人もなめられたもんです。引っかかった典型は、本田雅一(知ってる人だけど、こういうこと書いていたら、その無知を指摘されるのは仕方ないです)が書いたhttp://www.zdnet.co.jp/pcweek/show/windowssolutions/97tokyo/01-02.htmlです。これと、本家PC Weekのhttp://www8.zdnet.com/pcweek/news/0519/19scal.htmlとのNTのスケーラビリティに関する論調の違いが、アメリカと日本のパソコン・コンピュータ雑誌の実力の差でしょうね。

 どう嘘っぱちなのか。たとえばIBMの資料、http://www.software.ibm.com/info/scalability/scalefact.htmlをよく読んでください。MSのScalabity Dayは研究室レベルの戯言であり簡単に達成できる代物であって、実世界の事情とはかけ離れていると書いた記事です。つまり10億トランザクションなどとでかいことをいっても、現実には何の役にも立たないクズだといってるわけです。なにしろ、IBMのようなメインフレームで基幹をやってきた連中にとってみれば、1年365日ノンストップで動かすのがまず大前提。その条件をクリアしてのち、どれだけのトランザクションをこなせるかという性能問題があるわけで、ショウの1日だけ瞬間最大風速を出すようなものをみせても、意味はないわけです。ところが、MSはこれをIBMがNTのスケーラビリティを検証してくれたと逆手にとって、営業をやってます。http://www.microsoft.com/transaction/news/billion.htmです。IBMは実際には正反対の結論を出しているにもかかわらず、これだけ読むと、IBMがNTのスケーラビリティにお墨付きを与えたかのように思えるようになっています。MSの詐欺的営業の巧妙さです。こういう会社であることを、決してお忘れなきように。

 もっと決定的なことは、45台の4CPUのCOMPAQ Proliant 5000でNTサーバを使ったこのデモが、その見かけやMSの主張とは違って、スケーラビリティやクラスタや分散処理のデモではないことです。そう見えるだけで、全然そうではなかったので、アメリカでは非難され、企業のITマネージャやプロの連中は、MSがいかに分散処理、クラスタ、基幹業務、エンタープライズコンピューティングに無知か、NTが使い物にならないことを知ったわけです。以下はこのデモを分析した人の資料を参考にしています。

 簡単にいうと、このデモは、現実を無視して、都合のいい条件でやったら10億トランザクション/日になったというだけのことです。分析した人によると、このシステムはDBサーバが20台、TP Monitor(MS Transaction Server)が5台、Load Generatorが20台で構成されています。TP Monitorを通して全トランザクションが処理されるなら、現実の処理になるわけですが、このデモでやったのは、Load Generatorが作るトランザクションの85%は対になるDBサーバに直接送られ、TP Monitorには全体の15%しか流れないようにしたインチキとのこと。そしてTP Monitor経由の15%のトランザクションでさえ、各DBサーバには全体の1%以下しか流れないようになっているのです。結局、このデモは、20個の「別々のデータベース」を20台のマシンで「別々に処理している」だけなんです。それらをひとつのデータベースのように処理できません。だから、分散処理でもクラスタでもスケーラビリティのデモでもなんでもないわけです。単に20台のマシンがてんでバラバラに処理をやってるだけです。

 これで10億トランザクション/日といわれても、何の意味もありません。こんな何の意味もない、というより誤解を生じさせる有害なデモや数字は、ちゃんとしたトランザクション処理能力を測る標準化されたベンチマークテストである、TPCベンチマークを使えば出てくるはずがないんです。しかもこのデモを指揮したのは、TPCの仕様を考えた元タンデム現MSのジム・グレイその人なんだから、普通ならTPCでやるのが正常な神経と誠意のある人間の行動です。でも、TPCでやるとNTが全然使い物にならないことがジム・グレイ自身よく知っているんでしょう。だからこういうインチキをでっち上げてごまかしたんでしょうかね。ジム・グレイも人間腐ったのかな。

 10億トランザクション/日は、20台が互いに好き勝手にやって作った数字なので、実際のパフォーマンスは20分の1の5000万トランザクション/日として、これを秒当たりに直すと、600tps(トランザクション/秒)弱になるでしょう。これは、すごく遅い数字です。中上位のUNIXマシンなら、軽く1万tps以上出るし、エントリーマシン(たとえば、PCの上位サーバマシン + NTよりも安いくらいのSunのUltra Enterprise 450クラス)でも、600tpsはいくらなんでも軽くクリアしているはずです。つまり、現在のUNIXマシンはPCの上位サーバ+NTより、単体で軽く20倍以上のスケーラビリティがあることになります。逆にいうとPCの上位サーバ + NTだと20台分のハードとソフトとお金とそれを協調動作させるための仕組みとおそらく20台以上分の管理労力を投入しないと、1台のUNIXマシンにも対抗できないということになります。

 「NTはすぐ処理性能が行き詰まって先がないから怖くて使えない」というシステムインテグレータがいますが、それを裏付ける話ということですね。その懸念を払拭するはずのScalability Dayのデモが、こんなインチキをやっていたのでは、MSとNTは、企業のまともな業務には、やっぱり使えないという評価になりますね。

 もう1つ、MSがやってる詐欺的営業の実例が、DECのAlpha Server + NTを使ったテラバイトデータベースです。ついにNTはテラバイト級のデータベースも扱えるようになりましたという例の宣伝文句です。でも、分析した人によると、MSがやったこのデモは、単にテラバイト級のディスクからデータが取り出せたという意味以外はありません。このデータベースのレコード数は、5000万レコード。これに1レコードあたり20KBほどのイメージデータをつけることで、水増ししてテラバイトにしているんです。実際にデータベースの検索対象になるようなデータは、1レコードあたり500バイトだそうです。つまり、このデータベースの中身の大半は、単に引っ張ってくるだけのイメージデータであり、実際のデータベースは、5000万レコード×500バイト=25GBという、水増しもいいとこなんです。

 それから28.8Kbpsのモデムでアクセスして10秒以内に「テラバイトデータベース」から結果が得られることをデモでみせたのは、分析した人によればお笑いだそうです。どういうことかというと、28.8Kbpsという遅さでは、データベースへのI/O負荷は取るに足らないからです。つまり、PCサーバ + NTではI/Oパフォーマンスがよくないから、わざわざ28.8Kbpsという遅い端末からアクセスして、パフォーマンスが追いつかないのを隠したのではないかというのです。

 こんな具合にデータベースを水増しして、テラバイトデータベースといって、客を欺こうとしているのが、現在MSがNTでやっている営業です。こういう数字のトリック、詐欺的営業には引っ掛からないようにしましょう。

 以上のことを知って、http://www.microsoft.com/backoffice/scalability/を読むと滑稽です。

補足(1998/10/01)

 梅原@生物研さんから、「50万レコード×20KB=10GB, 50万レコード×500バイト=250MB」だから、「1レコードあたり20KBほどのイメージデータをつけることで、水増ししてテラバイトにしている」「実際のデータベースは、50万レコード×500バイト=25GB」という部分は、計算が違うという指摘を受けました。その通りです。完全に間違っていました。参考にした資料の原文は英語なんですが、50 million recordsで、50万レコードではなく、5000万レコードでした。さっそくお詫びして訂正いたしました。梅原さん、ありがとうございました。


ブリヂストンをダシにした詐欺的営業(1997/08/08記録)

 いまごろ記録していますが、今年の初めだったかな、マイクロソフトがブリヂストンをダシに、NT 4.0 + SQL Serverの詐欺的営業をやっているのが発覚して、話題になりました。

 同社のウェブページ(最近ホームページといわないようにしてます)で、マイクロソフトは、メインフレームの大規模基幹システムを、「NT 4.0とSQL Serverでリプレース。当初はOracle 7で検討したが、最終的にSQL Server 6.5を採用」などと書いて、鼻高々でした(URLを失念。すみません)。ところがこれが大嘘だったことがバレました。ブリヂストンは、1996年4月から人事システムをNT + Oracle 7で稼動させています。マイクロソフトの書き方だと、このOracle 7をSQL Serverに切り替えたかのように思えますが、そう思わせるのが、同社の手口です。

 実際にブリヂストンがやったのは、メインフレームの給与計算システムを、NT 4.0 + SQL Server 6.5でリプレースするとなるとどうなるかを検証する、「シミュレーション」だったのです。あくまで「シミュレーション」です。しかも日経コンピュータ(何月何日号かは、いま手元にないので書けませんが今年の3月から5月くらいの同誌メーカーウォッチ欄をみてください)によると、ブリヂストンは、この給与計算システムでは人事システムと同じく、Oracle 7を使う方針とのこと。SQL Serverで「シミュレーション」をやったのは、シミュレーションを依頼した先がSQL Serverでやらせてくれといったからだそうです。実際の給与計算アプリケーションは、すでにOracleで開発済みだから、変更することはないとのこと。もっともブリヂストンも、将来はSQL Serverを一部に導入する可能性を否定するわけではありません。これは当然ですよね。それぞれの事情に応じた最適のものを、自分で考えて入れるのが、企業にせよ、個人にせよ、最低限求められることですからね。

 で、結局、どうなったかというと、マイクロソフトは、「当初はOracle 7で検討したが、最終的にSQL Server 6.5を採用」の部分を削除せざるを得ませんでした(爆笑)。

 よくいるんですよ。マイクロソフトみたいな優良企業が、詐欺的営業をするわけがないなんて、ねむたいこといってる馬鹿が。こいつ、詐欺やインチキ宗教に簡単に引っかかるなと思ってますけどね。詐欺的営業をすると、世間的には優良企業にのし上がれるという因果関係を逆転させた発想が全然出てこないんでしょうかな。

 日経コンピュータでは、5月頃の号かな、「マイクロソフトに頼らないユーザ」とかなんとかいう特集がありました。それらのユーザがいってるのは、ごく当然のこと。自分でいろいろと調査研究して、判断する。これだけなんです。だからその結果、MS製品を使う部分もあるし、使わない部分もある。ごく当たり前。なんとなく、95からNTからBackOfficeからMS Officeから全部MS製品にして、あとで泣いてる企業なんか、馬鹿もいいとこ。MSに頼らないユーザは、何の調査もなくMS製品を導入したような馬鹿な企業に比べて、はるかに徹底してマイクロソフトという会社とその製品を調査しています。それでこれはうちに合わないからと導入をやめて、メインフレーム、オフコンを入れたり、UNIX、NetWareやOS/2を使ったりしているわけです。みなさん、自分の頭で考えましょうね。


オラクルに対する詐欺的営業(1997/08/08記録)

 これもいまごろ記録していますが、今年2月ごろかな、に話題になったことです。マイクロソフトが、SQL Serverを売り込もうと、オラクルが出したシェアのデータに噛み付いたんですが、これがとんでもないマヌケだったというお話。

 まず、オラクルが、NTのデータベースソフトでは、Oracleの金額シェアが61%あると宣伝したんです。これは日本ガートナーグループという調査会社の数字です(ま、こういう数字は大してあてにならないと思ったほうが身のため。金を払えば、都合のいい数字だって作れるんだから)。これにマイクロソフトは、反論を同社のウェブサーバに掲載したんです(URLを失念。すみません)。オラクルの数字が間違っていることを、直接ガートナーグループのアナリストに確認して、ガートナーグループも間違いを認めた、それなのにオラクルはこのデータを使い続ける、なんだ、この恥知らず野郎、みたいな内容です(一部、不穏当な表現含まれている場合は、中村の寝言によるものです)。さらに、傘下のVAR業者にこれを送りつけて、商談のときに持ち出すように要請までしたんです。

 ところがここからが、大爆笑。日本ガートナーグループは、マイクロソフトの主張を全否定。数字は間違ってないし、間違っていると認めたこともないとマイクロソフトに抗議。あわててマイクロソフトは、ウェブページを修正。数字には「誤差がある」という表現に変更したんです。

 じゃ、アナリストに直接確認したというのは、何だったの? オラクルが意図的に間違った高いシェア数字を使って宣伝しているのは、詐欺かのようにいった、お前らこそ詐欺じゃないのか、って、関係者の酒のネタになりました。

 MS本社も日本法人もほんと、こういう詐欺的な手口を多用しますね。世間一般には大企業、優良企業で通っても、これじゃ、信頼をどんどん失うのも時間の問題です。


MSNの料金請求について(1997/07/13)

 ある方から、MSNの料金請求について、MSは自分のミスを会員に押し付けて、損害を会員に補填させているというメールを頂戴しました。

わたしは、4月までMSネットの会員でした。この件についてお話したいと 思います。 先日MSから利用料金請求に関するお詫びなる手紙が来ました。 内容は、消費税5%を4月以前に課したので返金をカードを通じて行なうと の事でした。 MSの言い分は、会員には、$建てで契約してるので、同様に$建てで返金 するとのことでした。 私の疑問は、3月なら$1=125ー6円だったはずですが、今は114ー 5円のはずです。 ドルで返されても、カード会社は、現在の為替レートで円換算するので、 会員は、為替差損を被り、戻る金は、目減りするわけです。 これは、MSのミスですから彼らが為替差損をカバーするべきですが、それ を認めようとしません。個人1人1人だと小さな額ですが、仮に10万人が 被害を100円づづ被ったら1000万円の被害です。 自社の過ちをによる問題をユーザーに補填させている会社だとおもいます。

 アメリカでは、トラブルを指摘され、リコールせよなどという人もいるし、日本でも料金請求のおかしさ、メールのトラブルなどが朝日新聞で報道されたにもかかわらず、日本じゃ、まだまだMSN会員の人っているんでしょうねぇ。よほどお人好しなのか、MSの怖さを知らないのか、事実を知らないのか。

 MS Watchのほうでも、何度か採り上げています。

 サービス業だとはとても思えない、MSの冷感な商売のやり方については、On The Moveの#43をお読みください。


MSKKがいう「権利を丸ごとよこせ」に反発その2(1997/07/08)

 MSKKがいう「権利を丸ごとよこせ」に反発(1997/06/05)の続報です。MSKKからのメールを含む、魚住さんからのメールです。

「コンテストの件に関しましては、受賞されたすべてのお客様に、今回の件 に対する私どもの不備をご通知し、現契約をお戻し申し上げ、新しく作成す る「頂戴した CD-ROM の内容を若干修正し(作品に対する修正内容について は、事前にご確認いただきます)、弊社販促等に利用させていただく(私ど もが作品を利用できる範囲は限定いたします)契約」をあらためて交わさせ ていただけるよう申し出る予定です。 この新しい契約書を持参し、改めて、魚住様に今回の受賞に関してご再考願 えないかと考えております。 この度の件に対し、弊社の最大の間違いは、このコンテストの作品を、弊社 製品内で使用する他の電子媒体(カメラマンが撮影した写真のビットマップ など)と同様に扱っていたことと、ホームページ公開後の作品に関しての取 り決めを、厳重に行っていなかった(また、申し込み要領にも間違いがあっ た)ことだと考えております。 決して、魚住様をはじめとする、ご応募いただいた皆様の作品に対する「著 作権」を奪ったり、それらを作品であるホームページの内容を著作者である 皆様の自由にできないようにすることを望んでいたわけではございません。 しかし、結果として、この度のコンテスト募集要領、受賞後の契約に多大な る間違いを起こしていたこと、魚住様に不愉快な思いをさせてしまったこと を十分に反省いたしております。 また、この度の件が、魚住様の問題提示によって初めて私の部署にも届き、 間違いを訂正するにいたったことを非常に恥じております。同時に、ご指摘 いただき、今後の同様なコンテストなどを厳重に行えるようになったことを 感謝し、そのお礼も直接申し上げさせていただけないかと存じます。 お時間とご都合がもし許されるのであれば、なにとぞ、お会いいただく事を お許し願えないでしょうか。 余談ですが、福岡には弊社営業所もございます関係上、魚住様にお会いただ くことをお許しいただけるならば、いくつか直接行っておきたい案件もござ います。 決して、お詫び申し上げるためだけの出張でないことは、あらかじめご了承 ください。 日付などに関しましては、魚住様のご都合におまかせ申し上げます。 コンテスト受賞の件とあわせ、お会いいただけることを、ご快諾いただけま すことを心より願っております。 ありがとうございました。」 私個人のみならず受賞者全員に対して、著作権の譲渡の要求を取り下げ、使 用に関する許諾を求める、と明言しております。私は、以下の点が文章とし て約束されているか?という事を確認した上で、この話を受けようと思います。 ・著作権者として原作者名の明記と、MS社が使用承諾を受けた旨の明記。 ・使用承諾対象の明記。 ・改変を伴う場合には原作者に許可を求める事の明記 ・許可を得て改変した旨の明記。 ・原作者の許可なく個別コンテンツを独立して使用しない旨の明記 正直、もう「終わった話」と思っていたのですが、また動き出した事に 聊か戸惑ってもおります。結局、MS社と見解が合わないかもしれま せんが、とりあえず、せっかく前向きに歩み出したMSとの交渉の席 につこう、と思います。 結果が出ましたら、改めてご報告いたします。 取り急ぎ、ご連絡まで。

 ぼくからアドバイスできることがあるとすれば、そしてもし間に合うのなら、MSKKの担当者との交渉の模様は、ビデオかテープに記録するほうがいいと思います。もちろん、契約の内容に関しては弁護士を交えて、検討する必要があるのはいうまでもありません。


MSKKがいう「権利を丸ごとよこせ」に反発(1997/06/05)

 北九州在住(なんどもいうようですが、九州・山口の人間が北九州というと、北部九州ではなく、北九州市を指します)の魚住耕司さんからのメール。ここで昨日というのは、メールの日付が06/03だったことから、1997/06/02だと思います。

新聞といっても、北九州の地方版だけの様子ですが、 昨日の毎日新聞夕刊の九面にMS絡みで私の事が 掲載されました。
マイクロソフトのコンテストで受賞して、著作権の全面的な 譲渡を求められたから断って受賞を辞退した、という内容です。
 詳しいことは、同氏のページhttp://www.ask.or.jp/~uozumi/MS/ms_723.htmをご覧ください。
 ヤマハのポプコンもそんなんだったな。著作権をヤマハがもっていくので、応募しない奴っていたもん。それにしても、MSKKの対応って鈍いね。鈍い人間しか使ってないからなのか、苦情処理が多すぎて手が回らないからなのか。魚住さんのページをみてもわかるけど、MSKKの対応って、ちょっと話が進むとどうしていいかわからず、もうハングしちゃうんだよね。まるで簡単にハングすることがどんどんバレバレになっているNTみたいだね。Paintで簡単に落とす方法さえあることが、MIXに載っていました。ほかにもいろいろあるんだよね。


ドメインを使うなとMSが抗議(1997/06/05記録)

 takisanという方によれば、ニューヨークタイムズの1997/06/03に、他社(といっても学生がやってる)がもっているドメイン名の使用に、MSが抗議しているという記事があったそうです。Daniel Khoshnood氏という大学3年生は、microsoftnetwork.comなどMSの製品がらみのドメイン名をいくつもっていて、これを使わせないようにMSが抗議しているという話。ニューヨークタイムズが読める人は、1997/06/03のAndrew Ross Sorkin記者の記事をチェックしてみて。この話はいずれ、暗黒の帝国のほうに移します。
 実は日本でも似たような話が発生しそうなんですけどね。


「マイクロソフトの冷感商法」(1997/02/16記録)

 これについては、PC Weekに転載された「マイクロソフトの冷感商法(On The Move #44)」を、読んでください。これは、ASAHIネットのjouwa/salon会議室や、インターネットメールで頂戴した、マイクロソフトに関するトラブルの数々をまとめ、jouwa/rensaiに発表したものが、PC Week日本版に転載されたものです。

マイクロソフトは本社も日本法人も、ソフト自体の品質の問題(いま一番企業ユーザを悩ませているのが、NT4.0の問題)、サポートの馬鹿さなどを、ずっと指摘されているにもかかわらず、官僚的な硬直した対応しかできていません。自分が被害に遭って、ようやくマイクロソフトのひどさに気づいた人が増え、個人ユーザや企業ユーザの信用を失いつつあります。


野村BPRをダシにした詐欺的営業(1997/02/09記録)

「野村BPRにおけるNTはあくまでもクライアントと支店サーバーのOS。ダウンしたらビジネスに大きく影響するシビアなアプリケーションは一つもない」
(日経コンピュータ1997年1月6日号から、野村総合研究所の見解)

 マイクロソフト日本法人が、NTが基幹業務で使えるといって、売り込むときに引き合いに出すのが、野村證券の野村BPRと呼ばれるプロジェクトです。マイクロソフトの長谷川常務からして、野村BPRの基幹業務にはNTが採用され、そのおかげで見事に成功しているかのような言い方で営業をしていますが、これは大嘘。常務からしてこれだから、会社ぐるみの詐欺的営業といえるでしょう。

 いまのNT(3.51, 4.0ともに)を基幹業務に使うなんて、よほど博打が大好きな企業以外ありません(ぼくは部門サーバならいいOSだと思ってます。でもそれなら、UNIXでもいいし、FreeBSDやLinuxならタダだしもっといいかも)。なのに、NTが基幹業務で使われているかのようにマイクロソフトは宣伝し、その代表例として、野村BPRをダシに使っています。そのために、野村證券・野村総合研究所が迷惑しています。詐欺的営業の片棒を担がされたのでは、野村證券・野村総合研究所ともに、イメージダウンですからね。それが、このお言葉になったわけです。
 まあ、しかし、こんなミエミエの詐欺的営業に引っかかる馬鹿なユーザ企業が多いというところが、世界の中でも例外的にNTが売れている日本の市場、自分の評価基準をもたない未熟な企業が多い日本を象徴していますね。やってみてはじめて、NTが使い物にならないことに気づいて、真っ青になってるんでしょうね。それはそれでいい勉強ですから、人、金、労力、時間をドブに捨てるつもりで、やってみなはれ(爆笑)。


質問1個2万円に値しない質の低いサポート(1997/02/09記録)

 マイクロソフトのサポートは、腐っています。サポートなしではにっちもさっちもいかないNTなのに、サポートレベルは値段に値しない質の低さです。これでは、マイクロソフトのサポートが不安だから、NTの導入を止めた企業、企業には薦めにくいというSI(システムインテグレータ)業者、SP(ソリューションプロバイダ)業者がいるのも道理です。

 あらかじめいっておきますが、ぼくは1個2万円でほんとに問題が解決できるなら、企業ユーザにとっては安いものだと思っています。しかし、その金額には値しない、ろくでもない回答しかできないから、問題になっているのです。

 詳しくはASAHIネットの連載、「マイクロソフトの冷感商法(On The Move #44)」を読んでいただきたいのですが、簡単にいうと、NTにMOをつけたけれど使えない、それで質問したら、いきなりクレジットカードの番号を教えろといわれ、質問1個が2万円。この人の場合、SCSIとMOの質問で2つと数えるので、4万円だといわれ、ここからが大笑い(質問した人は、怒り狂いました)。
 これで問題が解決できればよかったのですが、NT Serverとして質問するからこんな高額な金額を請求されるのかと思って訊ねたら、そんな区別はないのに、NT WorkstationにはNT Serverのドライバが使えないかのような嘘をいわれたり、かくかくしかじかの組み合わせで動くのかどうか、それだけも確認してほしいというと、さらに2万円の請求だといわれる有様。埒があかないからと、違う担当者に代わってもらったら、MicrosoftのWWWサーバにいって、HCL(ハードウェアの互換性リスト)を入手して自分で調べろという回答。
 質問した人、怒り狂いました。だって、この人、HCLの最初に載っているSCSIカード(Adaptecの製品)で動かないから、どうなっているのか質問したのに、デタラメな説明を受け、嘘をつかれ、たらい回しの上、HCLを見ろでは、よほどの人格者でも怒るに決まっています。
 NTを導入した企業は、マイクロソフトのサポートに頼るしかありません。というのは、導入業者ができることは限られているからです。ところが、マイクロソフトのサポートレベルは、低く、頼りになりません。障碍が発生しても、対応できません。ユーザが自分で対応しなければなりません。OSのバグも直してはもらえません。だから基幹業務には使えないのです。必然的に、ユーザ企業の負担が大きくなります。それでもNTを入れる以上、巨額のサポート費用をマイクロソフトに払わざるをえないと思って、払っているお人好し企業が多いようです。

 そんなサポートしか提供できないマイクロソフトに、年間数十万円、数百万円ものサポート費用を払う価値があるのかどうか、そんなNTを安易に導入してあなたの会社は大丈夫なのかどうか、いま一度じっくり検討すべきでしょうね。

 ぼくがNTは部門サーバとしてはいい。ただし、自分で面倒がみられるならという前提付きといっているのは、以上のような理由があるからです。でさ、部門サーバとして使って、自分で面倒みるのなら、PC + UNIXのほうがあとあと楽かもしれないのよね。イントラネットのように、インターネット技術を使うのなら、LinuxFreeBSDのようなフリーPC UNIXでシステムを組むほうが、導入コストは安い(なにしろソフトはタダ)、ノウハウは豊富(インターネットはUNIXで育った)、ソフトは豊富(インターネットを支えてきたフリーソフトがいっぱい)だから、賢いと思うんだけどね。でも、企業の人って、フリーのソフトでシステムを組むというと、それだけでいやがる人がいるから、お笑いだよね。NTのようにいくら金を出しても、ろくに動かない事例がぼろぼろあるのに比べれば、タダだろうがなんだろうが、ちゃんと動くほうが価値があると思うんだけど。要は、金を払ってもいいから、ちゃんとサポートできる業者がいるかどうかが問題なんだろうけれどね。NTの場合に、信頼できる業者がいるかというと、大元のマイクロソフト自体が信頼できないから、いま大きな問題になってるわけ。そこんとこ、よーく、考えましょうね。


一太郎7に対するネガティブキャンペーン(1996/09/21記録)

 これは、PC Watchの記事をみると概要だけはわかる。つまり、一太郎7に対抗するためにMSKK(マイクロソフト日本法人)がやったWordのキャンペーンで、一太郎7を不当におとしめるネガティブキャンペーンをやっている部分があるという指摘。それ以上は、PC Watchが、これはプレスリリースでないから公開しないといってる(情けない理由)ので、わからない。どなたか送ってくださるとありがたいのだが

補足(1996/09/29)

 すでにPC Watchの記事は訂正されている。詳しいことは、お言葉集の補足を参照のこと)。

 ジャストシステムが流した文書には、「脅迫的宣伝」、「フェアでない体質」などと書かれているそうだが、これはマイクロソフトを表現するとき、日米ともに毎度のようにいわれること。ただアメリカと違って日本では、マスコミ内とはいえ、こうして文書で公表するのは珍しいだろう。NotesとExchangeのときのロータスもそうだったし、今回のジャストもそうだろうが、MSKKのネガティブキャンペーンのやり口は、目に余るものがあり、もはや我慢ならないと判断したのだろう。

 嘘でもでかい声で百回わめいたほうが勝ちというのが、MSとMSKKのマーケティングの基本である(というか、どこのマーケティングでも基本は基本だけど、それを表立ってやるかどうはまた別問題)。一番大規模だったのがWindows 95の出荷前後のキャンペーンだ。そういう危険な方法に対しては、アメリカでは何年も前から、いろんな人や団体、メディアが警鐘を鳴らしてきた。それで、MSのイメージは、日本よりずっと悪い。では日本法人のMSKKはそんなことをやってないかといえば、どんどんやっている。メディアがほとんどそれを明らかにしてこなかったし、ユーザもいいようにだまされてきただけである。

 過去1年ほどで目立った問題だけでも、嘘を並べたMSKKの営業資料を引き写して、NTがNetWareより圧倒的にいいかのように田中亘がDOS/Vマガジンの特集に書いた問題、嘘で塗り固めてマックをでたらめにこき下ろしたドヒンシュク謀略特集を、Windows World日本語版(松浦編集長)が掲載した問題などがある。いずれも関係者は背後にMSKKをみている。ロータスのNotesよりExchangeがいいとした広告の問題も、マシとはいえ根っこは似たようなもの。

 こういう問題が起きやすいのは、MSKKが新製品を出したとき、あるいはライバルの登場におびえたときと相場は決まっている。先の事例はいずれもそうである。それからネガティブキャンペーンは、MSKKから仕掛けているのに注意。先の事例もしかり。ライバル各社は、やり口の汚さに憤慨して反論するというのがアメリカでの基本パターンで、そのためMSは、不公正なビジネスをやる会社と非難され、非常にダーティなイメージをもたれている。どうやら日本でもそうなってきたようだ。ようやく正体が知られるようになってきたということだろう。

 それにしてもMSKKは、ライバル商品を嘘を交えてこき下ろすネガティブキャンペーンが好きな会社なのだなあと思う。これは米国本社の体質を譲り受けていると考えたほうがいいのだろう。ビル・ゲイツの性格なのかなあ。せめて日本法人は、そんなとこ真似しないほうがいいのにと思うが、無理なんだろうか。

補足(1996/11/22)

 いささか古い話になりますが、MSKKのネガティブキャンペーンに対して、ジャストシステムの喜屋武(きゃん)氏がインタビューに答えています。小学館のコミック誌「ビッグコミックスピリッツ」'96年11月11日号(以下スピリッツ)にある「デジスピ」のコーナーに喜屋武氏が登場して、この問題について話をしています(実はこの前の号はMSKKが出ていたらしいんですが、読者から教わったときは後の祭で、入手できませんでした)。

 それによると、おもしろいことに(といっては失礼かもしれないが)、今回のネガティブキャンペーンは、MSKKに転職した元ジャストの社員がかかわっているそうです。同じ釜の飯を食った仲間が、なぜ古巣をこんなやり方で非難するのか。悲しくなるとのこと。いやあ、ポンニチの浪速節の世界ですね。しかし失礼ながら喜屋武さんは甘いです。MSやMSKKという会社は、目的を達するためなら何だってやれ、オウム真理教の事件でも問題になりましたが、そういうカルト的軍隊的なところがあります。ビル・ゲイツは教祖的な存在ですし、成毛が社長室でビール飲んで酔っ払って口走ったって、それを下が実行するような世界です。おかしいとか善悪の判断じゃなくて、上からの命令には絶対服従だと思ったほうが間違いがありません。だから古巣のジャストを攻撃するくらい大した痛みを感じてないかもしれませんね。それに良心の呵責を感じているようでは、MSやMSKKでは、生きていくことができませんから。そんな世界で安い給料でこき使われ、そして捨てられていく過程をみて、MSKKを辞めた人を何人も知っています。

 喜屋武氏は、ほかにも「MSやMSKKのやり方がアンフェアである」「市場を独占するようになればMSやMSKKは商品の値をつり上げるだろう、それが一番怖い」といった発言をしています。MSの価格政策についてはアメリカの雑誌では、たびたび問題提起が行われます。最近では、サイトライセンス契約を値上げするというので、あちらの雑誌では妥当かどうか議論が載っていました。
 MSに縛られて逃げ場がなくなってしまえば、あとはMSのいいなりに金を払わざるを得ないようになります。それを現実の脅威としてアメリカ人は考えています。だからこそ、雑誌もたびたびその問題を提起するわけですが、日本のパソコン雑誌はメーカの丸抱えも同然ですから、そういう問題提起はまずありませんし、やろうとしてもつぶされることが多いのです。日本のパソコンユーザは馬鹿だから、どうせわかりゃしないと業界やパソコン雑誌はタカをくくっているのかといわれれば、そういわざるをえないでしょうね。
 実際にひどい例を体験して逃げ場のない怖さに気づく人もいます。NT Serverのドライバの件でMSKKのサポートに電話をしたら、1回の質問で2万円取るというのであきれ果てたという体験談を、ぼくに送ってくださった方もいますからね。

 それにしても、日本の多くのパソコン雑誌が、無視してだんまりを決め込んでいる今回のような話題が、百万単位の読者がいる「スピリッツ」に載るというのは、うれしいというかパソコン雑誌が情けないというか。パソコン雑誌を読むより、コミック誌や経済誌を読むほうが、パソコン業界のあからさまな姿がわかるというのは、一体どういうことなんでしょうね。昨年あたりから「週刊ダイヤモンド」を毎週読むようになったんですが、パソコンや電子技術の問題についても、冗談抜きで「週刊ダイヤモンド」のほうがパソコン雑誌を読むよりおもしろいんだもんね。なにはともあれ、今回の「スピリッツ」の記事は、日本のパソコン雑誌のお寒い現状を象徴している記事でした。


NT4.0のライセンスと不正競争問題その2(1996/09/12記録) 

 この問題についてはすでに「NT4.0のライセンスと不正競争問題」として取り上げていますが、おもしろい新事実が明らかになったので、また取り上げます。以下は、ASAHIネットに連載中の「On The Move」の#41(1996/09/11)の一部抜粋です。文中、NTWはNT Workstation、NTSはNT Serverのことです。

[引用開始]

(6) MSの主張はこうだ。NTWはサーバの実行を考えて設計開発されたOSではない。一方NTSはサーバ用に設計開発されたOSでサーバ用に最適化されている。だから800ドルの価格差があるのだ。
 (中略)

 ところが、MSの主張を根底から覆す事実が明らかになった。
 まずは、PC Weekに載ったNTWをNTSにする記事を読んでほしい。そう、驚くことにNT4.0はレジストリというシステムのデータベースの項目をたった2箇所変更するだけ(NT3.51の場合はたった1箇所)で、NTWは完全にNTSになってしまうのだ。
 注を入れておくならば、これをやるとMSとのライセンス契約を破ることになる。今回の発見もNTWが本質的にNTSそのものであることを証明し、MSにライセンス条件の変更を促すために発表されたもので、決してNTWをNTSに転生させて800ドル得しようぜという趣旨ではないのがまずひとつ。
 (中略)

 さらに興味深い話がある。PC WeekがNTSとNTWのベンチマークをやったとき、NTSのほうがたしかに性能がよく、MSのいうNTSはサーバ用に最適化されているがNTWはそうではないという主張を裏付ける結果が出た。ところが「成りNTS」で同じベンチマークをやったら、「本物のNTS」とまったく同じ性能が出た。(中略)「NTWはサイドブレーキを引いたNTS」といわれれば、返す言葉がないだろう。
 より技術的な話は、O'Reilly社の「O'Reilly Debunks Microsoft's Claim of Differences between NTW and NTS」というページに行って、「Technical analysis by Andrew Schulman」というリンクをたどれば読むことができる。
 なお「O'Reilly Debunks ...」のページ(中略)は読んでおくといい情報ばかりだ。とくに下のほうにある「Read a collection of online articles」)は、(中略)貴重だ。
 Schulman氏の報告を読むと、NTSとNTWはOSのカーネル部を構成するファイルは1bitも違っていない。NTはブート時に、(中略)判断して、変身するようだ。(中略)。
 MSはPC WeekでNTSとNTWには重大な違いがあると反論しているが(http://www.pcweek.com/news/0909/10mnt.html)、(中略)「別のOSではなく、同じOSの違うモード」という主張を補強するだけではないのか。

 この問題の根本原因は、MSがNTSとNTWをなんとか売り分けて、NTWより約800ドル高いNTSにユーザを誘導しようとしていることにある。それも実に稚拙なやり方でやっている。天下のMicrosoftなのに、あまりにセコくてみっともない。こういうMSを見るのはさびしいし、業界に対する不信感も増大する。
 (中略)

 それを嘘に嘘を重ねる形で隠そうとするから、みじめな結果になり、企業イメージが著しくダウンしている。昨今バッシングされまくりの大蔵省や厚生省を見る思いもするね。
 (中略)

 それにしても、「営業つらいぜ、これは」と思うよね。NTSを買ってくださいっていっても、この話持ち出されて、思いっきり値切られたり、怒鳴られたり、厭味いわれそうだよね。身から出た錆だから仕方ないけれど。

[引用終了]


IE3.0の不正競争問題(1996/08/27記録) 

 この問題については、ASAHIネットに連載中の「On The Move」の#37(1996/08/25)に書いたものから、一部を抜粋しておきます。なおOn The Moveの全文は、ASAHIネットに入会しないと読めません。WebではPC Weekオンライン日本版に一部が転載されています。

[引用開始]

 さてその自由で公平な競争についてだが、MSが汚い手を使っているという疑惑が浮上しており、アメリカのパソコンジャーナリズムの各誌で大きく取り上げられている。浮上のきっかけは、NetscapeがMSの不正なやり方に関して調査を米司法省に要請する手紙を送った事実が明らかになったことである。

 PCWeekのサーバにあるhttp://www.pcweek.com/news/0819/20extra.htmlは、Netscapeが司法省に調査を要請したことを報道した記事である。その続きは、http://www.pcweek.com/news/0819/21adoj.htmlで読める。InfoWorldも、http://www.infoworld.com/cgi-bin/displayStory.pl?960821.reaction.htmで同様の記事を掲載している。

 MSがやっているというのは、IE3.0をバンドルするパソコンメーカに対してはWin95の料金を安くするといったアメ、Netscape Navigatorをバンドルしないようにパソコンメーカに圧力をかけるというムチ、システム管理者などにNavigatorをIEにリプレースしたら1本につき5ドルのリベートを与える、その他さまざまな便宜供与などである。ほかにもNT4.0でWebサーバの実行を劇的に改善する隠しAPIの存在の示唆や、ユーザからも強い非難が上がっているNT Workstationのライセンス問題などが司法省に送られた手紙には記載されているらしい。当然MSはそんなことはしていないと反論している。たとえば、http://www.microsoft.com/ie/press/nscresp.htmhttp://www.microsoft.com/ie/press/paulresp.htmでその反論が読める。しかしPCWeekは、http://www.pcweek.com/news/0819/22edoj.htmlの記事で、複数のパソコンメーカがMSの圧力を認めていることを報じている。どちらの言い分に説得力があるかは、自分で上記の記事を読んで判断してほしい。

[引用終了]


NT4.0のライセンスと不正競争問題(1996/08/27記録) 

 この問題についてもIE3.0の不正競争問題と同様、ASAHIネットに連載中の「On The Move」の#37(1996/08/25)に書いたものから、一部を抜粋しておきます。

 この回はほかにもMSがIEの商標で訴えられた話、ActiveXを手放すと発表したのにその後尻すぼみになって、NetscapeONEにあわてたMSが急遽でっち上げた発表だったと考えられているという話など、いまMSが抱えている多くの問題にもコメントしています。

[引用開始]

 ユーザにすぐ影響があるという点では、NT4.0 Workstationのライセンス上の問題が一番重要だろう。この問題は、NT ServerとNT Workstationを売り分けたいMSが、NT4.0 Serverには存在しないのに、Workstation版ではTCP/IPの同時接続を10以下にするという制限をつけたことから始まった。これがベータ版で明らかになったとき、MSの自分勝手なやり方に対して頭に来た人が多く、非常に強い非難が巻き起こった。有名出版社O'Reillyの社長が檄文を各所(Bill Gatesを含めて)に送るなどした。http://www.pcweek.com/news/0715/19eorei.htmlを読むと、その動きがわかる。

 なぜ怒るかといえば、NT Workstationでも変な制限さえなければ、たとえばWebサーバの実行には問題がないのである。事実NT3.51のときはNT WorkstaionでWebサーバを動かせた。ところがNT4.0でWorkstation版の制限のためにWebサーバが動かないとなると、ユーザはずっと高いServer版を使わざるをえなくなる。せっかくNTでイントラネットを構築しようと思っていたのに、MSは高いものを不当に売りつけようとしていると、ユーザが怒り出したのである。抗議が殺到したものだから、MSはこの制限をNT Workstationのソフトからは、はずすことにした。ユーザの抗議が実ったかにみえた。私もjouwa/salonで、抗議することがいかに大事か、そして機敏に方針転換できるところがMSの強みだということを書いた。しかし抗議したユーザも私も甘かった。MSはソフトから制限ははずしたが、ライセンス契約を書き直して同時に10以上のコネクションを張ると契約違反になるようにした。これがまた明らかになったものだから、いま揉めている最中である。

 この問題はユーザだけでなく、他のWebサーバをはじめとしたNT用サーバ製品を開発販売しているソフト会社(たとえばNetscape)にも深刻な影響を及ぼす。なぜなら彼らは、NT ServerでもNT Workstationでもどちらでも動くサーバソフトを開発して販売している。MSがNT Workstationでは動かせないように縛りをかけたとなると、NT Serverで動かすしかない。ところがNT ServerにはMSのIISやらのサーバソフトがバンドルされるので、事実上他社の参入を阻害することになる。そこでNTでビジネスをやっているいろんな会社が、独禁法の調査対象にするよう司法省に要請しようかという動きが出始めていた。その具体的な動きのひとつが、先に述べたNetscapeによる告発だったのである。

 司法省の出方はまだわからない。仮に動き出してもいままでの例からして、具体的にMSの不正だといわれる商慣行を止められる保証はない。しかし重要な問題を提起したことはたしかだ。それは、特定企業とOSに縛られると、ある日突然値上げされても逆らえないし、交渉の余地が限られるという問題である。口は悪いが、ヤーサンが人をシャブづけにするのと一緒だし、逃げ場がなくて道連れになりかねないのだ。それで昨今オープンな標準でシステムを構築する重要性が声高に叫ばれているわけだ。ま、消費税みたいなもんです。制度さえ導入して縛ってしまえば、あとは5%でもなんでもやれるようになるからね。また脱線するけどまじめな話、いまの日本の財政赤字やらあれこれを考えると2000年までに消費税15%くらいまでいかないと、財政がもたないかもしれませんね(冷や汗)。

 MSもWebのサーバやブラウザソフトはいまはタダ配りしているが、どこかで金を儲けなければならない。実際NT Serverと組み合わせて使うBackOfficeは高いし、NT ServerもNT Workstationより高い。なんとか利益を確保したいのだ。このライセンス問題は、タダ配りしているサーバをNT Serverにバンドルし、他社を排除することで確実に金にしたいと考えたほうが理解しやすいと思うが、いかがか。MS幹部のSteve Ballmerへのインタビューはこの問題に触れているので、目を通しておきたい。

 以上、MSの抱える問題はユーザにも大きな影響を与えることでもあり、今後の動向を注目しておこう。NT4.0の例をみてもわかるように、ユーザも必要なら抗議やこうすべきという声を上げることも重要である。そうしないと(MSに限らないが)企業は、自社の勝手な都合をユーザに押し付けてくるからである。

[引用終了]


ウィリアム・ザックマン事件(1996/07/23記録)
事件の時系列からいえば、'92年に起きたこの事件はいささか古い話ですが、記録順ということで、ここに配置します。

 この事件は、「PC Week」「PC Magazine」に連載をもっていた人気コラムニスト、ウィリアム・ザックマンが、大広告主であるマイクロソフトに好意的な記事を書くように編集部から圧力をかけられ、自由が保てないとして連載を止めた事件である。

 当時はマイクロソフトがWindows 3.1を強力に推進していた時期で、反MSというより親IBMともいえるザックマン氏が一貫してWindows 3.1の問題を指摘し、OS/2を擁護していたことがマイクロソフトは気に入らず、「PC Week」編集部に圧力をかけ、さらに編集部がザックマン氏に圧力をかけたとされる。

 もちろんマイクロソフトは圧力は否定したが、ザックマン氏のコラムが不快であり、編集部と「話し合った」のは認めた。この「話し合い」が圧力にあたるかどうかは、当然ながら意見が分かれる。マイクロソフトと編集部は圧力ではないと主張した。しかしながらザックマン氏は圧力であるとし、自宅にマイクロソフト社員から、Windowsに好意的なコラムを書いてもらえると聞いたので、Windows 3.1について再教育したいという電話があったことが明らかにされている(ここでも証拠を残さないように電話を使っていることがわかる。こういう場合、名前は明らかにしないのがマイクロソフト流)。

 当時この事件を「ワシントン・ポスト」も取り上げた関係で、マイクロソフトのダーティな面やパソコン雑誌との癒着が、一般の人にもかなり知られるようになった。また似たような経験をもつ人達からザックマン氏に、よくぞ明らかにしてくれたと支援の声が多く上がった事実がある。

 なお、この事件、アメリカではだいぶ話題になったが、日本のパソコン雑誌で記事にしたのは、ぼくが知る限り「ASAHIパソコン」だけである。図書館などでバックナンバーが見られるなら、「ASAHIパソコン」'92年11月15日号、山本直樹「あるコラムニストが辞任をした理由」を参照してください。


IISのベンチマーク問題(1996/07/23記録)
Microsoftは、同社のWebサーバソフトIISのベンチマークテストの結果を公開したが、これがテスト環境や比較の不公正さ、不透明さのために、同社に有利な数字を作っているというので、問題になった。

 MSが出した結果は、ここを見てください。

 この結果は間違っているというNetscapeの反論はここです。

 NovellもMSの結果は間違っているとここで反論しています。

 笑えるのは、MSとNovellのベンチマークテストを行い、レポートを出したのは同じ会社であることです。こういう調査会社は金を積まれるとそこに有利な調査レポートを出すことがありますが、これもそうなのでしょうか。それとも最初にMS向けにテストを行ったあと、Novellの抗議で公平な条件でやったらNovellに有利な結果が出たのでしょうか。

 ベンチマークの数字は、ちょっとした条件で大きく変わります。若干の目安にはしても、あまり信用するのは考えものです。競争が激しい分野では、売るためならどんな嘘の数字でも、さも権威のある数字のように流すことがありますし(これには新聞、雑誌や調査会社が協力します)、実際、それに引っかかるユーザは多いので、ベンチマークの数字を一人歩きさせるのは、企業にとって好都合なのです。気をつけましょう。


美味しんぼ圧力事件(1996/06/21記録)
小学館の人気コミック誌、ビッグコミックスピリッツに連載中の「美味しんぼ」。スピリッツの「6.10, No.25」号に掲載された第358話「マルチメディアと食文化」が問題になった(どの号だったかなどの情報は、osada@st.rim.or.jpさんほか何人かの方がメールで教えてくださいました。ありがとうございます)

 この中で「Windows95はMacintosh89だ」とか、MacintoshユーザがWindows 95の出来の悪さをからかう台詞が出てきたのをご記憶だろうか。いきなりパソコンの話になって、主人公山岡がWindows 95をけなしたりするすごい展開だった。あれに出てくる悪口は欧米では一般に流布している話であるし、かなりの真実を含んだものでもある。まあ、お笑いとしてげらげら笑っていればいいのだが、笑えずに激怒した人物がいる。

 ご想像通り、マイクロソフトの成毛社長が例によって激怒。色校正も終わっていた広告を急遽引き上げることにしたという。ちょっとしたことで暴発する社長とそれを諌めることもできず、使い走りで圧力をかけに走る広報。相変わらずの体質と猿芝居。やればやるほどメッキが剥げてマイクロソフトのダーティな本質が露呈されるのに、一体、何を考えているのか。広報という仕事を勘違いしているのではないか。こんな社長を野放しにしておくのは、会社としても危険ではないか。こういうことが改まらないと、まともな会社と思われなくなると思うのだが。

 本社から数字を求められている立場で、ちょっと悪いとクビにされかねないから、成毛社長もプレッシャーがすごいのだろう。当たり散らすか、オカマバーで中村満と暴れるか、秘書あたりとの不倫に逃げ込むか、そういうところにしか逃げ場が残ってないとしたらかわいそうではある。しかし、それもこれも自らが招いたことだし、大会社の社長としては神経過敏で、やはり地位に器が追いついていないという感じを強くもつ。だから心に余裕がなくちょっとしたことで激怒してしまうわけで、自業自得ではあるが、かわいそうな人だともいえる。

 いずれにせよ、「へえ、マイクロソフトって、漫画でちょっとからかわれたくらいで、広告を引き上げて圧力にするような会社なんだ」だと、マイクロソフトの体質が嗤いの対象になったことは確実。イメージダウンになるのに、なぜ続けるのか。

 同じ穴のムジナのアスキーやソフトバンクはじめ業界の雑誌に対するのと同じノリで、一般出版社にも圧力をかけはじめるというのは、頭がいいのか悪いのかわからないが、MSKK大丈夫かなって、心ある人はみな心配している。

補足(1996/07/23)

 この件について、根も葉もないデタラメな噂とアホなことをいっている輩がいますが、私は小学館のスピリッツ編集部には事件後すぐに確認をとっています。広告をそんなに出していないから圧力になってないなどとトンチンカンなことをいってる人がいますが、出していた広告のことなどだれも前提にしていないのです。スピリッツに出す予定の広告を色校正まで終わった段階で引き上げたと書いているのに、日本語が読めないのです。少しは反省して小学校の国語からやり直すべきでしょう。
 また、成毛社長がやっていないといったと言質を取ったと喜び、根も葉もない憶測、噂だ、名誉毀損になるぞ、反省しろという輩がいますが、この言説のほうが大きな問題を抱え込むことになる間違いであることに気づいていない有様です。非常に面白い現象といえます。
 そもそも加害者側が罪を認めることはなかなかなく、しかし一方で被害者側にはちゃんと傷が残っているものです。それはスピリッツ編集部がよく知っています。そして成毛社長は、電脳蔓陀羅事件のときも、最初は圧力などかけてないと言い張っていましたが、矛盾を追及され、新聞に事件が明るみになってから何度も理由をでっち上げて非常にあわてふためいた人物です。そのときの取り乱し方は、事件当時に私は古川会長からも聞いています。概略はこちらをお読み下さい。スピリッツ編集部の人間は、MSKKの子供じみた行動に憤慨しつつもあきれていたことを付け加えておきます。これは電脳蔓陀羅事件のときの、「The BASIC」編集部でも同様でした。

 結論をいえば、根も葉もないデタラメな噂を流しているとする輩のほうが、取材も裏付けもとらず、根も葉もないデタラメを流している連中なのです。こういう程度の低い連中はパソコン業界にはうじゃうじゃいます。そしてこういう程度の低い取り巻きがいるからこそ、社会的な立場を自覚しなければならないにもかかわらず、マイクロソフトはよくなっていかないのです。マイクロソフトがよくならなければ、MS製品を使う日本のパソコン業界やパソコンを使う人たちの不幸につながります。私とそういう輩とどちらに信頼をおくかは好き好きですが、私が何の裏付けもなく、無根拠で嘘を謀略的に書き飛ばしているわけではない点は、お間違えなきように。


NIFTY-ServeのFMS(1996/06/15記録)

 電脳蔓陀羅事件のころ、当時のFMS(マイクロソフトフォーラム)でマイクロソフトに不利な発言があって、それをシスオペが削除して言論弾圧だと大騒ぎになった事件。

 この事件があってムードが高まっていたとき、ぼくが電脳蔓陀羅事件をASAHIネットや日経MIXで明らかにした('93年10月)ものだから、FMSはもっと大騒ぎに。その後まもなく、FMSは消滅し、当時の発言記録はNIFTYではみることができなくなった。証拠隠滅工作ではと疑う人もいた。もちろん、ASAHIネットのjouwa会議には記録が残っているし、日経MIXのbooks会議には、当時の記録がまだ残っているはず。

 追記(1996/11/15): FMSの件で、元FMSのシスオペから、事実関係が正確ではないという指摘があったので、メールの該当部分をそのまま掲載します。

正確でない部分は2点あります。 1点目は、発言削除についてです。 ホームページ上では、シスオペが発言削除して、となっていますが、 実際には削除を行っていません。該当発言の発言者に、誹謗中傷に なりかねない発言である、誹謗中傷となる発言は削除することもあ る、というメールを送ったのが発端です。 発言者は過去にも同様の発言があり注意のメールは送ってあったた め、警告の意味を込めて多少強いトーンのメールであったと記憶し ています。 当時のFMSでの発言に関しては、自己紹介等で(MSの)ユーザーIDが 書かれていた発言以外は一切削除していませんでした。MSKKに対 する発言では、かなりグレーな発言もありましたが、それもユー ザーの声であるというシスオペの判断で、削除は行いませんでした。 また、MSKKから発言削除要請は、一切ありませんでした。 2点目は時系列についてです。 私の記憶では、いわゆる電脳曼陀羅事件でFMSが爆発している最中 に発生しています。 もっとも、それ以前にMSKKやFMSに対する不満で、中村さんがおっ しゃるところの、ムードが高まった状態ではありました。その中で、 件の電脳曼陀羅事件、一気に爆発しました。

 当時のMSKKはFMSの運営を委託しておきながら、シスオペから出された質問への回答もまったくなく、まともな情報提供もなされていなかった由。見かねたMSKKのある社員が個人的(つまり会社の正規の仕事ではない)に支援していたが、その人もMSKKを辞めたとのこと。FMS事件のドタバタの間隙をついて、フォーラム運営請負会社ブルースター(坂本mickがやってるとこ)が横取りする形で、MSKKのフォーラムの運営をやるようになったわけです。
 NIFTYで20億円以上稼いでいるといわれたブルスターも、最近どうなんでしょうね。一説によるとインターネットに押されてかつての半分に売り上げが落ちたともいわれていますが。なぜなら、NIFTYより、インターネットのほうが世界が広いから、情報が早いし、豊富だし、最新ソフトもどんどんダウンロードもできますからね。ようやく井の中の蛙にさせられていたNIFTYな人達も、マインドコントロールが解けて別の世界があることに気付き始めたのでしょうかね。インターネットは、ほとんどは情報は無料の世界だから、NIFTYのフォーラムみたいに、会員が書いた分が、ろくに働いてもいないシスオペの収入につながるといったようなことはありませんしね(いい記事を書いた会員に金が支払われる仕組ならまだ納得できますが、事情を知らない会員が熱心にフォーラムを盛り上げても、シスオペがそれを搾取する世界がよくありましたから)。

 追記(1998/08/04): 事件の当事者だというKimio Itohという人から以下のメールをもらいました。上にある元シスオペのメールに対する反論です。内容の真偽に関しては一切関知しませんが、記録としてここに掲載しておきます。

かつてのNIFTY-Serve 旧FMSの件での弾圧事件ですが、
火種となった一方の当事者として旧SYSOPのメール内容には問題が
有ると感じたのでメールさせていただきます。
(ここのホームページの存在には長い事気がついていなかった。)

元々は私の発言にWin3.1日本語版が遅いのは・・・というくだり
が有った事です。
「中傷誹謗」に相当すると考えられる発言はありません。

この発言に対し、SYSOPが極めて高圧的な削除メールを送ってき
たことに私が強く反応したのですが、
SYSOPのメールに有るような「前に一度警告している」という事
実は存在しません。

また、旧FMSのSYSOPはMSユーザIDが含まれていない発言でも結
構削除を行っており、彼のメールの内容は事実に反していると
しか考えられません。

FMSでのログが残っているそうですので検証できるとおもいます
が、SYSOPは自分に有利なように他人および自分の過去の発言を
故意に歪曲して解釈、引用して発言しています。

この事で沸いている時(実際には私とFMS SYSOPとの係争であり、
MSKKの言論弾圧とは関係ありません。)
電脳曼荼羅事件に関する書き込みが発生し、話がごっちゃに
なってしまったのだと思います。


NIFTY-ServeのSMS(1996/06/15記録)

 つい最近、SMS(マイクロソフトステーション)で起きた事件。日本オラクルの人がマイクロソフトのデータベースソフトAccessの問題を指摘したのが気に入らなかったのか、シスオペが削除して大騒ぎに。問題点を指摘するとその発言を削除するというのは、明らかにマイクロソフトファシズムの臭いがする。シスオペが謝罪したことはしたそうだが、騒ぎになったから謝罪にしたのだし、口先だけで体質が変わってないのは、これまでの事例をみても明らか。

 それにしても、Oracleなどのもっと上位のデータベースでやらなければならないようなことを、Accessでやろうとして苦労している連中がいかに多いことか。技術をちゃんと勉強すれば、あ、これはAccessでいけそう。これはもうお手上げといった見極めができそうなものだが、MSの宣伝にだまされているんだろうねえ。

 追記(1996/07/02): 上に述べたオラクルの池田氏から、事実解釈に一部誤解があるようだという指摘を受けました。上の文では、競合企業の日本オラクル社員の発言だからAccessの問題を指摘したのが許せず削除したと読めますが、順序が逆とのこと。時間経過からして、まずMSKKが過剰反応して問題が大きくなり、そこで競合企業という言い方を持ち出したのが妥当とのこと。すなわち、MSKKのサポート体制の問題やAccessの問題を指摘した発言を削除したことで、騒ぎが大きくなり、後づけの理由として競合企業うんぬんを持ち出したみるのが妥当とのことです。

 これはぼくにはよくわかります。電脳蔓陀羅事件の項でも述べたように、あとから苦し紛れに理由をつけるのがいつものことだからです。

 削除理由は、競合企業社員がマイクロソフトの問題を指摘するのは、マイクロソフトへの営業妨害ともとれるから、それを見逃すのは管理責任を問われるからそうです。なかなか楽しい理由です。

 なお、シスオペが謝罪後、池田氏は削除された書き込みを復活しているそうです。果たして、削除するに値するものだったかどうかは、NIFTYでご覧になってみなさんで判断してください。ちなみにSMSのシスオペの森川氏は元MSKKの社員で、運営はインフォビジョンという会社でやっています。


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